iPhoneやiPadで「iCloudとの同期一時停止」「保存停止中」というメッセージが表示されて、写真やデータのバックアップが止まってしまった経験はありませんか?
大切なデータをiCloudで守っているはずなのに、同期が止まっていると知ったら不安になりますよね。でも、慌てなくて大丈夫です。
この記事では、iCloudのバックアップや同期が停止する主な原因と、それぞれの状況に応じた具体的な解決方法を分かりやすく解説します。ほとんどの場合、簡単な操作で同期を再開できますよ。
iCloud保存停止中とは?基本を理解しよう

保存停止中が意味すること
「iCloud保存停止中」や「iCloudとの同期一時停止」というメッセージは、iPhoneやiPadからiCloudへのデータのアップロード(保存)やダウンロード(同期)が一時的に止まっている状態を指します。
この状態になると、以下のデータの同期ができなくなります。
- 写真やビデオ
- 連絡先
- カレンダー
- メモ
- メッセージ(iMessage)
- Safari のブックマーク
- アプリのデータ
- バックアップ全体
一時停止は自動的に起こる
iCloudの同期が一時停止するのは、iPhoneが最適な条件でバックアップできないと判断したときに自動的に起こります。これは、データの損失を防ぐための保護機能でもあるんです。
多くの場合、条件が整えば自動的に再開しますが、長時間停止したままの場合は手動で対処する必要があります。
iCloud保存停止中になる主な原因
iCloudの同期が止まる原因はいくつかあります。まずは、どれに当てはまるか確認してみましょう。
1. iCloudストレージ容量が不足している
最も多い原因がこれです。無料プランの5GBでは、写真や動画が増えるとすぐに容量がいっぱいになってしまいます。
確認方法:
「設定」→「Apple ID(自分の名前)」→「iCloud」→「ストレージを管理」
容量がいっぱい、またはほぼいっぱいの状態だと、新しいデータを保存できず同期が停止します。
2. Wi-Fi接続が不安定・未接続
iCloudのバックアップは基本的にWi-Fi環境でのみ実行されます。モバイルデータ通信では自動バックアップされません。
こんな状況で起こりやすい:
- Wi-Fiの電波が弱い
- 公衆Wi-Fiなど不安定な回線を使用
- モバイルデータ通信のみで使用
- Wi-Fiに接続していない
3. 低電力モードが有効になっている
バッテリー残量が少ないと自動的に有効になる「低電力モード」では、バッテリーを節約するためにiCloudの同期が一時停止されます。
4. 省データモードが有効
iOS 13以降に搭載された「省データモード」がオンになっていると、データ通信量を抑えるためにiCloudの同期が制限されます。
5. バッテリー残量が不足
バッテリー残量が20%以下になると、データ損失を防ぐためにiCloudへのアップロードが自動的に停止されることがあります。
6. Apple IDのサインイン状態に問題
Apple IDからサインアウトしている、パスワードが変更された、アカウントが一時的に無効になっているなどの理由で同期が止まります。
7. iCloudサーバーの障害
Appleのサーバー側でメンテナンスや障害が発生している場合、すべてのユーザーで同期が停止します。
8. iOSバージョンが古い
古いバージョンのiOSを使っていると、iCloudとの互換性の問題で同期がうまくいかないことがあります。
9. デバイス本体のストレージ不足
iCloudの容量は十分でも、iPhone本体のストレージが不足していると、一時的なデータ処理ができず同期が止まります。
iCloud保存停止中を解決する方法
それでは、具体的な解決方法を見ていきましょう。簡単な方法から順に試していくのがおすすめです。
基本対処法1:デバイスを再起動する
一時的な不具合が原因の場合、再起動で解決することが多いです。
iPhone X以降の再起動方法:
- 音量ボタン(上または下)とサイドボタンを同時に長押し
- 電源オフスライダーが表示されたらスライド
- 30秒ほど待つ
- サイドボタンを長押ししてAppleロゴが表示されるまで待つ
iPhone 8、7、6の再起動方法:
- サイドボタン(または上部ボタン)を長押し
- 電源オフスライダーをスライド
- 30秒ほど待つ
