「Googleカレンダーのデータをバックアップしておきたい」「別のカレンダーアプリに予定を移行したい」「過去の予定を記録として保存しておきたい」…。
Googleカレンダーに蓄積された大切な予定やスケジュール。これらのデータを安全に保存したり、他のサービスで使ったりしたいときがありますよね。
そんなときに便利なのがエクスポート機能です。
エクスポートを使えば、Googleカレンダーのすべての予定を、ファイルとして保存できます。バックアップはもちろん、OutlookやAppleカレンダーなど他のアプリへの移行にも使えるんです。
この記事では、Googleカレンダーをエクスポートする方法を、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
エクスポートとは?基本を理解しよう

まずは、「エクスポート」という言葉の意味から確認していきましょう。
エクスポートの意味
エクスポート(export)とは、データを外部ファイルとして書き出すことです。
「出力」や「書き出し」とも言いますね。
Googleカレンダーの場合、クラウド上に保存されている予定データを、自分のパソコンやスマートフォンにファイルとして保存できます。
エクスポートとインポートの違い
エクスポートと対になる言葉がインポート(import)です。
| 用語 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| エクスポート | データを外に出す | カレンダーから予定をファイルに保存 |
| インポート | データを中に入れる | ファイルからカレンダーに予定を読み込む |
インポートは「取り込み」や「読み込み」とも呼ばれます。
エクスポートが必要な場面
Googleカレンダーをエクスポートすると、こんなときに便利です。
バックアップの作成
万が一、アカウントが削除されたり、予定が消えたりしても、ファイルがあれば復元できます。
別のカレンダーアプリへの移行
OutlookやAppleカレンダー、Yahoo!カレンダーなどに乗り換えるときに使います。
データの整理と保存
過去の予定を記録として保存しておきたいときに便利です。
複数アカウント間でのコピー
仕事用のアカウントから個人用のアカウントに、予定をコピーできます。
オフラインでの確認
エクスポートしたファイルを、他のアプリで開いて確認できます。
エクスポートできるファイル形式
Googleカレンダーからエクスポートできるファイル形式を見ていきましょう。
iCalendar形式(.ics)
最も一般的な形式がiCalendar形式です。
ファイルの拡張子は「.ics」となります。
特徴
- 多くのカレンダーアプリで読み込める
- 予定のタイトル、日時、場所、説明などすべての情報を含む
- 繰り返しの予定にも対応
- アラーム(通知)情報も保存される
対応アプリ
- Microsoft Outlook
- Appleカレンダー
- Yahoo!カレンダー
- Thunderbird
- その他、多くのカレンダーアプリ
ZIP形式(複数カレンダーのエクスポート)
すべてのカレンダーをまとめてエクスポートすると、ZIP形式で保存されます。
ZIPファイルの中には、カレンダーごとに.icsファイルが入っています。
ZIPファイルは、複数のファイルを圧縮してまとめたものです。
CSV形式はサポートされていない
注意したいのが、Googleカレンダーのエクスポート機能では、CSV形式での書き出しはできません。
CSV形式が必要な場合は、別の方法を使う必要があります(後述)。
パソコン(ブラウザ)でエクスポートする方法
最も簡単な方法は、パソコンのブラウザからエクスポートすることです。
すべてのカレンダーをエクスポート
すべてのカレンダーをまとめてエクスポートする方法です。
ステップ1:Googleカレンダーを開く
ブラウザでGoogleカレンダー(calendar.google.com)にアクセスします。
ステップ2:設定を開く
- 画面右上の設定アイコン(歯車マーク)をクリック
- 「設定」を選択
ステップ3:エクスポートページへ移動
- 左側のメニューから「インポート/エクスポート」を選択
- 画面の中ほどに「エクスポート」セクションがある
ステップ4:エクスポートを実行
- 「エクスポート」ボタンをクリック
- ZIPファイルのダウンロードが始まる
- ダウンロードフォルダに保存される
ファイル名
ダウンロードされるファイル名は、通常「メールアドレス@gmail.com.zip」のような形式です。
特定のカレンダーだけをエクスポート
1つのカレンダーだけをエクスポートすることもできます。
ステップ1:カレンダーの設定を開く
- Googleカレンダーの左側にあるカレンダー一覧を確認
- エクスポートしたいカレンダーの横にある三点リーダー(︙)をクリック
- 「設定と共有」を選択
ステップ2:エクスポートを実行
- 下にスクロールして「カレンダーの統合」セクションを探す
- 「非公開アドレス(iCal 形式)」のURLが表示される
- このURLをクリックすると、.icsファイルがダウンロードされる
この方法なら、特定のカレンダーだけを個別にエクスポートできます。
エクスポートしたZIPファイルの中身
ダウンロードしたZIPファイルを解凍すると、以下のようなファイルが入っています。
メールアドレス@gmail.com/
├── メールアドレス@gmail.com.ics(メインカレンダー)
├── 日本の祝日.ics
