「家族とiCloudを共有していて、写真が混ざってしまう…」
「仕事用とプライベート用でiCloudを分けたい!」
こんな悩みを抱えていませんか?
iPhoneを購入した時に家族のApple IDを使ってしまった、または便利だからと同じアカウントを共有していたら、プライバシーの問題や容量不足に直面することがあります。写真やメモが他の人と共有されてしまうのは困りますよね。
この記事では、iCloudを別々にする様々な方法から、データの移行手順、トラブル解決まで詳しく解説します。あなたの状況に合った最適な方法を見つけて、快適なiCloud環境を作りましょう!
iCloudを「別にする」とは?

よくあるパターン
iCloudを別にしたい状況は、人それぞれです。
パターン1:家族と共有しているApple IDを分けたい
- 親のApple IDを子供が使っている
- 夫婦で同じApple IDを共有
- 写真やメモが混ざってしまう
パターン2:複数デバイスで別々のiCloudを使いたい
- iPhoneとiPadで異なるApple ID
- 仕事用とプライベート用で分ける
パターン3:特定のサービスだけ別にしたい
- 写真は共有したくないが、App Storeは同じでOK
- iCloud Driveだけ別のアカウント
パターン4:ファミリー共有に切り替えたい
- 購入コンテンツは共有したい
- でも、iCloudストレージは別々に
Apple IDとiCloudの関係
Apple ID:
Appleサービス全体で使うアカウント(メールアドレス+パスワード)
iCloud:
Apple IDに紐づくクラウドサービスの一つ
重要なポイント:
- 1つのApple IDに対して1つのiCloud
- Apple IDを変えれば、iCloudも自動的に別になる
- サービスごとに部分的に分けることも可能
完全に別にする vs 一部だけ別にする
完全に別:
- 新しいApple IDを作成
- すべてのサービスが別々に
- プライバシーは完全に保護
一部だけ別:
- 同じApple IDを使い続ける
- 写真だけオフ、iCloud Driveだけオフなど
- 柔軟な使い分けが可能
【重要】始める前の準備
バックアップを必ず取る
Apple IDを変更すると、データが消える可能性があります。
バックアップ方法:
1. iCloudバックアップ:
- 設定→Apple ID→iCloud→「iCloudバックアップ」
- 「今すぐバックアップを作成」
2. パソコンへのバックアップ:
Mac:
- Finderで「すべてのデータをこのMacにバックアップ」
- 「ローカルのバックアップを暗号化」にチェック
Windows:
- iTunesで「このコンピュータ」を選択
- 「iPhoneのバックアップを暗号化」にチェック
3. 写真を別途保存:
- パソコンに写真をダウンロード
- Googleフォトなどにもバックアップ
必要な情報を確認
メモしておくべき情報:
- 現在のApple ID(メールアドレス)
- パスワード
- セキュリティ質問の答え
- 2ファクタ認証の設定
- 購入したアプリやコンテンツのリスト
新しいApple IDの準備
作成方法:
- appleid.apple.comにアクセス
- 「Apple IDを作成」をクリック
- 必要情報を入力:
- 名前
- 生年月日
- メールアドレス(新しいもの)
- パスワード
- セキュリティ質問
- メールで確認コードを受け取る
- コードを入力して完了
おすすめのメールアドレス:
- @icloud.comを新規作成
- Gmailなどのフリーメール
- 自分専用のメールアドレス
完全に別のApple IDにする方法
iPhoneで別のApple IDに切り替える
手順:
- 現在のApple IDからサインアウト a. 設定→一番上の自分の名前 b. 一番下までスクロール c. 「サインアウト」をタップ d. パスワードを入力 e. データを残すか選択:
- 「iPhoneに残す」を選択(重要!)
