「共有フォルダの権限、どれを選べばいいの?」
「閲覧だけさせたいけど、設定方法が分からない」
「間違って編集されないようにするには?」
Google Driveで共有フォルダを作る時、権限設定で迷うことはありませんか?
実は、Google Driveには3つの主要な権限レベルがあり、それぞれでできることが大きく異なります。適切な権限を設定しないと、大切なファイルが勝手に編集されたり、削除されたりするリスクもあるんですね。
この記事では、Google Drive共有フォルダの権限の種類から、設定方法、権限ごとにできること・できないこと、トラブル解決まで、詳しく解説していきます。
安全かつ効率的に共有フォルダを運用したい方は、ぜひ最後まで読んでください!
Google Driveの4つの権限レベル

まずは、権限の種類を理解しましょう。
1. オーナー(所有者)
オーナーは、フォルダを作成した人です。
できること:
- すべての操作が可能
- フォルダの削除
- 他のメンバーの権限変更
- メンバーの追加・削除
- 共有設定の変更
- オーナー権限の譲渡(条件あり)
特徴:
各フォルダには必ず1人のオーナーがいます。
オーナーのGoogle Drive容量が消費されるんですね。
2. 編集者(Editor)
編集者は、ファイルの編集や追加ができる権限です。
できること:
- ファイルの閲覧
- ファイルの編集
- ファイルの追加
- ファイルの削除
- ファイルの移動
- フォルダの作成
- 他の人を招待(設定による)
できないこと:
- フォルダ自体の削除
- オーナーの変更
- 権限設定の変更(設定による)
3. 閲覧者(コメント可)(Commenter)
閲覧者(コメント可)は、見ることとコメントができる権限です。
できること:
- ファイルの閲覧
- ファイルのダウンロード
- コメントの追加
- コメントへの返信
できないこと:
- ファイルの編集
- ファイルの削除
- 新しいファイルの追加
- ファイルの移動
4. 閲覧者(Viewer)
閲覧者は、見るだけの権限です。
できること:
- ファイルの閲覧
- ファイルのダウンロード(設定による)
できないこと:
- ファイルの編集
- コメントの追加
- ファイルの削除
- 新しいファイルの追加
権限の比較表
操作 | オーナー | 編集者 | コメント可 | 閲覧者 |
---|---|---|---|---|
閲覧 | ○ | ○ | ○ | ○ |
ダウンロード | ○ | ○ | ○ | △※ |
コメント | ○ | ○ | ○ | × |
編集 | ○ | ○ | × | × |
追加 | ○ | ○ | × | × |
削除 | ○ | ○ | × | × |
共有 | ○ | △※ | × | × |
フォルダ削除 | ○ | × | × | × |
※設定により変更可能
実例
例えば、社内プロジェクトの共有フォルダなら:
- プロジェクトリーダー:オーナー
- チームメンバー:編集者
- 他部署の関係者:閲覧者(コメント可)
- 経営層(報告用):閲覧者
このように使い分けると、効率的で安全な運用ができます。
共有フォルダの権限を設定する方法
実際に権限を設定する手順です。
新しく共有する場合
ステップ1: Google Driveでフォルダを右クリック
ステップ2: 「共有」を選択
共有設定画面が開きます。
ステップ3: 「ユーザーやグループを追加」欄にメールアドレスを入力
複数人を追加する場合は、カンマで区切って入力できます。
ステップ4: 権限レベルを選択
右側のプルダウンメニューから選びます:
- 閲覧者
- 閲覧者(コメント可)
- 編集者
ステップ5: 必要に応じてメッセージを追加
共有の理由や使い方を説明できるでしょう。
ステップ6: 「送信」をクリック
相手にメール通知が届き、共有が完了します。
通知せずに共有する
メール通知を送らずに共有することもできます。
手順:
ステップ1~4: 上記と同じ
ステップ5: 「送信」の横にある▼をクリック
ステップ6: 「通知しない」にチェックを入れる
ステップ7: 「共有」をクリック
これで、メール通知なしで共有できます。
リンクで共有する
特定の人ではなく、リンクを知っている人全員に共有する方法です。
ステップ1: 共有設定画面を開く
ステップ2: 「一般的なアクセス」セクションを確認
ステップ3: 「制限付き」をクリック
ステップ4: 以下から選択
- リンクを知っている全員:リンクがあれば誰でもアクセス可能
