「受信トレイがメールでいっぱい!どこに何があるかわからない…」
毎日たくさんのメールが届いて、重要なメールが埋もれてしまう。そんな経験はありませんか?
実は、iCloud Mailには「ルール機能」という便利な自動振り分け機能があります。一度設定すれば、届いたメールを自動的に指定したフォルダに振り分けてくれるんです。
仕事用、プライベート用、ショッピング関連など、メールを自動で整理できれば、重要なメールを見逃すこともなくなります。
この記事では、iCloud Mailで自動振り分けを設定する方法から、便利な活用テクニック、よくあるトラブル対処法まで詳しく解説します。設定は意外と簡単なので、ぜひ試してみてください!
iCloud Mailの自動振り分けとは?

まず、自動振り分け機能について簡単に説明します。
自動振り分けの仕組み
「ルール」という条件を設定することで、その条件に合ったメールを自動的に処理できます。
例:
- 条件:「boss@company.com」からのメール
- アクション:「仕事」フォルダに移動
この設定をすると、上司からメールが届くたびに、自動的に「仕事」フォルダに振り分けられます。
できること
iCloud Mailのルール機能では、こんなことができます。
主なアクション:
- 特定のフォルダに移動
メールを指定したフォルダに自動振り分け - ゴミ箱に移動
不要なメールを自動削除 - 他のアドレスへ転送
重要なメールを別のアドレスにも送信 - 開封済みにする
既読状態に自動変更
重要なポイント
- 設定はiCloud.comから
iPhoneやiPadから直接設定はできません - サーバー側で処理
デバイスの電源が入っていなくても動作します - 最大500個のルール
たくさん作れるので安心です - 反映に時間がかかる
新しいルールは最大15分で有効になります
事前準備:フォルダを作成する
ルールを設定する前に、振り分け先のフォルダを作っておきましょう。
iCloud.comでフォルダを作成
- iCloud.comにアクセス
ブラウザでiCloud.comを開きます - サインイン
Apple IDとパスワードを入力してログインします - メールアプリを開く
「メール」アイコンをクリックします - 新しいフォルダを作成
- 画面左側の「フォルダ」の横にある「+」ボタンをクリック
- フォルダ名を入力します
- Enterキーを押して確定
- 必要なフォルダを作成
振り分け用のフォルダをいくつか作っておきましょう
おすすめのフォルダ構成:
受信
├─ 仕事
├─ プライベート
├─ ショッピング
├─ ニュースレター
├─ SNS通知
└─ その他
フォルダ名の注意点
重要: フォルダ名は半角英数字にすることをおすすめします。
日本語のフォルダ名だと、iPhoneで通知が届かない場合があります。
良い例:
- Work(仕事用)
- Private(プライベート)
- Shopping(ショッピング)
避けた方がいい例:
- 仕事
- プライベート
- ショッピング
もし日本語を使いたい場合は、フォルダ作成後に通知テストを行ってください。
サブフォルダも作れる
フォルダの中にさらにフォルダを作ることもできます。
例:
仕事
├─ 上司
├─ 部下
└─ お客様
ショッピング
├─ Amazon
├─ 楽天
└─ その他
サブフォルダを作る場合は、親フォルダを選択した状態で「+」ボタンをクリックします。
基本的なルールの設定方法
それでは、実際にルールを作成してみましょう。
手順1:ルール設定画面を開く
- iCloud.comにアクセス
すでにログインしている場合は、メールアプリを開きます - 設定を開く
画面左下にある歯車アイコン(⚙️)をクリックします - 「設定」を選択
ドロップダウンメニューから「設定」をクリックします - 「ルール」タブを開く
左側のサイドバーから「ルール」をクリックします
手順2:新しいルールを作成
- 「ルールを追加」をクリック
画面右上にある「+」ボタンまたは「ルールを追加」ボタンをクリックします - ルール名を入力
- わかりやすい名前をつけましょう
- 例:「上司からのメール」「Amazon注文確認」など
手順3:条件を設定
「メッセージ」の欄で、どんなメールを振り分けるか条件を指定します。
