複数のデバイスで自動的に予定が同期されるのは便利ですが、時には同期を止めたい場面もあります。使わなくなったデバイス、不要になった共有カレンダー、バッテリーの節約など、理由はさまざまです。
この記事では、Googleカレンダーの同期を解除する方法を、デバイスや状況に応じて詳しく解説していきます。
同期解除が必要になる場面

まず、どんなときに同期解除が必要になるのか整理しましょう。
デバイスを手放すとき
スマホを売却・譲渡する前に、個人情報を残さないため同期を解除します。
バッテリーを節約したい
常に同期していると、バッテリー消費が増えます。使用頻度が低いカレンダーは同期を止めることで節約できます。
不要なカレンダーが表示される
他人から共有されたカレンダーや、使わなくなったカレンダーを非表示にしたい場合です。
プライバシーを守りたい
仕事用の端末にプライベートの予定を表示したくない、というケースもあるでしょう。
複数アカウントの整理
複数のGoogleアカウントを使っている場合、特定のアカウントだけ同期を止めたいことがあります。
同期解除の種類を理解しよう
「同期解除」には、いくつかの意味があります。自分の状況に合った方法を選びましょう。
タイプ1:特定のカレンダーだけ非表示
カレンダーアプリには残すが、予定を表示しない状態です。再度表示するのは簡単です。
タイプ2:デバイスでの同期を完全停止
Googleカレンダー自体の同期を止めます。すべてのカレンダーが更新されなくなります。
タイプ3:カレンダーの登録解除
他人から共有されたカレンダーを、自分のリストから削除します。
タイプ4:Googleアカウントの削除
デバイスからGoogleアカウント自体を削除し、すべてのGoogleサービスの同期を止めます。
それぞれの方法を、デバイス別に解説していきます。
【Android】同期解除の方法
Androidスマホ・タブレットでの同期解除手順です。
特定のカレンダーを非表示にする
カレンダーは残したまま、表示だけをオフにします。
手順:
- Googleカレンダーアプリを開く
- 左上のメニューアイコン(≡)をタップ
- 非表示にしたいカレンダーのチェックボックスをタップしてオフ
- そのカレンダーの予定が表示されなくなる
再度表示したいときは、チェックボックスをオンにすればOKです。
Googleカレンダーの同期を停止
カレンダーアプリ全体の同期を止めます。
手順:
- スマホの「設定」アプリを開く
- 「アカウント」または「ユーザーとアカウント」をタップ
- 使用しているGoogleアカウントをタップ
- 「アカウントの同期」をタップ
- 「カレンダー」のスイッチをオフにする
これで、Googleカレンダーの自動同期が停止します。
共有カレンダーの登録解除
他人から共有されたカレンダーを削除します。
手順:
- Googleカレンダーアプリを開く
- メニューアイコン(≡)をタップ
- 削除したいカレンダーの横の「︙」をタップ
- 「登録を解除」または「リストから削除」をタップ
- 確認画面で「削除」をタップ
Googleアカウント自体を削除
デバイスから完全にアカウントを削除します。
注意:
この操作を行うと、Gmail、Google Drive、Google Photoなど、すべてのGoogleサービスの同期が停止します。
手順:
- スマホの「設定」アプリを開く
- 「アカウント」をタップ
- 削除したいGoogleアカウントをタップ
- 「アカウントを削除」をタップ
- パスワードやPINの入力を求められる場合がある
- 確認画面で「アカウントを削除」をタップ
重要:
これはデバイスから削除するだけで、Googleアカウント自体は削除されません。データはGoogleのサーバーに残ります。
【iPhone/iPad】同期解除の方法
iOSデバイスでの同期解除手順です。
特定のカレンダーを非表示
手順:
- Googleカレンダーアプリを開く
- 左上のメニューアイコン(≡)をタップ
- 非表示にしたいカレンダーのチェックを外す
- 完了
Googleカレンダーの同期を停止
方法1:Googleカレンダーアプリの設定
- Googleカレンダーアプリを開く
- 右上のプロフィールアイコンをタップ
- 「設定」をタップ
- 対象のアカウントをタップ
- 「このアカウントの同期」をオフにする
方法2:iPhoneの設定から
- iPhoneの「設定」アプリを開く
- 「カレンダー」をタップ
- 「アカウント」をタップ
- Googleアカウントをタップ
- 「カレンダー」のスイッチをオフにする
純正カレンダーアプリからGoogleアカウントを削除
