Google Meetで画面共有中に書き込みができる「アノテーション」機能を使おうとしたら、ボタンが見当たらない…
そんな状況で困っていませんか?
実は、アノテーション機能には利用条件があり、すべてのユーザーが使えるわけではありません。
この記事では、Google Meetのアノテーションが表示されない原因と、その解決方法を詳しく解説します。
そもそも「アノテーション」とは?
アノテーション(Annotation)とは、Google Meetで画面共有中に使える注釈ツールのことです。
2024年4月にリリースされた比較的新しい機能で、プレゼンテーション中に共有画面へ直接書き込みができます。
アノテーションでできること
- ペンツールで自由に線を描く
- ハイライトで重要部分を強調する
- テキストボックスで文字を入力する
- 付箋(スティッキーノート)を貼り付ける
- ステッカー(絵文字)を配置する
- 消えるインクで一時的に書き込む
会議やオンライン授業で「ここを見てください」と指し示すときに非常に便利な機能です。
ただし、この機能を使うにはいくつかの条件を満たす必要があります。
アノテーションが表示されない7つの原因
アノテーション機能のアイコンが表示されない場合、以下の原因が考えられます。
順番に確認していきましょう。
原因1:対応していないプランを使用している
最も多い原因がこれです。
アノテーション機能は、無料のGoogleアカウントでは使用できません。
アノテーションが使えるプラン
- Google Workspace Business Standard
- Google Workspace Business Plus
- Google Workspace Enterprise(全エディション)
- Google Workspace Education Plus
- Teaching and Learning Upgrade
- Google Workspace Individual
- Google One(100GB以上のプラン)
無料のGoogleアカウントや、Google Workspace Business Starterでは利用できないため注意が必要です。
原因2:Chromeのバージョンが古い
パソコンでアノテーションを使うには、Google Chromeのバージョンが「M124」以降である必要があります。
古いバージョンのChromeを使っていると、アノテーションのアイコン自体が表示されません。
原因3:画面共有をしていない
アノテーション機能は、画面共有を開始した後にのみ使用できます。
会議に参加しただけの状態では、アノテーションのアイコンは表示されません。
自分が発表者(プレゼンター)として画面を共有するか、共同アノテーション作成者として指名される必要があります。
原因4:iOSデバイスを使用している
iPhoneやiPadでは、現時点でアノテーション機能を使用できません。
Googleは「近日中にリリース予定」としていますが、具体的な時期は未定です。
Androidの場合は、Android 11以降であれば「画面全体」を共有した場合に使用できます。
原因5:対応していないブラウザを使用している
アノテーションは、Google Chromeでのみ利用可能です。
Safari、Firefox、Microsoft Edgeなど、他のブラウザではアノテーション機能が動作しません。
原因6:拡張機能が干渉している
Chromeにインストールしている拡張機能が、Google Meetの機能と競合している場合があります。
特に、画面共有や録画系の拡張機能が影響を与えることがあります。
原因7:キャッシュやCookieの問題
ブラウザに保存された古いデータが原因で、新しい機能が正しく表示されないことがあります。
解決方法1:利用プランを確認する
まずは、自分が使用しているGoogleアカウントがアノテーションに対応しているか確認しましょう。
確認方法
- Google Meetを開く
- 右上のプロフィールアイコンをクリック
- アカウント情報を確認する
学校や会社のアカウントを使っている場合は、管理者に対応プランかどうか確認してみてください。
個人利用の場合は、Google Workspace IndividualやGoogle Oneの有料プランへの加入を検討する必要があります。
解決方法2:Chromeを最新バージョンに更新する
Chromeのバージョンを確認し、必要であれば更新しましょう。
バージョン確認・更新手順
- Chromeを開く
- 右上の「︙」(三点メニュー)をクリック
- 「ヘルプ」→「Google Chromeについて」を選択
- 自動的にアップデートが確認される
- 更新がある場合は「再起動」をクリック
バージョン番号が「124」以上になっていることを確認してください。
アドレスバーに「chrome://settings/help」と入力しても、同じ画面を開けます。
解決方法3:画面共有を開始する
アノテーション機能は、画面共有中のみ使用可能です。
画面共有の手順
- Google Meetの会議に参加する
