「GitHubで見つけた便利なプロジェクト、どうやってダウンロードするの?」 「git cloneって聞くけど、黒い画面を使うの?」 「会社のリポジトリを自分のPCにコピーしたい」
git cloneは、GitHubなどにあるリポジトリを自分のPCにダウンロードする最も基本的な操作です。実は、コマンドを使わなくてもできる方法がたくさんあるんです!
この記事では、コマンドライン、VSCode、GUI、さらにはブラウザだけでできる方法まで、5つの方法を完全解説します。あなたに合った方法が必ず見つかります。
5分後には、世界中のオープンソースプロジェクトを自由にダウンロードできるようになりますよ!
git cloneとは?基本を理解しよう

簡単に言うと「リポジトリのコピー」
git clone = リモートリポジトリを丸ごとダウンロード
イメージ:
- GitHubにあるプロジェクト(リモート)
- ↓ git clone
- 自分のPC(ローカル)にコピー完了!
cloneで何がダウンロードされる?
すべてが含まれます:
- 📁 すべてのファイルとフォルダ
- 📝 完全なコミット履歴
- 🌿 すべてのブランチ
- 🏷️ すべてのタグ
- ⚙️ Git設定情報
ダウンロードとの違い
ZIPダウンロード:
- その時点のファイルのみ
- Git履歴なし
- Git操作不可
git clone:
- 完全なGitリポジトリ
- 履歴付き
- すぐにGit操作可能
事前準備:Gitのインストール
Windowsの場合
インストール手順:
- https://git-scm.com/ にアクセス
- 「Download for Windows」をクリック
- ダウンロードしたファイルを実行
- インストーラーの指示に従う(基本的にデフォルト設定でOK)
確認方法:
# コマンドプロンプトまたはPowerShellで
git --version
# 表示例:git version 2.39.0.windows.1
Macの場合
方法1:Homebrew(推奨)
# Homebrewがある場合
brew install git
# Homebrewがない場合、先にインストール
/bin/bash -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/install.sh)"
方法2:Xcode Command Line Tools
xcode-select --install
Linuxの場合
Ubuntu/Debian:
sudo apt update
sudo apt install git
CentOS/Fedora:
sudo yum install git
# または
sudo dnf install git
方法1:コマンドラインで git clone【基本中の基本】
基本的な使い方
最もシンプルな形:
git clone <リポジトリURL>
実例:
# GitHubのリポジトリをクローン
git clone https://github.com/microsoft/vscode.git
URLの取得方法
GitHubの場合:
- リポジトリページを開く
- 緑の「Code」ボタンをクリック
- URLをコピー
3種類のURL:
- HTTPS(推奨):
https://github.com/user/repo.git
- SSH:
git@github.com:user/repo.git
- GitHub CLI:
gh repo clone user/repo
よく使うオプション
フォルダ名を指定:
# デフォルトでは「vscode」フォルダになるところを「my-vscode」に
git clone https://github.com/microsoft/vscode.git my-vscode
特定のブランチだけクローン:
# mainブランチだけをクローン
git clone -b main --single-branch https://github.com/user/repo.git
浅いクローン(履歴を限定):
# 直近10コミットだけ(高速)
git clone --depth 10 https://github.com/user/repo.git
# 直近1コミットだけ(最速)
git clone --depth 1 https://github.com/user/repo.git
プライベートリポジトリ:
# 認証が必要
git clone https://github.com/company/private-repo.git
# ユーザー名とパスワード(またはトークン)を入力
実際の流れ
# 1. 作業フォルダに移動
cd ~/Documents/Projects
# 2. クローン実行
git clone https://github.com/facebook/react.git
# 3. 進行状況が表示される
Cloning into 'react'...
remote: Enumerating objects: 203081, done.
remote: Counting objects: 100% (203081/203081), done.
remote: Compressing objects: 100% (53399/53399), done.
Receiving objects: 100% (203081/203081), 176.94 MiB | 5.24 MiB/s, done.
