Git 403エラーの完全解決ガイド:原因から対処法まで徹底解説

「git push」したら403エラー…
「remote: Permission denied」って何?
「GitHubにアクセスできなくなった…」

突然Gitの操作ができなくなって困っていませんか?

この記事では、Git操作中に発生する「403 Forbidden」エラーについて、原因から具体的な解決方法まで、初心者の方にもわかりやすく解説します。

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  1. 結論:403エラーの主な原因と解決法
  2. 403エラーとは
    1. エラーメッセージの例
    2. 403エラーの意味
  3. 403エラーの原因
    1. 原因1:パスワード認証の廃止(最多)
    2. 原因2:古い認証情報のキャッシュ
    3. 原因3:リポジトリへのアクセス権限がない
    4. 原因4:トークンの権限不足
    5. 原因5:組織・企業のポリシー
  4. 解決方法:基本編
    1. 解決方法1:個人アクセストークン(PAT)の作成と使用
    2. 解決方法2:古い認証情報の削除
    3. 解決方法3:SSH認証への切り替え(推奨)
  5. 解決方法:特殊ケース編
    1. ケース1:複数のGitHubアカウント
    2. ケース2:Forkしたリポジトリへの貢献
    3. ケース3:組織のリポジトリ
    4. ケース4:トークンの権限不足
    5. ケース5:企業ネットワークの制限
  6. トラブルシューティング:診断フロー
    1. フローチャート
    2. 診断コマンド
    3. 段階的デバッグ
  7. よくある質問(FAQ)
    1. Q1: トークンを作成したのに403エラーが出る
    2. Q2: パスワードを入力しても403エラーが出る
    3. Q3: 以前は動いていたのに突然エラーが出る
    4. Q4: SSHとHTTPS、どちらを使うべき?
    5. Q5: 複数のGitHubアカウントを使い分けるには?
    6. Q6: トークンを紛失しました
    7. Q7: 「Authentication failed」と403エラーの違いは?
    8. Q8: Git Credential Managerとは?
    9. Q9: プライベートリポジトリにアクセスできない
    10. Q10: 会社のネットワークで403エラーが出る
  8. 予防策:403エラーを防ぐために
    1. ベストプラクティス
    2. セキュリティのヒント
  9. まとめ
    1. 403エラーの主な原因
    2. 基本的な解決手順
    3. 推奨事項
    4. 最後に

結論:403エラーの主な原因と解決法

まず結論から:

主な原因:

  1. 認証エラー(最多) – パスワード認証の廃止、トークン不足
  2. 権限不足 – リポジトリへのアクセス権がない
  3. 古い認証情報 – キャッシュされた情報が間違っている

基本的な解決手順:

  1. 個人アクセストークン(PAT)を作成
  2. 古い認証情報を削除
  3. 新しいトークンで再認証

それでは詳しく見ていきましょう。

403エラーとは

エラーメッセージの例

典型的なエラー:

$ git push origin main
Username for 'https://github.com': your-username
Password for 'https://your-username@github.com': 
remote: Support for password authentication was removed on August 13, 2021.
fatal: unable to access 'https://github.com/user/repo.git/': 
The requested URL returned error: 403

バリエーション:

# パターン1:権限エラー
remote: Permission to user/repo.git denied to username.
fatal: unable to access 'https://github.com/user/repo.git/': 
The requested URL returned error: 403

# パターン2:アクセス拒否
remote: The requested repository either does not exist or you do not have access.
fatal: unable to access 'https://github.com/user/repo.git/': 
The requested URL returned error: 403

# パターン3:認証失敗
fatal: Authentication failed for 'https://github.com/user/repo.git/'

403エラーの意味

HTTP 403 Forbidden:

  • サーバーはリクエストを理解した
  • しかしアクセスを拒否している
  • 「権限がありません」という意味

Gitでの403エラー:

  • 認証情報が正しくない
  • リポジトリへのアクセス権がない
  • 認証方式が古い

403エラーの原因

原因1:パスワード認証の廃止(最多)

重要な変更:

GitHubは2021年8月13日にパスワード認証を廃止しました。

以前(〜2021年8月12日):

Username: your-username
Password: your-password  ← パスワードでOK

現在(2021年8月13日〜):

Username: your-username
Password: ghp_xxxxxxxxxxxx  ← 個人アクセストークンが必須

なぜ廃止されたのか:

  1. セキュリティ強化
  • パスワードは推測されやすい
  • 使い回しのリスク
  • 漏洩した時の被害が大きい
  1. より安全な認証
  • トークンは用途別に作成
  • 権限を細かく設定可能
  • 有効期限を設定できる
  • いつでも無効化できる

この原因のサイン:

remote: Support for password authentication was removed on August 13, 2021.
remote: Please use a personal access token instead.