条件の種類:
- 差出人(From)
- 「が次の差出人の場合」を選択
- メールアドレスまたは名前を入力
- 宛先(To)
- 「が受信者の場合」を選択
- 自分のメールアドレスまたはエイリアスを入力
- 件名(Subject)
- 「件名に次を含む」を選択
- キーワードを入力(例:「お知らせ」「請求書」)
- 本文(Body)
- 「本文に次を含む」を選択
- 本文中のキーワードを入力
- Cc
- 「Ccに次を含む」を選択
- Ccに含まれるアドレスを指定
入力のコツ:
- 完全一致:メールアドレス全体を入力
- 例:boss@company.com
- 部分一致:ドメインだけでも可
- 例:@amazon.co.jp(Amazonからのすべてのメール)
- 名前での指定:送信者名でも可
- 例:山田太郎
手順4:アクションを設定
条件に合ったメールをどうするか、アクションを指定します。
アクションの種類:
- フォルダへ移動
- 最もよく使うアクションです
- 「フォルダへ移動」を選択
- プルダウンから振り分け先のフォルダを選択
- ゴミ箱へ移動
- 不要なメールを自動削除
- 30日後に完全削除されます
- 転送
- 別のメールアドレスへ自動転送
- 転送先のアドレスを入力
- 開封済みにする
- 自動的に既読状態にします
- 通知が不要なメールに便利
手順5:保存
- 「追加」をクリック
設定内容を確認してクリックします - ルール一覧に追加
作成したルールが一覧に表示されます - 「完了」をクリック
設定画面を閉じます
確認:
ルールが正しく作成されているか、ルール一覧で確認しましょう。
実践例:具体的な設定パターン

実際によく使われる設定パターンをご紹介します。
パターン1:送信者別に振り分け
シチュエーション: 上司からのメールを「仕事」フォルダへ
設定:
- ルール名:上司からのメール
- 条件:「が次の差出人の場合」→「boss@company.com」
- アクション:「フォルダへ移動」→「Work」フォルダ
パターン2:ドメイン別に振り分け
シチュエーション: Amazonからのメールをすべて「ショッピング」フォルダへ
設定:
- ルール名:Amazon関連
- 条件:「差出人に次を含む」→「@amazon.co.jp」
- アクション:「フォルダへ移動」→「Shopping」フォルダ
パターン3:件名で振り分け
シチュエーション: 件名に「請求書」が含まれるメールを「経理」フォルダへ
設定:
- ルール名:請求書メール
- 条件:「件名に次を含む」→「請求書」
- アクション:「フォルダへ移動」→「Accounting」フォルダ
パターン4:エイリアス別に振り分け
シチュエーション: ショッピング用エイリアス宛のメールを自動振り分け
設定:
- ルール名:ショッピング用エイリアス
- 条件:「が受信者の場合」→「yourname.shop@icloud.com」
- アクション:「フォルダへ移動」→「Shopping」フォルダ
パターン5:迷惑メール自動削除
シチュエーション: 特定のドメインからのメールを自動削除
設定:
- ルール名:スパム自動削除
- 条件:「差出人に次を含む」→「@spam-domain.com」
- アクション:「ゴミ箱へ移動」
パターン6:重要メールの転送
シチュエーション: 社長からのメールを別アドレスにも転送
設定:
- ルール名:社長メール転送
- 条件:「が次の差出人の場合」→「ceo@company.com」
- アクション:「転送」→「personal@example.com」
ルールの管理方法
ルールの編集
設定したルールは後から変更できます。
- 設定→ルール画面を開く
- 編集したいルールの横にある「i」アイコンをクリック
- 条件やアクションを変更
- 「変更内容を保存」をクリック
ルールの削除
不要になったルールは削除できます。
- 設定→ルール画面を開く
- 削除したいルールを選択
- 「削除」ボタンをクリック
- 確認画面で「削除」をクリック
ルールの順序変更
複数のルールがある場合、適用される順序を変更できます。
重要: ルールは上から順番に適用されます。
複数のルールに該当するメールの場合、最初に一致したルールのみが適用されます。
順序の変更方法:
- ルール一覧でルールを選択