- 連絡先、カレンダー、Safari、リマインダーなど
- チェックを入れるとデータが残る
- 新しいApple IDでサインイン a. 設定→「iPhoneにサインイン」 b. 新しいApple IDを入力 c. パスワードを入力 d. 2ファクタ認証のコードを入力(設定している場合) e. 「結合」または「結合しない」を選択
- 結合:既存のデータを新しいiCloudにアップロード
- 結合しない:既存データは端末に残るが同期されない
- iCloud設定を確認 a. 設定→Apple ID→「iCloud」 b. 同期したい項目をオンにする
- 写真
- iCloud Drive
- 連絡先
- カレンダー
- など
- 動作確認
- 新しいiCloudが機能しているか確認
- 写真が同期されているか
- 連絡先が表示されるか
注意点:
- App Storeの購入履歴は前のApple IDに紐づく
- アプリの再ダウンロードには前のApple IDが必要な場合も
- LINEなど、一部アプリは再ログインが必要
複数デバイスで別々のApple IDを使う
例:iPhoneとiPadで別のApple ID
iPhoneの設定:
- プライベート用のApple ID(A)でサインイン
- iCloud写真、連絡先などをオン
iPadの設定:
- 仕事用のApple ID(B)でサインイン
- 必要なサービスだけオン
メリット:
- 用途別に完全分離
- プライバシーが守られる
- それぞれに最適な設定
デメリット:
- データは共有されない
- 購入コンテンツも別々
- 管理がやや複雑
サービスごとに別々にする方法
写真だけ同期をオフにする
家族と同じApple IDでも、写真だけは共有したくない場合。
手順:
- 設定→Apple ID→「iCloud」
- 「写真」をタップ
- 「このiPhoneを同期」をオフ
- 確認画面で「iPhoneから削除」または「写真とビデオをダウンロード」を選択
- ダウンロード:iPhone本体に写真が残る
- 削除:iCloudに残り、iPhoneからは消える
- 以降、写真は同期されない
結果:
- 写真はiPhoneローカルのみに保存
- 他のデバイスとは共有されない
- 他のiCloudサービス(メール、連絡先など)は継続使用
iCloud Driveだけ別にする
手順:
- 設定→Apple ID→「iCloud」
- 「iCloud Drive」をオフ
- 確認画面で対応
代替案:
- OneDriveやDropboxを使う
- 仕事用ファイルは別のクラウドサービスへ
App Storeだけ別のApple IDを使う
設定方法:
- 設定→一番上の名前→「メディアと購入」
- 「アカウントを表示」をタップ
- 「サインアウト」
- 別のApple IDでサインイン
結果:
- iCloudは元のApple ID
- App Storeでの購入だけ別のApple ID
- 家族のApple IDで購入したアプリも使える
注意:
アプリのアップデートには、購入時のApple IDが必要です。
ファミリー共有を活用する方法
ファミリー共有とは
ファミリー共有の特徴:
共有されるもの:
- App Storeの購入アプリ
- Apple Music(ファミリープラン)
- iCloudストレージ(有料プラン)
- Apple TV+などのサブスクリプション
- 位置情報(Find Myアプリ)
共有されないもの:
- 写真
- メール
- メッセージ
- メモ
- 個人のiCloudバックアップ
メリット:
- 各自が自分のApple IDを持てる
- プライバシーは完全に保護
- 購入コンテンツは家族で共有
- 管理者が子供のアカウントを管理可能
ファミリー共有の設定
手順(管理者側):
- 設定→自分の名前→「ファミリー共有」
- 「ファミリーを設定」または「メンバーを追加」
- 招待方法を選択:
- メッセージで送信
- 直接招待
- お子様用アカウントを作成
- 画面の指示に従って進める
- 共有内容を選択
手順(参加者側):
- 招待を受け取る(メッセージまたはメール)
- 「参加する」をタップ
- 自分のApple IDでサインイン
- ファミリーに参加完了
iCloudストレージの共有
iCloud+のファミリープラン:
200GB:月額400円
- 最大5人で共有
- 各自のストレージは独立
2TB:月額1,300円
- 最大5人で共有
- 大容量でも安心
設定方法:
- 設定→Apple ID→「iCloud」
- 「ストレージを管理」→「ファミリーと共有」
- 「ストレージプランをアップグレード」
- プランを選択
- 購入後、自動的に家族と共有される
メリット:
- 各自が独立したiCloudを持つ
- 容量は共有だが、データは完全分離
- 費用を分担できる
データの移行方法
写真の移行
古いiCloudから新しいiCloudへ:
方法1:パソコン経由
- 古いApple IDでiCloud.comにログイン
- 写真をすべて選択してダウンロード
- パソコンに保存
- 新しいApple IDでiCloud.comにログイン
- 写真をアップロード
方法2:iPhoneで直接
- 古いApple IDの時に、設定→iCloud→写真→「写真とビデオをダウンロード」
- すべてダウンロード完了を待つ