原因2:古い認証情報のキャッシュ

状況:

  • 以前は動作していた
  • 最近になって突然エラー
  • パスワードを入力していない

原因:

  • OSが古い認証情報を記憶している
  • パスワードまたは古いトークンがキャッシュされている
  • アカウントを変更したが情報が残っている

保存場所:

  • Windows: 資格情報マネージャー
  • Mac: キーチェーンアクセス
  • Linux: ~/.git-credentials

原因3:リポジトリへのアクセス権限がない

パターンA:プライベートリポジトリ

remote: The requested repository either does not exist or you do not have access.

原因:

  • リポジトリがプライベート設定
  • 招待されていない
  • 招待を承認していない

パターンB:本家ではなくForkにプッシュすべき

remote: Permission to original-owner/repo.git denied to your-username.

状況:

  • オープンソースプロジェクトへの貢献
  • 本家リポジトリに直接pushしようとしている
  • 自分のForkにpushすべき

原因4:トークンの権限不足

状況:

  • トークンは作成した
  • でも403エラーが出る

原因:

  • トークンに必要な権限(スコープ)がない
  • 読み取り専用のトークン
  • 有効期限切れ

必要な権限:

  • 読み取りのみ: repo:status, public_repo
  • 読み書き: repo(フルアクセス)

原因5:組織・企業のポリシー

Bitbucketなどの企業向けサービス:

IP制限:

remote: To access this repository, an admin must whitelist your IP.
fatal: unable to access: The requested URL returned error: 403

2段階認証の要求:

remote: To access this repository, enable two-step authentication.
fatal: unable to access: The requested URL returned error: 403

アカウント停止:

remote: Your account is suspended.
fatal: unable to access: The requested URL returned error: 403

解決方法:基本編

解決方法1:個人アクセストークン(PAT)の作成と使用

これが最も一般的な解決方法です。

ステップ1:GitHubでトークンを作成

手順:

  1. GitHubにログイン
   https://github.com
  1. 設定画面を開く
  • 右上のプロフィールアイコンをクリック
  • 「Settings」を選択
  1. Developer settingsへ
  • 左メニューの一番下
  • 「Developer settings」をクリック
  1. Personal access tokensを選択
  • 「Personal access tokens」をクリック
  • 「Tokens (classic)」を選択
  1. 新しいトークンを生成
  • 「Generate new token」ボタンをクリック
  • 「Generate new token (classic)」を選択
  1. トークンの設定

Note(トークン名):

例:My Laptop - 2025
用途がわかる名前をつける

Expiration(有効期限):

30 days(30日)
60 days(60日)
90 days(90日)
Custom(カスタム)
No expiration(無期限) ← セキュリティリスク

推奨: 90日〜1年程度

Select scopes(権限):

最低限必要な権限:

☑ repo  ← これをチェック
  ☑ repo:status
  ☑ repo_deployment
  ☑ public_repo
  ☑ repo:invite
  ☑ security_events

追加で便利な権限:

☑ workflow  ← GitHub Actionsを使う場合
☑ read:org  ← 組織情報を読む場合
☑ gist      ← Gistを使う場合
  1. トークンを生成
  • 一番下の「Generate token」ボタンをクリック
  1. トークンをコピー
   ghp_xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx

⚠️ 重要:

  • トークンは一度しか表示されません
  • 必ずコピーして安全な場所に保存
  • パスワードマネージャーの使用を推奨

トークンをなくした場合:

  • 再表示はできません
  • 新しいトークンを作成する必要があります
  • 古いトークンは削除しましょう

ステップ2:トークンを使用する

方法A:コマンドラインで入力

Git操作を実行:

$ git push origin main

認証情報を求められたら:

Username for 'https://github.com': your-username
Password for 'https://your-username@github.com': ghp_xxxxxxxxxxxx
                                                  ↑ パスワードではなくトークンを貼り付け

