「新しいパソコンに買い替えたけど、Google Driveのデータはどうすればいい?」
「会社のアカウントから個人アカウントにファイルを移したい…」
「OneDriveやDropboxからGoogle Driveに乗り換えたいけど、やり方が分からない」
クラウドストレージの移行って、失敗したらデータが消えそうで怖いですよね。でも安心してください。正しい手順を踏めば、すべてのファイルを安全に移行できます。
この記事では、あらゆる移行パターンに対応した具体的な方法を、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
Google Drive移行が必要になる5つのケース

まず、どんな時に移行作業が必要になるのか確認しましょう。
ケース1:新しいパソコンへの移行
パソコンを買い替えた時、古いPCのGoogle Driveデータを新しいPCに引き継ぎたい
ケース2:アカウント間の移行
個人用と仕事用、学校用など、異なるGoogleアカウント間でファイルを移動したい
ケース3:他のクラウドサービスからの移行
OneDrive、Dropbox、iCloudなどから、Google Driveに乗り換えたい
ケース4:Google Workspaceへの移行
無料の個人アカウントから、有料のビジネスアカウント(Google Workspace)に切り替えたい
ケース5:容量不足による別アカウントへの分散
15GBの無料容量を超えそうなので、新しいアカウントに一部のデータを移したい
あなたの状況はどれに当てはまりますか?それぞれの具体的な移行方法を、順番に見ていきましょう。
【ケース1】新しいパソコンへのGoogle Drive移行方法
実は、この場合は「移行」というより「再インストール」で完了します。
なぜ簡単なの?
Google Driveのファイルは、すべてクラウド(オンライン上)に保存されています。つまり、パソコンが変わっても、同じGoogleアカウントでログインすれば、全く同じファイルにアクセスできるんです。
手順:たった3ステップ
ステップ1:新しいパソコンにGoogle Driveをインストール
- 公式サイト(drive.google.com)から最新版をダウンロード
- インストーラーを実行
ステップ2:同じGoogleアカウントでログイン
- 今まで使っていたメールアドレスとパスワードを入力
- 2段階認証を設定している場合は確認コードを入力
ステップ3:同期設定を確認
- 同期方式(ストリーミング/ミラーリング)を選択
- 同期するフォルダを選択
- 完了!自動的にファイルが利用可能になります
注意点:
古いパソコンのGoogle DriveアプリはアンインストールしてもOK。クラウド上のデータには影響しません。
【ケース2】Googleアカウント間でのデータ移行
違うアカウント同士でファイルを移動する場合は、少し手順が必要です。
方法A:共有機能を使った移行(少量のファイル向け)
手順:
- 移行元のアカウントで作業
- Google Driveを開く
- 移行したいファイル/フォルダを右クリック
- 「共有」を選択
- 移行先のメールアドレスを入力
- 「編集者」権限を付与して送信
- 移行先のアカウントで作業
- 「共有アイテム」フォルダを開く
- 共有されたファイル/フォルダを右クリック
- 「マイドライブに追加」または「コピーを作成」を選択
メリット: 操作が簡単
デメリット: ファイル数が多いと時間がかかる
方法B:Googleテイクアウトを使った一括移行(大量のファイル向け)
手順:
- データのエクスポート
- takeout.google.com にアクセス
- 「選択をすべて解除」をクリック
- 「Google Drive」のみチェック
- 「次のステップ」→配信方法を選択
- エクスポートを作成(数時間~数日かかる場合あり)
- データのダウンロード
- メールで届くダウンロードリンクをクリック
- ZIPファイルをダウンロード
- 解凍してファイルを取り出す
- 新しいアカウントにアップロード
- 移行先のアカウントでGoogle Driveを開く
- 解凍したフォルダをドラッグ&ドロップ
- アップロード完了を待つ
ポイント:
- 大容量の場合は、複数のZIPファイルに分割されます
- ダウンロードリンクの有効期限は1週間
- 元のフォルダ構造がそのまま保持されます
方法C:共有ドライブ経由の移行(組織向け)
Google Workspaceを使っている場合のみ可能な方法です。
- 共有ドライブを作成
- 移行したいファイルを共有ドライブに移動
- 移行先アカウントに共有ドライブへのアクセス権限を付与
- 移行先アカウントで、共有ドライブから個人ドライブにコピー
【ケース3】他のクラウドサービスからGoogle Driveへの移行
OneDrive、Dropbox、iCloudからGoogle Driveに乗り換える方法です。
基本的な流れ:ダウンロード→アップロード
どのサービスからの移行も、基本は同じ3ステップです。
ステップ1:元のサービスからファイルをダウンロード
OneDriveの場合:
- OneDrive.comにアクセス
- 移行したいファイル/フォルダを選択
- 「ダウンロード」をクリック
- ZIPファイルを解凍
Dropboxの場合:
- Dropbox.comにアクセス
- 移行したいファイル/フォルダを選択
- 「ダウンロード」をクリック
- 必要に応じて解凍
iCloudの場合:
- iCloud.comにアクセス
- 「iCloud Drive」を開く
- ファイルを選択してダウンロード
ステップ2:Google Driveにアップロード
- drive.google.comを開く
- 「新規」→「ファイルのアップロード」または「フォルダのアップロード」
- ダウンロードしたファイルを選択
- アップロード完了を待つ
ステップ3:元のサービスから削除(任意)
完全に移行が完了し、動作確認できたら、元のサービスからファイルを削除して容量を節約できます。
便利な移行ツール:MultCloud(マルチクラウド)
複数のクラウドサービスを連携させて、直接データを転送できる無料ツールです。
使い方:
- multcloud.comでアカウント作成
- 移行元と移行先のクラウドサービスを連携
- 「クラウド転送」機能でファイルを直接移動
メリット:
- いちいちダウンロード・アップロードしなくて済む
- 大容量ファイルも効率的に転送可能
- スケジュール設定で自動転送も可能
注意点:
無料プランは月間転送量に制限があります(5GB~30GB程度)
【ケース4】個人アカウントからGoogle Workspaceへの移行
会社や学校で使うため、ビジネス向けアカウントに切り替える場合です。
Google Workspaceとは?