- 新しいApple IDでサインイン
- 設定→iCloud→写真→「このiPhoneを同期」をオン
- Wi-Fi接続中に自動アップロード
連絡先の移行
手順:
- 古いApple IDでiCloud.comにログイン
- 「連絡先」を開く
- 左下の歯車アイコン→「すべてを選択」
- 歯車アイコン→「vCardを書き出す」
- ファイルをダウンロード
- 新しいApple IDでiCloud.comにログイン
- 「連絡先」を開く
- 歯車アイコン→「vCardを読み込む」
- 先ほどのファイルを選択
- インポート完了
カレンダーの移行
手順:
- 古いApple IDでカレンダーを開く
- 各カレンダーを共有設定
- 新しいApple IDのメールアドレスに招待
- 新しいApple IDで招待を承諾
- カレンダーが共有される
または:
- 各カレンダーを書き出し(.icsファイル)
- 新しいApple IDでインポート
トラブルシューティング

サインアウトできない
原因:「iPhoneを探す」がオン
解決法:
- 設定→Apple ID→「探す」
- 「iPhoneを探す」をオフ
- パスワードを入力
- 再度サインアウトを試す
原因:スクリーンタイムの制限
解決法:
- 設定→「スクリーンタイム」
- 「コンテンツとプライバシーの制限」
- 「アカウントの変更」を「許可」に
- サインアウトを再試行
データが消えてしまった
対処法:
- 慌てない
- データは元のiCloudに残っている可能性
- 元のApple IDで確認
- iCloud.comにログイン
- データがあるか確認
- バックアップから復元
- パソコンのバックアップから復元
- または、元のApple IDに戻す
- サポートに連絡
- Appleサポート:0120-277-535
アプリが使えなくなった
原因:購入時のApple IDが異なる
解決法:
- App Storeで該当アプリを検索
- 「入手」ボタンをタップ
- 購入時のApple IDとパスワードを入力
- アプリがアップデートまたは再ダウンロードされる
または:
- アプリを完全削除
- 新しいApple IDで再ダウンロード
- アプリ内データは消える場合があるので注意
よくある質問Q&A
Q1. 家族とApple IDを共有しているが、別にすべき?
回答:
はい、別々にすることを強くおすすめします。
理由:
- プライバシーの保護
- セキュリティの向上
- 個別のバックアップが可能
- アプリの購入履歴が混ざらない
解決策:
- 各自が自分のApple IDを作成
- ファミリー共有で必要なものだけ共有
Q2. 別にしたら、過去の購入アプリはどうなる?
回答:
購入したApple IDで引き続き使えます。
対処法:
- App Storeで別のApple IDを使う設定
- または、ファミリー共有で共有
Q3. 写真だけ別にしたい場合の最良の方法は?
回答:
iCloud写真の同期をオフにする。
手順:
- 設定→iCloud→写真→オフ
- 写真はiPhone本体に保存
- GoogleフォトやAmazon Photosなど別サービスへバックアップ
Q4. 子供のApple IDはどう作る?
回答:
ファミリー共有で「お子様用アカウント」を作成。
メリット:
- 13歳未満でもApple IDが作れる
- 保護者が管理できる
- スクリーンタイムで制限可能
作成方法:
- ファミリー共有設定→「メンバーを追加」
- 「お子様用アカウントを作成」
- 子供の情報を入力
Q5. 別にした後、元に戻せる?
回答:
技術的には可能ですが、おすすめしません。
理由:
- データの混乱が生じる
- バックアップが複雑に
- プライバシー問題が再発
どうしても戻す場合:
- 現在のApple IDからサインアウト
- 元のApple IDでサインイン
- データが混ざることを承知の上で
まとめ:自分に合った方法でiCloudを分けよう
iCloudを別々にする方法は、状況に応じて様々です。
この記事のポイント:
- 完全に別のApple IDにする方法
- サービスごとに部分的に分ける方法
- ファミリー共有で賢く管理する方法
- データ移行の具体的手順
- トラブル時の対処法
あなたの状況別おすすめ:
家族と共有している場合:
→ 各自が新しいApple IDを作成+ファミリー共有
仕事とプライベート分けたい:
→ 写真やiCloud Driveだけオフ、または2台のデバイスで別ID
子供用のiPhone:
→ お子様用アカウントを作成+保護者管理
購入コンテンツは共有したい:
→ ファミリー共有が最適
今すぐやるべきこと:
- ✓ バックアップを必ず取る
- ✓ 新しいApple IDを作成(必要な場合)
- ✓ データ移行の計画を立てる
- ✓ ファミリー共有を検討
- ✓ 段階的に切り替える
注意点:
- データのバックアップは必須
- 一度に全部変えず、段階的に
- 不安な場合はAppleサポートに相談
- 重要なデータは複数の場所に保存
プライバシーを守りながら、便利にAppleサービスを使うために、あなたに最適な方法を選んでください。
この記事を参考に、快適で安全なiCloud環境を作りましょう!
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