注意点:

  • 「Password」と表示されますが、トークンを入力
  • トークンは貼り付けても表示されません
  • 入力後にEnterキーを押す

方法B:URLに直接埋め込む(非推奨)

git clone https://your-username:ghp_xxxxxxxxxxxx@github.com/user/repo.git

⚠️ 非推奨の理由:

  • トークンがコマンド履歴に残る
  • 画面共有時に見えてしまう
  • セキュリティリスク

方法C:credential helperを使う(推奨)

設定:

# Windowsの場合
git config --global credential.helper wincred

# Macの場合
git config --global credential.helper osxkeychain

# Linuxの場合(キャッシュ)
git config --global credential.helper cache

# Linuxの場合(ファイル保存)
git config --global credential.helper store

一度トークンを入力すれば、次回から自動的に使用されます。

解決方法2:古い認証情報の削除

Windows:資格情報マネージャーで削除

手順:

  1. 資格情報マネージャーを開く

方法1:スタートメニューから

スタートメニュー → 「資格情報」と検索 → 「資格情報マネージャー」をクリック

方法2:コントロールパネルから

コントロールパネル → ユーザーアカウント → 資格情報マネージャー
  1. Windows資格情報を選択
  • 「Windows資格情報」タブをクリック
  1. Git関連の資格情報を見つける

探すべきエントリ:

git:https://github.com
git:http://github.com
  1. 削除する
  • エントリーをクリックして展開
  • 「削除」ボタンをクリック

コマンドラインで削除:

# 特定の資格情報を削除
cmdkey /delete:git:https://github.com

# 一覧表示
cmdkey /list

Mac:キーチェーンアクセスで削除

手順:

  1. キーチェーンアクセスを開く

方法1:Spotlightから

Command + Space → 「Keychain Access」と入力 → Enter

方法2:Finderから

アプリケーション → ユーティリティ → キーチェーンアクセス
  1. GitHubの認証情報を検索
  • 右上の検索ボックスに「github.com」と入力
  1. 該当エントリを見つける
種類:インターネットパスワード
アカウント:your-username
場所:github.com
  1. 削除する
  • エントリをクリック
  • Delete キーを押す
  • または右クリック → 削除

コマンドラインで削除:

# GitHub認証情報を削除
git credential-osxkeychain erase << EOF
protocol=https
host=github.com
EOF

# Enterキーを押す

管理者権限で削除が必要な場合:

sudo open /System/Applications/Utilities/"Keychain Access.app"

Linux:認証情報ファイルの削除

保存場所を確認:

git config --get credential.helper

結果別の対処:

cacheの場合:

# キャッシュをクリア
git credential-cache exit

# または
rm -rf ~/.git-credential-cache

storeの場合:

# 認証情報ファイルを編集または削除
nano ~/.git-credentials

# または完全削除
rm ~/.git-credentials

ファイルの中身:

https://username:password@github.com

The most-comprehensive AI-powered DevSecOps platform
From planning to production, bring teams together in one application. Ship secure code more efficiently to deliver value...

不要な行を削除して保存。

解決方法3:SSH認証への切り替え(推奨)

HTTPSの代わりにSSHを使用することで、トークン管理の手間を省けます。

SSH認証のメリット

メリット:

  1. パスワード・トークン入力不要
  2. セキュリティが高い
  3. 一度設定すれば永続的
  4. 複数サービスで同じ鍵が使える

デメリット:

  1. 初期設定がやや複雑
  2. 企業ファイアウォールでブロックされる場合がある

ステップ1:SSH鍵の作成

注意:GitHubは古いRSA鍵を拒否

❌ 使用不可(非推奨):

# SHA-1を使うRSA鍵(GitHub 2021年9月以降拒否)
ssh-keygen -t rsa -b 4096 -C "your_email@example.com"

✅ 推奨:

# ECDSA鍵(推奨)
ssh-keygen -t ecdsa -b 521 -C "your_email@example.com"

# または Ed25519鍵(よりモダン)
ssh-keygen -t ed25519 -C "your_email@example.com"

対話形式の質問:

# 保存場所
Enter file in which to save the key (/Users/you/.ssh/id_ecdsa): 
→ Enterキー(デフォルトでOK)

# パスフレーズ(推奨)
Enter passphrase (empty for no passphrase): 
→ パスフレーズを入力(空でも可能だが非推奨)

# パスフレーズ確認
Enter same passphrase again: 
→ 同じパスフレーズを入力

作成されるファイル:

~/.ssh/id_ecdsa       ← 秘密鍵(絶対に公開しない)
~/.ssh/id_ecdsa.pub   ← 公開鍵(GitHubに登録)

ステップ2:公開鍵をGitHubに登録

  1. 公開鍵をコピー
# Macの場合
pbcopy < ~/.ssh/id_ecdsa.pub

# Linuxの場合
cat ~/.ssh/id_ecdsa.pub
# 表示された内容をコピー

# Windowsの場合
clip < ~/.ssh/id_ecdsa.pub
  1. GitHubに登録
GitHub → Settings → SSH and GPG keys → New SSH key

Title:

例:My MacBook Pro
わかりやすい名前

Key:

ssh-ecdsa AAAAC3NzaC1lZDI1NTE5AAAA... your_email@example.com
↑ コピーした公開鍵を貼り付け
  1. Add SSH key ボタンをクリック

ステップ3:接続テスト

ssh -T git@github.com

初回接続時:

The authenticity of host 'github.com (xxx.xxx.xxx.xxx)' can't be established.
ECDSA key fingerprint is SHA256:xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx.
Are you sure you want to continue connecting (yes/no/[fingerprint])? 

yesと入力してEnter

成功メッセージ:

Hi your-username! You've successfully authenticated, but GitHub does not provide shell access.

ステップ4:リモートURLをSSHに変更

現在のURLを確認:

git remote -v

HTTPS URLの例:

origin  https://github.com/username/repo.git (fetch)
origin  https://github.com/username/repo.git (push)

SSHに変更:

git remote set-url origin git@github.com:username/repo.git

確認:

git remote -v

SSH URLに変更されている:

origin  git@github.com:username/repo.git (fetch)
origin  git@github.com:username/repo.git (push)

今後の操作:

git push origin main
# パスワード・トークン入力不要!

解決方法:特殊ケース編

ケース1:複数のGitHubアカウント

状況:

  • 個人用アカウント
  • 仕事用アカウント
  • 間違ったアカウントで認証されている

解決法1:リポジトリごとにアカウントを設定

cd /path/to/repo

# このリポジトリ専用の設定
git config user.name "Work Username"
git config user.email "work@company.com"

# 認証情報も分ける
git config credential.username "work-username"

解決法2:SSH設定で使い分け

~/.ssh/configを編集:

# 個人用GitHub
Host github.com
    HostName github.com
    User git
    IdentityFile ~/.ssh/id_ecdsa_personal

# 仕事用GitHub
Host github-work
    HostName github.com
    User git
    IdentityFile ~/.ssh/id_ecdsa_work

使用方法:

# 個人用
git clone git@github.com:username/repo.git

# 仕事用
git clone git@github-work:company/repo.git

ケース2:Forkしたリポジトリへの貢献

エラー:

remote: Permission to original-owner/repo.git denied to your-username.

原因:

  • 本家リポジトリに直接pushしようとしている

正しい手順:

  1. 自分のForkを作成
  • GitHubで「Fork」ボタンをクリック
  1. Forkをクローン
   git clone https://github.com/your-username/repo.git
  1. 本家をupstreamとして追加
   cd repo
   git remote add upstream https://github.com/original-owner/repo.git
  1. Forkにpush
   git push origin feature-branch
  1. Pull Requestを作成
  • GitHub上で「New Pull Request」

ケース3:組織のリポジトリ

エラー:

remote: Permission to organization/repo.git denied.

