チームメンバーや家族とカレンダーを共有したい。でも、すべての予定を見せるのは気が引ける。「時間が空いているかだけ分かればいい」「タイトルは見せたくない」そんな細かい調整がしたいですよね。
この記事では、Googleカレンダーの閲覧権限について、種類や設定方法、プライバシーを守るコツまで、詳しく解説していきます。
Googleカレンダーの権限の種類

Googleカレンダーを共有するとき、相手に与える権限は複数のレベルがあります。
1. 予定の表示(すべての予定の詳細)
最も一般的な閲覧権限です。相手は以下を見ることができます:
見られる情報:
- 予定のタイトル
- 開始・終了時刻
- 場所
- 説明
- 参加者
- 添付ファイル
できないこと:
- 予定の追加
- 予定の編集
- 予定の削除
純粋な「閲覧のみ」の権限です。
2. 予定の表示(時間枠のみ、詳細は非表示)
プライバシーを保ちつつ、「いつ予定があるか」だけを共有できます。
見られる情報:
- 予定がある時間帯
- 「予定あり」という表示のみ
見られない情報:
- 予定のタイトル
- 場所
- 説明
- その他すべての詳細
会社の同僚に「いつ空いているか」だけを知らせたい場合に最適です。
3. 予定の変更
閲覧に加えて、予定の編集ができる権限です。
できること:
- すべての予定の閲覧
- 新しい予定の追加
- 既存の予定の編集
- 予定の削除
チームで共同管理するカレンダーに適しています。
4. 変更および共有の管理権限
ほぼ所有者と同じ権限です。
できること:
- 予定の閲覧・追加・編集・削除
- 他のユーザーとの共有設定
- 権限の変更
- カレンダーの設定変更
カレンダーの共同管理者に与える権限です。
【PC版】閲覧権限の設定方法
パソコンのブラウザで閲覧権限を設定する手順です。
特定の人に閲覧権限を与える
手順:
- Googleカレンダー(calendar.google.com)を開く
- 左サイドバーで共有したいカレンダー名にマウスを合わせる
- 表示される「︙」(縦三点リーダー)をクリック
- 「設定と共有」を選択
- 下にスクロールして「特定のユーザーとの共有」セクションを見つける
- 「ユーザーを追加」をクリック
- 相手のメールアドレスを入力
- 権限を選択:
- 予定の表示(すべての予定の詳細)
- 予定の表示(時間枠のみ、詳細は非表示)
- 予定の変更
- 変更および共有の管理権限
- 「送信」をクリック
相手に招待メールが送信され、承諾するとカレンダーが共有されます。
閲覧権限の詳細を理解する
「すべての予定の詳細」を選んだ場合:
相手のGoogleカレンダーに、あなたのカレンダーが追加されます。チェックボックスをオンにすると、すべての予定が表示される仕組みです。
「時間枠のみ、詳細は非表示」を選んだ場合:
予定の時間帯に「予定あり」とだけ表示されます。何の予定かは分かりません。
組織内の全員に公開
会社や学校のGoogleアカウントの場合、組織内の全員に公開できます。
手順:
- カレンダーの「設定と共有」を開く
- 「アクセス権限」セクション
- 「[組織名]で利用できるようにする」をオンにする
- 権限を選択:
- すべての予定の詳細を表示
- 時間枠のみ表示(詳細は非表示)
- 予定の変更
- 変更および共有の管理権限
組織内の誰でも、検索であなたのカレンダーを見つけられるようになります。
一般公開(誰でも閲覧可能)
インターネット上の誰でも閲覧できるようにする設定です。
手順:
- カレンダーの「設定と共有」を開く
- 「アクセス権限」セクション
- 「一般公開して誰でも利用できるようにする」をオンにする
- 権限を選択(通常は「すべての予定の詳細を表示」または「時間枠のみ表示」)
注意:
個人情報を含む予定がある場合は、一般公開しないようにしましょう。
【スマホ】閲覧権限の設定方法
スマートフォンでも閲覧権限を設定できますが、PCの方が操作しやすいです。
Android版
手順:
- Googleカレンダーアプリを開く
- 左上のメニューアイコン(≡)をタップ
- 共有したいカレンダーの横の「︙」をタップ
- 「設定と共有」をタップ
- 「特定のユーザーとの共有」で「ユーザーを追加」をタップ
- メールアドレスと権限を設定
- 「送信」をタップ
iPhone版
手順:
- Googleカレンダーアプリを開く
- 左上のメニューアイコン(≡)をタップ
