スマホでGoogleアプリを開いたときや、ホーム画面を左にスワイプしたとき、ニュースや記事が次々と表示される画面を見たことはありませんか?
これが「Google Discover(グーグルディスカバー)」という機能です。検索キーワードを入力しなくても、あなたが興味を持ちそうな情報が自動で表示される、とても便利な機能なんです。
この記事では、Google Discoverの基本的な仕組みから使い方、カスタマイズ方法まで、わかりやすく解説していきます。
Google Discoverとは

Google Discoverは、ユーザーの興味や関心に基づいて、関連性の高いコンテンツを自動的に表示する情報フィード機能です。
従来のGoogle検索とは違い、あなたが検索キーワードを入力する必要はありません。Googleが過去の検索履歴や閲覧履歴、位置情報などをもとに、「この人はこういう情報に興味があるだろう」と予測して、自動でコンテンツを選んで表示してくれるのです。
Google Discoverの特徴
- 検索不要で情報が表示される
- AIと機械学習で好みを分析
- ニュース、ブログ、動画など多様なコンテンツ
- パーソナライズされた情報フィード
- 継続的に更新される
この機能は2012年に「Google Now」として始まり、2016年に「Google Feed」へ、そして2018年9月に現在の「Google Discover」へと進化してきました。
Google Discoverの仕組み
Google Discoverは、高度なAI技術と機械学習を使って、あなたにぴったりの情報を選んでいます。
どんな情報を分析しているの?
Googleは以下のような情報を総合的に分析して、あなたが興味を持ちそうなコンテンツを判断しています。
検索履歴
過去に検索したキーワードから、あなたの興味関心を把握します。例えば、「ダイエット」「筋トレ」などをよく検索していれば、健康やフィットネス関連の記事が表示されやすくなります。
閲覧履歴
どんなウェブサイトを訪問したか、どんな記事を読んだかという情報も活用されます。
位置情報
現在地や自宅・職場の住所をもとに、地域のニュースやイベント情報を優先的に表示します。
デバイス情報
使用しているスマホやタブレットの種類、利用頻度なども参考にされます。
フォローしているトピック
あなたが意図的にフォローした話題やウェブサイトの情報も反映されます。
アプリの利用状況
Google系のアプリ(Gmail、Googleカレンダー、Google Mapsなど)での行動パターンも材料になります。
これらの情報をAIが総合的に分析することで、「この人には今、この情報が役立ちそうだ」と判断して、表示するコンテンツを選んでいるんですね。
Google Discoverと通常の検索の違い
Google Discoverと従来のGoogle検索には、大きな違いがあります。
従来のGoogle検索
ユーザーが主体:あなたがキーワードを入力して、能動的に情報を探す
課題解決型:特定の疑問や問題の答えを見つけるために使う
キーワードベース:入力した検索語に最も関連性の高いページを表示
例:「東京 天気」と検索すると、東京の天気予報が表示される
Google Discover
Googleが主体:Googleがあなたに合った情報を自動で提示する
発見・気づき型:新しい情報や知らなかった話題に出会える
興味ベース:あなたの過去の行動から興味がありそうな情報を表示
例:あなたが東京在住で、天気情報をよくチェックしていれば、検索しなくても自動で東京の天気予報が表示される
つまり、検索は「探している情報にたどり着く」機能で、Discoverは「まだ知らない興味深い情報に出会う」機能といえるでしょう。
Google Discoverが表示される場所
Google Discoverは、いくつかの場所でアクセスできます。
Androidスマホの場合
方法1:Googleアプリを開く
アプリ一覧からGoogleアプリをタップすると、検索窓の下にDiscoverのフィードが表示されます。
方法2:ホーム画面から左にスワイプ
多くのAndroid端末では、ホーム画面を左(または右)にスワイプするだけでDiscoverが表示されます。機種によって操作が異なる場合があります。
方法3:Google Chromeの新しいタブ
Chromeブラウザで新規タブを開くと、検索バーの下にDiscoverが表示されることがあります。
iPhoneの場合
Googleアプリから
App StoreからGoogleアプリをダウンロードして開くと、Discoverが表示されます。iPhoneではホーム画面からのスワイプには対応していません。
パソコンの場合
Google Chromeで