- 〇〇の全員:組織内の全員がアクセス可能(Google Workspaceのみ)
ステップ5: 権限レベルを選択
閲覧者、閲覧者(コメント可)、編集者から選びます。
ステップ6: 「完了」をクリック
ステップ7: 「リンクをコピー」をクリック
コピーしたリンクを、メールやチャットで送れます。
実例
例えば、10人のチームメンバーに共有する場合、全員のメールアドレスを入力するより、リンク共有の方が簡単です。
ただし、セキュリティ面では個別指定の方が安全ですね。
既存メンバーの権限を変更する方法
すでに共有している人の権限を変更する手順です。
権限のアップグレード(閲覧者→編集者など)
ステップ1: フォルダを右クリック→「共有」
ステップ2: 共有設定画面で、変更したい人を探す
ステップ3: その人の現在の権限(例:閲覧者)をクリック
ステップ4: 新しい権限(例:編集者)を選択
ステップ5: 変更が即座に反映される
通知は送られません。
権限のダウングレード(編集者→閲覧者など)
手順は上記と同じです。
注意点:
権限を下げると、その人は編集中のファイルが保存できなくなる可能性があります。
事前に連絡しておくと親切でしょう。
メンバーの削除
完全にアクセスを取り消す方法です。
ステップ1: 共有設定画面を開く
ステップ2: 削除したい人の名前を探す
ステップ3: その人の横にある▼をクリック
ステップ4: 「削除」を選択
ステップ5: 確認画面で「削除」をクリック
即座にアクセスできなくなります。
一括変更
複数の人の権限を一度に変更することはできません。
1人ずつ変更する必要があります。
実例
例えば、プロジェクトが完了した後、外部協力者の権限を「編集者」から「閲覧者」に変更すれば、誤った編集を防げます。
権限ごとの詳しい違い
各権限で何ができるか、詳しく見ていきましょう。
編集者の詳細
ファイルの操作:
- 新規作成:○
- 編集:○
- 削除:○
- 名前変更:○
- 移動:○(フォルダ外への移動も可能)
- コピー:○
フォルダの操作:
- サブフォルダ作成:○
- フォルダ名変更:○
- フォルダ削除:○(サブフォルダのみ、メインフォルダは不可)
共有の操作:
- 他の人を招待:○(オーナーが許可している場合)
- 共有リンク取得:○
- 権限変更:×
閲覧者(コメント可)の詳細
できること:
- すべてのファイルを見る
- ダウンロード(許可されている場合)
- PDFとして印刷(許可されている場合)
- コメントを追加
- コメントに返信
- コメントを削除(自分のもののみ)
できないこと:
- ファイルの内容を変更
- ファイル名の変更
- ファイルの削除
- 新規ファイルの追加
活用例:
レビュアーやフィードバックを求める相手に最適です。
閲覧者の詳細
できること:
- ファイルを見る
- ダウンロード(許可されている場合)
- PDFとして印刷(許可されている場合)
できないこと:
- コメントの追加
- ファイルの編集
- ファイルの削除
- 新規ファイルの追加
活用例:
最終報告書を上司に見せるだけ、資料を参照してもらうだけの場合に適しています。
実例
例えば、デザイン案を提出する場合:
- デザイナー:編集者(ファイルを追加・修正)
- クライアント:閲覧者(コメント可)(フィードバックを記入)
- 経営陣:閲覧者(最終確認のみ)
このように権限を分けると、作業がスムーズですね。
詳細な権限設定

さらに細かい制御ができる設定です。
編集者の権限を制限する
設定項目:
- 編集者による権限の変更を禁止
- 編集者による新しいユーザーの追加を禁止
設定方法:
ステップ1: 共有設定画面を開く
ステップ2: 右上の⚙️(設定アイコン)をクリック
ステップ3: 以下のチェックを外す
- 「編集者によるアクセス権の変更や新しいユーザーの追加を許可する」
ステップ4: 「完了」をクリック
これで、編集者は編集はできても、他の人を招待したり権限を変えたりできなくなります。
閲覧者のダウンロード・印刷を禁止
機密性の高いファイルの保護に使えます。
設定方法:
ステップ1: 共有設定画面の⚙️をクリック
ステップ2: 以下のチェックを外す
- 「閲覧者と閲覧者(コメント可)に、ダウンロード、印刷、コピーの項目を表示する」
ステップ3: 「完了」をクリック
効果:
- ダウンロードボタンが消える
- 印刷オプションが消える
- 右クリックでのコピーが制限される
注意点:
完全には防げません。スクリーンショットなどの方法は防げないため、絶対に見られたくないファイルは共有しない方が安全です。
リンクの有効期限設定
