「Webページの読み込みに時間がかかる…」
「もっと快適にネットを使いたい!」
そんな悩みを解決してくれる可能性があるのが、Google Public DNSです。
この記事では、Google Public DNSの基礎から設定方法、メリットまで分かりやすく解説していきますね。
Google Public DNSの基本を理解しよう

Google Public DNSって何?
Google Public DNSは、Googleが2009年から無料で提供しているDNSサービスです。
世界中の誰でも利用できる、信頼性の高いパブリックDNSサーバーとして知られています。
IPアドレスは8.8.8.8と8.8.4.4という覚えやすい番号が特徴ですね。
そもそもDNSとは?
DNS(Domain Name System)は、「インターネットの住所録」のような役割を果たします。
私たちが「google.com」のような分かりやすい名前を入力すると、DNSがコンピュータが理解できるIPアドレスに変換してくれるんです。
具体例:
google.com → 172.217.161.46
このように、ドメイン名をIPアドレスに変換する処理を「名前解決」と呼びます。
なぜDNSが重要なのか
DNSはインターネットアクセスの最初のステップです。
DNSの応答が遅いと、Webサイトの表示全体が遅くなってしまいます。
逆に、高速なDNSを使えば、ページの読み込みがスムーズになるんですね。
Google Public DNSの特徴とメリット
高速なレスポンス
Googleは世界中にサーバーを配置しています。
ユーザーに最も近いサーバーが応答するため、名前解決が高速に完了します。
大規模なキャッシュシステムにより、よくアクセスされるサイトは特に速く表示されますよ。
安定性と信頼性
Googleのインフラストラクチャは、非常に堅牢です。
99.9%以上の稼働率を誇り、ダウンタイムがほとんどありません。
プロバイダーのDNSサーバーがトラブルを起こしても、Google Public DNSなら安心ですね。
セキュリティ強化
DNSキャッシュポイズニング攻撃など、DNSを狙った攻撃から保護してくれます。
DNSSEC(DNS Security Extensions)にも対応しており、安全性が高いんです。
不正なサイトへの誘導リスクを軽減できます。
検閲の回避
一部の国や地域では、特定のWebサイトへのアクセスがブロックされています。
Google Public DNSを使うことで、そうした制限を回避できる場合があります。
ただし、現地の法律には注意が必要ですね。
無料で利用可能
登録も料金も一切不要です。
設定を変更するだけで、誰でもすぐに使い始められます。
コストパフォーマンスは最高ですよ。
Google Public DNSのIPアドレス
IPv4アドレス
プライマリDNS: 8.8.8.8
セカンダリDNS: 8.8.4.4
この2つのアドレスを覚えておけば大丈夫です。
非常にシンプルで覚えやすい数字になっていますね。
IPv6アドレス
次世代のインターネットプロトコルにも対応しています。
プライマリDNS: 2001:4860:4860::8888
セカンダリDNS: 2001:4860:4860::8844
IPv6対応のネットワーク環境なら、こちらも設定できますよ。
Windows での設定方法
Windows 11の場合
手順を順番に見ていきましょう。
ステップ1:ネットワーク設定を開く
スタートメニューから「設定」を選択します。
「ネットワークとインターネット」をクリックしてください。
ステップ2:接続プロパティを開く
使用中のネットワーク接続(Wi-Fiまたはイーサネット)を選択します。
「プロパティ」ボタンをクリックしましょう。
ステップ3:DNS設定を変更
「DNS サーバーの割り当て」の横にある「編集」をクリックします。
「手動」を選択して、以下を入力してください:
- 優先DNS:8.8.8.8
- 代替DNS:8.8.4.4
「保存」をクリックして完了です。
Windows 10の場合
基本的な流れはWindows 11と同様です。
コントロールパネルから「ネットワークと共有センター」経由でも設定できますね。
アダプターのプロパティから「インターネット プロトコル バージョン 4(TCP/IPv4)」を選択します。
「次のDNSサーバーのアドレスを使う」にチェックを入れて、Google Public DNSのアドレスを入力しましょう。