確認事項:

  1. 組織メンバーか確認
   https://github.com/orgs/organization/people
  1. 招待を承認したか確認
  • メールを確認
  • 招待承認のリンクをクリック
  1. リポジトリの権限を確認
  • Read(読み取り)
  • Write(書き込み)
  • Admin(管理者)

必要な権限:

  • push: Write以上
  • pull: Read以上

ケース4:トークンの権限不足

エラー:

remote: Permission to user/repo.git denied to user.
(トークンは作成済み)

原因:

  • トークンに必要な権限がない

解決方法:

  1. GitHub → Settings → Developer settings → Personal access tokens
  2. 該当トークンをクリック
  3. 権限を確認

必要な権限:

☑ repo  ← これが必須
  1. 権限が足りない場合
  • 既存トークンは編集できません
  • 新しいトークンを作成
  • 適切な権限を設定
  1. 古いトークンを削除
  • 「Delete」ボタン

ケース5:企業ネットワークの制限

プロキシ経由の接続

設定:

# HTTP/HTTPSプロキシ
git config --global http.proxy http://proxy.company.com:8080
git config --global https.proxy http://proxy.company.com:8080

# 認証が必要な場合
git config --global http.proxy http://username:password@proxy.company.com:8080

# プロキシ解除
git config --global --unset http.proxy
git config --global --unset https.proxy

SSL証明書の問題

企業の独自証明書:

# 証明書のパスを指定
git config --global http.sslCAInfo /path/to/certificate.pem

# 一時的に証明書検証を無効化(非推奨)
git config --global http.sslVerify false

⚠️ 警告:

  • sslVerify falseはセキュリティリスク
  • 一時的な対処のみに使用
  • 問題解決後は必ず元に戻す
# 元に戻す
git config --global http.sslVerify true

トラブルシューティング:診断フロー

フローチャート

403エラーが発生
    ↓
┌────────────────────────┐
│エラーメッセージを確認  │
└────────────────────────┘
    ↓
    ├→ "password authentication was removed" → パスワード認証の廃止
    │  → 個人アクセストークンを作成
    │
    ├→ "Permission to user/repo.git denied" → 権限エラー
    │  ├→ 自分のリポジトリ → トークンの権限を確認
    │  └→ 他人のリポジトリ → Forkして作業
    │
    ├→ "Your account is suspended" → アカウント停止
    │  → GitHubサポートに連絡
    │
    └→ その他のメッセージ → 以下の診断を実行

診断コマンド

1. Git設定の確認

# すべての設定を表示
git config --list

# credential helperを確認
git config --get credential.helper

# リモートURLを確認
git remote -v

# ユーザー情報を確認
git config user.name
git config user.email

2. 接続テスト

HTTPSの場合:

# GitHubに接続できるか確認
curl -I https://github.com

# 認証情報付きでテスト
git ls-remote https://github.com/username/repo.git

SSHの場合:

# SSH接続テスト
ssh -T git@github.com

# 詳細なデバッグ情報
ssh -vT git@github.com

3. 認証情報の確認

Windows:

# 保存されている認証情報を確認
cmdkey /list | findstr git

Mac:

# キーチェーンの確認
security find-internet-password -s github.com

Linux:

# 保存されている認証情報を確認
cat ~/.git-credentials

段階的デバッグ

レベル1:基本確認

# 1. URLが正しいか
git remote -v

# 2. ネットワーク接続
ping github.com

# 3. 認証方式
git config --get credential.helper

レベル2:認証情報リセット

# 1. 認証情報を削除(OS別の方法を使用)

# 2. 新しいトークンを作成

# 3. 再度push
git push origin main

レベル3:詳細ログ

# HTTPSの詳細ログ
GIT_CURL_VERBOSE=1 git push origin main

# SSHの詳細ログ
GIT_SSH_COMMAND="ssh -vvv" git push origin main

よくある質問(FAQ)

Q1: トークンを作成したのに403エラーが出る

回答: トークンの権限が不足している可能性があります。

確認点:

  1. repoスコープがチェックされているか
  • GitHub → Settings → Developer settings
  • Personal access tokens
  • 該当トークンを確認
  1. トークンを正しく入力しているか
  • 先頭に空白がないか
  • 全文字をコピーしたか
  1. トークンの有効期限
  • 期限切れになっていないか

解決策:

  • 新しいトークンを作成
  • repoスコープを必ず含める
  • 古いトークンを削除

Q2: パスワードを入力しても403エラーが出る

回答: パスワード認証は2021年8月に廃止されました。

正しい方法:

  1. 個人アクセストークンを作成
  2. パスワードの代わりにトークンを入力

注意:

  • 「Password」と表示されますがトークンを入力してください

Q3: 以前は動いていたのに突然エラーが出る

回答: いくつかの原因が考えられます。

原因1:トークンの有効期限切れ

# 新しいトークンを作成
# 古い認証情報を削除
# 新しいトークンで再認証

原因2:リポジトリの権限変更

# リポジトリの設定を確認
# 必要に応じて管理者に連絡

原因3:GitHubアカウントの問題

# ブラウザでGitHubにログインできるか確認
# 2段階認証の設定を確認

Q4: SSHとHTTPS、どちらを使うべき?

