「出張先でWi-Fiがなくて、Google Driveのファイルが開けない…」
「飛行機の移動中に資料を確認したいのに、ネットに繋がらない!」
こんな経験はありませんか?
実は、Google Driveにはオフラインモードという機能があります。事前に設定しておけば、インターネットに接続していなくてもファイルを開いたり編集したりできるんです。
この記事では、Google Driveをオフラインで使う方法を、パソコンとスマホそれぞれで詳しく解説します。移動中や電波の悪い場所でも、快適に作業できるようになりますよ。
Google Driveのオフライン機能とは?

オフラインアクセスの基本
オフラインアクセスとは、インターネットに接続していない状態でもGoogle Driveのファイルを使える機能です。
オフラインモードでできること:
- ファイルを開いて閲覧
- ドキュメント・スプレッドシート・スライドの編集
- 新規ファイルの作成
- 編集内容は自動保存(ネット接続時に同期)
オフラインとは?
インターネットに繋がっていない状態のこと。Wi-Fiや携帯電話の電波が届かない場所でも、デバイス単体で作業できます。
オンラインとの違い
オンライン(通常モード):
- インターネット経由でサーバーと通信
- すべてのファイルにアクセス可能
- 常に最新の状態
- 他のユーザーとリアルタイム共同編集
オフライン:
- ローカル(自分のデバイス)に保存されたファイルのみ
- 事前にダウンロードしたファイルだけ使える
- 編集内容はネット接続時に同期
- 共同編集は不可(自分の編集のみ)
オフライン機能を使うメリット
いつでもどこでも作業できる
便利な場面:
- 飛行機や新幹線での移動中
- 地下鉄や電波の悪い場所
- 海外でデータ通信を使いたくない時
- Wi-Fi環境がない出張先
- 通信制限中でも作業したい時
データ通信量を節約
節約のポイント:
- 一度ダウンロードすれば通信不要
- 大容量ファイルを何度も開いても安心
- モバイルデータの消費を抑える
- 通信費の削減
作業の中断を防ぐ
安定性の向上:
- ネット接続が不安定でも作業継続
- 突然の接続切断に影響されない
- 重要な作業を確実に完了
- 編集内容は後で自動同期
【パソコン版】オフライン設定の方法
Google Chrome限定の機能
パソコンでのオフライン機能は、Google Chromeブラウザ専用です。
対応ブラウザ:
✅ Google Chrome(推奨)
❌ Firefox(非対応)
❌ Safari(非対応)
❌ Microsoft Edge(非対応)
他のブラウザでは使えないので、Chromeをインストールしましょう。
オフラインモードの有効化手順
前提条件:
- Google Chromeブラウザ
- Googleアカウントでログイン済み
- 十分なストレージ容量(空き容量)
設定手順:
- Google Driveを開く
- Chromeで drive.google.com にアクセス
- 設定メニューを開く
- 画面右上の歯車アイコン(⚙)をクリック
- 「設定」を選択
- オフラインを有効化
- 「オフライン」セクションを探す
- 「オフラインでGoogle ドキュメント、スプレッドシート、スライドのファイルの作成や最近使用したファイルの閲覧と編集が可能」にチェック
- 確認画面で同意
- 内容を確認して「OK」または「オンにする」
- 完了
- 設定が有効になります
設定後の動作:
- 最近開いたファイルが自動的にオフライン対応
- Google形式のファイル(ドキュメント等)が優先
- 容量に応じて自動調整
特定のファイルをオフライン対応にする
すべてのファイルではなく、選んだファイルだけオフライン対応することもできます。
手順:
- ファイルを右クリック
- オフライン対応したいファイルを選択
- オフラインで使用可を選択
- 「オフラインで使用可」をクリック
- ダウンロード開始
- ファイルがローカルに保存される
- 完了するとチェックマークが表示
一括設定の方法:
- 複数ファイルを選択
- Ctrlキー(Mac: Command)を押しながらクリック
- 右クリック→オフラインで使用可
- 一括でオフライン対応
対応ファイル形式:
- Googleドキュメント
- Googleスプレッドシート
- Googleスライド
- 一部のPDFや画像(制限あり)
【スマホ版】オフライン設定の方法
iPhone・iPadでの設定
Google Driveアプリが必要:
App Storeから「Google ドライブ」アプリをインストールしてください。
設定手順:
- Google Driveアプリを開く
- ファイルを選択
- オフライン対応したいファイルを探す
- メニューを開く
- ファイルの横の「︙」(3点メニュー)をタップ
- オフラインで使用可能にする
- 「オフラインで使用可能にする」をタップ
- ダウンロード完了を待つ
- ファイルが端末に保存されます
- チェックマークが表示されたら完了
オフラインファイルの確認:
- 左上のメニュー(≡)をタップ
- 「オフライン」を選択
- オフライン対応ファイル一覧が表示
