「会議の内容を後で見返したいけど、議事録を取るのが大変…」
オンライン会議中にメモを取りながら話を聞くのは、なかなか難しいですよね。
実は、Google Meetには会議の内容を自動で文字に変換してくれる便利な機能があるんです。この機能を使えば、会議に集中しながら、後で内容を確認することができます。
この記事では、Google Meetの文字起こし機能について、設定方法から使えない時の対処法まで、詳しく解説していきます。
Google Meetの文字起こし機能とは?

Google Meetには、音声をリアルタイムで文字に変換する2つの機能があります。
1. 自動字幕(キャプション)
会議中に、話している内容がリアルタイムで画面下部に表示される機能です。
特徴
- リアルタイムで表示される
- すべてのアカウントで利用可能
- 保存はできない(表示のみ)
- 複数の言語に対応
聴覚に障害がある方のサポートや、騒がしい環境での利用に便利です。
2. 文字起こし(トランスクリプト)
会議の音声を文字に変換して、ファイルとして保存できる機能です。
特徴
- 会議終了後にGoogleドキュメントとして保存
- 誰が何を話したか記録される
- 検索や編集が可能
- 限定されたアカウントでのみ利用可能
議事録作成や会議の振り返りに最適な機能です。
自動字幕(キャプション)の使い方
まずは、誰でも使える自動字幕機能の設定方法を見ていきましょう。
パソコンでの設定方法
会議中に字幕をオンにする
- Google Meetの会議画面を開く
- 画面下部のメニューから「字幕をオンにする」(CC)をクリック
- 字幕が画面下部に表示され始める
字幕をオフにする
- 同じボタンをもう一度クリック
- または「字幕をオフにする」を選択
スマートフォンでの設定方法
iPhone/Androidの場合
- Google Meetアプリで会議に参加
- 画面をタップしてメニューを表示
- 右下の「︙」(その他)をタップ
- 「字幕をオンにする」を選択
スマホでは、字幕が画面の下部に小さく表示されます。
字幕の言語を変更する
字幕は複数の言語に対応しています。
言語の変更方法
- 字幕をオンにする
- 「字幕の設定」または歯車アイコンをクリック
- 希望する言語を選択
対応言語(主要なもの)
- 日本語
- 英語
- 中国語
- 韓国語
- スペイン語
- フランス語
- ドイツ語
その他多数の言語に対応しています。
文字起こし(トランスクリプト)の使い方
会議内容を保存できる文字起こし機能の使い方です。
利用できるアカウント
文字起こし機能は、Google Workspaceの特定プランでのみ利用可能です。
利用可能なプラン
- Google Workspace Business Standard
- Google Workspace Business Plus
- Google Workspace Enterprise Standard
- Google Workspace Enterprise Plus
- Google Workspace Teaching and Learning Upgrade
- Google Workspace Education Plus
利用できないアカウント
- 無料のGmailアカウント
- Google Workspace Business Starter
- Google One加入アカウント
無料版では残念ながら使えません。
文字起こしを開始する方法
手順(主催者のみ実行可能)
- Google Meetの会議を開始
- 画面下部の「アクティビティ」アイコンをクリック
- 「文字起こし」を選択
- 「文字起こしを開始」をクリック
- 参加者に通知が表示される
文字起こしが開始されると、会議の音声が自動的にテキスト化されていきます。
文字起こしを確認・保存する方法
会議終了後、文字起こしは自動的にGoogleドライブに保存されます。
保存場所
マイドライブ → Meet Recordings → 会議名フォルダ → 文字起こしファイル
ファイル形式
Googleドキュメント形式(.gdoc)
保存されるタイミング
会議終了後、数分から数十分程度で処理が完了します。
文字起こしファイルの内容
保存されたファイルには、以下の情報が含まれます。
