「いつも通りGmailを開いたら、会社のメールが届いていない…」
2026年1月から、Gmailで外部メールを受信できなくなる可能性があります。これはGoogleが発表した重要な仕様変更で、多くの人に影響が出る見込みです。
この記事では、何が変わるのか、自分が影響を受けるのか、そしてどう対処すればいいのかを分かりやすく解説していきます。
【重要】2026年1月にGmailのPOP受信機能が終了

Googleは2024年10月に、Gmailの一部機能を2026年1月から終了すると発表しました。
終了する機能は、次の2つです。
終了する機能1:POP受信(他のアカウントのメールを確認)
ブラウザ版Gmailで、他社のメールアドレス(独自ドメインのメールやプロバイダメールなど)を自動的に取り込む機能です。
Gmailの設定画面で「他のアカウントのメールを確認」として設定していた場合が該当します。
終了する機能2:Gmailify
Yahoo!メールやOutlookなどの外部メールアカウントに、Gmailの便利な機能(迷惑メールフィルタ、受信トレイの整理など)を適用する機能です。
2016年に導入された機能ですが、こちらも2026年1月で終了します。
影響を受けるのはどんな人?
すべてのGmailユーザーが影響を受けるわけではありません。
具体的には、次のような使い方をしている人が対象になります。
こんな使い方をしている人は要注意
パターン1:会社のメールをGmailで受信している
会社やレンタルサーバーで取得した独自ドメインのメールアドレス(例:info@company.com)を、Gmailの画面でまとめて受信している場合です。
「複数のメールをGmailで一元管理できて便利!」という運用をしていた方ですね。
パターン2:プロバイダメールをGmailで管理している
So-netやBIGLOBEなどのプロバイダから提供されたメールアドレスを、Gmailで受信している場合も該当します。
パターン3:Yahoo!メールやOutlookをGmailifyで統合している
Gmailifyを使って、Yahoo!メールやOutlookのメールをGmailの機能付きで利用している場合です。
影響を受けない使い方
逆に、次のような使い方をしている人は、今回の変更の影響を受けません。
- Gmailアドレス(@gmail.com)だけを使っている人
- メールソフト(OutlookやThunderbirdなど)からGmailを受信している人
- GmailアプリでIMAPを使って外部メールを追加している人
特に、「OutlookからGmailを見ている」という逆方向の使い方は、現時点では継続して利用できます。
自分が影響を受けるか確認する方法
「自分は外部メールをGmailで受信しているのかな?」と不安な方は、以下の手順で確認できます。
ブラウザ版Gmailでの確認手順
ステップ1:Gmailの設定を開く
パソコンでGmailを開き、右上の歯車アイコンをクリックします。
そして「すべての設定を表示」を選択してください。
ステップ2:「アカウントとインポート」タブを確認
設定画面で「アカウントとインポート」タブをクリックします。
ステップ3:該当項目をチェック
「他のアカウントのメールを確認」という項目に、Gmailアドレス以外のメールアドレスが表示されている場合、POP受信を利用しています。
または「Gmailifyを使用して接続されたアカウント」という項目に何か表示されていれば、Gmailifyを利用中です。
どちらかに該当する場合は、2026年1月までに対策が必要になります。
何が起こるのか?具体的な影響

2026年1月以降、何も対策しないとどうなるのか見ていきましょう。
新規メールが受信できなくなる
2026年1月以降、ブラウザ版Gmailで外部メールアドレス宛の新しいメールが受信できなくなります。
ただし、すでにGmailに取り込まれているメールは残りますので、過去のメールが消えることはありません。
外部メールアドレスでの送信は継続可能
意外かもしれませんが、外部メールアドレスからの「送信」機能は引き続き利用できます。
Gmailで「別のメールアドレスを追加して送信」として設定していた機能は、現時点では終了の案内が出ていません。
ただし、返信がGmailで受信できなくなるため、実用的には不便になりますね。
メールが消えるわけではない
重要なのは、「メールが消える」わけではないということです。
外部メールアドレス宛のメールは、そのメールサービス(レンタルサーバーやプロバイダなど)のサーバーには正常に届いています。
見える場所が変わるだけなので、慌てなくても大丈夫です。
なぜGoogleはPOP受信を終了するのか?
「便利だったのに、なぜ終了するの?」と疑問に思いますよね。
Googleは、セキュリティと効率性の観点から、この決定をしたと説明しています。
POPの技術的な課題
POP(Post Office Protocol)は、1980年代に設計された古いメール受信の仕組みです。
現代のクラウドベースの運用には、いくつかの問題がありました。
セキュリティリスク
- 通信が暗号化されない場合がある
- 最新の認証方式(OAuth 2.0)に対応していない
同期の問題
- リアルタイムでの同期ができない
- 複数端末での利用に不向き
- サーバーとクライアントの状態がズレやすい
IMAPへの移行推進
Googleは、より安全で効率的な「IMAP」への移行を推奨しています。
IMAPは、メールをサーバー上で管理し、どの端末からでも同じ状態を確認できる仕組みです。
スマホ、パソコン、タブレットなど、複数の端末を使う現代の利用スタイルに適しているんですね。
対策方法1:GmailアプリでIMAP接続を使う(スマホ・タブレット)