- カレンダーの横の「︙」をタップ
- 「設定と共有」をタップ
- 以降の手順はAndroid版と同じ
スマホでの制限
スマホアプリでは、PCブラウザ版ほど詳細な設定ができない場合があります。複雑な権限設定は、PCで行うことをおすすめします。
閲覧権限の変更方法
一度与えた権限を変更する手順です。
権限レベルを変更
手順:
- カレンダーの「設定と共有」を開く
- 「特定のユーザーとの共有」セクションを確認
- 変更したいユーザーの横にある権限をクリック
- 新しい権限レベルを選択
- 自動的に保存される
例えば、「すべての予定の詳細」から「時間枠のみ」に変更できます。
閲覧権限を完全に削除
手順:
- カレンダーの「設定と共有」を開く
- 「特定のユーザーとの共有」セクション
- 削除したいユーザーの横にある「×」(削除アイコン)をクリック
- 確認画面で「削除」をクリック
相手はあなたのカレンダーを見られなくなります。通知は送信されませんが、カレンダーリストから消えるので気づきます。
共有されたカレンダーの閲覧方法

逆に、他の人から共有されたカレンダーを見る方法です。
招待を受け取ったとき
手順:
- 招待メールを開く
- 「このカレンダーを追加」をクリック
- Googleカレンダーが開き、自動的に追加される
- 左サイドバーの「他のカレンダー」セクションに表示される
共有カレンダーの表示/非表示
手順:
- 左サイドバーのカレンダーリストを確認
- 表示したいカレンダーのチェックボックスをオン
- 非表示にしたいカレンダーのチェックボックスをオフ
カレンダーごとに色分けされているので、どの予定がどのカレンダーのものか一目で分かります。
共有カレンダーの権限を確認
自分にどの権限が与えられているか確認する方法:
手順:
- 共有カレンダー名の「︙」をクリック
- 「設定と共有」を選択
- 「アクセス権限」または「特定のユーザーとの共有」で、自分のメールアドレスを探す
- 自分の権限レベルを確認
よくある使用例
実際にどんな場面で、どの権限を使うか見ていきましょう。
例1:チームの予定を共有(時間枠のみ)
状況:
チームメンバーの空き時間を知りたいが、プライベートの予定内容は見たくない。
設定:
「予定の表示(時間枠のみ、詳細は非表示)」を使う
結果:
- 会議の時間調整が簡単
- プライバシーも守られる
- 相手も安心して共有できる
例2:家族カレンダー(すべての詳細)
状況:
家族全員の予定を共有して、調整しやすくしたい。
設定:
「予定の表示(すべての予定の詳細)」を使う
結果:
- 誰がいつどこにいるか分かる
- 家族の予定が重ならないよう調整できる
- 緊急時の連絡先も共有
例3:プロジェクトカレンダー(変更権限)
状況:
プロジェクトメンバー全員が予定を追加・編集できるようにしたい。
設定:
「予定の変更」権限を与える
結果:
- 全員が自由に予定を追加
- リアルタイムで情報共有
- カレンダーが常に最新
例4:上司に自分の予定を報告
状況:
上司に自分のスケジュールを把握してもらいたい。
設定:
「予定の表示(すべての予定の詳細)」を使う
結果:
- 上司が空き時間を確認して会議を設定
- 進捗報告がスムーズ
- 予定の変更は自分だけができる
プライバシーを守るテクニック
閲覧権限を使いながら、プライバシーも保護する方法です。
テクニック1:複数のカレンダーを使い分ける
方法:
- 「仕事」「プライベート」「家族」など、用途別にカレンダーを作成
- それぞれ異なる相手と共有
- 見せたくない予定は、共有していないカレンダーに入れる
例:
- 「仕事」カレンダー → 同僚と共有(時間枠のみ)
- 「家族」カレンダー → 家族と共有(すべての詳細)
- 「プライベート」カレンダー → 共有しない
テクニック2:予定ごとに公開設定を変更
個別の予定を非公開にすることもできます。
手順:
- 予定を作成または編集
- 「公開設定」を「デフォルトの公開設定」から「非公開」に変更
- 保存
非公開にした予定は、カレンダーを共有していても相手には表示されません。
テクニック3:詳細を必要最小限に
共有カレンダーの予定には:
- 必要最小限の情報だけを書く
- 個人情報や機密情報は避ける
- 詳細が必要なら、別の手段(メール、チャットなど)で共有
テクニック4:定期的に共有設定を見直す
3ヶ月に一度くらい、以下を確認:
- 誰にカレンダーを共有しているか
- その共有がまだ必要か
