「前回のバックアップを完了できませんでした」
iPhoneの設定画面でこんなメッセージを見たことはありませんか?大切な写真や連絡先のバックアップが取れていないと、万が一のときにデータを失ってしまう危険があります。
でも、安心してください。このエラーは多くの場合、簡単な手順で解決できます。
この記事では、iCloudバックアップが失敗する原因と、その解決方法を分かりやすく解説していきます。難しい専門用語は使わず、誰でも実践できる方法をお伝えしますので、ぜひ最後までお読みください。
- そもそもiCloudバックアップとは?
- バックアップができない主な原因
- 解決方法1:iCloudストレージの容量を確認する
- 解決方法2:Wi-Fi接続を確認する
- 解決方法3:iOSを最新バージョンにアップデートする
- 解決方法4:古いバックアップを削除する
- 解決方法5:iCloudからサインアウト・サインインし直す
- 解決方法6:デバイスを再起動する
- 解決方法7:ネットワーク設定をリセットする
- 解決方法8:自動ロック設定を確認する
- 解決方法9:iPhone本体のストレージを確保する
- 解決方法10:iCloudバックアップを一度オフにして再度オンにする
- それでも解決しない場合は?
- バックアップを成功させるためのコツ
- まとめ:焦らず一つずつ試してみよう
そもそもiCloudバックアップとは?

iCloudバックアップは、Appleが提供するクラウドサービスです。
iPhoneやiPadのデータを、インターネット上のAppleのサーバーに自動的に保存してくれる便利な機能なんです。バックアップを取っておけば、万が一iPhoneが壊れたり、紛失したり、新しい機種に買い替えたりしたときに、簡単にデータを復元できます。
しかも、Wi-Fiに接続していて、電源につないでいて、画面がロックされているときに、毎晩自動でバックアップしてくれるので、普段は何も意識する必要がありません。
バックアップされるデータ
iCloudバックアップには以下のようなデータが保存されます。
- アプリのデータ
- Apple Watchのバックアップ
- デバイスの設定
- ホーム画面とアプリの配置
- iMessage、テキスト(SMS)、MMSメッセージ
- 写真とビデオ
- Appleサービスの購入履歴
- 着信音
ただし、すべてのデータがバックアップされるわけではありません。すでにiCloudに保存されているデータ(iCloud写真、iCloudメールなど)や、iTunes・App Storeで購入したコンテンツなどは、バックアップの対象外です。
バックアップができない主な原因
「前回はバックアップできませんでした」というエラーが出る原因は、いくつか考えられます。まずは、どの原因が自分のケースに当てはまるのか確認してみましょう。
1. iCloudストレージの容量不足
最も多い原因がこれです。
Appleは誰でも無料で5GBのiCloudストレージを提供していますが、写真や動画をたくさん撮っていると、あっという間にいっぱいになってしまいます。
iCloudの容量がいっぱいになると、新しいバックアップを作成できなくなります。
2. Wi-Fi接続の問題
iCloudバックアップは、必ずWi-Fi接続が必要です。
モバイルデータ通信(4Gや5G)では、バックアップできません。また、Wi-Fiに接続していても、電波が弱かったり、速度が遅かったり、不安定だったりすると、バックアップが途中で失敗してしまいます。
公共のWi-Fiなど、不特定多数が使っているネットワークでは、特に失敗しやすい傾向があります。
3. iPhone本体のストレージ不足
iCloudの容量は十分あるのにバックアップできない場合、iPhone本体のストレージが足りない可能性があります。
バックアップを作成するプロセスで、一時的にiPhone内に空き容量が必要になるため、本体の容量がほぼいっぱいになっていると、バックアップが失敗することがあります。
4. 古いバックアップデータが残っている
iCloudは古いバックアップデータを新しいデータで上書きする仕組みですが、この処理がうまくいかないことがあります。
古いバックアップデータが中途半端に残っていると、新しいバックアップが作成できなくなる場合があります。
5. iOSのバージョンが古い
iOSのバージョンが古いままだと、iCloudバックアップに不具合が発生することがあります。
Appleは定期的にバグ修正や機能改善を行っているので、最新バージョンにアップデートすることで問題が解決するケースも多いです。
6. 画面がロックされていない
自動バックアップの場合、iPhoneの画面がロックされている必要があります。
「自動ロック」の設定をオフにしていると、夜寝るときに画面をロックし忘れてしまい、自動バックアップが実行されないことがあります。
7. ネットワーク設定の問題
ネットワーク設定に何らかの不具合があると、Wi-Fiに接続できていてもiCloudとの通信がうまくいかないことがあります。
8. デバイスが復元中