最も手軽な対策は、スマホやタブレットのGmailアプリを利用する方法です。
GmailアプリではIMAPで外部メールを追加でき、2026年1月以降も引き続き利用できます。
Gmailアプリで外部メールを追加する手順
ステップ1:Gmailアプリを開く
スマホまたはタブレットでGmailアプリを起動します。
ステップ2:メニューを開く
左上の三本線(ハンバーガーメニュー)をタップし、下にスクロールします。
ステップ3:アカウントを追加
「設定」→「アカウントを追加」をタップします。
ステップ4:メールの種類を選択
「その他」を選択し、追加したいメールアドレスを入力します。
ステップ5:IMAPを選択(重要)
「個人用(IMAP)」を選択してください。
「個人用(POP3)」は選ばないように注意しましょう。2026年1月以降は使えなくなります。
ステップ6:サーバー情報を入力
メールサービスのIMAPサーバー情報を入力します。
- 受信サーバー(IMAPサーバー)
- ポート番号(通常は993)
- セキュリティの種類(SSL/TLS)
- パスワード
この情報は、レンタルサーバーやプロバイダのマニュアルに記載されています。
メリット
- 設定が比較的簡単
- Gmailアプリの使い慣れた操作感で複数アカウントを管理できる
- どの端末でも同じ状態が確認できる
デメリット
- パソコンのブラウザ版Gmailでは外部メールを一元表示できなくなる
- スマホ・タブレット中心の使い方になる
対策方法2:メールソフト(Outlook・Thunderbird)を使う
パソコンでメールを管理したい場合は、メールソフトの利用がおすすめです。
主なメールソフト
Outlook(Microsoft)
- Windows標準のメールソフト
- 直感的なインターフェース
- カレンダーやタスクとの統合が便利
Thunderbird(無料)
- オープンソースの無料メールソフト
- Windows、Mac、Linuxで利用可能
- アドオンでカスタマイズ可能
Apple Mail(Mac標準)
- Macに標準搭載
- iPhoneやiPadと同期が簡単
メールソフトの設定方法
各メールソフトに、IMAP方式でメールアカウントを追加します。
基本的な流れは、どのソフトでも同じです。
- メールソフトを起動
- 「アカウントを追加」を選択
- メールアドレスとパスワードを入力
- IMAP方式を選択
- サーバー情報を入力(自動設定される場合も多い)
メリット
- 複数のメールアカウントを一元管理できる
- パソコンでの作業効率が高い
- オフラインでもメールを閲覧可能(キャッシュ機能)
デメリット
- 初期設定が少し複雑
- メールソフトの使い方を覚える必要がある
対策方法3:メール転送を設定する
「Gmailの画面だけで全部見たい!」という方には、メール転送がおすすめです。
外部メールアドレス宛のメールを、自動的にGmailに転送するように設定します。
メール転送の設定手順
メール転送は、各メールサービス(レンタルサーバーやプロバイダ)の管理画面で設定します。
一般的な手順
- メールサービスの管理画面にログイン
- メールアカウント設定を開く
- 転送設定を選択
- 転送先にGmailアドレスを入力
- 設定を保存
エックスサーバー、さくらインターネット、ロリポップなど、主要なレンタルサーバーはすべて転送機能に対応しています。
転送時の返信アドレス設定
転送されたメールに返信する際、Gmailアドレスではなく元のメールアドレスから送信したい場合があります。
そんなときは、Gmailで「別のメールアドレスを追加」の設定をしておきましょう。
- Gmailの設定 →「アカウントとインポート」
- 「名前」の項目で「他のメールアドレスを追加」
- 外部メールアドレスとSMTP情報を入力
- 確認メールを受け取って認証
これで、返信時にGmailアドレスではなく、元のメールアドレスで送信できます。
メリット
- Gmailの画面だけでメールを確認できる(使い勝手が変わらない)
- 設定が比較的簡単
- Gmailの強力な検索機能や迷惑メールフィルタを活用できる
デメリット
- 転送に若干の時間差が生じる場合がある
- 転送経路によっては迷惑メール判定が厳しくなることがある
- 転送元サーバーの容量制限に注意が必要
対策方法4:Webメールを使う
レンタルサーバーやプロバイダが提供しているWebメール機能を使う方法もあります。
Webメールとは
ブラウザでメールサービスの管理画面にアクセスし、直接メールを確認する方法です。
Gmailのように、ブラウザ上でメールの送受信ができます。
メリット
- メールソフトの設定が不要
- ブラウザがあればどこからでもアクセス可能
- サーバー側で直接確認するため、確実
デメリット
- 各メールサービスごとにログインが必要
- 一元管理ができない
- 使い勝手がサービスによって異なる
どの対策方法を選べばいい?状況別おすすめ
自分に合った対策方法を選びましょう。
スマホ・タブレット中心の人 → Gmailアプリ
普段からスマホでメールをチェックすることが多い方には、GmailアプリでのIMAP設定がおすすめです。
使い慣れたGmailの操作感で、複数アカウントを管理できます。
パソコンでの作業が多い人 → メールソフト
仕事でパソコンを使うことが多く、メールの管理もパソコンで行いたい方は、OutlookやThunderbirdなどのメールソフトがベストです。
複数アカウントの一元管理ができ、作業効率が上がります。
Gmailの機能を使い続けたい人 → メール転送
Gmailの検索機能や迷惑メールフィルタが気に入っている方は、メール転送がおすすめですね。
Gmailの画面だけでメールを確認でき、使い勝手が変わりません。
少数のメールだけ確認したい人 → Webメール
たまにしかメールが来ないアカウントなら、必要なときだけWebメールでチェックする方法もあります。
移行時の注意点とトラブル対策
対策を実施する際の注意点をまとめておきます。
注意点1:早めに移行テストをする
2026年1月直前に慌てて設定すると、トラブルが起きたときに対処が間に合いません。
2025年中に、余裕を持って新しい受信方法をテストしておきましょう。
注意点2:過去のメールは消えない
何度も言いますが、すでにGmailに取り込まれているメールは消えません。
新しいメールが受信できなくなるだけです。
慌てて何かを削除したりしないように注意してください。
注意点3:複数の対策を組み合わせてもOK
例えば、「重要な仕事メールはメールソフトで管理、あまり使わないメールは転送」など、アカウントごとに使い分けることもできます。
トラブル:IMAPサーバー情報が分からない
レンタルサーバーやプロバイダのサポートページで、「メールソフトの設定方法」を検索してください。
そこにIMAPサーバー名やポート番号が記載されています。
主要サービスの情報は、「エックスサーバー IMAP設定」「so-net IMAP設定」などで検索すればすぐに見つかります。
トラブル:転送したメールが迷惑メールに入る
転送されたメールがGmailの迷惑メールフォルダに入ってしまう場合があります。
対策として、転送元のメールアドレスをGmailの連絡先に追加しておきましょう。
また、Gmail側でフィルタを作成し、「迷惑メールにしない」と設定することもできます。
トラブル:パスワードが分からない
メールアカウントのパスワードを忘れてしまった場合は、レンタルサーバーやプロバイダの管理画面から再設定できます。
各サービスのサポートページで「パスワードリセット」の手順を確認してください。
よくある質問(FAQ)