- 会議の名前
- 日時
- 参加者リスト
- 発言者名
- 発言内容(タイムスタンプ付き)
誰がいつ何を言ったか、後から確認できます。
文字起こし機能が使えない時の原因

「文字起こしのメニューが見つからない!」という場合、以下の原因が考えられます。
原因1:対応していないアカウント
最も多いのがこのケースです。
無料のGmailアカウントやGoogle Workspace Business Starterでは、文字起こし機能が使えません。
確認方法
自分のメールアドレスをチェック:
- @gmail.com → 無料版(文字起こし不可)
- @会社のドメイン → Workspaceの可能性あり(プラン次第)
原因2:主催者ではない
文字起こしを開始できるのは、会議の主催者だけです。
参加者として会議に入っている場合、文字起こし機能は表示されません。
原因3:管理者が機能を無効にしている
組織のGoogle Workspace管理者が、文字起こし機能を無効にしている可能性があります。
IT部門やシステム管理者に確認してみましょう。
原因4:言語設定の問題
文字起こし機能は、一部の言語でのみ利用可能です。
対応言語
- 英語
- スペイン語
- ポルトガル語
- フランス語
- ドイツ語
注意:日本語は現時点で文字起こし機能に対応していません
日本語の会議では、文字起こし保存機能は使えないんです。
原因5:録画との併用制限
会議を録画している場合、文字起こしが利用できないケースがあります。
プランによっては、録画と文字起こしを同時に使えない場合があります。
日本語で文字起こしを行う代替方法
日本語には公式の文字起こし機能がないため、以下の代替手段を検討しましょう。
方法1:自動字幕をスクリーンショット
完璧ではありませんが、簡易的な記録として使えます。
手順
- 会議中に日本語の自動字幕をオンにする
- 重要な発言時にスクリーンショットを撮る
- 後で画像を見返して議事録を作成
手間はかかりますが、無料で使える方法です。
方法2:会議を録画して後で文字起こし
手順
- Google Meetで会議を録画(有料プランのみ)
- 録画ファイルを外部の文字起こしサービスにアップロード
- 自動で文字起こししてもらう
外部サービスの例
- Google Cloud Speech-to-Text
- Amazon Transcribe
- Notta
- Rimo Voice
- AI GIJIROKU
これらのサービスは、日本語に対応しています。
方法3:リアルタイム文字起こしツールを併用
会議と同時に別のツールを起動する方法です。
使えるツール
- Windows:音声認識
- Mac:音声入力
- Google ドキュメントの音声入力
- Otter.ai(英語が得意だが日本語も対応)
手順(Googleドキュメント音声入力の場合)
- 別のタブでGoogleドキュメントを開く
- 「ツール」→「音声入力」を選択
- Google Meetの音声を拾って自動入力
ただし、精度は完璧ではありません。
方法4:専用の議事録ツールを使う
Google Meetと連携できる議事録ツールもあります。
おすすめツール
- Notion(議事録テンプレート)
- Slack(Meet連携)
- Microsoft OneNote
- Evernote
これらのツールに手動でメモを取りながら、後で整理する方法です。
文字起こしの精度を上げるコツ

自動字幕や文字起こしの精度を高めるためのテクニックです。
コツ1:マイクの品質を上げる
良いマイクを使うことで、音声認識の精度が大きく向上します。
おすすめ
- ヘッドセット
- 外付けUSBマイク
- イヤホンマイク
内蔵マイクよりも、外付けマイクの方が精度が高くなります。
コツ2:静かな環境で会議する
周囲の雑音が少ないほど、正確に文字起こしされます。
避けるべき環境
- カフェなどの騒がしい場所
- エアコンの音が大きい部屋
- 他の人の会話が聞こえる場所
可能な限り、静かな環境を確保しましょう。
コツ3:はっきりと話す
早口や小声は認識されにくくなります。
意識すること
- ゆっくりと話す
- 明瞭な発音を心がける
- 適度な音量で話す
- 専門用語は補足説明を加える
特に重要な内容は、意識的にゆっくり話すと良いでしょう。