Androidでの設定
手順:
- Google Driveアプリを開く
- ファイルの「︙」をタップ
- オフラインで使用可能にする
- メニューから選択
- ダウンロード完了
- 端末に保存されます
Androidの追加機能:
- SDカードへの保存も可能(一部機種)
- バックグラウンドダウンロード対応
- Wi-Fi専用ダウンロード設定
スマホでの注意点
容量管理:
- オフラインファイルは端末容量を使用
- 不要になったら削除
- 定期的に整理が必要
対応ファイル:
- Google形式ファイル(ドキュメント等)
- PDFファイル
- 画像ファイル
- 動画(容量注意)
- Microsoft Office形式
オフラインでできること・できないこと
できること
閲覧:
✅ ファイルを開いて内容を確認
✅ ページをスクロール
✅ 拡大・縮小表示
✅ ファイル内検索(一部)
編集(Google形式ファイル):
✅ テキストの追加・削除
✅ 書式変更
✅ 画像の挿入(既存の画像)
✅ 図形やグラフの編集
作成:
✅ 新規ドキュメント作成
✅ 新規スプレッドシート作成
✅ 新規スライド作成
保存:
✅ 編集内容の一時保存
✅ ネット接続時に自動同期
できないこと
共有・共同作業:
❌ 他のユーザーと同時編集
❌ リアルタイムのコメント追加
❌ 共有設定の変更
❌ 新規共有の招待
ファイル操作:
❌ 新規ファイルのダウンロード
❌ アップロード
❌ オンライン上のファイル一覧更新
❌ 検索(オンライン上のファイル)
一部の機能:
❌ アドオンの使用
❌ Web上の画像挿入
❌ リンクのプレビュー
❌ バージョン履歴の詳細確認
オフライン作業の流れ
事前準備(オンライン時)
準備のチェックリスト:
- オフライン機能を有効化
- 設定で事前にオンにする
- 必要なファイルを選択
- 作業予定のファイルをオフライン対応
- ダウンロード完了を確認
- チェックマークを確認
- 容量を確認
- デバイスの空き容量チェック
- テスト
- 機内モードで試してみる
オフライン作業中
作業の手順:
- Google Driveを開く
- ブラウザまたはアプリ
- オフライン対応ファイルを開く
- 通常通りダブルクリック
- 編集作業
- 普段通り編集可能
- 自動保存される
- 確認
- 「すべての変更内容を保存しました」と表示
- またはクラウドアイコンに注意
オンラインに戻った後
同期の流れ:
- インターネットに接続
- Wi-Fiまたはモバイルデータ
- 自動同期開始
- オフライン中の編集が自動アップロード
- 同期完了を確認
- 「同期済み」または緑のチェックマーク
- 競合の確認
- 他の人も編集していた場合、競合解決が必要
競合が起きた時:
- 「競合するバージョン」という通知
- 自分の変更と他人の変更を比較
- どちらを採用するか選択
- または両方を統合
デスクトップアプリでのオフライン利用

パソコン版Google Driveアプリ
ブラウザ版とは別に、デスクトップアプリでもオフライン利用ができます。
デスクトップアプリの特徴:
- ローカルフォルダとして表示
- エクスプローラー・Finderで操作
- 常時同期が基本
- オフライン対応が標準
オフライン設定:
- アプリをインストール
- Google公式サイトからダウンロード
- 同期設定
- 「ストリーミング」または「ミラーリング」を選択
- オフライン対応
- ミラーリングモード:すべてローカル保存
- ストリーミングモード:選択ファイルのみ
ミラーリングとストリーミングの違い:
ミラーリング:
- すべてのファイルをローカルに保存
- 常にオフライン利用可能
- 容量を大きく消費
- 同期が完全
ストリーミング:
- 必要な時だけダウンロード
- 容量節約
- オフライン対応は個別設定
- クラウド優先
オフライン機能のトラブルシューティング
トラブル1:オフライン設定が見つからない
原因と対処:
原因1:Chromeブラウザ以外を使用
→ Google Chromeに切り替え
原因2:ログインしていない
→ Googleアカウントでログイン
原因3:古いバージョン
→ ブラウザを最新版に更新
原因4:組織のポリシー制限
→ 管理者に確認(Google Workspace)
トラブル2:ファイルが開けない
チェック項目:
- オフライン対応済みか確認
- チェックマークがあるか
- オフライン一覧に表示されるか
- ダウンロード完了を確認
- 未完了の場合、再度オンライン接続
- キャッシュをクリア
- ブラウザのキャッシュ削除
- 再度オフライン設定
- アプリを再起動
- 完全に終了して再起動
トラブル3:編集が同期されない
対処法:
- ネット接続を確認
- 本当にオンラインか確認
- 他のサイトが開くかテスト
- 手動で同期
- ファイルを開き直す
- 「再読み込み」ボタン
- 競合を解決
- 競合メッセージに従う
- バージョンを選択
- 最悪の場合
- ファイルをダウンロード
- 別名で保存
- 新規ファイルとしてアップロード
トラブル4:容量不足エラー
対処法:
- 不要なオフラインファイル削除