Mac での設定方法
macOS の設定手順
Macでの設定も簡単です。
ステップ1:システム環境設定を開く
画面左上のアップルメニューから「システム環境設定」を選択します。
「ネットワーク」をクリックしてください。
ステップ2:接続を選択
左側のリストから、使用中の接続(Wi-Fiまたは有線)を選択します。
「詳細」ボタンをクリックしましょう。
ステップ3:DNSタブで設定
「DNS」タブを開きます。
左下の「+」ボタンをクリックして、以下を追加してください:
- 8.8.8.8
- 8.8.4.4
「OK」をクリックして、「適用」で設定を保存します。
これで完了ですね。
スマートフォンでの設定方法
Android端末の場合
Wi-Fi接続の設定変更
設定アプリから「ネットワークとインターネット」を開きます。
接続中のWi-Fiネットワークをタップして、「編集」を選択してください。
「詳細設定」を展開し、IP設定を「静的」に変更します。
DNS 1に「8.8.8.8」、DNS 2に「8.8.4.4」を入力しましょう。
保存すれば設定完了です。
iPhoneとiPadの場合
Wi-Fi設定から変更
設定アプリを開いて「Wi-Fi」をタップします。
接続中のネットワークの右側にある「i」マークをタップしてください。
「DNSを構成」をタップし、「手動」を選択します。
既存のDNSサーバーを削除して、以下を追加しましょう:
- 8.8.8.8
- 8.8.4.4
「保存」をタップして完了ですね。
ルーターでの一括設定

なぜルーターで設定するのか
ルーター側でDNSを設定すれば、接続するすべてのデバイスに適用されます。
スマホ、PC、タブレット、ゲーム機など、個別設定が不要になるんです。
家族全員のネット環境を一度に改善できますよ。
一般的な設定手順
ルーターの設定画面にアクセスします。
通常は、ブラウザで「192.168.1.1」や「192.168.0.1」を入力すれば開けます。
ログイン
管理者ユーザー名とパスワードを入力してください。
初期設定のままなら、機器のラベルや説明書に記載されていますね。
WAN設定を変更
「インターネット設定」や「WAN設定」のメニューを探します。
DNS設定を「手動」または「カスタム」に変更しましょう。
プライマリDNSに8.8.8.8、セカンダリDNSに8.8.4.4を入力します。
設定を保存して、ルーターを再起動すれば完了です。
DNS over HTTPS(DoH)について
DoHとは何か
DNS over HTTPSは、DNS通信を暗号化する技術です。
通常のDNS通信は暗号化されていないため、第三者に見られる可能性があります。
DoHを使えば、プライバシーが大幅に向上するんですね。
Google Public DNSでDoHを使う
ブラウザでの設定
ChromeやFirefoxは、DoHに標準対応しています。
設定メニューから「セキュリティとプライバシー」を開いてください。
「安全なDNSを使用する」を有効にして、Google Public DNSを選択しましょう。
DoHのURL
このURLを使って、暗号化されたDNS通信が可能になります。
セキュリティ意識の高い人には特におすすめですよ。
他のパブリックDNSとの比較
Cloudflare DNS(1.1.1.1)
Cloudflareも人気の高いパブリックDNSです。
特徴:
- プライバシー重視(ログを保持しない)
- 高速なレスポンス
- シンプルなIPアドレス
Google Public DNSと比較すると、プライバシー保護がより強化されています。
OpenDNS
家族向けのフィルタリング機能が特徴です。
特徴:
- 有害サイトのブロック機能
- カスタマイズ可能なフィルター
- 詳細な統計情報
子供がいる家庭では、OpenDNSが適している場合もありますね。
どれを選ぶべきか
速度重視: Google Public DNSまたはCloudflare
プライバシー重視: Cloudflare
フィルタリング機能: OpenDNS
信頼性と実績: Google Public DNS
自分の優先事項に合わせて選択しましょう。
パフォーマンスの測定方法
DNSベンチマークツール
実際にどのDNSが速いか測定できるツールがあります。
DNS Benchmark(Windows)
無料ツールで、複数のDNSサーバーの速度を比較できます。
自分の環境で最速のDNSを見つけられますね。
