「ホームページを作りたい」「ブログのデザインをカスタマイズしたい」そんなとき必ず出てくるのが HTML という言葉です。
でも、「HTMLってそもそも何?」「プログラミング言語なの?」「どんなことができるの?」と疑問に思う方も多いでしょう。
この記事では、HTMLとは何か、どういう役割があるのか、基本の書き方まで、初心者の方でもわかるようにやさしく解説します。
HTMLとは何か?
HTMLの正式名称と意味
正式名称
HTML は「Hyper Text Markup Language(ハイパーテキスト マークアップ ランゲージ)」の略です。
言葉の意味を分解してみよう
Hyper Text(ハイパーテキスト)
- 普通のテキストを超えた(Hyper)テキスト
- リンクで他のページとつながっているテキスト
- クリックするだけで別のページに移動できる
Markup(マークアップ)
- 文章に印やしるしをつけること
- 「ここは見出し」「ここは段落」など意味を示すこと
- まるで文章に付箋を貼るようなイメージ
Language(言語)
- コンピューターとやり取りするためのルール
- 決められた書き方に従って書く約束事
簡単に言うと
HTMLとは Webページの文章や構造を決めるためのルール のことです。まるで文章の設計図のようなものです。
HTMLの歴史と発展
HTMLの誕生
1990年代初頭
- インターネットの普及とともに誕生
- 最初は簡単な文書を共有するために作られた
- 研究者同士が情報を交換する手段として開発
現在のHTML5
HTML5の特徴
- 2014年に正式リリース
- 動画や音声を簡単に埋め込める
- スマートフォンにも対応
- より豊かな表現が可能
なぜHTMLが重要なの?
Web の基盤技術
すべてのWebページがHTMLで作られている
- Google、YouTube、Facebook
- あなたが見ているこのページも
- どんなに複雑なサイトでも基本はHTML
学習のメリット
個人でできること
- 自分のホームページを作れる
- ブログのカスタマイズができる
- 企業サイトの仕組みが理解できる
仕事での活用
- Web制作の基礎知識
- デジタルマーケティングに役立つ
- IT業界での基本スキル
HTMLはプログラミング言語なの?
プログラミング言語との違い
プログラミング言語の特徴
計算や判断ができる
- JavaScript:「もしボタンが押されたら色を変える」
- Python:「1から100まで足し算する」
- Java:「ユーザーがログインしたかどうか判断する」
命令を処理して動きを作る
- データを保存する
- 条件によって動作を変える
- 繰り返し処理を行う
HTMLの特徴
文章に意味をつけるだけ
- 「ここは見出しです」
- 「ここは段落です」
- 「ここはリンクです」
動きや計算はできない
- ボタンを押しても何も起こらない
- 足し算や引き算はできない
- データを保存することもできない
マークアップ言語とは
マークアップの概念
身近な例:新聞や雑誌
- 大見出し、中見出し、小見出し
- 本文の段落
- 写真のキャプション
- これらの「役割」を示すのがマークアップ
HTMLでのマークアップ
タグで意味を示す
<h1>これは大見出し</h1>
<h2>これは中見出し</h2>
<p>これは本文の段落です。</p>
なぜマークアップが必要なの?
コンピューターは文章の意味がわからない
- 人間は見た目で「ここが見出し」とわかる
- コンピューターにははっきり教える必要がある
- タグで「これは見出しですよ」と伝える
HTMLの基本的な役割
Webページの構造を作る
文書の構造化
紙の文書との比較
- 紙:見た目で構造を表現(大きな文字、太字など)
- HTML:タグで構造を表現(
<h1>
、<strong>
など)
HTMLでできる構造化
見出しの階層
<h1>第1章 HTMLの基本</h1>
<h2>1-1 HTMLとは</h2>
<h3>HTMLの意味</h3>
<h3>HTMLの歴史</h3>
<h2>1-2 HTMLの書き方</h2>
リストの表現
<ul>
<li>買い物リスト</li>
<li>牛乳</li>
<li>パン</li>
<li>卵</li>
</ul>
リンクによるページ同士の接続
ハイパーリンクの仕組み
リンクの作り方
<a href="https://example.com">他のサイトへのリンク</a>
<a href="page2.html">同じサイト内の別ページ</a>
<a href="#section1">同じページ内の別の場所</a>
なぜリンクが重要なの?
