「Google Driveの容量がいっぱいになってきた」「大切なデータをもっと安全に保存したい」
そんなとき、外付けHDD(ハードディスク)との連携が役立ちます。
この記事では、Google Driveから外付けHDDへファイルを移動する方法と、その逆の外付けHDDからGoogle Driveへアップロードする方法を詳しく解説します。パソコン初心者の方でも分かるように、順を追って説明していきますね。
なぜGoogle Driveと外付けHDDを連携させるの?

まず、なぜわざわざ外付けHDDを使う必要があるのか、そのメリットを確認しておきましょう。
オフラインでもファイルにアクセスできる
Google Driveはクラウドストレージなので、基本的にインターネット接続が必要です。
しかし外付けHDDにバックアップしておけば、インターネットがない環境でもファイルを開けるんです。出張先や旅行先で急にネットが使えなくなっても安心ですね。
データの二重保護ができる
「クラウドに保存しているから安全」と思いがちですが、実は100%安全とは言えません。
アカウントが乗っ取られたり、間違って削除してしまったり、予期せぬトラブルもあります。外付けHDDにもバックアップを取っておけば、万が一のときの保険になるんです。
パソコンの容量を節約できる
Google Driveの「パソコン版ドライブ」を使っていると、同期したファイルがパソコンの内蔵ドライブを圧迫することがあります。
外付けHDDに同期先を変更すれば、パソコン本体の容量を大幅に節約できます。特にSSD搭載のノートパソコンを使っている方には重要なポイントです。
Google Driveの無料容量を有効活用
無料プランでは15GBまでしか使えませんよね。
よく使うファイルだけをGoogle Driveに置いて、あまり使わないファイルは外付けHDDに移動させれば、無料容量を効率的に使えます。
Google Driveから外付けHDDにファイルを移動する方法
それでは、Google Driveのファイルを外付けHDDにダウンロード・移動する方法を4つ紹介します。
方法1:Google Driveのウェブサイトから直接ダウンロード
一番シンプルで分かりやすい方法です。
手順
1. 外付けHDDをパソコンに接続
USBケーブルで外付けHDDをパソコンにつなぎます。パソコンが認識したことを確認しましょう。
2. Google Driveのウェブサイトにアクセス
ブラウザで drive.google.com を開き、Googleアカウントでログインします。
3. ダウンロードしたいファイル・フォルダを選択
移動したいファイルやフォルダを見つけます。
- 単一ファイル:右クリックして「ダウンロード」を選択
- 複数ファイル:Ctrlキー(Macの場合はCommand)を押しながらクリックして選択し、右クリックで「ダウンロード」
4. ダウンロード先を確認
ファイルは通常「ダウンロード」フォルダに保存されます。複数ファイルを選んだ場合は、ZIP形式で圧縮されてダウンロードされます。
5. 外付けHDDに移動
ダウンロードしたファイルを、エクスプローラー(Windowsの場合)やFinder(Macの場合)を使って外付けHDDにドラッグ&ドロップします。
メリット
- 特別なソフトが不要
- 操作が簡単
デメリット
- 大量のファイルがある場合は時間がかかる
- ネット接続が不安定だと失敗しやすい
- 手動で一つずつ操作する必要がある
方法2:パソコン版ドライブを使う方法
「パソコン版ドライブ」(旧名:Google Drive File Stream)というデスクトップアプリを使えば、もっと簡単にファイルを移動できます。
事前準備:パソコン版ドライブをインストール
まだインストールしていない方は、Googleの公式サイトからダウンロードしましょう。
インストールすると、パソコン上に「Google Drive」という仮想ドライブが作成されます。これはエクスプローラーやFinderから、通常のドライブと同じように扱えるんです。
手順
1. 外付けHDDをパソコンに接続
パソコンが外付けHDDを認識していることを確認します。
2. エクスプローラー(またはFinder)を開く
左側のサイドバーに「Google Drive」というドライブが表示されているはずです。
3. Google Driveの内容を確認
Google Driveをクリックすると、「マイドライブ」などのフォルダが見えます。
4. 外付けHDDにドラッグ&ドロップ
移動したいファイルやフォルダを選択し、そのまま外付けHDDにドラッグ&ドロップします。
Windowsの場合は、右クリックして「コピー」を選び、外付けHDDで「貼り付け」する方法もあります。
メリット
- 操作が直感的
- ドラッグ&ドロップだけで完了
- フォルダ構造を保ったままコピーできる
デメリット
- パソコン版ドライブのインストールが必要
- ネット接続が必要(クラウドからダウンロードするため)
方法3:Google Takeout(Googleデータエクスポート)を使う
大量のデータを一括でダウンロードしたい場合、Google Takeoutというサービスが便利です。
Google Takeoutは、Googleの各サービスからデータを一度にエクスポートできる公式ツールです。
手順
1. Google Takeoutにアクセス
ブラウザで takeout.google.com を開きます。