# 4. クローンしたフォルダに移動
cd react
# 5. 確認
ls -la
方法2:VSCodeで git clone【GUI操作】
コマンドパレットを使う方法
手順:
- VSCodeを開く
- コマンドパレットを開く
Ctrl + Shift + P
(Windows/Linux)Cmd + Shift + P
(Mac)
- 「Git: Clone」と入力
- リポジトリURLを貼り付け
- 保存先フォルダを選択
- 自動的に開く
ウェルカム画面から
初回起動時:
- VSCodeのウェルカム画面
- 「リポジトリのクローン」をクリック
- URLを入力
- フォルダを選択
Source Controlパネルから
手順:
- 左サイドバーのSource Controlアイコン(3つ目)
- 「リポジトリのクローン」ボタン
- URLまたはGitHubから選択
GitHubと連携する
GitHub認証:
- 「Clone from GitHub」を選択
- ブラウザでGitHub認証
- リポジトリ一覧から選択
- プライベートリポジトリも表示される
方法3:GitHub Desktop【最も簡単】

GitHub Desktopのインストール
ダウンロード:
- https://desktop.github.com/ にアクセス
- OSに合わせてダウンロード
- インストール実行
クローンの手順
方法1:URLから
- File → Clone repository
- URLタブを選択
- URLを貼り付け
- ローカルパスを選択
- 「Clone」をクリック
方法2:GitHubから直接
- GitHub.comタブ
- 自分のリポジトリ一覧が表示
- 選択してClone
方法3:ブラウザから
- GitHubのリポジトリページ
- 「Code」→「Open with GitHub Desktop」
- 自動的にGitHub Desktopが起動
メリット
- ✅ コマンド不要
- ✅ 認証が簡単
- ✅ 視覚的で分かりやすい
- ✅ コンフリクト解決も簡単
方法4:SourceTree【高機能GUI】
SourceTreeの特徴
Atlassian製の無料Git GUI:
- Windows/Mac対応
- 高機能で視覚的
- 複雑な操作もGUIで可能
インストールと設定
- https://www.sourcetreeapp.com/ からダウンロード
- Atlassianアカウント作成(無料)
- 初期設定ウィザードに従う
クローン手順
- 「New」→「Clone from URL」
- Source URL: リポジトリURL入力
- Destination Path: 保存先選択
- Name: ブックマーク名
- 「Clone」ボタン
高度な機能
- ブランチの視覚化
- インタラクティブリベース
- サブモジュール対応
- Git-flow対応
方法5:Webブラウザだけで完結【Codespaces/GitPod】
GitHub Codespaces
ブラウザ上で開発環境:
- GitHubリポジトリページ
- 「Code」→「Codespaces」タブ
- 「Create codespace on main」
- ブラウザ上でVSCodeが起動!
特徴:
- インストール不要
- クラウド上で動作
- 月60時間無料
GitPod
使い方:
- ChromeにGitPod拡張機能インストール
- GitHubリポジトリに「GitPod」ボタンが追加
- クリックで環境構築完了
URL直接指定:
https://gitpod.io/#https://github.com/user/repo
CodeSandbox
Web開発特化:
- https://codesandbox.io/
- 「Import from GitHub」
- URLを貼り付け
- オンラインエディタで編集可能
プライベートリポジトリのクローン
HTTPS認証
Personal Access Token(推奨):