Google Workspaceアカウントでは、共有リンクに有効期限を設定できます。
設定方法:
ステップ1: リンク共有の設定画面で「その他の設定」をクリック
ステップ2: 「アクセス権の有効期限」を設定
ステップ3: 日付を選択
ステップ4: 「保存」をクリック
期限が来ると、自動的にアクセスできなくなります。
実例
例えば、外部の取引先にプレゼン資料を見せる場合、ダウンロード禁止に設定すれば、資料の流出リスクを減らせます。
ただし、完全な防止策ではないことを理解しておきましょう。
Google Workspaceの高度な権限管理
企業・組織向けの機能です。
ドメイン制限
特定のドメイン(会社のメールアドレス)のユーザーのみに共有を制限できます。
設定方法(管理者):
管理コンソールから、組織全体または特定の組織部門に対して設定します。
効果:
社外への誤共有を防げるでしょう。
共有ドライブの権限
共有ドライブでは、より細かい権限設定が可能です。
権限の種類:
- 管理者:共有ドライブの削除や設定変更が可能
- コンテンツ管理者:ファイルの管理が可能
- 投稿者:ファイルの追加・編集が可能
- 閲覧者(コメント可):閲覧とコメントのみ
- 閲覧者:閲覧のみ
外部共有の制限
管理者は、組織外部への共有を完全に禁止できます。
設定場所:
管理コンソール→「アプリ」→「Google Workspace」→「ドライブとドキュメント」→「共有設定」
監査ログ
管理者は、誰がいつどのファイルにアクセスしたかを確認できます。
セキュリティ監査に役立つでしょう。
実例
例えば、機密情報を扱う部署では、管理者が外部共有を完全に禁止し、社内のみで情報を共有する設定にすることで、情報漏洩を防げます。
権限に関するよくあるトラブルと解決法
問題が起きた時の対処法です。
トラブル1:編集できない
症状:
「編集する権限がありません」と表示される
原因:
- 閲覧者または閲覧者(コメント可)権限
- ファイルがロックされている
- オーナーが編集を禁止している
解決方法:
- 自分の権限を確認(共有設定画面で確認)
- オーナーに編集者権限への変更を依頼
- ファイルのコピーを作成して編集(自分が所有者になる)
トラブル2:他の人を招待できない
症状:
「共有」ボタンが押せない、または招待できない
原因:
- オーナーが「編集者による追加を禁止」に設定
- 閲覧者または閲覧者(コメント可)権限
- 組織のポリシーで制限されている
解決方法:
- オーナーに設定変更を依頼
- 編集者権限への変更を依頼
- オーナーに直接招待してもらう
トラブル3:ファイルが削除された
症状:
共有フォルダ内のファイルが消えている
原因:
- 編集者権限のある人が削除した
- オーナーが削除した
- 誤って移動された
解決方法:
- オーナーのゴミ箱を確認してもらう
- 削除した人を特定(アクティビティで確認)
- ゴミ箱から復元してもらう
- バージョン履歴から以前の状態に戻す
トラブル4:急にアクセスできなくなった
症状:
「アクセス権が必要です」と表示される
原因:
- 権限が削除された
- オーナーがフォルダを削除した
- 共有設定が変更された
解決方法:
- オーナーに確認
- 共有設定を見直してもらう
- 再度招待してもらう
トラブル5:外部の人と共有できない
症状:
組織外のメールアドレスで共有しようとするとエラーが出る
原因:
- 組織のポリシーで外部共有が禁止されている
- 管理者が制限をかけている
解決方法:
- IT管理者に確認
- 一時的な許可を申請
- 別の共有方法を検討(Google Workspaceならビジター共有など)
実例
例えば、チームメンバーが重要なファイルを誤って削除した場合、すぐにオーナーに連絡してゴミ箱から復元してもらえば、データを取り戻せます。
30日以内なら復元可能です。
セキュリティのベストプラクティス

安全に共有フォルダを運用するためのコツです。
1. 最小権限の原則
必要最小限の権限だけを与えましょう。
基本ルール:
- 閲覧だけなら:閲覧者
- フィードバックが必要なら:閲覧者(コメント可)
- 共同作業が必要なら:編集者
迷ったら、まず低い権限から始めて、必要に応じて上げるのが安全です。
2. 定期的な権限の見直し
プロジェクト終了後や、メンバーの異動時には権限を見直しましょう。
チェック項目:
- 退職者のアクセス権は削除されているか
- プロジェクト終了後も編集者権限が残っていないか
- 不要な外部共有はないか
3. リンク共有の慎重な使用
リンク共有は便利ですが、リスクもあります。