- 画面下部の「画面を共有」アイコンをクリック
- 「タブ」「ウィンドウ」「画面全体」のいずれかを選択
- 共有するコンテンツを選んで「共有」をクリック
画面共有が開始されると、画面下部のツールバーに「アノテーション」(ペン型のアイコン)が表示されます。
表示されない場合は、ツールバー右下あたりを確認してみてください。
解決方法4:パソコンとChromeブラウザを使用する
スマートフォンやタブレットでうまくいかない場合は、パソコンでChromeブラウザを使って会議に参加しましょう。
推奨環境
- デバイス:Windows PC または Mac
- ブラウザ:Google Chrome(バージョン124以降)
Androidスマートフォンの場合は、Google Meetアプリから「画面全体」を共有することで使用できます。
ただし、Androidでは共同アノテーション作成者の指名ができないなど、一部制限があります。
解決方法5:拡張機能を無効化する
Chromeの拡張機能が干渉している可能性がある場合は、一時的に無効化してみましょう。
拡張機能を無効化する手順
- Chromeの右上「︙」→「拡張機能」→「拡張機能を管理」を選択
- インストールされている拡張機能の一覧が表示される
- 各拡張機能のトグルをオフにして無効化
- Google Meetを再読み込みして確認
特に、以下のような拡張機能が影響を与えることがあります。
- 画面録画系の拡張機能
- 広告ブロッカー
- Google Meet用のサードパーティ拡張機能
問題が解決したら、拡張機能を1つずつ有効に戻して原因を特定できます。
解決方法6:キャッシュとCookieを削除する
ブラウザのキャッシュをクリアすることで、問題が解決する場合があります。
キャッシュ削除手順
- Chromeの右上「︙」→「閲覧履歴データの削除」を選択
- 期間を「全期間」に設定
- 「Cookieと他のサイトデータ」と「キャッシュされた画像とファイル」にチェック
- 「データを削除」をクリック
- Chromeを再起動してGoogle Meetにアクセス
キャッシュを削除すると、他のサイトでログアウトされることがあるため注意してください。
解決方法7:シークレットモードで試す
上記の方法で解決しない場合は、Chromeのシークレットモードで会議に参加してみましょう。
シークレットモードの開き方
- Chromeを開く
- キーボードで「Ctrl + Shift + N」(Macは「Command + Shift + N」)を押す
- シークレットウィンドウが開く
- Google Meetの会議URLにアクセス
シークレットモードでは拡張機能が無効になり、キャッシュも使用されないため、問題の切り分けに役立ちます。
シークレットモードでアノテーションが表示された場合は、通常モードの拡張機能やキャッシュが原因と特定できます。
参加者としてアノテーションを使いたい場合
自分が画面共有をしていない参加者でも、アノテーションを使う方法があります。
それは「共同アノテーション作成者」として指名してもらうことです。
共同アノテーション作成者の追加方法(主催者向け)
- 画面共有中に参加者リストを開く
- 指名したいユーザーの名前の横にある「︙」をクリック
- 「共同アノテーション作成者として追加」を選択
指名されたユーザーには、「画面にアノテーションを追加できるようになりました」という通知が表示されます。
参加者の立場でアノテーションを使いたい場合は、主催者に指名をお願いしてみてください。
ただし、Androidデバイスで画面共有している場合は、共同アノテーション作成者の指名ができない点に注意が必要です。
アノテーションの注意点
アノテーション機能を使う際に知っておくべき注意点をまとめます。
会議録画には保存されない
アノテーションで書き込んだ内容は、Google Meetの録画機能では保存されません。
書き込み内容を残したい場合は、スクリーンショットを撮るか、別の録画ツールを使用してください。
会議終了後は消える
アノテーションで追加した内容は、会議が終了すると自動的に削除されます。
元のファイルや画面に書き込みが残ることはありません。
管理者設定はない
アノテーション機能には、Google Workspace管理者向けの設定項目がありません。
対応プランであれば、自動的に利用可能になります。
まとめ
Google Meetのアノテーション機能が表示されない場合、主に以下の原因が考えられます。
確認すべきポイント
- 対応しているGoogle Workspaceプランを使用しているか
- Chromeのバージョンが124以降か
- 画面共有を開始しているか
- パソコンのChromeブラウザを使用しているか(iOSは未対応)
- 拡張機能が干渉していないか
多くの場合、プランの問題かChromeのバージョンが原因です。
まずはこの2点を確認してみてください。
参加者として使いたい場合は、主催者に「共同アノテーション作成者」として指名してもらうことで解決できます。


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