- GitHub → Settings → Developer settings
- Personal access tokens → Generate new token
- 必要な権限を選択
- トークンをコピー
git clone https://github.com/user/private-repo.git
# Username: あなたのユーザー名
# Password: 生成したトークン(パスワードではない!)
SSH認証
SSH鍵の設定:
# 1. SSH鍵を生成
ssh-keygen -t ed25519 -C "your-email@example.com"
# 2. 公開鍵をコピー
cat ~/.ssh/id_ed25519.pub
# 3. GitHubに登録
# Settings → SSH and GPG keys → New SSH key
# 4. SSHでクローン
git clone git@github.com:user/private-repo.git
認証情報の保存
認証ヘルパーの設定:
# Windows
git config --global credential.helper manager
# Mac
git config --global credential.helper osxkeychain
# Linux
git config --global credential.helper store
トラブルシューティング

エラー1:fatal: repository not found
原因と対処:
- URLが間違っている → 正しいURLを確認
- プライベートリポジトリ → 認証を設定
- 権限がない → アクセス権をもらう
エラー2:Permission denied (publickey)
SSH認証の問題:
# SSH鍵が設定されているか確認
ssh -T git@github.com
# HTTPSに切り替える
git clone https://github.com/user/repo.git
エラー3:SSL certificate problem
証明書エラー:
# 一時的な回避(非推奨)
git config --global http.sslVerify false
# 正しい対処
# 企業プロキシの場合は証明書を設定
エラー4:filename too long(Windows)
長いパス名の問題:
git config --global core.longpaths true
クローン後の確認と操作
基本的な確認
# クローンしたフォルダに移動
cd repo-name
# 状態確認
git status
# リモートリポジトリ確認
git remote -v
# ブランチ確認
git branch -a
# 履歴確認
git log --oneline -10
よく使う次の操作
最新を取得:
git pull
ブランチを切り替え:
git checkout develop
新しいブランチ作成:
git checkout -b feature/my-feature
ベストプラクティス
フォルダ構成の推奨
~/Documents/
├── Projects/ # 個人プロジェクト
│ ├── my-app/
│ └── learning/
├── Work/ # 仕事用
│ ├── company-app/
│ └── client-project/
└── OpenSource/ # OSSプロジェクト
├── react/
└── vscode/
クローン前のチェックリスト
- [ ] 十分なディスク容量があるか
- [ ] 適切なフォルダ構成になっているか
- [ ] 認証設定は完了しているか
- [ ] .gitignoreは適切か
大きなリポジトリの対処
部分クローン(Partial Clone):
# Blobless clone(ファイル内容を遅延取得)
git clone --filter=blob:none https://github.com/large/repo.git
# Treeless clone(さらに軽量)
git clone --filter=tree:0 https://github.com/large/repo.git
Sparse Checkout(特定フォルダのみ):
git clone --no-checkout https://github.com/large/repo.git
cd repo
git sparse-checkout init --cone
git sparse-checkout set folder1 folder2
git checkout
よくある質問

Q1:cloneとforkの違いは?
A:
- clone:リポジトリをローカルにコピー
- fork:GitHub上で自分のアカウントにコピー
- 通常の流れ:Fork → Clone → 編集 → Push → Pull Request
Q2:クローンに時間がかかる
A: 以下を試してください:
# 浅いクローン
git clone --depth 1 <url>
# 後で履歴を取得
git fetch --unshallow
Q3:会社のプロキシ環境でクローンできない
A: プロキシ設定:
git config --global http.proxy http://proxy.company.com:8080
git config --global https.proxy http://proxy.company.com:8080
Q4:クローンしたリポジトリを削除したい
A: フォルダごと削除すればOK:
- Windows:フォルダを右クリック → 削除
- Mac/Linux:
rm -rf repo-name
Q5:オフラインでクローンできる?
A: USBメモリ経由など:
# 元のPCで
git clone --mirror <url> repo.git
# USBにコピー後、別のPCで
git clone /path/to/usb/repo.git
まとめ
git cloneは、GitHubなどからプロジェクトをダウンロードする最初の一歩です。
今すぐ試せる3つの方法:
- 🟢 初心者なら → GitHub Desktop
- 最も簡単、視覚的
- インストールしてクリックするだけ
- 🔵 開発者なら → コマンドライン
git clone <URL>
- 最も汎用的で高速
- 🟡 VSCode使いなら → 統合機能
- Ctrl + Shift + P → Git: Clone
- そのまま編集開始できる
クローンは怖くない! リポジトリをコピーするだけなので、元のリポジトリには影響しません。気になるプロジェクトがあったら、どんどんクローンして中身を見てみましょう。
オープンソースの世界は、クローンから始まります。この記事を参考に、あなたも今日から Git の世界に飛び込んでみませんか?
まずは練習用のリポジトリをクローンすることから始めてみましょう!
コメント