回答: それぞれメリット・デメリットがあります。

HTTPSのメリット:

  • 設定が簡単
  • ファイアウォールを通過しやすい
  • ポート443(一般的に開放されている)

HTTPSのデメリット:

  • トークン管理が必要
  • 有効期限がある
  • 毎回認証が必要(credential helper未使用時)

SSHのメリット:

  • 一度設定すれば永続的
  • パスワード・トークン入力不要
  • セキュリティが高い

SSHのデメリット:

  • 初期設定がやや複雑
  • 企業ネットワークでブロックされる場合がある
  • ポート22(制限されている場合がある)

推奨:

  • 個人利用: SSH
  • 企業ネットワーク: HTTPS(まず試す)
  • 初心者: HTTPS

Q5: 複数のGitHubアカウントを使い分けるには?

回答: SSH設定で使い分けるのが最も簡単です。

手順:

  1. アカウントごとにSSH鍵を作成
# 個人用
ssh-keygen -t ecdsa -b 521 -C "personal@email.com" -f ~/.ssh/id_ecdsa_personal

# 仕事用
ssh-keygen -t ecdsa -b 521 -C "work@company.com" -f ~/.ssh/id_ecdsa_work
  1. ~/.ssh/configを設定
# 個人用
Host github.com
    HostName github.com
    User git
    IdentityFile ~/.ssh/id_ecdsa_personal

# 仕事用
Host github-work
    HostName github.com
    User git
    IdentityFile ~/.ssh/id_ecdsa_work
  1. 使用方法
# 個人用
git clone git@github.com:personal-username/repo.git

# 仕事用
git clone git@github-work:company/repo.git

Q6: トークンを紛失しました

回答: トークンは再表示できません。

対処法:

  1. 古いトークンを削除
  • GitHub → Settings → Developer settings
  • Personal access tokens
  • 該当トークンの「Delete」
  1. 新しいトークンを作成
  • 前回と同じ権限で作成
  • 今回は安全に保存

保存方法の推奨:

  • パスワードマネージャー(1Password、LastPassなど)
  • credential helperを使用
  • 暗号化されたファイル

⚠️ 非推奨:

  • 平文のテキストファイル
  • GitHubのリポジトリ
  • 共有ドライブ

Q7: 「Authentication failed」と403エラーの違いは?

回答: 微妙に意味が違います。

Authentication failed:

  • 認証プロセス自体が失敗
  • ユーザー名またはパスワード/トークンが間違っている
  • トークンが無効または期限切れ

403 Forbidden:

  • 認証は通った
  • しかし権限が不足している
  • リポジトリへのアクセス権がない

診断フロー:

Authentication failed
  → ユーザー名/トークンを確認
  → 新しいトークンを作成

403 Forbidden
  → 権限を確認
  → リポジトリの設定を確認
  → トークンのスコープを確認

Q8: Git Credential Managerとは?

回答: Microsoftが提供する認証情報管理ツールです。

機能:

  • 自動的にトークンを管理
  • Webブラウザで認証
  • 2段階認証に対応
  • トークンの自動更新

インストール:

  • Windows: Git for Windowsに含まれる
  • Mac/Linux: 別途インストールが必要

公式サイト:

https://github.com/git-ecosystem/git-credential-manager

メリット:

  • トークンを手動で管理する必要がない
  • より安全
  • 使いやすい

Q9: プライベートリポジトリにアクセスできない

回答: いくつかの原因が考えられます。

原因1:招待されていない

# リポジトリの所有者に連絡
# 招待を依頼

原因2:招待を承認していない

# メールを確認
# 招待リンクをクリック
# または GitHub通知を確認

原因3:トークンの権限不足

# repoスコープを含むトークンが必要
# 新しいトークンを作成

確認方法:

  1. ブラウザでリポジトリにアクセスできるか
  2. アクセスできる場合 → トークンの問題
  3. アクセスできない場合 → 招待・権限の問題

Q10: 会社のネットワークで403エラーが出る

回答: 企業ネットワークの制限が原因の可能性があります。

可能性1:プロキシ

# プロキシ設定
git config --global http.proxy http://proxy.company.com:8080
git config --global https.proxy http://proxy.company.com:8080

可能性2:ファイアウォール

# HTTPSポート(443)は通常OK
# SSHポート(22)はブロックされている可能性

# HTTPSを使用
git remote set-url origin https://github.com/user/repo.git

可能性3:SSL証明書

# 会社の証明書を設定
git config --global http.sslCAInfo /path/to/company-cert.pem

対処:

  1. IT部門に相談
  2. 必要なドメイン・ポートの開放を依頼
  3. プロキシ設定を確認

予防策:403エラーを防ぐために

ベストプラクティス

1. 個人アクセストークンの管理

適切な有効期限:

短すぎる(30日) → 頻繁な更新が必要
長すぎる(無期限)→ セキュリティリスク

推奨:90日〜1年

用途別にトークンを分ける:

個人プロジェクト用
仕事用
CI/CD用
読み取り専用用

定期的な棚卸し:

月に1回、使っていないトークンを削除

2. credential helperの使用

設定推奨:

Windows:

git config --global credential.helper wincred

Mac:

git config --global credential.helper osxkeychain

Linux:

# キャッシュ(一時的)
git config --global credential.helper cache --timeout 3600

# ストア(永続的、暗号化なし)
git config --global credential.helper store

3. SSH認証の導入

推奨する理由:

  • パスワード・トークン管理不要
  • セキュリティが高い
  • 一度設定すれば永続的

定期的なメンテナンス:

# 使っていない鍵を削除
# パスフレーズを変更
# 新しいアルゴリズムに更新

セキュリティのヒント

トークンの保管

✅ 良い例:

  • パスワードマネージャー
  • 暗号化されたファイル
  • credential helper

❌ 悪い例:

  • 平文のテキストファイル
  • デスクトップのメモ
  • メールで送信
  • GitHubのリポジトリ
  • Slackのメッセージ

トークンが漏洩したら

即座に実施:

  1. 該当トークンを削除
   GitHub → Settings → Developer settings
   → Personal access tokens
   → Delete
  1. 新しいトークンを作成
  2. 影響範囲を確認
   - どのリポジトリにアクセスされたか
   - 不審なコミットがないか
   - Settings → Security log
  1. パスワードを変更
  • GitHubアカウントのパスワード
  • 2段階認証を有効化

まとめ

403エラーの主な原因

  1. パスワード認証の廃止(最多)
  • 2021年8月13日以降、パスワード認証は使用不可
  • 個人アクセストークン(PAT)が必須
  1. 古い認証情報のキャッシュ
  • Windows資格情報マネージャー
  • Macキーチェーンアクセス
  • Linuxの.git-credentials
  1. 権限不足
  • リポジトリへのアクセス権がない
  • トークンの権限(スコープ)が不足
  • 組織のポリシー制限

基本的な解決手順

ステップ1:個人アクセストークンを作成

GitHub → Settings → Developer settings
→ Personal access tokens → Generate new token
→ repoスコープをチェック

ステップ2:古い認証情報を削除

Windows: 資格情報マネージャー
Mac: キーチェーンアクセス
Linux: ~/.git-credentials

ステップ3:新しいトークンで認証

git push origin main
Username: your-username
Password: ghp_xxxxxxxxxxxx  ← トークン

推奨事項

短期的:

  1. 個人アクセストークンを作成
  2. credential helperを設定
  3. 定期的にトークンを更新

長期的:

  1. SSH認証に移行
  2. 複数アカウントの場合はSSH config設定
  3. セキュリティベストプラクティスを実践

最後に

Git 403エラーは、セキュリティ強化の結果として発生することが多いです。

最初は面倒に感じるかもしれませんが:

  • トークンやSSH鍵は一度設定すれば長く使えます
  • より安全な認証方式です
  • 慣れれば簡単です

この記事の手順に従えば、ほとんどの403エラーは解決できます。

それでも解決しない場合は:

  1. GitHubサポートに問い合わせ
  2. GitHubコミュニティフォーラムで質問
  3. Stack Overflowで検索

安全で快適なGitライフを!


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