- サイドボタンを長押ししてAppleロゴが表示されるまで待つ
基本対処法2:Wi-Fi接続を確認する
手順:
- 「設定」→「Wi-Fi」を開く
- Wi-Fiがオンになっているか確認
- 接続中のネットワーク名の横に✓マークがあるか確認
- 電波の強さを確認(アンテナマークが多いほど良い)
Wi-Fi接続が不安定な場合:
- ルーターの近くに移動する
- ルーターを再起動する
- 別のWi-Fiネットワークに接続してみる
- モバイルルーターを使っている場合は家庭用Wi-Fiを試す
基本対処法3:手動で同期を再開する
iCloud写真の場合、手動で同期を再開できます。
手順:
- 「設定」→「Apple ID」→「iCloud」→「写真」を開く
- 下にスクロールして「○○項目をアップロード中」を確認
- 「一時停止」の横にある「再開」をタップ
これで写真の同期が再開されます。
ストレージ容量が不足している場合の対処法
方法1:iCloudストレージの容量を増やす
有料プランにアップグレード:
- 「設定」→「Apple ID」→「iCloud」→「ストレージを管理」
- 「ストレージプランを変更」をタップ
- プランを選択して「購入する」
料金プラン(2025年現在):
- 50GB:月額130円
- 200GB:月額400円
- 2TB:月額1,300円
- 6TB:月額3,900円
- 12TB:月額7,800円
方法2:不要なデータを削除する
有料プランにしたくない場合は、不要なデータを削除してストレージを確保しましょう。
写真や動画を削除:
- 「設定」→「Apple ID」→「iCloud」→「ストレージを管理」
- 「写真」をタップ
- 削除したい写真やビデオを選択して削除
古いバックアップを削除:
- 「設定」→「Apple ID」→「iCloud」→「ストレージを管理」
- 「バックアップ」をタップ
- 使っていないデバイスのバックアップを削除
不要なアプリのデータを削除:
- 「ストレージを管理」画面で容量を多く使っているアプリを確認
- 不要なアプリのデータをオフにする
低電力モードを解除する
手順:
- 「設定」→「バッテリー」を開く
- 「低電力モード」をオフにする
または、コントロールセンターからバッテリーアイコンをタップしてオフにすることもできます。
注意点:
低電力モードをオフにするとバッテリーの消費が早くなるので、充電しながら同期することをおすすめします。
省データモードを解除する
手順:
- 「設定」→「モバイル通信」→「通信のオプション」
- 「省データモード」をオフにする
Wi-Fi接続の場合:
- 「設定」→「Wi-Fi」
- 接続中のネットワークの(i)ボタンをタップ
- 「省データモード」をオフにする
Apple IDのサインイン状態を確認する
サインアウトして再サインインする方法:
- 「設定」→「Apple ID(自分の名前)」を開く
- 下にスクロールして「サインアウト」をタップ
- Apple IDのパスワードを入力
- デバイスに残すデータを選択(通常は選択不要)
- 「サインアウト」をタップ
- 数分待ってから「設定」を開く
- 「iPhoneにサインイン」をタップしてサインイン
注意点:
サインアウトすると一時的にiCloudのデータにアクセスできなくなります。必ずWi-Fi環境で実施してください。
iOSを最新バージョンにアップデートする
手順:
- 「設定」→「一般」→「ソフトウェアアップデート」
- 新しいアップデートがあれば「ダウンロードしてインストール」をタップ
- 指示に従ってアップデート
注意点:
- Wi-Fi接続が必要
- バッテリー残量が50%以上、または充電中であること
- アップデートには時間がかかることがある
ネットワーク設定をリセットする
Wi-Fiの接続に問題がある場合、ネットワーク設定をリセットすると解決することがあります。
手順:
- 「設定」→「一般」→「転送またはiPhoneをリセット」
- 「リセット」をタップ
- 「ネットワーク設定をリセット」を選択
- パスコードを入力
- 確認画面で「ネットワーク設定をリセット」をタップ
注意点:
Wi-Fiのパスワードを再入力する必要があるので、事前にパスワードを確認しておきましょう。
iCloudサーバーの状態を確認する方法

自分の設定に問題がない場合、Appleのサーバー側で障害が発生している可能性があります。