├── 家族.ics
└── 仕事.ics
カレンダーの数だけ、.icsファイルが作成されます。
ZIPファイルの解凍方法
Windowsの場合
- ZIPファイルを右クリック
- 「すべて展開」を選択
- 展開先を選んで「展開」をクリック
Macの場合
- ZIPファイルをダブルクリック
- 自動的に解凍される
スマートフォンでエクスポートする方法

スマートフォンからもエクスポートできますが、少し手間がかかります。
スマートフォンブラウザからの方法
iPhone、Androidどちらでも使える方法です。
ステップ1:ブラウザでGoogleカレンダーを開く
- SafariやChromeなどのブラウザを開く
- calendar.google.comにアクセス
- 必要に応じてログイン
ステップ2:デスクトップ表示に切り替え
スマホ版の表示だと、設定メニューが見つけにくいことがあります。
- ブラウザのメニューを開く
- 「デスクトップ表示」または「PC版サイト」を選択
ステップ3:エクスポートを実行
パソコン版と同じ手順で、設定からエクスポートできます。
- 設定アイコン→「設定」を選択
- 「インポート/エクスポート」を選択
- 「エクスポート」ボタンをタップ
- ダウンロードフォルダに保存される
ダウンロードしたファイルの場所
iPhoneの場合
- 「ファイル」アプリを開く
- 「ダウンロード」フォルダを確認
- ZIPファイルをタップすると解凍される
Androidの場合
- 「ファイル」または「マイファイル」アプリを開く
- 「ダウンロード」フォルダを確認
- ZIPファイルをタップして解凍
特定の期間だけエクスポートする方法
残念ながら、Googleカレンダーの標準機能では、期間を指定したエクスポートはできません。
すべての予定が含まれます。
エクスポート後に手動で整理
特定の期間だけが必要な場合は、以下の方法があります。
方法1:エクスポート後に編集
- すべての予定をエクスポート
- .icsファイルをテキストエディタで開く
- 不要な予定を削除(上級者向け)
方法2:新しいカレンダーを作成
- 必要な期間の予定だけを含む新しいカレンダーを作成
- 元のカレンダーから、その期間の予定をコピー
- 新しいカレンダーをエクスポート
方法3:サードパーティツールを使用
「Google Takeout」などのサービスを使うと、より細かい制御ができることがあります。
エクスポートしたデータの活用方法
エクスポートしたファイルを、実際にどう使うか見ていきましょう。
バックアップとして保存
定期的にエクスポートして、安全な場所に保存しましょう。
保存先の例
- 外付けハードディスク
- USBメモリ
- クラウドストレージ(Dropbox、OneDriveなど)
- パソコンの別フォルダ
推奨する頻度
- 月に1回
- 重要なイベント後
- カレンダーの大幅な変更後
他のカレンダーアプリにインポート
エクスポートしたファイルを、他のアプリで読み込めます。
Outlookにインポート
- Outlookを開く
- 「ファイル」→「開く/エクスポート」→「インポート/エクスポート」を選択
- 「iCalendar (.ics) またはvCalendar ファイル (.vcs) のインポート」を選択
- エクスポートした.icsファイルを選択
- 「OK」をクリック
Appleカレンダーにインポート
- Macのカレンダーアプリを開く
- 「ファイル」→「読み込む」を選択
- .icsファイルを選択
- インポート先のカレンダーを選択
- 「OK」をクリック
Yahoo!カレンダーにインポート
- Yahoo!カレンダーをブラウザで開く
- 右上の設定→「インポート」を選択
- .icsファイルをアップロード
データ分析や記録として活用
エクスポートしたデータを、Excelなどで開いて分析できます。
ただし、.ics形式のまでは開けないので、変換が必要です。
変換方法
オンラインの変換ツール(ICS to CSVなど)を使うと、.ics形式をCSV形式に変換できます。
変換後、Excelで開いて、過去の予定の統計や分析ができますよ。
複数アカウント間でコピー
仕事用アカウントから個人用アカウントに予定をコピーする例です。
- 仕事用アカウントからエクスポート
- 個人用アカウントでインポート
これで、予定を移行できます。
Google Takeoutでエクスポート
Googleのデータエクスポートサービス「Google Takeout」を使う方法もあります。
Google Takeoutとは
Google Takeoutは、Googleの各サービスのデータをまとめてダウンロードできるサービスです。
カレンダーだけでなく、Gmail、Google Drive、Google Photosなどのデータもエクスポートできます。
Google Takeoutでのエクスポート手順
ステップ1:Google Takeoutにアクセス
ブラウザで「Google Takeout」と検索するか、takeout.google.comにアクセスします。
ステップ2:エクスポートするデータを選択
- デフォルトではすべてのサービスが選択されている
- 「選択をすべて解除」をクリック
- 「カレンダー」だけにチェックを入れる
ステップ3:配信方法を選択
- 「次のステップ」をクリック
- ファイル形式を選択(.zipまたは.tgz)
- ファイルサイズを選択(1GB、2GB、4GB、10GB、50GB)
- 配信方法を選択
- ダウンロードリンクをメールで送信