2. エクスポートするデータを選択
初期設定では全てのGoogleサービスが選択されています。今回はGoogle Driveだけが必要なので、まず「選択をすべて解除」をクリックします。
次に、下にスクロールして「ドライブ」にのみチェックを入れます。
3. 次のステップへ
ページ下部の「次のステップ」ボタンをクリック。
4. エクスポート形式を設定
- 配信方法:「ダウンロードリンクをメールで送信」が標準
- 頻度:「1回限りのアーカイブをエクスポート」を選択
- ファイル形式:ZIP(推奨)
- ファイルサイズ:2GB、4GB、10GB、50GBから選択
5. アーカイブを作成
「アーカイブを作成」をクリックします。
データ量によっては、数時間から最大72時間かかる場合があります。完了するとGmailに通知が届きます。
6. ダウンロード
メールに記載されたリンクから、作成されたアーカイブをダウンロードします。
7. 解凍して外付けHDDへ移動
ダウンロードしたZIPファイルを解凍し、中身を外付けHDDにコピーします。
メリット
- 大量データを一括でダウンロードできる
- Google Drive全体のバックアップに最適
デメリット
- 処理に時間がかかる(数時間~最大3日)
- 共有されているファイルはエクスポートされない
- 1日あたりのダウンロード上限が50GBまで
注意点
共有フォルダのファイルや、他人から共有されているファイルはGoogle Takeoutではダウンロードできません。これらは手動でダウンロードする必要があります。
方法4:サードパーティ製のバックアップツールを使う
自動バックアップを設定したい場合や、より高度な機能が必要な場合は、サードパーティ製のツールを使う方法もあります。
代表的なツール:
- MultCloud:複数のクラウドストレージを一元管理
- AOMEI Backupper:定期的な自動バックアップが可能
- Cigati Google Drive Migrator:大容量データの移行に特化
これらのツールを使えば、スケジュール設定による自動バックアップや、差分バックアップ(変更されたファイルだけを更新)などの便利な機能が使えます。
ただし、有料プランが必要な場合が多いので、本格的にバックアップを運用したい方向けの選択肢です。
外付けHDDからGoogle Driveにファイルをアップロードする方法

逆に、外付けHDDに保存されているファイルをGoogle Driveにアップロードする方法も見ていきましょう。
方法1:ウェブサイトから直接アップロード
最もシンプルな方法です。
手順
1. 外付けHDDをパソコンに接続
2. Google Driveのウェブサイトを開く
drive.google.com にアクセスしてログインします。
3. 「+新規」をクリック
画面左上の「+新規」ボタンをクリックします。
4. 「ファイルのアップロード」または「フォルダのアップロード」を選択
5. 外付けHDDからファイルを選択
ファイル選択画面で、外付けHDDを開いてアップロードしたいファイルを選びます。
6. アップロード完了を待つ
選択したファイルが自動的にアップロードされます。
注意点
- 大きなファイルは時間がかかります
- アップロード中はブラウザを閉じないようにしましょう
方法2:バックアップと同期(Backup and Sync)を使う
「バックアップと同期」というGoogleの公式アプリを使えば、外付けHDDのフォルダを自動的にGoogle Driveと同期できます。
注意:現在は「パソコン版ドライブ」に統合されつつあります
新しいバージョンでは「パソコン版ドライブ」が推奨されていますが、機能的には似た設定が可能です。
手順(パソコン版ドライブの場合)
1. パソコン版ドライブをインストール
公式サイトからダウンロードしてインストールします。
2. パソコン版ドライブの設定を開く
通知エリア(画面右下または右上)のGoogle Driveアイコンをクリックし、歯車マークから「設定」を選びます。
3. 「フォルダをバックアップ」を設定
設定画面で「フォルダをバックアップ」という項目を探します。
「フォルダを選択」をクリックして、外付けHDDの中でバックアップしたいフォルダを選択します。
4. 同期を開始
設定を保存すると、自動的に同期が始まります。
以降、外付けHDDの該当フォルダに追加・変更したファイルは、自動的にGoogle Driveにアップロードされるようになります。
メリット
- 一度設定すれば自動で同期
- ファイルの追加や変更が自動反映される
- 手動操作が不要
デメリット
- 外付けHDDを接続していないと同期できない
- 初回は全データのアップロードに時間がかかる
- Google Driveの容量を消費する
方法3:ドラッグ&ドロップでアップロード
パソコン版ドライブをインストールしている場合、さらに簡単な方法があります。
手順
1. エクスプローラー(またはFinder)を開く
2. 左側のサイドバーから「Google Drive」を開く
3. 外付けHDDから直接ドラッグ&ドロップ
外付けHDDのファイルを、Google Driveのフォルダに直接ドラッグ&ドロップするだけです。
この方法なら、わざわざブラウザを開く必要もありません。
外付けHDDを同期先に設定する方法
「パソコンのCドライブの容量が足りない!」という方向けに、Google Driveの同期先を外付けHDDに変更する方法も紹介します。