Google Driveの有料ビジネス版です。独自ドメインのメールアドレス(例:名前@会社名.com)が使え、容量も大幅アップ(30GB~無制限)します。
移行の注意点
個人アカウントとWorkspaceアカウントは、完全に別のアカウント扱い。自動的にデータは移行されません。
移行手順
前述の「アカウント間移行」と同じ方法を使います:
- 共有機能で移行(少量の場合)
- Googleテイクアウトで移行(大量の場合)
- 管理者に依頼(会社によっては、管理者が一括移行ツールを使える場合あり)
移行時に確認すべき重要な3つのポイント
データを移す前に、必ずチェックしておきましょう。
1. 容量の確認
移行先の容量は十分ですか?
- 個人アカウント:15GB(無料)
- Google One(有料):100GB、200GB、2TB
- Google Workspace:30GB~無制限(プランによる)
移行元のデータ量を確認して、足りない場合は事前にアップグレードしましょう。
2. 共有設定の引き継ぎ
重要: ファイルを移行しても、共有設定は自動的には引き継がれません。
対処法:
- 移行後、必要なファイルを再度共有設定する
- 共有リンクは新しく生成される
- 重要な共有先には、移行することを事前に連絡
3. Google形式ファイルの扱い
Google ドキュメント、スプレッドシート、スライドなどは、通常の方法ではコピーできません。
対処法:
- 「コピーを作成」機能を使う
- または、Microsoft Office形式(.docx、.xlsx、.pptx)でダウンロードしてからアップロード
移行作業中のトラブルと解決策
よくある問題と、その対処法をまとめました。
トラブル1:アップロードが途中で止まる
原因: ネットワークの不安定、ブラウザの問題
解決策:
- Wi-Fi接続を確認し、可能なら有線LANに切り替え
- ブラウザのキャッシュをクリア
- Google Chromeを使う(最も安定)
- ファイルを小分けにしてアップロード
トラブル2:「容量が足りません」エラー
原因: 移行先の空き容量不足
解決策:
- 不要なファイルを削除
- ゴミ箱を空にする(ゴミ箱もカウントされるため)
- Google Oneにアップグレード
トラブル3:ファイル名が文字化けする
原因: 特殊文字や日本語の扱いの違い
解決策:
- ファイル名に使える文字に変更(英数字推奨)
- 移行後に手動でリネーム
トラブル4:共有リンクが使えなくなった
原因: 移行により新しいファイルとして扱われるため
解決策:
- 新しい共有リンクを生成
- 関係者に新しいリンクを通知
移行後にすべき5つのチェック項目
無事に移行できたら、以下を確認しましょう。
✓ すべてのファイルが移行されたか
フォルダ数、ファイル数を元のアカウントと比較
✓ ファイルが正常に開けるか
ランダムにいくつかファイルを開いて動作確認
✓ 共有設定を再設定したか
必要なファイルに共有権限を付与し直す
✓ 同期設定は正しいか
パソコン版Google Driveの同期フォルダを確認
✓ 元のデータを削除してよいか
完全に移行できたことを確認してから、元のアカウントやサービスのデータを削除
まとめ:計画的に進めれば、移行は怖くない
Google Driveの移行作業は、正しい手順を踏めば誰でも安全に実行できます。
この記事のポイント:
✅ 新しいパソコンへの移行は、再インストールとログインだけでOK
✅ アカウント間移行は、共有機能かGoogleテイクアウトを使う
✅ 他サービスからの移行は、ダウンロード→アップロードが基本
✅ 容量・共有設定・ファイル形式を事前にチェック
✅ 移行後の確認を怠らず、問題がないことを確認してから元データを削除
移行を成功させる3つの秘訣:
- 事前準備をしっかり:容量確認、バックアップ取得
- 少量でテスト:まず一部のファイルで試してから本番
- 焦らず確実に:大量データは時間がかかるので、余裕を持って実施
移行作業は一見複雑に見えますが、一つ一つ確実に進めれば大丈夫。この記事を参考に、安全にデータ移行を完了させてくださいね!
コメント