- Google Driveに追加
- Dropboxに追加
- OneDriveに追加
ステップ4:エクスポートを実行
- 「エクスポートを作成」をクリック
- 処理が完了すると、メールで通知が届く
- リンクからダウンロード
Google Takeoutのメリット
- すべてのカレンダーデータを確実にエクスポートできる
- 他のGoogleサービスのデータも一緒にエクスポート可能
- 大容量ファイルにも対応
エクスポートに関する注意点
エクスポートする際に知っておきたい注意点です。
エクスポートされる情報
.icsファイルには、以下の情報が含まれます。
含まれるもの
- 予定のタイトル
- 日時(開始時刻、終了時刻)
- 場所
- 説明文
- 繰り返し設定
- 通知設定
- 出席者情報
- 添付ファイルへのリンク
含まれないもの
- 添付ファイルの実体(リンクのみ)
- カレンダーの色設定
- カレンダーの説明
共有設定は引き継がれない
エクスポートしたファイルをインポートしても、共有設定は引き継がれません。
他の人と共有していたカレンダーでも、インポート後は自分だけのカレンダーになります。
再度共有したい場合は、インポート後に改めて設定が必要です。
過去の予定も含まれる
エクスポートには、過去の予定もすべて含まれます。
不要な古い予定がたくさんある場合は、事前に削除しておくと良いですよ。
ファイルサイズに注意
長年使っているカレンダーだと、ファイルサイズが大きくなることがあります。
数MB~数十MBになることもあるので、保存先の容量を確認しましょう。
定期的なバックアップを推奨
エクスポートは一度だけでなく、定期的に行うことをおすすめします。
最新の予定も含めてバックアップできますからね。
トラブルシューティング

エクスポート時によくある問題と解決方法です。
エクスポートボタンが見つからない
原因:モバイル表示になっている
スマートフォンやタブレットでブラウザを使っている場合、モバイル表示ではエクスポート機能が見つけにくいことがあります。
対処法
ブラウザの設定で「デスクトップ表示」に切り替えてください。
ダウンロードできない
原因1:ブラウザのポップアップブロック
ブラウザの設定で、ポップアップやダウンロードがブロックされている可能性があります。
対処法
- ブラウザの設定を開く
- 「プライバシーとセキュリティ」を確認
- Googleカレンダーからのダウンロードを許可
原因2:ネットワーク接続の問題
インターネット接続が不安定だと、ダウンロードが失敗することがあります。
対処法
- Wi-Fiやモバイルデータの接続を確認
- 時間を置いて再試行
ZIPファイルが開けない
原因:解凍ソフトがない
古いWindowsやスマートフォンでは、ZIPファイルを開くソフトが必要な場合があります。
対処法
- Windows: 標準の機能で解凍可能
- Mac: ダブルクリックで解凍
- スマートフォン: ZIPファイル対応アプリをインストール
.icsファイルが文字化けする
原因:テキストエディタで開いている
.icsファイルをメモ帳などのテキストエディタで開くと、文字化けすることがあります。
対処法
.icsファイルは、カレンダーアプリで開くのが正しい使い方です。
テキストとして見たい場合は、UTF-8対応のエディタを使いましょう。
エクスポートしたデータが古い
原因:キャッシュの問題
まれに、エクスポートしたデータが最新でないことがあります。
対処法
- ブラウザのキャッシュをクリア
- Googleカレンダーをリロード(F5キー)
- 再度エクスポートを実行
CSV形式でエクスポートする方法
Googleカレンダーの標準機能ではCSV出力できませんが、代替手段があります。
Googleスプレッドシートを使う方法
サードパーティのツールやスクリプトを使えば、CSV形式でエクスポートできます。
ただし、技術的な知識が必要になるため、初心者にはおすすめしません。
他のカレンダーアプリ経由
- Googleカレンダーから.ics形式でエクスポート
- Outlookなどのアプリにインポート
- そのアプリからCSV形式でエクスポート
この方法なら、特別なツールを使わずにCSV化できます。
オンライン変換ツール
「ICS to CSV Converter」などのオンラインツールを使う方法もあります。
注意点
個人情報を含む予定データを、オンラインツールにアップロードすることになります。
信頼できるサービスかどうか、十分に確認してから使いましょう。
まとめ
Googleカレンダーのエクスポート方法について解説してきました。
重要なポイント
- エクスポートはブラウザ版の設定から実行できる
- iCalendar形式(.ics)でエクスポートされる
- すべてのカレンダーはZIP形式でまとめて保存される
- 特定のカレンダーだけを個別にエクスポートすることも可能
- エクスポートしたファイルは他のカレンダーアプリにインポートできる
- バックアップとして定期的にエクスポートすることを推奨
- Google Takeoutでもエクスポートできる
- 標準機能ではCSV形式でのエクスポートはできない
大切な予定データは、定期的にエクスポートしてバックアップを取っておきましょう。
万が一のトラブルに備えることで、安心してGoogleカレンダーを使い続けられます。
エクスポート機能を上手に活用して、予定管理をもっと安全に、便利にしていきましょう!

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