- 権限レベルが適切か
トラブルシューティング
閲覧権限に関する問題と解決方法です。
問題1:共有したのに相手に表示されない
原因と対処法:
- 相手が招待を承諾していない
- 招待メールを確認してもらう
- 迷惑メールフォルダもチェック
- 相手のカレンダーで非表示になっている
- 左サイドバーのチェックボックスを確認してもらう
- 同期に時間がかかっている
- 数分待ってから確認
問題2:権限を変更したのに反映されない
対処法:
- ページを再読み込み(F5キー)
- ブラウザのキャッシュをクリア
- 一度ログアウトして再ログイン
- 相手にもカレンダーを更新してもらう
問題3:「権限がありません」と表示される
原因:
自分自身の権限が不足しています。
対処法:
- カレンダーの所有者に連絡
- 適切な権限を付与してもらう
- または、自分が所有者のカレンダーを使用
問題4:一般公開したのに検索で見つからない
原因:
- インデックスに時間がかかる(数日)
- 検索キーワードが適切でない
対処法:
- カレンダーのURLを直接共有
- 数日待ってから再度検索
会社・学校のアカウントでの特別な注意点

組織のGoogleアカウントでは、追加の制限があることがあります。
管理者による制限
可能性のある制限:
- 組織外への共有ができない
- 一般公開ができない
- 権限レベルが制限されている
対処法:
IT部門や管理者に確認してください。
退職・卒業時の注意
重要:
組織のアカウントで作成したカレンダーは、退職・卒業後にアクセスできなくなる可能性があります。
対策:
- 個人用Googleアカウントを別途用意
- 重要な予定は個人アカウントのカレンダーにもコピー
- または、iCal形式でエクスポートして保存
セキュリティとプライバシーのベストプラクティス
安全にカレンダーを共有するためのヒントです。
ベストプラクティス1:最小権限の原則
相手に必要最小限の権限だけを与えましょう。
- 予定を見るだけでいい → 「予定の表示」
- 時間だけ知りたい → 「時間枠のみ」
- 編集も必要 → 「予定の変更」
ベストプラクティス2:一般公開は慎重に
一般公開は、本当に必要な場合のみ使用してください:
- 店舗の営業時間
- イベントの開催スケジュール
- 公共施設の予約状況
個人のカレンダーを一般公開するのは避けましょう。
ベストプラクティス3:定期的な監査
定期的に以下を確認:
- 共有リストに不要な人がいないか
- 退職した同僚などが残っていないか
- 権限レベルが適切か
ベストプラクティス4:二段階認証
Googleアカウント自体のセキュリティを強化します。
手順:
- Googleアカウントの設定を開く
- 「セキュリティ」タブ
- 「2段階認証プロセス」をオンにする
まとめ:適切な閲覧権限で安全に共有しよう
Googleカレンダーの閲覧権限を適切に設定することで、プライバシーを守りながら効率的に予定を共有できます。
権限の種類まとめ:
- 予定の表示(すべての詳細):完全な閲覧
- 予定の表示(時間枠のみ):時間だけ表示、詳細は非表示
- 予定の変更:閲覧+編集
- 変更および共有の管理権限:ほぼ所有者
設定方法(PC):
- カレンダー名の「︙」→「設定と共有」
- 「特定のユーザーとの共有」→「ユーザーを追加」
- メールアドレスと権限を選択
- 「送信」
よく使う権限:
- チームメンバー:時間枠のみ
- 家族:すべての詳細
- プロジェクトチーム:予定の変更
- アシスタント:変更および共有の管理権限
プライバシー保護のコツ:
- 複数のカレンダーを使い分ける
- 予定ごとに公開設定を変更
- 詳細を必要最小限にする
- 定期的に共有設定を見直す
トラブル時の基本対処:
- ページを再読み込み
- 相手に招待承諾を確認
- チェックボックスがオンか確認
- 数分待って同期を確認
セキュリティのポイント:
- 最小権限の原則を守る
- 一般公開は慎重に
- 定期的に共有リストを監査
- 二段階認証を有効化
適切な閲覧権限を設定することで、「見せたい人に、見せたい情報だけを、見せたいレベルで」共有できます。この記事を参考に、あなたのニーズに合った共有設定を見つけてください。
プライバシーを守りながら、効率的にスケジュールを共有しましょう!

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