Q1:2026年1月のいつから使えなくなるの?
Google公式の発表では「2026年1月から」とされていますが、具体的な日付は明記されていません。
ただし、多くの報道では2026年1月1日を想定しています。
余裕を持って、2025年中に対策を完了させておくのが安全です。
Q2:Gmailアカウント自体が使えなくなるの?
いいえ、Gmailアカウント(@gmail.com)自体は今まで通り使えます。
影響を受けるのは、「Gmailで外部メールを受信する機能」だけです。
Q3:会社のGoogle Workspaceアカウントも影響を受ける?
はい、個人のGmailだけでなく、Google Workspace(旧G Suite)の企業アカウントも同様に影響を受けます。
会社で外部メールをGmailで受信している場合は、管理者に相談してください。
Q4:iPhoneやAndroidのGmailアプリは使えるの?
GmailアプリでIMAPを使って外部メールを追加している場合は、引き続き利用できます。
ただし、POP方式で設定していた場合は、IMAPに変更する必要があります。
Q5:Yahoo!メールやOutlookも影響を受ける?
Yahoo!メールやOutlook自体のサービスは影響を受けません。
影響があるのは、「これらのメールをGmailで受信していた人」だけです。
まとめ:2025年中に対策を完了させよう
Gmailの外部メール受信機能終了について、重要なポイントをまとめます。
終了する機能
- ブラウザ版Gmailでの外部メールPOP受信
- Gmailify機能
- 終了時期:2026年1月
影響を受ける人
- Gmailで会社のメールやプロバイダメールを受信している人
- GmailifyでYahoo!メールやOutlookを統合している人
主な対策方法
- GmailアプリでIMAP接続を使う(スマホ・タブレット向け)
- メールソフト(Outlook・Thunderbird)を使う(パソコン向け)
- メール転送を設定する(Gmailで一元管理したい人向け)
- Webメールを使う(シンプルな方法)
重要な注意点
- すでに取り込まれたメールは消えない
- 2025年中に移行テストを完了させる
- アカウントごとに最適な方法を選ぶ
確認方法
- Gmail設定 → アカウントとインポート
- 「他のアカウントのメールを確認」に表示があればPOP受信を利用中
外部メールをGmailで受信していた方にとっては不便な変更かもしれませんが、セキュリティと効率性の向上を目的とした決定です。
早めに対策を講じることで、スムーズに移行できます。2026年1月になって慌てないよう、今のうちに新しい受信方法を試しておきましょう。
メールは大切なコミュニケーション手段です。受信できなくなって困ることがないよう、しっかり準備していきましょう!

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