namebench(クロスプラットフォーム)
Google製のオープンソースツールです。
詳細な分析レポートを生成してくれますよ。
応答時間の確認方法
コマンドラインからも簡単に確認できます。
Windowsの場合:
nslookup google.com 8.8.8.8
Mac/Linuxの場合:
dig @8.8.8.8 google.com
応答時間(Query time)が表示されます。
数十ミリ秒程度なら、十分に高速ですね。
トラブルシューティング
DNSキャッシュのクリア
設定変更後、古い情報が残っている場合があります。
Windowsでのクリア方法:
コマンドプロンプトを管理者権限で開いて、以下を実行してください。
ipconfig /flushdns
Macでのクリア方法:
ターミナルで以下のコマンドを実行します。
sudo dscacheutil -flushcache
キャッシュをクリアすれば、最新の設定が反映されますよ。
設定が反映されない場合
デバイスの再起動
最もシンプルで効果的な方法です。
ネットワーク接続をリセットする効果があります。
ルーターの再起動
ルーター側で設定した場合は、ルーターも再起動しましょう。
電源を切って30秒待ってから、再度電源を入れてください。
ISPのDNSが優先される場合
一部のプロバイダーは、独自のDNS設定を強制する場合があります。
ルーター設定でDHCP経由のDNS配布を無効にする必要があるかもしれませんね。
速度が改善しない場合
DNSはWebアクセスの一部に過ぎません。
回線速度自体が遅い場合、DNSを変更しても大きな効果は得られません。
その場合は、インターネット回線の見直しを検討しましょう。
セキュリティとプライバシーの考慮事項

Googleのデータ収集
Google Public DNSを使うと、クエリ情報がGoogleに送信されます。
Googleはこのデータを以下の目的で使用しています:
- サービスの改善
- セキュリティ脅威の検出
- 統計情報の生成
個人を特定する情報は、48時間後に削除されると公表されています。
プライバシーポリシー
Googleは明確なプライバシーポリシーを公開しています。
DNSクエリのログは一定期間後に匿名化されるんですね。
ただし、完全なプライバシーを求めるなら、Cloudflareなどの代替サービスも検討する価値があります。
企業ネットワークでの使用
会社のネットワークでは、独自のDNS設定が必要な場合があります。
無断でDNS設定を変更すると、社内システムにアクセスできなくなる可能性があります。
IT部門に確認してから変更しましょう。
よくある質問
Q. 設定後、元に戻せますか?
はい、いつでも元に戻せます。
DNS設定を「自動的に取得する」に変更すれば、プロバイダーのDNSに戻ります。
心配せずに試してみてください。
Q. すべてのWebサイトで効果がありますか?
名前解決の部分だけが速くなります。
サイト自体の表示速度は、サーバーの性能や回線速度に依存しますね。
体感できる改善は、サイトによって異なります。
Q. 料金は本当に無料ですか?
完全無料です。
登録も不要で、追加料金も一切発生しません。
Googleの公共サービスとして提供されていますよ。
Q. IPv4とIPv6のどちらを使うべき?
現時点では、IPv4で十分です。
IPv6対応の環境なら、両方設定しても問題ありません。
将来的には、IPv6が主流になるでしょう。
まとめ:Google Public DNSで快適なネット環境を
Google Public DNSは、シンプルで効果的なインターネット高速化の方法です。
無料で使えて、設定も簡単なので、試してみる価値は十分にあります。
この記事の重要ポイント:
- Google Public DNSは無料で誰でも使えるDNSサービス
- IPアドレスは8.8.8.8と8.8.4.4
- 高速、安定、セキュアが主な特徴
- Windows、Mac、スマホ、ルーターで設定可能
- DNS over HTTPSで暗号化通信もできる
- プロバイダーのDNSより速い場合が多い
- いつでも元の設定に戻せる
- プライバシーポリシーを理解して使用する
まずはPCやスマホで試してみましょう。
効果を実感できたら、ルーター側で一括設定すれば、家中のデバイスが快適になりますよ。


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