iPhoneがバックアップから復元中の場合、新しいバックアップを作成することはできません。
復元が完了するまで待つ必要があります。
解決方法1:iCloudストレージの容量を確認する
まずは、iCloudの容量がどれくらい残っているか確認しましょう。
確認手順:
- 「設定」アプリを開く
- 画面上部の自分の名前をタップ
- 「iCloud」をタップ
- 画面上部でストレージの使用状況を確認
ここで、ストレージがほぼいっぱいになっている場合は、以下のいずれかの対処が必要です。
対処法A:不要なデータを削除する
写真や動画を削除:
- 「写真」アプリで不要な写真や動画を削除
- 「アルバム」→「最近削除した項目」で完全に削除
- これでストレージが解放されます
不要なアプリのバックアップをオフにする:
- 「設定」→ 自分の名前 → 「iCloud」→「ストレージを管理」→「バックアップ」
- 使用中のデバイスをタップ
- バックアップが不要なアプリをオフにする
これで、次回のバックアップサイズを小さくできます。
対処法B:iCloudストレージプランをアップグレードする
無料の5GBでは足りない場合、有料プランに切り替えることもできます。
料金プラン(2025年12月時点):
- 50GB:月額130円
- 200GB:月額400円
- 2TB:月額1,300円
- 6TB:月額3,900円
- 12TB:月額7,800円
アップグレード手順:
- 「設定」→ 自分の名前 → 「iCloud」→「ストレージを管理」
- 「ストレージプランを変更」をタップ
- 希望するプランを選択
- 「購入する」をタップ
月額130円で50GBも使えるので、写真や動画をたくさん撮る人には十分な容量です。
解決方法2:Wi-Fi接続を確認する
バックアップにはWi-Fi接続が必須です。以下を確認してみましょう。
確認と対処法:
- 「設定」→「Wi-Fi」を開く
- Wi-Fiがオンになっているか確認
- 接続しているネットワーク名の横にチェックマークがあるか確認
- 電波強度(扇形のマーク)が弱い場合は、ルーターの近くに移動
- 別のWi-Fiネットワークで試してみる
Wi-Fiの再接続:
- Wi-Fiをいったんオフにする
- 10秒ほど待つ
- 再度オンにして接続し直す
これだけで改善することもあります。
解決方法3:iOSを最新バージョンにアップデートする
古いiOSバージョンを使っていると、バグが原因でバックアップに失敗することがあります。
アップデート手順:
- 「設定」→「一般」→「ソフトウェアアップデート」
- 利用可能なアップデートがあればダウンロード
- 「今すぐインストール」をタップ
アップデート中はiPhoneが使えなくなるので、時間に余裕があるときに行いましょう。バッテリーが十分にあるか、電源に接続した状態で行うことをおすすめします。
解決方法4:古いバックアップを削除する
古いバックアップデータが邪魔をしている可能性があるので、一度削除してみましょう。
削除手順:
- 「設定」→ 自分の名前 → 「iCloud」→「ストレージを管理」
- 「バックアップ」をタップ
- 使用中のデバイスをタップ
- 「バックアップを削除」をタップ
- 確認画面で「オフにして削除」をタップ
削除後、再度バックアップを実行してみてください。
手順:
- 「設定」→ 自分の名前 → 「iCloud」→「iCloudバックアップ」
- 「今すぐバックアップを作成」をタップ
解決方法5:iCloudからサインアウト・サインインし直す

iCloudの接続をリセットすることで問題が解決する場合があります。
手順:
- 「設定」→ 自分の名前(画面上部)
- 画面を下までスクロールして「サインアウト」をタップ
- Apple IDのパスワードを入力
- サインアウト後、再度「設定」を開く
- 「iPhoneにサインイン」をタップ
- Apple IDとパスワードを入力してサインイン
サインアウトすると、Apple Payに登録しているクレジットカード情報が削除されますが、サインインし直せば再登録できます。
解決方法6:デバイスを再起動する
シンプルですが、意外と効果的なのが再起動です。
iPhone X以降(ホームボタンなし)の再起動方法:
- 音量ボタン(上または下)と電源ボタンを同時に長押し
- 「スライドで電源オフ」が表示されたらスライド
- 完全に電源が切れたら、電源ボタンを長押しして起動
iPhone 8以前(ホームボタンあり)の再起動方法:
- 電源ボタンを長押し
- 「スライドで電源オフ」が表示されたらスライド
- 完全に電源が切れたら、電源ボタンを長押しして起動
再起動後、もう一度バックアップを試してみましょう。
解決方法7:ネットワーク設定をリセットする
Wi-Fi接続に問題がある場合、ネットワーク設定をリセットすると改善することがあります。
手順:
- 「設定」→「一般」→「転送またはiPhoneをリセット」
- 「リセット」をタップ
- 「ネットワーク設定をリセット」を選択
- パスコードを入力
- 確認画面で「ネットワーク設定をリセット」をタップ
