「エンジニアの履歴書はGitHubだ」 「オープンソースはGitHubで公開されている」 「GitHubでコード管理してる?」 「プルリクエストを送って」
IT業界でよく聞くこれらの言葉、意味が分からず困っていませんか?
実は、GitHubは世界中のプログラマーが使う「コードのSNS」のようなものなんです! でも、SNSというより、もっとすごい。
世界中の開発者がコードを共有し、協力し、素晴らしいソフトウェアを作り上げる場所。 それがGitHubです。
この記事を読めば、GitHubが何なのか、なぜ重要なのか、どう使うのかが完全に理解できます! プログラミング初心者の方も、これからGitHubを使いたい方も、ぜひ最後まで読んでください。
GitHubとは?世界最大のコード共有プラットフォーム

一言で説明すると…
GitHubは、プログラムのソースコードを保存・管理・共有できるWebサービスです。
もっと分かりやすく言うと:
- Google Drive → 文書やファイルを保存・共有
- YouTube → 動画を保存・共有
- GitHub → プログラムのコードを保存・共有
ただし、GitHubはただの保存場所ではありません!
GitHubの3つの核心機能
1. バージョン管理
例:文書作成で考えると
report_最終版.docx
report_最終版_修正.docx
report_最終版_修正_本当に最終.docx
→ こんな経験ありませんか?
GitHubなら、すべての変更履歴を自動記録!
いつでも過去のバージョンに戻れます。
2. 共同開発
複数人で同じプロジェクトを同時に編集
→ 誰がいつ何を変更したか明確
→ 変更の衝突も解決できる
→ レビューしてから反映
3. 公開・共有
作ったコードを世界中に公開
→ 他の人が使える
→ 改善提案をもらえる
→ 一緒に開発できる
GitとGitHubの違い:よくある誤解を解く
Gitとは?
**Git(ギット)**は、バージョン管理システムそのものです。
- 2005年にリーナス・トーバルズ(Linuxの生みの親)が開発
- ローカル(自分のPC)で動作
- コマンドラインツール
GitHubとは?
**GitHub(ギットハブ)**は、Gitを使いやすくするWebサービスです。
- 2008年にサービス開始
- Gitで管理したコードをクラウドに保存
- Webブラウザで操作可能
- SNS的な機能(フォロー、スターなど)
例えで理解:
Git = カメラ機能
GitHub = Instagram
カメラ(Git)で写真を撮って、
Instagram(GitHub)にアップロードして共有する
GitHubの基本用語を理解しよう
必須用語10選
1. リポジトリ(Repository)
- プロジェクトの保存場所
- 1つのソフトウェア = 1つのリポジトリ
- 略して「リポ」とも呼ばれる
2. コミット(Commit)
- 変更を記録すること
- セーブポイントのようなもの
- 「何を変更したか」メッセージを付ける
3. プッシュ(Push)
- ローカルの変更をGitHubにアップロード
- 公開・共有される
4. プル(Pull)
- GitHubから最新版をダウンロード
- 他の人の変更を取り込む
5. ブランチ(Branch)
- 並行して開発するための分岐
- メイン(本番)を壊さずに実験できる
6. マージ(Merge)
- 分岐したブランチを統合
- 変更を本番に反映
7. フォーク(Fork)
- 他人のプロジェクトをコピー
- 自分のアカウントに複製
8. プルリクエスト(Pull Request)
- 変更の提案
- 「この変更を取り込んでください」
- 略して「プルリク」「PR」
9. イシュー(Issue)
- 問題報告や機能要望
- 議論の場
10. スター(Star)
- お気に入り登録
- 「いいね!」のようなもの
なぜGitHubが重要なのか?5つの理由
1. 世界標準のコード管理ツール
数字で見るGitHub:
- 利用者:1億人以上
- リポジトリ数:4億以上
- 企業利用:Fortune 100の90%以上
2. エンジニアのポートフォリオ
「GitHubは履歴書」と言われる理由:
- コーディングスキルが可視化される
- 継続的な活動が分かる
- コミュニケーション能力も見える
- 多くの企業が採用時にチェック
3. オープンソースの中心地
有名なオープンソースプロジェクト:
- Linux
- React(Facebook)
- TensorFlow(Google)
- VS Code(Microsoft)
- Bootstrap
これらすべてGitHubで開発・公開されています!
4. 学習の宝庫
学べること:
- プロのコードを読める
- ベストプラクティスを学べる
- コードレビューのやり方
- プロジェクト管理手法
5. コミュニティとつながる
開発者コミュニティ:
- 世界中の開発者と協力
- 問題解決を助け合う
- 知識の共有
- キャリアの機会
GitHubの実際の画面と使い方

