「。」や「、」が行の先頭にきてしまった、「(」が行の末尾に取り残されてしまった、という経験はありませんか。
こういったレイアウトの崩れを防ぐルールのことを「禁則処理」と言います。
Googleドキュメントには禁則処理が最初からオンになっており、基本的に手動での設定は必要ありません。
この記事では、禁則処理の仕組みと禁則文字の一覧、うまく動かないときの対処法を解説します。
禁則処理とは
禁則処理(きんそくしょり)とは、日本語文書の行末・行頭に来てはいけない文字(禁則文字)を自動的に調整するルールのことです。
日本語の組版ルールはJIS X 4051(日本語文書の組版方法)という工業規格で定められており、禁則処理もこの規格に基づいています。
たとえば以下のような見た目は、禁則処理が正しく機能していない状態です。
- 行の先頭に「。」「、」などの句読点がくる
- 行の末尾に「(」「「」などの開き括弧が残る
- 「…」「―」などが行をまたいで分割される
これらが起きないよう自動調整するのが禁則処理の役割です。
Googleドキュメントの禁則処理はデフォルトでオン
Googleドキュメントは、日本語テキストに対して禁則処理をデフォルトで自動適用しています。
Wordの場合は「段落」の「体裁」タブに「禁則処理を行う」というチェックボックスがあり、手動でオン/オフを切り替えられます。
Googleドキュメントにはこのような設定画面はなく、ユーザーが意識しなくても禁則処理が自動で機能する仕様になっています。
特別な設定操作は不要です。
禁則文字の一覧
禁則文字には3種類あります。
行頭禁則文字(行の先頭に来てはいけない文字)
句読点や閉じ括弧・小書きかなのように、行頭に置くと読みにくくなる文字が対象です。
| 種類 | 具体例 |
|---|---|
| 句読点 | 。、 |
| 閉じ括弧類 | )」』】〕〉》} |
| 中黒・感嘆符・疑問符 | ・!? |
| 小書きかな | ぁぃぅぇぉっゃゅょゎ、ァィゥェォッャュョ |
| 長音符 | ー |
| ハイフン類 | ‐〜 |
| リーダー・ダッシュ | …‥ |
行末禁則文字(行の末尾に来てはいけない文字)
開き括弧類がこれにあたります。開き括弧が行末に残ると、次の行に本体がきて視覚的に不自然になります。
| 種類 | 具体例 |
|---|---|
| 開き括弧類 | (「『【〔〈《{ |
分割禁止文字(行をまたいで分割できない文字)
2文字以上で1つの意味を持つ記号は、途中で改行してはいけません。
| 種類 | 具体例 |
|---|---|
| ダッシュ | ―― |
| リーダー | …… |
| 二点リーダー | ‥‥ |
禁則処理の調整方法(追い出し・追い込み・ぶら下げ)
禁則文字が発生したときの処理方法には、主に3種類あります。
Googleドキュメントはこれらを自動で判断しています。
追い出し(oidashi)
禁則文字を次の行の先頭に送り出す処理です。前の行の字間をわずかに広げて調整します。
追い込み(oikomi)
禁則文字を前の行の末尾に詰め込む処理です。前の行の字間をわずかに詰めて調整します。
ぶら下げ(burasage)
句読点を本来の行末よりも外側にはみ出して配置する処理です。
「句読点のぶら下げ」とも呼ばれ、版面内の文字数を保ちながら禁則を解消できます。
禁則処理がうまく動かないときの対処法
フォントを変更する(最も効果的)
Googleドキュメントでは、選択したフォントによって禁則処理の品質が異なることがあります。
一部のフォント(さわらび明朝など)では、括弧や句読点の位置で意図しない改行が起きるという報告があります。
日本語テキストで安定した禁則処理を期待するなら、以下のフォントがおすすめです。
| フォント名 | 種別 |
|---|---|
| Noto Sans JP | ゴシック体 |
| Noto Serif JP | 明朝体 |
| BIZ UDゴシック | ゴシック体(UD) |
| BIZ UD明朝 | 明朝体(UD) |
| BIZ UDPゴシック | プロポーショナルゴシック(UD) |
これらはGoogleドキュメントのフォントリストに追加して使用できます。
日本語フォントをフォントリストに追加する手順
初期状態では表示されていないフォントも、以下の手順でリストに追加できます。
- フォント名が表示されているプルダウンをクリックする
- 一覧の最上部「その他のフォント」をクリックする
- ポップアップ左上の「すべての文字」プルダウンで「日本語」を選択する
- 追加したいフォント名の横のチェックボックスをオンにする
- 「完了」をクリックする
一度追加すれば次回以降もフォントリストに表示されます。
WordとGoogleドキュメントの禁則処理の違い
| 項目 | Googleドキュメント | Word |
|---|---|---|
| 禁則処理のデフォルト | 自動でオン(設定不要) | オン(チェックボックスで変更可) |
| 手動でのオン/オフ | 不可 | 段落ダイアログ「体裁」タブから可 |
| 句読点のぶら下げ設定 | 自動 | 個別に設定可 |
| 禁則文字のカスタマイズ | 不可 | 「詳細設定」から追加可 |
Wordと比べて設定の自由度は低いですが、日常的な文書作成では自動処理で十分なケースがほとんどです。
まとめ
Googleドキュメントの禁則処理は、句読点・括弧・小書きかなといった禁則文字が行頭・行末に来ないよう自動で調整する機能です。
デフォルトでオンになっているため、特別な設定は不要です。
禁則処理がうまく動いていないと感じたときは、まずフォントをNoto Sans JPやNoto Serif JPなどに変更してみてください。
Googleドキュメントの文書レイアウトに関する他の機能については、Googleドキュメントでページを追加する方法やGoogleドキュメントの箇条書きの使い方もあわせてご覧ください。
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