注意: この操作を行うと、保存されているWi-Fiパスワードがすべて削除されます。リセット後は、Wi-Fiネットワークに再度接続する必要があります。
解決方法8:自動ロック設定を確認する
自動バックアップの場合、画面がロックされている必要があります。
確認手順:
- 「設定」→「画面表示と明るさ」
- 「自動ロック」をタップ
- 「なし」になっている場合は、30秒〜5分の間で選択
「なし」のままだと、画面がロックされず、自動バックアップが実行されません。
解決方法9:iPhone本体のストレージを確保する
iPhone本体の容量が不足していると、バックアップが失敗することがあります。
容量の確認:
- 「設定」→「一般」→「iPhoneストレージ」
- 空き容量を確認
空き容量が少ない場合は、以下を試してみましょう。
不要なアプリを削除:
- 長期間使っていないアプリを削除
- 使用容量の大きいアプリから優先的に検討
写真や動画を整理:
- 不要な写真や動画を削除
- 「iPhoneストレージを最適化」をオンにする
- 「設定」→「写真」→「iPhoneストレージを最適化」
これで、フル解像度の写真はiCloudに保存され、iPhone本体には縮小版が保存されるようになります。
解決方法10:iCloudバックアップを一度オフにして再度オンにする
設定をリセットすることで問題が解決する場合があります。
手順:
- 「設定」→ 自分の名前 → 「iCloud」→「iCloudバックアップ」
- 「iCloudバックアップ」をオフにする
- 「設定」アプリを完全に閉じる(ホーム画面に戻ってアプリを終了)
- iPhoneを再起動
- 再度「設定」→ 自分の名前 → 「iCloud」→「iCloudバックアップ」
- 「iCloudバックアップ」をオンにする
- 「今すぐバックアップを作成」をタップ
それでも解決しない場合は?
ここまでの方法を試してもバックアップができない場合は、以下の対処を検討しましょう。
Appleサポートに問い合わせる
公式サポートに相談するのが確実です。
- Apple サポートアプリから問い合わせ
- https://support.apple.com/ から問い合わせ
- 電話サポート:0120-277-535(日本)
専門のスタッフが、状況に応じた解決策を提案してくれます。
パソコンを使ったバックアップも検討
iCloudバックアップがどうしてもうまくいかない場合、パソコンを使ったバックアップも選択肢です。
Macの場合(macOS Catalina以降):
- iPhoneをMacに接続
- Finderを開く
- サイドバーからiPhoneを選択
- 「今すぐバックアップ」をクリック
Windowsの場合:
- iTunesをインストール(まだの場合)
- iPhoneをパソコンに接続
- iTunesでiPhoneを選択
- 「今すぐバックアップ」をクリック
パソコンにバックアップを取っておけば、iCloudが使えなくても安心です。
バックアップを成功させるためのコツ
最後に、今後iCloudバックアップを確実に成功させるためのコツをお伝えします。
定期的にストレージを確認する
月に1回程度、iCloudストレージの使用状況を確認する習慣をつけましょう。
容量がいっぱいになる前に対処すれば、バックアップ失敗を防げます。
Wi-Fi環境を整える
自宅のWi-Fiが不安定な場合は、ルーターの位置を変えたり、買い替えを検討したりするのも一つの方法です。
安定したWi-Fi環境があれば、バックアップだけでなく、普段のネット利用も快適になります。
手動バックアップも活用する
大切なイベント(旅行、結婚式など)の前後は、手動でバックアップを実行することをおすすめします。
手順:
- 「設定」→ 自分の名前 → 「iCloud」→「iCloudバックアップ」
- 「今すぐバックアップを作成」をタップ
自動バックアップに任せきりにせず、重要なタイミングでは手動で確実にバックアップを取りましょう。
不要なアプリは定期的に整理
使わなくなったアプリは、定期的に削除する習慣をつけましょう。
アプリが減れば、バックアップサイズも小さくなり、バックアップ時間も短縮されます。
まとめ:焦らず一つずつ試してみよう
「iCloud 前回はバックアップできませんでした」というエラーは、多くの場合、簡単な対処で解決できます。
主な原因:
- iCloudストレージの容量不足
- Wi-Fi接続の問題
- iOSバージョンが古い
- iPhone本体のストレージ不足
すぐに試せる解決方法:
- iCloudストレージの容量を確認
- Wi-Fi接続を確認
- iOSを最新バージョンにアップデート
- デバイスを再起動
- 古いバックアップを削除
どの方法も難しい操作は必要ありません。この記事で紹介した手順を、上から順番に試してみてください。
大切な思い出や連絡先を守るために、バックアップは欠かせません。エラーを放置せず、早めに対処して、安心してiPhoneを使える環境を整えましょう。
それでも解決しない場合は、遠慮なくAppleサポートに相談してくださいね。

コメント