「Google Driveにアップロードしたファイルは安全なの?」
「ウイルスに感染したファイルをダウンロードしてしまわないか心配…」
クラウドストレージを使う上で、セキュリティは誰もが気になるポイントですよね。
実は、Google Driveには自動ウイルススキャン機能が標準装備されています。アップロードやダウンロードの際に、自動的にマルウェア(悪意のあるソフトウェア)をチェックしてくれるんです。
この記事では、Google Driveのウイルススキャン機能の仕組みから、安全にファイルを管理する方法まで、分かりやすく解説します。セキュリティ対策を万全にして、安心してクラウドを活用しましょう。
Google Driveのウイルススキャン機能とは?

自動スキャンの仕組み
Google Driveは、アップロードされたファイルやダウンロードするファイルを自動的にスキャンします。
スキャンのタイミング:
- ファイルをアップロードした時
- ファイルをダウンロードする前
- ファイルを共有する時
マルウェアとは?
コンピュータやスマホに害を与える悪意のあるプログラムの総称です。ウイルス、トロイの木馬、ランサムウェアなどが含まれます。
Googleのセキュリティ技術
Google Driveのウイルススキャンは、Googleの高度なセキュリティ技術を活用しています。
主な特徴:
- 既知のウイルス・マルウェアのデータベースと照合
- 不審な動作パターンを検出
- 定期的なデータベース更新
- 機械学習による新種マルウェアの検出
世界中のユーザーを守るため、24時間365日体制で最新の脅威に対応しています。
ウイルススキャンが実行される場面
アップロード時のスキャン
ファイルをGoogle Driveにアップロードすると、自動的にスキャンが開始されます。
スキャンの流れ:
- ファイルのアップロード
- ドラッグ&ドロップ、または「新規」ボタンでアップロード
- 自動スキャン開始
- アップロード完了と同時にスキャン実行
- バックグラウンドで処理されるため、待つ必要なし
- 結果の判定
- 問題なし:通常通り保存される
- マルウェア検出:警告表示またはブロック
ダウンロード時のスキャン
保存されているファイルをダウンロードする際も、スキャンが行われます。
プロセス:
- ダウンロードボタンをクリック
- スキャン実行
- ファイルサイズが25MB以下の場合に自動スキャン
- 安全確認後にダウンロード
- 問題がなければそのままダウンロード
- マルウェアが検出された場合は警告表示
25MBの制限について:
25MBを超える大容量ファイルは、完全なスキャンができません。この場合、「このファイルはスキャンできません」という警告が表示されます。
共有時のチェック
ファイルを他のユーザーと共有する時も、セキュリティチェックが入ります。
共有時の安全機能:
- マルウェアが検出されたファイルは共有できない
- 受信者がダウンロードする際にも再スキャン
- 不審なファイルには警告表示
ウイルスが検出された時の表示と対処法
警告メッセージの種類
マルウェアが検出されると、以下のような警告が表示されます。
主な警告メッセージ:
- 「ウイルスが検出されました」
- 明確にマルウェアと判定された場合
- ダウンロードがブロックされる
- 「このファイルはスキャンできません」
- ファイルサイズが25MB超の場合
- ダウンロードは可能だが自己責任
- 「このファイルには問題がある可能性があります」
- 100%確定ではないが疑わしい場合
- 注意喚起のみ
ウイルスが検出された時の対処法
対処手順:
- ダウンロードしない
- 警告が出たファイルは基本的にダウンロード禁止
- ファイルの出所を確認
- 信頼できる送信者か確認
- 誤検出の可能性もあるため、送信者に連絡
- 削除を検討
- 不要または不審なファイルは削除
- ゴミ箱を空にして完全削除
- ウイルス対策ソフトでスキャン
- 既にダウンロード済みなら、パソコンのウイルス対策ソフトで確認
「スキャンできません」の警告への対処
25MB以上のファイルでこの警告が出た場合の対応方法です。
安全に扱う方法:
- 送信元を確認
- 信頼できる人・組織からのファイルか確認
- 不明なファイルはダウンロードしない
- ウイルス対策ソフトで事前チェック
- ダウンロード後、必ず自分のウイルス対策ソフトでスキャン
- 開く前にスキャン必須
- 仮想環境でテスト
- 重要なパソコンでは直接開かない
- 可能なら仮想マシンや別デバイスで確認
- それでも不安なら開かない
- 代替手段を検討
- 送信者に別の方法での送付を依頼
手動でウイルススキャンする方法
Google Driveには手動スキャンボタンはありませんが、以下の方法でチェックできます。
方法1:ダウンロードせずにプレビューで確認
手順:
- ファイルをクリック(ダブルクリックではなくシングルクリック)
- ファイルが選択された状態になる
- プレビューボタンをクリック
- 画面上部の目のアイコン、または
- ファイルをダブルクリックしてプレビュー表示
- 内容を確認
- ダウンロードせずに中身をチェック
- テキストファイルやPDFなどに有効
メリット:
- ダウンロードせずに内容確認
- マルウェアがパソコンに入るリスクを軽減
方法2:ダウンロード前の警告確認
手順:
- ファイルを右クリック
- 「ダウンロード」を選択
- 警告メッセージを確認
- 表示される警告を必ず読む
- 「スキャンできません」表示を見逃さない
- 判断する
- 警告がなければ安全の可能性が高い
- 警告があれば慎重に対応
方法3:VirusTotalで詳細チェック
より詳細な分析が必要な場合、VirusTotalというサービスが便利です。
VirusTotalとは?
