「ファイルを見せたいけど、ダウンロードはされたくない…」
「閲覧者権限で共有したら、相手はダウンロードできるの?できないの?」
Google Driveでファイルを共有する時、こんな疑問を持ったことはありませんか?
実は、Google Driveでは閲覧者権限でも基本的にダウンロードが可能です。でも、設定を変更すればダウンロードを禁止することもできます。
この記事では、閲覧者権限とダウンロードの関係から、ダウンロード禁止の設定方法、そして注意点まで、分かりやすく解説します。用途に合わせた適切な共有設定ができるようになりましょう。
Google Driveの権限とダウンロードの関係

3つの権限レベル
Google Driveでファイルを共有する時、以下の3つの権限から選べます。
閲覧者:
- ファイルを見ることができる
- 基本的にダウンロードも可能
- 編集やコメントはできない
閲覧者(コメント可):
- ファイルを見ることができる
- コメントを追加できる
- 基本的にダウンロードも可能
- 編集はできない
編集者:
- ファイルを見られる
- 編集できる
- ダウンロードできる
- 他の人と共有もできる
デフォルトではダウンロード可能
重要なポイントは、閲覧者権限でも初期設定ではダウンロードができるということです。
「閲覧のみ」という言葉から「見るだけでダウンロードはできない」と誤解されがちですが、実際には別の設定が必要になります。
閲覧者のダウンロードを禁止する方法
ファイルを見せたいけどダウンロードはさせたくない場合、以下の手順で設定します。
パソコン(ブラウザ版)での設定方法
手順:
- Google Driveを開く
- drive.google.com にアクセス
- ファイルまたはフォルダを選択
- ダウンロードを禁止したいファイルを右クリック
- 共有メニューを開く
- 「共有」をクリック
- 詳細設定を表示
- 右上の歯車アイコン(⚙)をクリック
- ダウンロードオプションを変更
- 「閲覧者と閲覧者(コメント可)に、ダウンロード、印刷、コピーの項目を表示する」のチェックを外す
- 保存して完了
- 「保存」→「完了」をクリック
これで、閲覧者と閲覧者(コメント可)の人は、ダウンロード・印刷・コピーができなくなります。
既に共有済みのファイルでも変更可能
すでに共有しているファイルでも、後から設定を変更できます。
変更手順:
- ファイルを右クリック
- 共有→歯車アイコン
- チェックを外す→保存
設定変更後、すぐに反映されます。既に共有している相手も、ダウンロードできなくなります。
フォルダ全体に一括設定
フォルダを共有する場合、フォルダ内のすべてのファイルに設定が適用されます。
手順:
- フォルダを右クリック
- 共有→歯車アイコン
- ダウンロード禁止のチェックを外す
- 保存
フォルダ内の既存ファイルも、今後追加するファイルも、すべてダウンロード禁止になります。
スマホアプリでの設定方法
iPhone・iPadでの設定
手順:
- Google Driveアプリを開く
- ファイルの「︙」をタップ
- ファイルの横にある3点メニュー
- 「共有」をタップ
- 共有設定画面で歯車アイコンをタップ
- 画面右上の設定アイコン
- ダウンロード禁止に設定
- 「閲覧者と閲覧者(コメント可)に、ダウンロード、印刷、コピーの項目を表示する」をオフ
- 保存
Androidでの設定
手順:
- Google Driveアプリを開く
- ファイルの「︙」をタップ
- 「共有」を選択
- 設定アイコンをタップ
- 画面右上の歯車マーク
- ダウンロードオプションをオフ
- スイッチをオフにする
- 保存して完了
ダウンロード禁止設定の効果と制限
何が制限されるのか
ダウンロード禁止設定をすると、以下の機能が使えなくなります。
制限される機能:
- ダウンロードボタンが非表示
- 印刷機能が使えない
- テキストのコピー&ペーストができない(ドキュメント等)
- PDFや画像の保存ができない
何ができるのか
ダウンロード禁止でも、以下のことは可能です。
できること:
- ブラウザ上でファイルを閲覧
- 画面をスクロール
- 拡大・縮小表示
- コメント追加(コメント可権限の場合)
完全な保護ではない重要な注意点
最も重要な注意事項:
ダウンロード禁止設定は完全な保護ではありません。
技術的に可能な回避方法:
- スクリーンショットを撮る
- 画面を写真撮影
- 画面録画(動画の場合)
