「HTMLのコードを一時的に非表示にしたい」
「後で使う部分だから、削除はしたくない」
こんなときに便利なのがコメントアウトです。さらにショートカットを覚えれば、マウスで<!-- -->
を毎回打つ必要がなくなります。
この記事では、HTMLを一発でコメントアウトするショートカットと、注意点や活用例をまとめました。これを読めば作業スピードがぐっと上がります。
HTMLのコメントアウトとは?

コメントアウトの基本
HTMLでのコメントアウトは次のように書きます:
<!-- これはコメントです -->
ブラウザには表示されず、HTMLの中にメモや一時的に無効化したコードを残しておけます。
コメントアウトの用途
デバッグ時の一時無効化
<div class="header">
<h1>サイトタイトル</h1>
<!-- 一時的に非表示
<nav>
<ul>
<li><a href="#">メニュー1</a></li>
<li><a href="#">メニュー2</a></li>
</ul>
</nav>
-->
</div>
開発メモの記録
<!-- TODO: レスポンシブ対応が必要 -->
<div class="content">
<!-- 注意: この部分はIE11では動作しない -->
<p>コンテンツ内容</p>
</div>
バージョン管理での差分確認
新しいコードと古いコードを一時的に残しておきたい場合に便利です。
VS CodeでHTMLをショートカットでコメントアウトする方法
基本のショートカット
OS | ショートカット |
---|---|
Windows/Linux | Ctrl + / |
Mac | Cmd + / |
行コメント(複数行もOK)
VS Codeでは、選択した行をCtrl + /
(Windows/Linux)またはCmd + /
(Mac)で一発でコメントアウトできます。
単一行の場合
- コメントアウトしたい行にカーソルを置く
Ctrl + /
(またはCmd + /
)を押す- 自動で
<!-- -->
が付きます
複数行の場合
- 複数行を選択する
Ctrl + /
(またはCmd + /
)を押す- 選択範囲全体が
<!-- -->
で囲まれます
ブロック選択でのコメント
マウスでHTMLの一部を選択してCtrl + /
(またはCmd + /
)を押すだけ。複数行を選択しておけば、自動で<!-- -->
を付けてくれます。
<!-- 選択した部分がこのようにコメントアウトされます
<section>
<h2>見出し</h2>
<p>段落テキスト</p>
</section>
-->
右クリックメニューから
ショートカットが苦手でも大丈夫です:
- コメントアウトしたい範囲を選択
- 右クリック
- 「Toggle Line Comment」をクリック
コメント解除の方法
コメントアウトを解除するには:
- コメントアウトされた部分を選択(または行にカーソルを置く)
- 再度
Ctrl + /
(またはCmd + /
)を押す - 自動でコメントが削除されます
他のエディタでのショートカット

Sublime Text
- Windows/Linux:
Ctrl + /
- Mac:
Cmd + /
Atom
- Windows/Linux:
Ctrl + /
- Mac:
Cmd + /
WebStorm/IntelliJ IDEA
- Windows/Linux:
Ctrl + /
- Mac:
Cmd + /
Vim/Neovim
プラグイン(vim-commentary等)を使用:
gcc
:現在行をコメント/コメント解除gc
:選択範囲をコメント/コメント解除
Emacs
M-;
:コメント/コメント解除
実践的な活用例
デバッグ時の段階的確認
<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
<title>テストページ</title>
<!-- デバッグ用CSS
<style>
.debug { border: 1px solid red; }
</style>
-->
</head>
<body>
<div class="container">
<h1>メインコンテンツ</h1>
<!-- 旧バージョンのコード(保持用)
<div class="old-layout">
<p>古いレイアウト</p>
</div>
-->
<!-- 新バージョンのコード -->
<div class="new-layout">
<p>新しいレイアウト</p>
</div>
</div>
</body>
</html>
チーム開発での情報共有
<!-- 担当者: 田中さん -->
<!-- 更新日: 2024-12-25 -->
<!-- 注意: この部分は来週リファクタリング予定 -->
<section class="feature-section">
<h2>機能紹介</h2>
<!-- TODO: アニメーション追加 -->
<div class="feature-list">
<p>機能一覧</p>
</div>
</section>
A/Bテスト用のコード管理
<!-- A案:従来のデザイン
<button class="btn-primary">
クリックしてください
</button>
-->
<!-- B案:新デザイン -->
<button class="btn-new-design">
今すぐクリック!
</button>
よくある問題と解決法

コメントのネストエラー
問題
HTMLのコメントは入れ子(ネスト)ができません:
<!-- これは問題になります
<!-- 内側のコメント -->
<p>コンテンツ</p>
-->
解決策
- コメントを解除してから、必要な部分だけを再コメント
- 別の方法でマークを付ける(クラス名等)
複数回のコメントアウト
問題
VS CodeでCtrl + /
を何度も押すと:
<!-- <!-- 何かのコンテンツ --> -->
解決策
一度コメントアウトしたら、解除してから再度コメントアウトしましょう。
CSSやJavaScriptとの混在
HTMLファイル内でのCSS
<style>
/* CSSのコメント */
.class-name {
color: red;
}
</style>
HTMLファイル内でのJavaScript
<script>
// JavaScriptのコメント
console.log('Hello World');
</script>
VS Codeはファイルの種類とカーソル位置を見て、自動で適切なコメント記号を選択してくれます。
便利な拡張機能とツール
VS Code拡張機能
Better Comments
コメントを色分けして見やすくする拡張機能:
<!-- TODO: あとで修正 -->
<!-- ! 重要な注意事項 -->
<!-- ? 確認が必要 -->
<!-- * 強調したい情報 -->
Auto Rename Tag
開始タグと終了タグを同時に編集できる拡張機能。コメントアウトしたタグの修正に便利です。
Bracket Pair Colorizer
HTMLタグの対応を色で表示。コメントアウトする範囲を決めるときに便利です。
ブラウザ開発者ツールとの連携
コメントアウトしたHTMLも、ブラウザの開発者ツールで確認できます:
- F12で開発者ツールを開く
- Elementsタブでコメント部分を確認
- 必要に応じてその場で編集・テスト
効率的なワークフロー
コメントアウトを使った開発手順
- 機能の実装:新しい機能を追加
- テスト:動作確認
- 旧コードの保持:古いコードをコメントアウト
- 最終確認:問題なければコメント削除
チーム開発でのルール例
コメントの書き方統一
<!-- [作業者名] YYYY-MM-DD: 作業内容 -->
<!-- [田中] 2024-12-25: レスポンシブ対応追加 -->
一時的なコメントの管理
- TODO:後で対応が必要
- FIXME:修正が必要
- HACK:一時的な対処法
- NOTE:重要な情報
まとめ
基本のショートカット
- VS Codeなら
Ctrl + /
(Mac:Cmd + /
)で一瞬でコメントアウト - 選択した範囲をそのまま囲んでくれるので、複数行でもラク
- HTMLは
<!-- -->
、CSSやJSは/* */
とファイルで自動切替
効率的な使い方のコツ
- 段階的なデバッグ:部分的にコメントアウトして問題を特定
- バージョン管理:新旧コードを一時的に保持
- チーム連携:わかりやすいコメントで情報共有
- 拡張機能活用:Better Commentsなどで視認性向上
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