インターネットの網の目構造
- 世界中のページがリンクでつながっている
- 情報を素早く移動できる
- 関連する情報を簡単に参照できる
検索エンジンへの情報提供
SEOとHTMLの関係
検索エンジンがHTMLを読む
- GoogleやYahooはHTMLの構造を解析
- 適切なHTMLは検索結果に表示されやすい
- タイトルタグや見出しタグが特に重要
具体例
<title>おいしいパンの作り方 - 初心者向けレシピ</title>
<h1>初心者でも簡単!おいしいパンの作り方</h1>
<h2>必要な材料</h2>
<h2>作り方の手順</h2>
基本的なHTMLの書き方
HTMLの基本構造
必須の要素
DOCTYPE宣言
<!DOCTYPE html>
- HTMLのバージョンをブラウザに教える
- HTML5では
<!DOCTYPE html>
と書くだけ
html要素
<html lang="ja">
</html>
- ページ全体を囲む
lang="ja"
で日本語のページであることを示す
head要素の役割
ページの情報を記述
<head>
<meta charset="UTF-8">
<title>ページのタイトル</title>
<meta name="description" content="ページの説明">
</head>
head内の主要な要素
<title>
: ブラウザのタブに表示されるタイトル<meta charset="UTF-8">
: 文字エンコーディングの指定<meta name="description">
: 検索結果に表示される説明文
body要素の役割
実際に表示される内容
<body>
<h1>ページの見出し</h1>
<p>本文の内容</p>
</body>
よく使われる基本タグ
見出しタグ
h1からh6まで
<h1>最も重要な見出し</h1>
<h2>中見出し</h2>
<h3>小見出し</h3>
<h4>さらに小さな見出し</h4>
<h5>より小さな見出し</h5>
<h6>最も小さな見出し</h6>
段落と改行
段落(p要素)
<p>これは一つの段落です。</p>
<p>これは別の段落です。</p>
改行(br要素)
<p>一行目<br>二行目</p>
リンクタグ
基本的なリンク
<a href="https://example.com">外部サイトへのリンク</a>
<a href="page2.html">同じサイト内のページ</a>
<a href="mailto:test@example.com">メールアドレス</a>
<a href="tel:03-1234-5678">電話番号</a>
画像タグ
画像の表示
<img src="image.jpg" alt="画像の説明">
alt属性の重要性
- 画像が表示されないときの代替テキスト
- 視覚障害のある方のためのテキスト
- SEOでも重要な要素
リストの作り方
順序なしリスト(ul)
買い物リストなど
<ul>
<li>りんご</li>
<li>バナナ</li>
<li>オレンジ</li>
</ul>
順序ありリスト(ol)
手順や順番があるもの
<ol>
<li>材料を準備する</li>
<li>野菜を切る</li>
<li>炒める</li>
<li>味付けをする</li>
</ol>
HTMLだけでできることとできないこと
HTMLだけでできること
文書の構造化
情報の整理
- 見出しと本文の区別
- リストによる項目の整理
- リンクによる関連付け
基本的な表示
- テキストの表示
- 画像の表示
- リンクの設置
フォームの作成
入力フォームの基本
<form>
<label for="name">お名前:</label>
<input type="text" id="name" name="name">
<label for="email">メールアドレス:</label>
<input type="email" id="email" name="email">
<button type="submit">送信</button>
</form>
HTMLだけではできないこと
見た目のデザイン
色や装飾
- 文字の色を変える
- 背景色を設定する
- フォントを変更する
- レイアウトを調整する
これらにはCSSが必要
動的な機能
ユーザーとのやり取り
- ボタンを押したときの動作
- フォームの入力チェック
- ページ内容の動的変更
これらにはJavaScriptが必要
HTML、CSS、JavaScriptの役割分担
建物にたとえると
HTML: 建物の骨組み
- どこに部屋があるか
- どこに窓やドアがあるか
- 建物の基本構造
CSS: 建物の内装・外装
- 壁の色や材質
- 家具の配置
- 照明やカーテン
JavaScript: 建物の設備
- 電気やエアコン
- 自動ドアやエレベーター
- インターホンやセキュリティ
実際のWebページでの例
ニュースサイトの場合
<!-- HTML: 記事の構造 -->
<article>
<h1>ニュースのタイトル</h1>
<p class="date">2024年1月1日</p>
<p>記事の本文...</p>
<button id="share-button">シェア</button>
</article>
/* CSS: 見た目の装飾 */
h1 {
color: #333;
font-size: 24px;
}
.date {
color: #666;
font-size: 14px;
}
// JavaScript: ボタンの動作
document.getElementById('share-button').addEventListener('click', function() {
alert('シェアしました!');
});
まとめ
HTMLは Webページの構造を決めるためのマークアップ言語 です。
HTMLの特徴
- プログラミング言語ではなく、文章に意味をつけるためのもの
- タグを使って文書の構造を表現
- すべてのWebページの基礎となる技術
HTMLの役割
- 見出し、段落、リンクなどの文書構造を定義
- 検索エンジンに情報を提供
- 他のページとの接続を可能にする
他の技術との関係
- CSS: 見た目を整える
- JavaScript: 動きをつける
- この3つでWebサイトが完成
HTMLの基本を理解すると、ブログやホームページのちょっとしたカスタマイズも自分でできるように
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