2023年以降、デスクトップ版のgoogle.comでもDiscoverが表示されるようになりました。ただし、モバイル向けの機能として設計されているため、スマホでの利用が最も快適です。
Googleニュースの「おすすめ」
PCでは、Googleニュースページの「おすすめ」セクションが、Discoverに近い役割を果たしています。
Google Discoverに表示されるコンテンツ

Discoverには、さまざまな種類のコンテンツが表示されます。
主な表示内容
ニュース記事
最新のニュースや話題のトピック
ブログ記事
個人ブログや専門サイトの記事
動画
YouTubeなどの動画コンテンツ
天気予報
現在地や登録した場所の天気情報
スポーツの結果
フォローしているチームの試合結果や順位
株価情報
関心のある企業の株価や金融ニュース
エンターテイメント
映画、音楽、ゲームなどの情報
ローカル情報
地域のイベントやお店の情報
表示されるタイミング
Discoverは、必ずしも最新の記事だけを表示するわけではありません。数ヶ月前に公開された記事でも、あなたの今の興味に合っていると判断されれば表示されることがあります。
これは、Discoverが「時間軸」ではなく「あなたの興味」を最優先にしているからです。
Google Discoverをカスタマイズする方法
Discoverは、自分好みにカスタマイズできます。より興味のある情報だけを表示させるための設定方法を紹介します。
興味のあるトピックをフォローする
手順1:気になる話題を検索
Googleアプリで興味のあるキーワードを検索します。
手順2:フォローボタンをタップ
検索結果に「フォロー」ボタンが表示される場合があるので、タップします。
手順3:Discoverに反映
フォローしたトピックに関連する記事が、Discoverに多く表示されるようになります。
興味のないコンテンツを非表示にする
表示されている記事の右下にある「︙」(縦三点リーダー)アイコンをタップすると、以下の選択肢が表示されます。
「このトピックに興味がない」
そのトピック全般の表示を減らします。
「このソースのコンテンツを表示しない」
特定のウェブサイトからの記事を今後表示しないようにします。
「類似コンテンツを増やす」
似た内容の記事をもっと表示させます。
「類似コンテンツを減らす」
似た内容の記事の表示を減らします。
高評価(いいね)機能を使う
気に入った記事の下部にあるハートマークをタップすると、「高評価」として記録されます。これにより、似た内容の記事が今後表示されやすくなります。
高評価した記事は、Googleアプリの「保存済み」セクションから後で読み返すこともできます。
設定メニューからのカスタマイズ
手順1:Googleアプリを開く
手順2:プロフィールアイコンをタップ
画面右上のプロフィール画像(またはイニシャル)をタップします。
手順3:「設定」を選択
手順4:「一般」または「カスタマイズ」を選択
手順5:興味/関心を管理
ここで、フォローしているトピックの追加や削除ができます。
ウェブとアプリのアクティビティを確認
Discoverが正しく機能するには、「ウェブとアプリのアクティビティ」がオンになっている必要があります。
確認方法:
Googleアカウント→「データとプライバシー」→「ウェブとアプリのアクティビティ」→オンにする
Google Discoverの便利な使い方
朝のニュースチェックに活用
通勤・通学時間に、Googleアプリを開くだけで、自分に関連するニュースがまとまって読めます。新聞やニュースアプリを開く手間が省けますね。
趣味の情報収集
興味のある分野(料理、スポーツ、ゲームなど)をフォローしておけば、関連する新しい記事や動画が自動で集まってきます。
地域情報の把握
位置情報を有効にしておくと、地元のイベントやお店の情報、天気予報などが表示されるので便利です。
保存機能で後読み
気になった記事を保存しておいて、時間のあるときにじっくり読むという使い方もできます。
Google Discoverのオフ・非表示設定
「情報が多すぎて疲れる」「使わないから消したい」という場合は、Discoverをオフにできます。
スマホでオフにする方法
手順1:Googleアプリを開く
手順2:プロフィールアイコンをタップ
手順3:「設定」→「一般」
手順4:「Discover」または「発見」をオフ
トグルスイッチをオフにすると、Discoverが表示されなくなります。
※2024年のアップデート以降、「Discover」が「発見」という日本語表記に変わっています。
ホーム画面の左スワイプを無効にする
詳しくは、ホーム画面の設定から「Googleアプリの表示」や「スワイプアクセス」をオフにします。機種によって設定項目名が異なります。
Google DiscoverとSEOの関係
ウェブサイトの運営者にとって、Discoverは大きな流入源になる可能性があります。
「Google砲」とは?