コツ4:話者を明確にする
複数人が同時に話すと、誰の発言か分からなくなります。
会議の進め方
- 発言する前に名前を言う
- 一人ずつ順番に話す
- 割り込みを避ける
- 司会者が発言者を指名する
これにより、文字起こしの質が向上します。
コツ5:専門用語は事前に登録
Google Workspaceの管理者機能で、よく使う専門用語を登録できる場合があります。
管理者に相談してみましょう。
文字起こし機能の活用例
文字起こし機能を活用すると、こんなことができます。
活用例1:議事録の作成
会議後、文字起こしファイルを編集して議事録を作成できます。
手順
- 保存された文字起こしファイルを開く
- 不要な部分を削除
- 重要なポイントを太字にする
- 決定事項をリスト化
- 完成した議事録を共有
ゼロから作るより、大幅に時間を短縮できます。
活用例2:重要な発言の検索
過去の会議で誰が何を言ったか、簡単に検索できます。
手順
- Googleドライブで文字起こしファイルを開く
- Ctrl+F(Mac:Command+F)で検索
- キーワードを入力
すぐに該当箇所が見つかります。
活用例3:聞き逃した内容の確認
会議中に集中できなかった部分も、後で確認できます。
手順
- 文字起こしファイルを開く
- タイムスタンプを確認
- 該当箇所を読む
もう一度会議を見返す必要がありません。
活用例4:多言語チームでのコミュニケーション
自動翻訳と組み合わせることで、言語の壁を越えられます。
手順
- 英語で会議を実施
- 文字起こしを保存
- Google翻訳で日本語に変換
完璧ではありませんが、内容の把握に役立ちます。
よくある質問
Q: 無料版で文字起こしを保存する方法はない?
A: 公式機能としてはありません。代替手段として、外部の文字起こしサービスを利用する必要があります。
Q: 自動字幕は正確?
A: 完璧ではありませんが、日本語でも70〜80%程度の精度があります。専門用語が多い会議では精度が下がります。
Q: 文字起こしファイルを編集できる?
A: はい、Googleドキュメント形式で保存されるので、自由に編集できます。
Q: 参加者も文字起こしファイルにアクセスできる?
A: デフォルトでは主催者のドライブにのみ保存されます。共有設定をすれば、参加者もアクセスできます。
Q: 文字起こしを後から開始できる?
A: いいえ、会議の途中から文字起こしを開始することはできますが、それ以前の内容は記録されません。
Q: プライバシーは大丈夫?
A: 文字起こしを開始すると、参加者全員に通知されます。同意なしに記録されることはありません。
注意事項とマナー
文字起こし機能を使う際の注意点です。
参加者への配慮
文字起こしを開始する前に、参加者に確認を取りましょう。
確認すべきこと
- 録音・記録されることへの同意
- ファイルの共有範囲
- 保存期間
プライバシーへの配慮は重要です。
セキュリティの注意
文字起こしファイルには機密情報が含まれる可能性があります。
注意点
- 共有設定を適切に管理
- 不要になったら削除
- 社外への流出に注意
特に企業の会議では、情報管理に気をつけましょう。
正確性の限界
自動文字起こしは完璧ではありません。
注意すべきこと
- 誤変換がある
- 専門用語が正しく認識されない
- 話者が混同されることがある
重要な会議では、必ず人間がチェックして修正しましょう。
まとめ
Google Meetの文字起こし機能について解説しました。
重要なポイントをおさらいしましょう。
- 自動字幕は全アカウントで利用可能(表示のみ)
- 文字起こし保存はGoogle Workspaceの特定プランのみ
- 日本語の文字起こし保存は公式には未対応
- 代替手段として外部サービスの利用を検討
- マイクの品質と環境が精度に大きく影響
- 参加者への配慮とセキュリティ管理が重要
自動字幕は誰でも使えるので、ぜひ活用してみてください。
文字起こし保存機能が必要な場合は、Google Workspaceの有料プランを検討するか、外部サービスを組み合わせて使いましょう。
快適なオンライン会議をお楽しみください!


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