- ブラウザの開発者ツールを使う(上級者)
つまり、見られる=コピーされる可能性があるということです。
どんな時に有効か
完全な保護はできませんが、以下の場合には有効です。
効果的な使用場面:
- 一般ユーザーの誤ダウンロード防止
- カジュアルな共有での流出防止
- 組織内の簡易的な管理
- 印刷コストの削減
機密情報には不向き:
本当に重要な機密情報は、ダウンロード禁止設定だけに頼らず、以下を検討してください。
- 閲覧者を厳しく限定
- 有効期限付き共有
- パスワード付きPDFで配布
- より高度なDRM(デジタル著作権管理)ツールの使用
閲覧者としてファイルをダウンロードする方法
通常のダウンロード方法
ダウンロード禁止設定がされていない場合、閲覧者でも簡単にダウンロードできます。
パソコンでのダウンロード:
- ファイルを開く
- ダウンロードしたいファイルをクリック
- ダウンロードボタンをクリック
- 画面右上のダウンロードアイコン(下向き矢印)
- または右クリック→「ダウンロード」
- 保存先を選択
- ダウンロードフォルダに保存されます
スマホでのダウンロード:
- ファイルの「︙」をタップ
- 「ダウンロード」を選択
- 端末に保存される
ダウンロードできない時の確認事項
考えられる原因:
- ダウンロード禁止設定されている
- ダウンロードボタンが表示されない
- 所有者に連絡してダウンロード許可を依頼
- 権限が不足している
- 「アクセス権限がありません」と表示
- 所有者に閲覧権限をリクエスト
- ファイルが破損している
- エラーメッセージが表示
- 所有者に再アップロードを依頼
- 容量不足(スマホの場合)
- 端末の空き容量を確認
- 不要なファイルを削除してから再試行
Google形式ファイルの特殊な扱い
Googleドキュメント・スプレッドシート・スライド
Google形式のファイルは、他の形式とは少し動作が異なります。
ダウンロード禁止時の動作:
- ダウンロードメニューが非表示
- ただし「コピーを作成」は可能な場合あり
- コピーすると自分のDriveに複製が作成される
コピー作成も禁止したい場合
設定方法:
- 共有設定の歯車アイコン
- 「編集者によるアクセス権の変更や新しいユーザーの追加を禁止します」にチェック
- これでコピー作成も制限されます
- 保存
ただし、この設定でも完全には防げません。閲覧できる以上、内容のコピーは技術的に可能です。
用途別の権限設定ガイド

ケース1:プレゼン資料を見せたいだけ
推奨設定:
- 権限:閲覧者
- ダウンロード:禁止
- 有効期限:プレゼン終了後まで
手順:
- 共有→閲覧者権限
- 歯車アイコン→ダウンロード禁止
- アクセス期限を設定(Google Workspace)
ケース2:レポートを提出してもらいたい
推奨設定:
- 権限:閲覧者(テンプレート)→各自がコピーして編集
- または編集者権限(個別ファイル)
方法:
- テンプレートを「閲覧者」で共有
- 各自が「コピーを作成」して自分のDriveで編集
- 完成したら提出用フォルダに移動
ケース3:チーム内で資料を共有
推奨設定:
- 権限:閲覧者(コメント可)
- ダウンロード:許可
- 共有範囲:特定のユーザーのみ
理由:
チーム内なら、ダウンロードを許可した方が利便性が高いです。
ケース4:顧客に機密資料を見せる
推奨設定:
- 権限:閲覧者
- ダウンロード:禁止
- 有効期限:設定
- 通知:アクセス時に通知受け取り
追加対策:
- 透かし(ウォーターマーク)の追加を検討
- より高度なセキュリティが必要ならDRMツール使用
ケース5:不特定多数に公開
推奨設定:
- 権限:閲覧者
- 共有範囲:リンクを知っている全員
- ダウンロード:用途次第(基本は許可でOK)
注意:
不特定多数に見せる時点で、コピーされるリスクは受け入れる必要があります。
よくあるトラブルと解決法
トラブル1:ダウンロード禁止にしたのにダウンロードできる
原因:
- 編集者権限の人には制限が適用されない
- 設定が保存されていない
解決法:
- 権限を確認(編集者→閲覧者に変更)
- 設定を再度確認して保存
- 相手に一度ログアウト→ログインしてもらう
トラブル2:自分が所有者なのにダウンロード禁止設定が見つからない
原因:
- Google Workspaceの組織ポリシーで制限されている可能性
- 一部のファイル形式では設定不可
解決法:
- 管理者に権限を確認