- 使わないファイルをオフライン解除
- キャッシュクリア
- ブラウザのストレージを削除
- デバイスの空き容量確保
- 他のファイルやアプリを削除
- 選択的にオフライン対応
- すべてではなく重要ファイルのみ
オフライン利用の注意点
セキュリティ上の注意
重要ファイルの取り扱い:
- デバイスを紛失するとファイルも流出
- 機密情報は慎重に
- デバイスのロック設定必須
- 不要になったら削除
推奨対策:
✅ デバイスにパスワード設定
✅ 指紋認証・顔認証の利用
✅ 作業後はオフライン解除
✅ 公共の場での使用は慎重に
容量管理
ストレージ消費:
- オフラインファイルは端末容量を使用
- 大量設定は避ける
- 定期的に見直し
容量節約のコツ:
- 本当に必要なファイルのみ
- 作業終了後は解除
- 大容量ファイルは避ける
- 動画は極力オンラインで
同期のタイミング
自動同期の特徴:
- ネット接続時に自動実行
- バックグラウンドで処理
- 完了まで時間がかかる場合あり
手動同期のタイミング:
- 重要な編集後は手動確認
- 締切前は確実に同期
- プレゼン前は最新版を確認
活用シーン別の設定ガイド
飛行機・新幹線での移動
準備:
- 出発前にオフライン設定
- 必要な資料をすべて対応
- バッテリー充電
作業中:
- 機内モードをオン
- Google Driveアプリで作業
- 編集内容は自動保存
到着後:
- ネット接続
- 自動同期を確認
海外出張
メリット:
- 高額なローミング不要
- ホテルWi-Fiのみで対応
- データ通信量ゼロ
設定:
- 出発前に全資料をオフライン化
- 現地では閲覧・編集のみ
- ホテルのWi-Fiで同期
電波の悪い場所での会議
準備:
- 会議資料を事前ダウンロード
- プレゼンファイルもオフライン化
- 当日の資料修正も可能
メリット:
- 途切れることなくプレゼン
- その場で修正も可能
- 安定した動作
オフライン機能とデスクトップアプリの使い分け
ブラウザ版オフライン
メリット:
✅ インストール不要
✅ どのデバイスでも設定可能
✅ ストレージ節約しやすい
デメリット:
❌ Chrome限定
❌ 手動設定が必要
❌ 一部機能制限
おすすめの人:
- たまにしかオフライン使用しない
- 特定ファイルだけ対応したい
- 容量を気にする人
デスクトップアプリ
メリット:
✅ エクスプローラー・Finderから直接アクセス
✅ 常時同期
✅ オフライン対応が標準
デメリット:
❌ インストールが必要
❌ 容量を多く使用(ミラーリング時)
❌ 初回同期に時間
おすすめの人:
- 頻繁にオフライン作業する
- ローカルファイルのように使いたい
- 容量に余裕がある
よくある質問(Q&A)
Q1:オフライン対応ファイル数に制限はありますか?
技術的な制限はありませんが、デバイスの容量が許す限りです。ただし、大量に設定すると動作が重くなる可能性があります。
Q2:他の人が編集中のファイルをオフラインで編集したらどうなりますか?
オンラインに戻った時、競合が発生します。自分の変更と相手の変更を比較し、どちらを採用するか選択する必要があります。
Q3:オフライン対応したファイルはずっと端末に残りますか?
はい、手動で削除するまで残ります。不要になったら「オフラインで使用可」のチェックを外して削除しましょう。
Q4:Microsoft Office形式のファイルもオフラインで編集できますか?
閲覧は可能ですが、編集は制限されます。Googleドキュメント形式に変換すれば編集可能になります。
Q5:スマホでオフライン対応したファイルはパソコンでも使えますか?
いいえ、デバイスごとに個別設定が必要です。各デバイスで「オフラインで使用可」を設定してください。
Q6:オフライン中に削除したファイルはどうなりますか?
オンラインに戻った時、サーバーからも削除されます。ゴミ箱に移動するので、30日以内なら復元可能です。
まとめ:オフライン機能で場所を選ばず作業しよう
Google Driveのオフライン機能について解説しました。
パソコンでの設定:
- Google Chromeブラウザを使用
- 設定→オフラインを有効化
- ファイルを右クリック→オフラインで使用可
スマホでの設定:
- Google Driveアプリ必須
- ファイルメニューから設定
- ダウンロード完了を確認
オフラインでできること:
✅ ファイル閲覧
✅ Google形式ファイルの編集
✅ 新規作成
✅ 自動保存(後で同期)
できないこと:
❌ リアルタイム共同編集
❌ 新規ダウンロード
❌ 共有設定変更
❌ 一部の高度な機能
活用シーン:
- 飛行機・新幹線での移動
- 海外出張
- 電波の悪い場所
- データ通信量の節約
注意点:
⚠️ デバイス容量を消費
⚠️ セキュリティ対策必須
⚠️ 定期的な整理が必要
⚠️ Chrome限定(パソコン)
オフライン機能を活用すれば、いつでもどこでも快適に作業できます。出張前や移動前に設定して、効率的なワークスタイルを実現しましょう!
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