- ドラッグ&ドロップで上下に移動
- 優先度の高いルールを上に配置
例:
1. 社長からのメール → VIPフォルダ
2. 全社員からのメール → 社内フォルダ
この順序なら、社長のメールは「VIP」に、その他の社員は「社内」に振り分けられます。
既存のメールを振り分ける方法
ルールを作成しても、すでに受信済みのメールには適用されません。
既存のメールを振り分けたい場合は、手動で移動する必要があります。
複数メールを一括移動
- メールアプリで対象フォルダを開く
受信トレイなど、整理したいフォルダを選択 - 複数選択モードにする
- PC:Commandキー(Mac)またはCtrlキー(Windows)を押しながらクリック
- iPhone:「編集」をタップしてチェックボックスを選択
- 移動したいメールを選択
該当するメールをすべて選びます - フォルダへ移動
- PC:選択したメールをドラッグして目的のフォルダへ
- iPhone:「移動」をタップして振り分け先を選択
効率的な方法:
検索機能を使うと便利です。
- 差出人や件名で検索
- 該当するメールがすべて表示される
- 全選択して移動
iPhoneでの活用方法
ルール設定自体はiCloud.comで行いますが、iPhoneでも振り分け結果を確認できます。
振り分けられたメールを確認
- メールアプリを開く
iPhoneの「メール」アプリを起動します - 「メールボックス」画面を表示
左上の「<」をタップして戻ります - 「iCloud」セクションを確認
作成したフォルダが表示されます - フォルダをタップ
振り分けられたメールを確認できます
メールボックスにフォルダを追加
よく使うフォルダは、メールボックスのトップに表示させると便利です。
- 「メールボックス」画面で「編集」をタップ
- 「メールボックスを追加」をタップ
- 「iCloud」を開く
- 追加したいフォルダにチェック
- 「完了」をタップ
これで、メールボックス画面にフォルダが表示され、すぐにアクセスできるようになります。
通知設定
振り分けられたメールの通知を個別に設定できます。
設定方法:
- iPhoneの「設定」アプリを開く
- 「メール」をタップ
- 「アカウント」→「iCloud」をタップ
- 「メール」→「データの取得方法」をタップ
- 「プッシュ対象メールボックス」をタップ
- 通知したいフォルダを選択
注意: 日本語フォルダ名の場合、通知が機能しないことがあります。半角英数字のフォルダ名を使うことをおすすめします。
よくあるトラブルと解決方法
Q1:ルールが動作しない
症状: ルールを作成したのに振り分けられない
原因と対処法:
- 反映に時間がかかる
- 新しいルールは最大15分で有効になります
- しばらく待ってからテストメールを送ってみましょう
- フォルダが削除されている
- ルール設定後にフォルダを削除すると動作しません
- フォルダを再作成するか、ルールを編集してください
- 条件の指定が間違っている
- メールアドレスのスペルミス
- 条件の選択ミス(「差出人」と「宛先」を間違えたなど)
- ルールを編集して確認してください
- 他のルールが優先されている
- 複数のルールがある場合、上から順に適用されます
- ルールの順序を確認してください
Q2:振り分けたメールの通知が来ない
症状: フォルダに振り分けられるが、通知されない
原因と対処法:
- フォルダ名が日本語
- 日本語フォルダだと通知が機能しないことがあります
- フォルダ名を半角英数字に変更してください
- 変更後、ルールも更新が必要です
- 通知設定がオフ
- iPhoneの設定→メール→データの取得方法
- 「プッシュ対象メールボックス」で該当フォルダを有効に
Q3:すべてのメールが1つのルールに該当してしまう
症状: 複数のルールを作ったのに、最初のルールだけ適用される
原因: 条件が広すぎる可能性があります
対処法:
- 条件を具体的にする
- ❌ 「差出人に次を含む」→「.com」
- ✅ 「が次の差出人の場合」→「specific@example.com」
- ルールの順序を見直す
- 具体的な条件のルールを上に
- 広範囲なルールを下に配置
Q4:間違ってフォルダを削除してしまった