- ファイル形式を変更(例:Wordファイル→PDF)
- 別の方法で共有を検討
トラブル3:設定したはずなのに印刷できる
原因:
- ブラウザの印刷機能を使われている
- PDFに変換されてから印刷
解決法:
残念ながら、ブラウザの印刷機能やスクリーンショットは完全に防げません。本当に重要な情報は別の管理方法を検討してください。
トラブル4:相手から「見られない」と言われる
原因:
- アクセス権限が付与されていない
- リンクの有効期限が切れた
- 組織のポリシーで外部共有が禁止
解決法:
- 共有設定で相手のメールアドレスを確認
- 権限を「閲覧者」以上に設定
- リンクを再送信
- 必要なら管理者に相談
共有とダウンロードのベストプラクティス
1. 権限は必要最小限に
原則:
- 見るだけでいい人→閲覧者
- 意見が欲しい人→閲覧者(コメント可)
- 一緒に作業する人→編集者
不必要に高い権限を与えないことが基本です。
2. 定期的に共有状況を見直す
確認すべきこと:
- 誰に共有しているか
- 不要な共有は削除
- アクセス権限は適切か
月に1回程度、共有ファイルの棚卸しをしましょう。
3. リンク共有は慎重に
「リンクを知っている全員」の危険性:
- URLが漏れると誰でもアクセス可能
- SNSに貼られると拡散される
- 検索エンジンにインデックスされる可能性
安全な共有:
- 特定のユーザーのみに限定
- 必要な場合のみリンク共有
- 有効期限を設定(可能なら)
4. 重要度に応じた対策を
公開レベル別の対策:
レベル1:完全公開OK
→ 制限なし、ダウンロード許可
レベル2:関係者のみ
→ 特定ユーザー、ダウンロード許可
レベル3:閲覧のみ許可
→ 特定ユーザー、ダウンロード禁止
レベル4:高度な機密
→ Google Drive以外の手段も検討
5. 透かし(ウォーターマーク)の活用
PDFや画像には透かしを入れることで、無断転載の抑止効果があります。
透かし追加方法:
- PDF編集ソフトで追加
- Googleスライドで透かし入りテンプレート作成
- 専用ツールの利用
よくある質問(Q&A)
Q1:ダウンロード禁止設定は絶対に安全ですか?
いいえ、完全な保護ではありません。スクリーンショットや画面録画などで内容を保存することは可能です。あくまで一般的な誤ダウンロード防止策として考えてください。
Q2:後から設定を変更できますか?
はい、いつでも変更可能です。ダウンロード禁止にしたり、再び許可したりできます。設定変更は即座に反映されます。
Q3:閲覧者は印刷もできないのですか?
ダウンロード禁止設定にすると、印刷機能も制限されます。ただし、ブラウザの印刷機能を使えば印刷可能な場合もあります。
Q4:編集者権限の人にもダウンロード禁止にできますか?
いいえ、編集者権限には制限が適用されません。編集者は常にダウンロード・印刷・コピーが可能です。
Q5:Google Workspaceと無料版で違いはありますか?
基本機能は同じですが、Google Workspaceでは有効期限設定やアクセスログなど、より高度な管理機能が使えます。
Q6:共有リンクのパスワード保護はできますか?
Google Driveには直接的なパスワード保護機能はありません。代わりに特定のユーザーのみに共有するか、ファイル自体にパスワードを設定(PDFなど)してください。
まとめ:適切な設定で安全に共有しよう
Google Driveの閲覧者権限とダウンロードについて解説しました。
重要ポイント:
✅ 閲覧者でも初期設定ではダウンロード可能
→ 禁止したい場合は明示的に設定が必要
✅ ダウンロード禁止の設定方法
→ 共有→歯車アイコン→チェックを外す
✅ 完全な保護ではない
→ スクリーンショット等で回避可能
✅ 用途に応じた権限設定
→ 必要最小限の権限を付与
安全な共有のために:
- 権限は最小限
- 閲覧のみ、コメント可、編集者を適切に使い分け
- ダウンロード設定を意識
- 必要に応じて禁止設定
- 共有範囲を限定
- 「リンクを知っている全員」は慎重に
- 定期的な見直し
- 共有状況を定期チェック
- 本当の機密は別管理
- Google Driveだけに頼らない
ダウンロード禁止設定は万能ではありませんが、適切に使えば情報管理の大きな助けになります。この記事を参考に、安全で効率的なファイル共有を実現してください!
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