確認手順:
- ブラウザで「Apple システム状況」を検索
- Appleの公式システムステータスページにアクセス
- 「iCloud バックアップ」「iCloud写真」などの項目を確認
表示の見方:
- ✅ 緑色:正常に稼働中
- ⚠️ 黄色:問題が発生中
- ❌ 赤色:サービス停止中
サーバー側の問題の場合は、Appleが復旧するまで待つしかありません。通常は数時間以内に復旧します。
特定のデータだけ同期が止まっている場合
写真やメッセージなど、特定のデータだけが同期されない場合の対処法です。
iCloud写真が同期されない場合
手順:
- 「設定」→「Apple ID」→「iCloud」→「写真」
- 「iCloud写真」がオンになっているか確認
- オフになっていたらオンにする
- 「iPhoneのストレージを最適化」または「オリジナルをダウンロード」を選択
メッセージが同期されない場合
手順:
- 「設定」→「Apple ID」→「iCloud」
- 「iCloudを使用しているApp」の一覧で「メッセージ」を探す
- 「メッセージ」をオンにする
- 「今すぐ同期」をタップ
連絡先が同期されない場合
手順:
- 「設定」→「Apple ID」→「iCloud」
- 「連絡先」をオフにする
- 「iPhoneに残す」を選択
- 数秒待ってから「連絡先」を再びオンにする
よくあるトラブルと追加の対処法
同期が何度も停止する
考えられる原因と対処:
- アプリが多く起動している
- バックグラウンドのアプリを終了する
- デバイスを再起動してメモリをクリア
- 本体ストレージが不足
- 不要なアプリを削除
- キャッシュをクリア
- 大きな動画ファイルを削除
- 特定のアプリが問題を起こしている
- iCloudバックアップの対象アプリを減らす
- 問題のあるアプリを一時的にオフにする
「残り時間を計算中」から進まない
iCloudバックアップで「残り時間を計算中」と表示されたまま進まない場合:
対処法:
- バックアップを一度キャンセル
- デバイスを再起動
- 日付と時刻の設定を確認
- 「設定」→「一般」→「日付と時刻」
- 「自動設定」をオンにする
- 古いバックアップを削除して新しく作成
復元中に一時停止する
新しいiPhoneにiCloudバックアップから復元中に停止してしまう場合:
対処法:
- 充電ケーブルを接続したままにする
- Wi-Fi接続が安定していることを確認
- ルーターの近くで作業する
- デバイスを再起動して復元をやり直す
- 別のWi-Fiネットワークを試す
iCloudバックアップを確実に成功させるコツ
同期の問題を予防するために、以下のポイントを押さえましょう。
定期的なメンテナンス:
- ストレージを定期的にチェック
- 月に1回は容量を確認
- 不要なデータは随時削除
- Wi-Fi環境を整える
- 安定した家庭用Wi-Fiを使用
- 公衆Wi-Fiでのバックアップは避ける
- 充電しながらバックアップ
- 夜間に充電しながら自動バックアップ
- 低電力モードは解除しておく
- iOSを最新に保つ
- アップデートの通知が来たら早めに対応
- バックアップの内容を見直す
- すべてのアプリをバックアップする必要はない
- 大容量のゲームアプリなどはオフにする
まとめ
iCloud保存停止中の原因と解決法について解説しました。
重要なポイント:
- iCloud同期の停止は自動的に起こる保護機能
- 最も多い原因はストレージ容量不足とWi-Fi接続の問題
- ほとんどの場合、簡単な操作で再開できる
- まずはデバイスの再起動とWi-Fi確認から試す
- 定期的なメンテナンスで問題を予防できる
解決の基本手順:
- デバイスを再起動
- Wi-Fi接続を確認
- ストレージ容量を確認
- 低電力モード・省データモードを解除
- Apple IDのサインイン状態を確認
- iOSを最新版にアップデート
iCloudの同期が止まっても、ほとんどの場合は慌てる必要はありません。この記事で紹介した方法を順番に試していけば、多くの問題は解決できます。
それでも解決しない場合は、Appleサポートに問い合わせるのも一つの方法です。大切なデータを守るために、定期的なバックアップの確認を習慣にしてくださいね。

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