iPhoneの標準カレンダーアプリでGoogleカレンダーを使っている場合です。
手順:
- iPhoneの「設定」アプリを開く
- 「カレンダー」→「アカウント」をタップ
- Googleアカウントをタップ
- 「アカウントを削除」をタップ
- 確認画面で「削除」をタップ
共有カレンダーの登録解除
手順:
- Googleカレンダーアプリを開く
- メニューから削除したいカレンダーを探す
- カレンダー名の横の「︙」をタップ
- 「登録を解除」をタップ
【PC/ブラウザ】同期解除の方法
パソコンのブラウザでGoogleカレンダーを使っている場合です。
特定のカレンダーを非表示
手順:
- Googleカレンダー(calendar.google.com)を開く
- 左サイドバーのカレンダーリストを確認
- 非表示にしたいカレンダーのチェックボックスをクリックしてオフ
これで、そのカレンダーの予定が表示されなくなります。
共有カレンダーの登録解除
手順:
- 左サイドバーで削除したいカレンダー名にマウスを合わせる
- 表示される「︙」(縦三点リーダー)をクリック
- 「登録解除」または「リストから削除」を選択
- 確認画面で「削除」をクリック
カレンダーの完全削除
自分が作成したカレンダーを削除する場合です。
注意:
この操作を行うと、カレンダー内のすべての予定が削除されます。共有していた相手も見られなくなります。
手順:
- 左サイドバーでカレンダー名の「︙」をクリック
- 「設定と共有」を選択
- 一番下までスクロール
- 「カレンダーの削除」をクリック
- 警告メッセージを確認
- 「完全に削除」をクリック
ブラウザのキャッシュをクリア
同期の問題が起きている場合、キャッシュをクリアすると改善することがあります。
Chrome の場合:
- 右上の「︙」→「設定」
- 「プライバシーとセキュリティ」→「閲覧履歴データの削除」
- 「Cookieと他のサイトデータ」「キャッシュされた画像とファイル」をチェック
- 「データを削除」をクリック
同期解除後に起こること

同期を解除すると、どんな影響があるのか確認しましょう。
データは削除されない
重要なポイントです。同期を解除しても、Googleのサーバー上のデータは残ります。
削除されるのは、そのデバイス上のキャッシュだけです。別のデバイスや、ブラウザでアクセスすれば、すべての予定を見られます。
予定の更新がされなくなる
同期を停止したデバイスでは、以下のことができなくなります:
- 新しい予定が表示されない
- 他のデバイスで追加・変更した予定が反映されない
- そのデバイスで変更した内容が他のデバイスに反映されない
通知が届かなくなる
同期を停止すると、そのデバイスでは予定の通知を受け取れなくなります。
共有カレンダーの場合
共有カレンダーの登録を解除しても:
- カレンダーの所有者や他の共有メンバーには影響しない
- あなただけが見られなくなる
- 再度共有してもらえば、また見られるようになる
再び同期を有効にする方法
一度解除した同期を、再開する方法です。
Android の場合
手順:
- 「設定」→「アカウント」を開く
- Googleアカウントをタップ
- 「アカウントの同期」をタップ
- 「カレンダー」のスイッチをオンにする
- 手動で同期したい場合は、右上の「︙」→「今すぐ同期」をタップ
iPhone の場合
手順:
- Googleカレンダーアプリを開く
- プロフィールアイコン→「設定」
- アカウントをタップ
- 「このアカウントの同期」をオンにする
削除したカレンダーを復元
30日以内なら:
- Googleカレンダーの設定を開く
- 左メニューから「ゴミ箱」を選択
- 復元したいカレンダーを探す
- 「復元」をクリック
30日以上経過:
残念ながら完全に削除され、復元できません。
よくある質問と回答
Q1:同期を解除すると、予定は消えますか?
A:いいえ、消えません。
Googleのサーバーには残っているので、他のデバイスや再度同期を有効にすれば見られます。
Q2:特定のカレンダーだけ同期しないことはできますか?
A:はい、できます。
ただし、Androidの標準機能では個別設定ができないため、カレンダーアプリ内でチェックボックスをオフにして非表示にする方法が実用的です。
Q3:共有されたカレンダーを削除すると、相手に通知されますか?
A:いいえ、通知されません。
ただし、あなたのカレンダーリストから消えるだけで、相手のカレンダー自体には影響ありません。
Q4:Googleアカウントを削除したら、データも消えますか?