複数のウイルス対策ソフトで同時にスキャンできる無料サービス。Googleが運営しています。
使い方:
- VirusTotalにアクセス
- https://www.virustotal.com/ を開く
- ファイルをアップロード
- 「ファイルを選択」でローカルファイルを選択
- またはGoogle DriveのURLを入力(公開リンクの場合)
- スキャン実行
- 60種類以上のウイルス対策エンジンで同時スキャン
- 結果を確認
- 検出結果が一覧表示される
- 1つでも検出があれば要注意
注意点:
アップロードしたファイルは他のユーザーと共有される可能性があります。機密ファイルのアップロードは避けましょう。
Google Driveのセキュリティを高める方法
1. 2段階認証を有効にする
アカウント自体のセキュリティを強化しましょう。
設定手順:
- Googleアカウント設定を開く
- https://myaccount.google.com/ にアクセス
- セキュリティを選択
- 左側のメニューから「セキュリティ」
- 2段階認証プロセス
- 「2段階認証プロセス」をクリック
- 画面の指示に従って設定
メリット:
- パスワードが漏れても不正アクセスを防げる
- スマホへの確認コード送信で本人確認
2. 共有設定を適切に管理
不必要な共有は避け、必要最小限の権限を与えましょう。
共有のベストプラクティス:
- 閲覧のみ権限を優先
編集が不要なら「閲覧者」権限に - リンク共有は慎重に
「リンクを知っている全員」より「特定のユーザー」を選択 - 期限付き共有
必要な期間だけ共有し、終了後は解除 - 定期的な見直し
共有中のファイル一覧を定期チェック
3. 不審なファイルは即座に削除
見覚えのないファイルや、不審なファイルは放置しないことです。
削除手順:
- ファイルを選択
- 削除したいファイルをクリック
- ゴミ箱に移動
- 右クリック→「削除」
- またはDeleteキーを押す
- 完全削除
- 左側メニューの「ゴミ箱」を開く
- 「ゴミ箱を空にする」で完全削除
4. 定期的なパスワード変更
セキュリティ維持のため、パスワードは定期的に更新しましょう。
強力なパスワードの条件:
- 12文字以上
- 英大文字・小文字・数字・記号を組み合わせ
- 辞書にある単語を避ける
- 他のサービスと同じパスワードを使わない
5. ログイン履歴の確認
不正アクセスがないか定期的にチェックします。
確認方法:
- Googleアカウント設定
- https://myaccount.google.com/
- セキュリティ→最近のアクティビティ
- ログイン履歴を確認
- 見覚えのない端末があれば
- 「この操作に心当たりがない」を選択
- パスワード変更を実施
企業・組織向けのセキュリティ対策
Google Workspace(旧G Suite)を使用している組織向けの追加対策です。
管理者による一括管理
利用可能な機能:
- DLP(データ損失防止)
機密情報を含むファイルの共有を制限 - コンテンツコンプライアンス
特定の種類のファイルをブロック - 詳細なアクセスログ
誰がいつどのファイルにアクセスしたか記録 - 強制的なウイルススキャン
すべてのファイルに対して厳格なチェック
デバイス管理
対策:
- 会社所有デバイスのみアクセス許可
- 未承認デバイスからのアクセスをブロック
- 紛失時のリモートワイプ(データ消去)
ウイルススキャンに関するよくある質問
Q1:Google Driveのウイルススキャンは100%安全ですか?
いいえ、100%の保証はありません。新種のマルウェアや未知の脅威には対応できない場合があります。Google Driveのスキャンに加えて、自分のデバイスにもウイルス対策ソフトを導入することをおすすめします。
Q2:25MB以上のファイルはどうすればいいですか?
ダウンロード後、必ず自分のウイルス対策ソフトでスキャンしてください。信頼できる送信元でない場合は、ダウンロードしない判断も重要です。
Q3:スマホ版でもウイルススキャンされますか?
はい、スマホアプリでも同様にスキャンが実行されます。ただし、スマホ自体にもセキュリティアプリを入れておくと、より安全です。
Q4:共有されたファイルもスキャンされますか?
はい、他のユーザーから共有されたファイルも、ダウンロード時にスキャンされます。ただし、共有元が悪意のあるユーザーの可能性もあるため、不審なファイルは開かないでください。
Q5:過去にアップロードしたファイルは再スキャンされますか?
Googleは定期的にファイルをスキャンしていますが、すべてのファイルが常時監視されているわけではありません。古いファイルでも、ダウンロード時には最新のデータベースでスキャンされます。
Q6:Google Driveからマルウェアに感染することはありますか?
可能性はゼロではありません。特に25MB以上のファイルや、実行形式ファイル(.exe、.batなど)には注意が必要です。必ず送信元を確認し、ダウンロード後は自分のウイルス対策ソフトでスキャンしてください。
まとめ:Google Driveを安全に使うために
Google Driveのウイルススキャン機能と、セキュリティ対策について解説しました。
Google Driveのウイルススキャン:
✅ アップロード・ダウンロード時に自動実行
✅ 25MB以下のファイルは完全スキャン
✅ マルウェア検出時は警告表示
✅ 共有時もセキュリティチェック
安全に使うための5つのポイント:
- 警告メッセージを必ず確認
- 「スキャンできません」表示を見逃さない
- 2段階認証を有効化
- アカウント乗っ取りを防ぐ
- 共有設定は最小限に
- 必要な人にだけ必要な権限を
- デバイス側のウイルス対策も万全に
- Google Driveだけに頼らない
- 不審なファイルは開かない
- 送信元不明のファイルは削除
クラウドストレージは便利ですが、セキュリティ対策は自分自身で行う必要があります。この記事の対策を実践して、安全にGoogle Driveを活用してください!
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