Google Discoverに記事が掲載されると、短期間に大量のアクセスが集中することがあります。これを「Google砲」と呼びます。一時的に数万〜数十万のアクセスが来ることもあり、サイト運営者にとっては嬉しい現象です。
Discoverに掲載されるには?
高品質なコンテンツを作る
正確で役立つ、信頼できる情報を提供することが最も重要です。Googleは「E-E-A-T」(経験、専門性、権威性、信頼性)を重視しています。
大きな画像を使う
1,200ピクセル以上の高品質な画像を記事に含めると、Discoverに掲載されやすくなります。
タイムリーな話題を扱う
トレンドや季節のイベントに関連した内容は、多くの人の関心を集めやすいです。
正確で魅力的なタイトル
誤解を招くタイトルや誇張した表現は避けましょう。内容を正確に表すタイトルが好まれます。
SEO対策を行う
通常のSEO対策(キーワード最適化、内部リンク、モバイル対応など)も、Discoverへの掲載に間接的に影響します。
掲載状況の確認方法
Google Search Console(サーチコンソール)の左メニューにある「Discover」をクリックすると、自分のサイトの記事がDiscoverに掲載されているかどうか、どれくらいのアクセスがあったかを確認できます。
Google Discoverの最新機能
プロンプトでのカスタマイズ(試験段階)
2024年末から、米国のユーザー向けに「Tailor your feed(フィードをカスタマイズ)」という新機能のテストが始まっています。
これは、「ネガティブなニュースを表示しないで」「プログラミングに関する記事をもっと増やして」といった自然な言葉でDiscoverをカスタマイズできる機能です。AIが指示を理解して、フィードを即座に更新してくれます。
今後、日本語版でも利用できるようになる可能性があります。
よくある質問(FAQ)

Q1. Google DiscoverとGoogle検索の違いは?
A. Google検索はあなたがキーワードを入力して情報を探す機能です。一方、Discoverはあなたが検索しなくても、興味がありそうな情報を自動で表示してくれます。検索は「探す」、Discoverは「出会う」機能と考えると良いでしょう。
Q2. Discoverをオフにすると、Google検索は使えなくなる?
A. いいえ、問題ありません。Discoverをオフにしても、通常のGoogle検索、音声検索、Googleアシスタントなど、他のGoogle機能はすべて使い続けられます。
Q3. 表示される記事は自分だけのもの?
A. はい、Discoverは完全にパーソナライズされています。あなたが見ている記事と、他の人が見ている記事は異なります。同じ記事が複数の人に表示されることもありますが、フィード全体の構成は人それぞれ違います。
Q4. プライバシーは大丈夫?
A. Googleは収集した情報を強力なセキュリティで保護しています。また、「ウェブとアプリのアクティビティ」の設定から、いつでもデータを削除したり、収集を停止したりできます。
Q5. パソコンでも使える?
A. 2023年以降、デスクトップ版でもDiscoverが利用できるようになっています。ただし、スマホ向けに最適化された機能なので、モバイルデバイスでの利用が最も快適です。
Q6. 古い記事も表示される?
A. はい、表示されます。Discoverは「最新」よりも「あなたの興味に合っているか」を重視するため、数ヶ月前の記事でも、今のあなたに関連性が高いと判断されれば表示されます。
Q7. 表示される記事の言語は変えられる?
A. 基本的には、あなたのGoogleアカウントの言語設定に基づいて表示されます。英語を学びたい場合は、英語のウェブサイトを頻繁に訪問したり、英語で検索したりすることで、英語の記事が増える可能性があります。
まとめ
Google Discoverは、検索キーワードを入力しなくても、あなたの興味に合った情報が自動で表示される便利な機能です。
Google Discoverの特徴
- AIがあなたの興味を分析して、関連性の高いコンテンツを自動表示
- 検索履歴、閲覧履歴、位置情報などをもとにパーソナライズ
- ニュース、ブログ、動画など多様なコンテンツが楽しめる
- フォロー機能や高評価機能で自分好みにカスタマイズ可能
- オフにすることも簡単にできる
朝のニュースチェックや趣味の情報収集に活用すれば、効率的に情報を得られます。一方で、「情報が多すぎる」と感じる場合は、設定で調整したり、完全にオフにしたりすることもできます。
自分の使い方に合わせて、Google Discoverを上手に活用してみてくださいね。


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