A:デバイスからアカウントを削除しても、Googleのサーバー上のデータは消えません。
ただし、Googleアカウント自体を完全に削除する場合は、すべてのデータが削除されます。
Q5:同期を解除してもバッテリー消費は減りませんでした。
A:カレンダー以外の要因も確認してください。
位置情報、バックグラウンド更新、画面の明るさなど、バッテリー消費の原因は多岐にわたります。
同期のトラブルシューティング
同期がうまくいかない場合の対処法です。
同期が止まっている
対処法:
- インターネット接続を確認
- Googleカレンダーアプリを最新版にアップデート
- デバイスを再起動
- 同期設定がオンになっているか確認
- Googleアカウントからログアウトして再ログイン
一部の予定だけ同期されない
対処法:
- その予定がどのカレンダーに属しているか確認
- そのカレンダーの同期設定を確認
- カレンダーが非表示になっていないか確認
古い予定が残り続ける
対処法:
- カレンダーアプリのキャッシュをクリア:
- Android:設定→アプリ→Googleカレンダー→ストレージ→キャッシュを削除
- iPhone:アプリを削除して再インストール
- 強制同期を実行
同期に時間がかかる
原因:
- インターネット接続が遅い
- 予定の数が非常に多い
- サーバーの負荷が高い
対処法:
- Wi-Fi環境で試す
- 時間を置いて再度試す
- 不要な古い予定を削除
プライバシーを守るための設定
同期解除以外にも、プライバシーを守る方法があります。
複数のカレンダーを使い分ける
仕事用とプライベート用で別々のカレンダーを作成し、必要に応じて表示を切り替えます。
手順:
- PC版Googleカレンダーで新しいカレンダーを作成
- 仕事用の予定は仕事カレンダーに
- プライベートはプライベートカレンダーに
- 会社のデバイスでは仕事カレンダーだけ表示
予定の表示範囲を設定
共有カレンダーで、詳細を見せずに「予定あり」とだけ表示できます。
手順:
- カレンダーの「設定と共有」を開く
- 「特定のユーザーとの共有」で共有相手を選択
- 権限を「予定の表示(時間枠のみ、詳細は非表示)」に変更
ゲストアクセスをオフにする
予定の参加者以外が詳細を見られないようにします。
手順:
- カレンダーの「設定と共有」を開く
- 「アクセス権限」セクション
- 「ゲストのアクセス権限」で不要な権限をオフ
セキュリティのベストプラクティス

安全にGoogleカレンダーを使うためのヒントです。
デバイスを手放す前に必ず同期解除
中古で売却したり、譲渡したりする前に:
- Googleアカウントをデバイスから削除
- 工場出荷状態にリセット
共有は最小限に
本当に必要な人だけに、必要最小限の権限で共有しましょう。
定期的に共有設定を見直す
数ヶ月に一度、以下を確認:
- 誰にカレンダーを共有しているか
- その共有がまだ必要か
- 権限レベルが適切か
二段階認証を有効にする
Googleアカウント自体のセキュリティを強化します。
手順:
- Googleアカウントの設定を開く
- 「セキュリティ」タブ
- 「2段階認証プロセス」をオンにする
まとめ:状況に応じた同期解除を
Googleカレンダーの同期解除は、状況に応じて適切な方法を選ぶことが重要です。
同期解除の種類:
- カレンダーを非表示:一時的に予定を見たくない
- 同期を停止:デバイスでの自動更新を止める
- 登録解除:共有カレンダーを削除
- アカウント削除:デバイスから完全に削除
デバイス別の基本手順:
Android:
設定→アカウント→Googleアカウント→アカウントの同期→カレンダーをオフ
iPhone:
設定→カレンダー→アカウント→Googleアカウント→カレンダーをオフ
PC:
カレンダー名の横のチェックボックスをオフ
重要なポイント:
- 同期解除してもデータは消えない
- 他のデバイスには影響しない
- 再度有効にするのは簡単
- 30日以内ならゴミ箱から復元可能
- プライバシー保護には複数カレンダーの使い分けが有効
こんなときは同期解除:
- デバイスを手放すとき
- バッテリーを節約したいとき
- 特定のカレンダーが不要になったとき
- プライバシーを守りたいとき
適切な同期設定で、Googleカレンダーを安全かつ効率的に使いこなしましょう。必要に応じて同期を解除し、不要になったら再開する。この柔軟な使い方が、スマートなカレンダー管理のコツです。

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