注意点:
- リンクが漏れると誰でもアクセスできる
- 機密情報にはリンク共有を使わない
- 必要な場合は有効期限を設定
4. 二段階認証の有効化
Googleアカウント自体のセキュリティを強化しましょう。
設定場所:
Googleアカウント→セキュリティ→2段階認証プロセス
5. アクティビティログの確認
誰がいつアクセスしたか、定期的に確認します。
確認方法:
フォルダを右クリック→「アクティビティ」
不審な動きがあれば、すぐに対処できますね。
6. 機密ファイルの暗号化
非常に重要なファイルは、暗号化してから共有するのも一つの方法です。
方法:
- パスワード付きZIPファイルにする
- 専用の暗号化ツールを使う
7. 組織ポリシーの遵守
会社や学校のルールを守りましょう。
確認すべきこと:
- 外部共有の可否
- 機密レベルごとの共有ルール
- 承認フローの有無
実例
例えば、決算資料などの機密情報は:
- 特定の人だけに個別共有(リンク共有は使わない)
- 閲覧者権限で開始
- ダウンロード・印刷を禁止
- プロジェクト終了後は速やかにアクセス削除
このように多層的な対策を取ると安全です。
よくある質問(FAQ)
Q1: 編集者権限でも、フォルダ自体は削除できないのですか?
A: はい、できません。
編集者はフォルダ内のファイルやサブフォルダは削除できますが、メインの共有フォルダ自体を削除できるのはオーナーのみです。これにより、誤った完全削除を防いでいます。
Q2: 権限を変更すると、相手に通知されますか?
A: いいえ、通知は送られません。
権限を上げても下げても、自動的にメール通知は届きません。重要な変更の場合は、別途メールやチャットで伝えることをおすすめします。
Q3: 閲覧者でもファイルをコピーできますか?
A: はい、デフォルトではできます。
ただし、オーナーが「ダウンロード、印刷、コピーを禁止」に設定していれば、コピーもできなくなります。完全には防げないため、絶対に複製されたくないファイルは共有しない方が安全でしょう。
Q4: 複数のフォルダで同じ人に同じ権限を一括設定できますか?
A: いいえ、できません。
Google Driveには、複数フォルダに対する一括権限設定機能はありません。フォルダごとに個別に設定する必要があります。同じメンバー構成なら、親フォルダで権限設定し、その中にサブフォルダを作る方が効率的です。
Q5: オーナー権限は譲渡できますか?
A: 条件付きで可能です。
Google Workspaceの同じ組織内であれば、Googleドキュメント・スプレッドシート・スライドなどGoogle形式のファイルはオーナー譲渡できます。ただし、PDFや画像などの通常ファイルは譲渡できません。個人アカウント間でも基本的に譲渡は不可です。
まとめ
Google Drive共有フォルダの権限設定についてまとめます。
4つの権限レベル:
- オーナー:すべての操作が可能
- 編集者:編集・追加・削除が可能
- 閲覧者(コメント可):閲覧・コメントが可能
- 閲覧者:閲覧のみ
権限の設定方法:
- フォルダを右クリック→「共有」
- メールアドレスを入力
- 権限レベルを選択
- 送信で完了
詳細設定:
- 編集者による招待を禁止
- ダウンロード・印刷を禁止
- リンクの有効期限設定(Google Workspace)
- ドメイン制限(Google Workspace)
権限の使い分け:
- 編集が必要:編集者
- フィードバックが必要:閲覧者(コメント可)
- 見るだけでOK:閲覧者
- 完全な管理が必要:オーナー
セキュリティのポイント:
- 最小権限の原則
- 定期的な権限見直し
- リンク共有は慎重に
- 二段階認証を有効化
- アクティビティログを確認
- 機密ファイルは暗号化も検討
よくあるトラブル:
- 編集できない → 権限を確認
- 招待できない → オーナーの設定確認
- ファイル削除 → ゴミ箱から復元
- アクセス不可 → 再招待を依頼
重要な注意点:
- 権限変更は通知されない
- 編集者でもフォルダ削除は不可
- ダウンロード禁止でも完全防止は不可
- オーナー譲渡は条件あり
Google Driveの権限設定は、適切に使えば安全で効率的な共同作業を実現できます。
「誰に何をさせたいか」を明確にして、必要最小限の権限を与えることが基本です。定期的に権限を見直して、セキュリティと利便性のバランスを保ちましょう!
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