症状: フォルダを削除したら、中のメールも消えた
残念ながら: フォルダを削除すると、中のメールも削除されます
対処法:
- ゴミ箱を確認
- 削除から30日以内なら、ゴミ箱に残っています
- ゴミ箱からメールを受信トレイに戻せます
- ルールを更新
- フォルダ削除後もルールは残っています
- 新しいフォルダを作成し、ルールを編集してください
Q5:ルールが多すぎて管理できない
症状: たくさんルールを作ったら、どれがどれかわからなくなった
対処法:
- ルール名をわかりやすく
- ❌ 「ルール1」「ルール2」
- ✅ 「上司メール→Work」「Amazon→Shopping」
- 不要なルールを削除
- 使わなくなったルールは削除しましょう
- 関連ルールをまとめる
- ドメイン指定で複数のルールを1つにできます
- 例:「@company.com」で全社員のメールを一括指定
高度なテクニック

テクニック1:優先度別の振り分け
重要度に応じて、複数段階で振り分けられます。
例:
1. 社長メール → VIPフォルダ
2. 上司メール → 重要フォルダ
3. その他の社内 → 社内フォルダ
4. 外部取引先 → 取引先フォルダ
この順序でルールを作成すれば、自動的に重要度別に整理されます。
テクニック2:エイリアスとの組み合わせ
メールエイリアスと振り分けルールを組み合わせると、さらに便利になります。
例:
- エイリアス作成:yourname.shop@icloud.com
- ルール作成:このエイリアス宛→Shoppingフォルダ
- 活用:ネットショップにはこのエイリアスで登録
すべてのショッピング関連メールが自動で整理されます。
テクニック3:定期メールの自動既読
毎日届く不要な通知メールを自動で既読にできます。
設定:
- 条件:「差出人に次を含む」→「notifications@service.com」
- アクション:「開封済みにする」
これで、通知バッジが増えずにストレスフリーです。
テクニック4:複数条件の組み合わせ
残念ながら、iCloud Mailでは1つのルールに1つの条件しか設定できません。
複数の条件を使いたい場合は、複数のルールを作成します。
例:重要な取引先2社のメールを同じフォルダへ
- ルール1:「差出人:clientA@example.com」→「取引先」フォルダ
- ルール2:「差出人:clientB@example.com」→「取引先」フォルダ
テクニック5:転送と振り分けの併用
重要なメールは、振り分けと転送を両方設定できます。
方法:
- ルール1:「差出人:important@company.com」→「重要」フォルダ
- ルール2:「差出人:important@company.com」→「personal@gmail.com」へ転送
この場合、「重要」フォルダに振り分けられ、さらにGmailにも転送されます。
まとめ
iCloud Mailの自動振り分け(ルール設定)について解説してきました。
重要なポイント:
- iCloud Mailの自動振り分けはiCloud.comから設定
- 条件(差出人・宛先・件名など)とアクション(振り分け・削除・転送など)を指定
- 最大500個のルールが作成可能
- ルールは上から順に適用される
- 反映には最大15分かかる
- フォルダは事前に作成が必要
- フォルダ名は半角英数字がおすすめ
- 既存メールには適用されない(手動移動が必要)
- iPhoneでも振り分け結果を確認できる
今すぐできること:
- まずはフォルダを作成(Work、Private、Shoppingなど)
- よく使う送信者やドメインで基本的なルールを作成
- エイリアスと組み合わせて使い分け
- 不要なメールは自動削除ルールで対応
- ルールの順序を最適化
自動振り分けを設定すれば、毎日のメールチェックが驚くほど楽になります。
重要なメールを見逃すこともなくなりますし、受信トレイがすっきり整理された状態を保てます。
今日からさっそく、iCloud Mailの自動振り分け機能を活用して、快適なメール生活を送りましょう。最初は基本的なルールから始めて、徐々に自分に合った設定にカスタマイズしていってください!

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