リポジトリページの見方
📁 ユーザー名/リポジトリ名
├── 📄 README.md(プロジェクトの説明)
├── 📁 src/(ソースコード)
├── 📁 docs/(ドキュメント)
├── 📄 LICENSE(ライセンス)
└── 📄 .gitignore(無視するファイル)
上部メニュー:
・Code:ソースコード
・Issues:問題・要望
・Pull requests:変更提案
・Actions:自動化
・Projects:プロジェクト管理
・Wiki:ドキュメント
・Security:セキュリティ
・Insights:統計情報
・Settings:設定
基本的な操作フロー
1. アカウント作成
1. github.comにアクセス
2. Sign upをクリック
3. ユーザー名、メール、パスワードを設定
4. 無料プランを選択
5. メール認証
2. リポジトリ作成
1. 右上の「+」→「New repository」
2. リポジトリ名を入力
3. Public/Privateを選択
4. README.mdを追加
5. Create repository
3. ファイルのアップロード
1. 「Add file」→「Upload files」
2. ファイルをドラッグ&ドロップ
3. コミットメッセージを入力
4. 「Commit changes」
GitHubの活用例:誰がどう使っているか
個人開発者の場合
使い方:
- ポートフォリオサイトのコード管理
- 個人プロジェクトの公開
- 学習記録の保存
- ブログの記事管理(GitHub Pages)
メリット:
- 無料でコード管理
- 就職・転職でアピール
- フィードバックがもらえる
- 実績の可視化
企業・チーム開発の場合
使い方:
- ソースコード管理
- コードレビュー
- バグ管理(Issues)
- ドキュメント管理
- CI/CD(自動テスト・デプロイ)
メリット:
- チーム全体で共有
- 変更履歴の追跡
- 品質管理
- 効率的な開発
オープンソースプロジェクト
使い方:
- コードの公開
- コントリビューター募集
- バグ報告の受付
- 機能要望の管理
- ドキュメント整備
メリット:
- 世界中から協力者
- 透明性の確保
- コミュニティ形成
- 継続的な改善
GitHub無料版 vs 有料版
無料版(Free)でできること
個人向け:
- 無制限のパブリックリポジトリ
- 無制限のプライベートリポジトリ
- 共同作業者は無制限
- 2,000分/月のGitHub Actions
- 500MBのPackagesストレージ
これで十分な人:
- 個人開発者
- 学習目的
- オープンソース開発
- 小規模チーム
有料版(Pro/Team/Enterprise)
Pro($4/月):
- 3,000分/月のGitHub Actions
- 2GBのPackagesストレージ
- 高度なサポート
- 保護ブランチ
Team($4/ユーザー/月):
- チーム向け機能
- SAML SSO
- 監査ログ
Enterprise:
- 大企業向け
- オンプレミス版あり
- 高度なセキュリティ
GitHubの始め方:初心者向けステップ
Step 1: アカウント作成
必要なもの:
・メールアドレス
・ユーザー名(変更可能だが慎重に)
・パスワード
ユーザー名の選び方:
✅ 本名またはニックネーム
✅ 短くて覚えやすい
✅ プロフェッショナル
❌ 記号の多用
❌ 長すぎる
Step 2: プロフィール設定
設定すべき項目:
- アバター画像
- 自己紹介文
- 所在地
- 所属組織
- ウェブサイト
- SNSリンク
Step 3: 最初のリポジトリ作成
READMEリポジトリ(特別なリポジトリ):
# こんにちは!👋
## 自己紹介
- 🌱 現在学習中:JavaScript, Python
- 💼 職業:Webエンジニア
- 📫 連絡先:example@email.com
- ⚡ 趣味:プログラミング、読書
## スキル
- HTML/CSS
- JavaScript
- Git/GitHub
## プロジェクト
- [プロジェクト1](リンク)
- [プロジェクト2](リンク)
GitHub Pages:無料でWebサイトを公開
GitHub Pagesとは
GitHubリポジトリから直接Webサイトを公開できる機能です。
特徴:
- 完全無料
- 独自ドメイン対応
- HTTPS対応
- 静的サイトのみ
URL形式:
https://ユーザー名.github.io/リポジトリ名/
設定方法
1. リポジトリのSettings
2. Pages セクション
3. Source を選択(通常はmainブランチ)
4. Save
5. 数分後に公開される
よくある質問(FAQ)
Q1: プログラミングできなくても使える?
A: はい!ドキュメント管理や学習記録など、コード以外でも活用できます。
Q2: 英語が苦手でも大丈夫?
A: 基本的な操作は可能ですが、コミュニティとの交流には英語が有利です。日本語のリソースも豊富にあります。
Q3: プライベートリポジトリは本当に非公開?
A: はい、招待したメンバーのみアクセス可能です。ただし、有料プランの方がセキュリティ機能は充実しています。
Q4: GitHubとGitLabの違いは?
A: 基本機能は似ていますが、GitHubの方がコミュニティが大きく、GitLabは自社サーバーでの運用が得意です。
Q5: コードを盗まれる心配は?
A: ライセンスを適切に設定すれば保護されます。機密性の高いコードはプライベートリポジトリを使用しましょう。
GitHub活用のベストプラクティス

良いREADMEの書き方
必須項目:
- プロジェクト名と説明
- インストール方法
- 使い方
- ライセンス
- 貢献方法
コミットメッセージの書き方
良い例:
feat: ユーザー認証機能を追加
fix: ログイン時のエラーを修正
docs: READMEにインストール手順を追加
悪い例:
更新
修正
ああああ
イシューの書き方
バグ報告テンプレート:
## 問題の概要
(何が起きているか)
## 再現手順
1. 〇〇を開く
2. △△をクリック
3. エラーが発生
## 期待される動作
(本来どうなるべきか)
## 環境
- OS: Windows 11
- ブラウザ: Chrome 120
まとめ:GitHubは現代の開発者の必須ツール!
GitHubについて、基本から実践まで解説してきました。
この記事のポイント: ✅ GitHubはコードの保存・管理・共有プラットフォーム ✅ バージョン管理で履歴を完全記録 ✅ 世界中の開発者とつながれる ✅ 無料で十分な機能が使える ✅ エンジニアの履歴書として機能
今すぐやるべきこと:
- GitHubアカウントを作成
- プロフィールを充実させる
- 最初のリポジトリを作成
- READMEを書いてみる
- 他の人のコードを見て学ぶ
最後にアドバイス: GitHubは最初は難しく感じるかもしれません。 でも、使い続けることで必ず慣れます。
プログラマーとして成長したいなら、GitHubは避けて通れない道。 今日から少しずつ始めて、徐々に活用の幅を広げていきましょう。
コードを書く人も、これから学ぶ人も、GitHubはあなたの強い味方になります!
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