パソコン版ドライブで同期先を変更
注意事項
この設定は上級者向けです。間違えるとデータが消える可能性もあるので、必ず事前にバックアップを取ってから実施してください。
手順の概要
- パソコン版ドライブをいったんアンインストール
- 外付けHDDに新しいフォルダを作成
- パソコン版ドライブを再インストール
- インストール時に同期先フォルダとして外付けHDDの新フォルダを指定
この方法で、Google Driveの同期データを外付けHDDに保存できるようになります。
メリット
- パソコン本体の容量を節約できる
- 大量のデータを同期しても安心
デメリット
- 外付けHDDを接続していないと同期されない
- 外付けHDDが故障するとデータが失われる可能性
- 初心者には少し難しい
よくあるトラブルと解決策
Q1. ダウンロードが途中で止まってしまう
原因
- インターネット接続が不安定
- ファイルサイズが大きすぎる
対処法
- Wi-Fi接続を確認し、安定した環境で再試行
- 大きなファイルは分割してダウンロード
- ブラウザのキャッシュをクリア
Q2. 外付けHDDが認識されない
原因
- USBケーブルの接続不良
- 外付けHDDの電源が入っていない
- ドライバーの問題
対処法
- USBケーブルを差し直す
- 別のUSBポートを試す
- 外付けHDDに電源スイッチがある場合はオンにする
- デバイスマネージャーでドライバーを確認・更新
Q3. アップロードしたファイルが見つからない
原因
- アップロード先のフォルダを間違えた
- アップロードが完了していない
対処法
- Google Driveの検索機能でファイル名を検索
- 「マイドライブ」全体を確認
- アップロード状況を確認(進行中のアップロードがないか)
Q4. Google Driveの容量がいっぱいと表示される
原因
- 無料プランの15GBを使い切った
- Gmailやフォトも同じ容量を共有している
対処法
- 不要なファイルを削除
- ゴミ箱を空にする(削除したファイルも容量を消費します)
- Google Oneの有料プランにアップグレード
- Gmailの古いメールや大きな添付ファイルを削除
Q5. 同期が遅い、止まる
原因
- 大量のファイルを同期している
- ネット回線が遅い
- パソコンのスペックが低い
対処法
- 夜間など空いている時間に同期
- 不要なアプリを閉じてパソコンのリソースを確保
- 有線LANで接続してみる
- 一度に同期するファイル数を減らす
データ管理のベストプラクティス
最後に、Google Driveと外付けHDDを使ったデータ管理のコツをまとめておきます。
3-2-1バックアップルール
プロが推奨するバックアップの鉄則です。
- 3つのコピー:データを3箇所に保存(オリジナル+バックアップ2つ)
- 2つの異なる媒体:内蔵HDD、外付けHDD、クラウドなど異なる媒体に保存
- 1つは別の場所:クラウドや別の建物に1つは保管
例えば:
- パソコン本体(オリジナル)
- Google Drive(クラウドバックアップ)
- 外付けHDD(ローカルバックアップ)
この組み合わせなら、どれか1つが壊れても安心ですね。
定期的にバックアップを取る習慣をつける
「今度やろう」と思っていると、つい忘れてしまいます。
月に1回、給料日や月初めなど、決まったタイミングでバックアップを取る習慣をつけましょう。
スマホのカレンダーに「バックアップの日」を登録しておくのもおすすめです。
フォルダ構造を整理する
ファイルがバラバラに保存されていると、バックアップも大変です。
「仕事」「プライベート」「写真」「動画」など、大まかなカテゴリーでフォルダ分けしておくと、管理が楽になります。
外付けHDDは複数持つ
「外付けHDD1台だけにバックアップ」では、そのHDDが壊れたら終わりです。
できれば2台の外付けHDDを用意して、交互にバックアップを取るのが理想的。1台が壊れても、もう1台が残っていれば安心ですね。
古い外付けHDDは定期的に交換
外付けHDDにも寿命があります。一般的には3~5年と言われています。
異音がしたり、動作が遅くなったりしたら要注意。大切なデータが消える前に、新しいHDDに交換しましょう。
まとめ:Google Driveと外付けHDDを上手に使い分けよう
Google Driveから外付けHDDへの移動は、主に3つの方法があります。
- ウェブサイトからダウンロード:簡単だが手動作業が必要
- パソコン版ドライブを使う:ドラッグ&ドロップで直感的
- Google Takeoutを使う:大量データの一括ダウンロードに最適
逆に、外付けHDDからGoogle Driveへのアップロードも簡単です。
- ウェブサイトから直接アップロード
- パソコン版ドライブで同期設定
- ドラッグ&ドロップで転送
どちらの方向も、一度やり方を覚えてしまえばとても簡単。
大切なのは、クラウドとローカルの両方にデータを保存して、二重三重の安全網を作ることです。
「クラウドがあるから大丈夫」と油断せず、外付けHDDにも定期的にバックアップを取る習慣をつけましょう。そうすれば、万が一のトラブルにも慌てずに済みますよ。
今日からあなたも、Google Driveと外付けHDDを使った安全なデータ管理を始めてみませんか?


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