「GeForce Experienceが起動しない!」
「グラフィックカードが認識されない!」
「画面が映らない、真っ黒なまま…」
NVIDIA GeForceシリーズのグラフィックカードやGeForce Experienceソフトウェアを使っていて、突然動かなくなったり、認識されなくなったりして困っていませんか?
今回は、GeForceが動かない問題のパターン別に、原因と具体的な解決策を詳しく解説します!
GeForceが動かない問題の種類

「GeForceが動かない」といっても、実は複数の異なる問題があります。まず、自分がどの問題に直面しているか確認しましょう。
パターン1:GeForce Experienceが起動しない
GeForce Experience(NVIDIAのゲーマー向けアプリ)を開こうとしても、起動しない、またはエラーが表示される状態です。
症状
「Something went wrong. Try restarting GeForce Experience」というエラーメッセージが表示される。アプリをクリックしても何も起こらない。起動はするが、すぐにクラッシュする。ログイン画面が真っ暗、または無限ロード。
パターン2:グラフィックカードが認識されない
WindowsのデバイスマネージャーでGeForceグラフィックカードが表示されない、または正常に認識されていない状態です。
症状
デバイスマネージャーの「ディスプレイアダプター」にGeForceが表示されない。「Microsoft基本ディスプレイアダプター」しか表示されない。GeForceに黄色い感嘆符(!)マークが付いている。
パターン3:画面が映らない(黒い画面)
PCは起動しているようだが、ディスプレイに何も映らず、真っ黒な画面のまま。
症状
電源は入るが、モニターに何も表示されない。ファンは回っているが、映像出力がない。BIOSすら表示されない。
パターン4:ドライバーがインストールできない
GeForceドライバーをインストールしようとしても、エラーが出てインストールできない。
症状
「このバージョンのWindowsと互換性がありません」というエラー。インストール途中で失敗する。「NVIDIAグラフィックドライバーと互換性のあるグラフィックハードウェアが見つかりませんでした」と表示される。
パターン1の解決策:GeForce Experienceが起動しない場合
GeForce Experienceが起動しない問題の解決策を見ていきましょう。
解決策1-1:GeForce Experienceを再起動する
最もシンプルで効果的な方法です。
手順
「Ctrl + Alt + Delete」を押して、「タスクマネージャー」を選択します。「プロセス」タブをクリックします。「NVIDIA GeForce Experience」「NVIDIA Container」など、NVIDIAに関連するすべてのプロセスを探します。各プロセスを右クリックして「タスクの終了」を選択します。タスクマネージャーを閉じて、再度GeForce Experienceを起動してみます。
解決策1-2:PCを再起動する
GeForce Experienceだけでなく、PC全体を再起動します。
一時的なシステムエラーやメモリの問題が解消されることがあります。
解決策1-3:関連サービスを再起動する
GeForce Experienceは、バックグラウンドで動作する複数のサービスに依存しています。
手順
「Win + R」を押して、「services.msc」と入力してEnterキーを押します。サービス一覧が表示されるので、以下のサービスを探します:
- NVIDIA Display Container LS
- NVIDIA LocalSystem Container
- NVIDIA NetworkService Container
- NVIDIA Telemetry Container
各サービスを右クリックして「再起動」を選択します。すべてのサービスが「実行中」になっていることを確認します。サービスが停止している場合は、右クリックして「開始」を選択します。
スタートアップの種類を確認
各サービスをダブルクリックして、「スタートアップの種類」が「自動」になっているか確認します。「手動」や「無効」になっている場合は、「自動」に変更して「OK」をクリックします。
解決策1-4:GeForce Experienceを再インストールする
アプリ自体が破損している可能性があります。
手順
Step 1: アンインストール
「設定」→「アプリ」→「アプリと機能」を開きます(または「コントロールパネル」→「プログラムと機能」)。「NVIDIA GeForce Experience」を探してクリックします。「アンインストール」をクリックして、画面の指示に従ってアンインストールします。
Step 2: 再インストール
NVIDIA公式サイト(https://www.nvidia.com/ja-jp/geforce/geforce-experience/)にアクセスします。「今すぐダウンロード」をクリックします。ダウンロードしたインストーラーを実行します。画面の指示に従ってインストールします。
解決策1-5:グラフィックドライバーをクリーンインストールする
最も効果的な方法です。GeForce Experienceだけでなくドライバーもまとめてクリーンインストールします。
手順
Step 1: 現在のドライバーをアンインストール
「設定」→「アプリ」→「アプリと機能」を開きます。「NVIDIA」で始まるプログラムをすべてアンインストールします(GeForce Experience、グラフィックスドライバー、PhysXなど)。
Step 2: 最新ドライバーをダウンロード
NVIDIA公式ドライバーダウンロードページ(https://www.nvidia.com/Download/index.aspx?lang=jp)にアクセスします。自分のグラフィックカードの型番を選択します(例:GeForce RTX 4070、GeForce GTX 1660など)。「検索」をクリックして、最新ドライバーをダウンロードします。
Step 3: クリーンインストールを実行
ダウンロードしたドライバーインストーラーを実行します。インストールオプションで「カスタム」または「詳細」を選択します。「クリーンインストールの実行」にチェックを入れます。「次へ」をクリックしてインストールを完了します。インストール完了後、PCを再起動します。
これで、GeForce Experienceも一緒にインストールされ、正常に起動するようになるはずです。
解決策1-6:ウイルス対策ソフトの除外設定
ウイルス対策ソフトがGeForce Experienceをブロックしている可能性があります。
手順
ウイルス対策ソフト(Windows Defender、Norton、McAfeeなど)の設定を開きます。「除外」または「例外」の設定を探します。以下のフォルダ/ファイルを除外リストに追加します:
C:\Program Files\NVIDIA Corporation\C:\Program Files (x86)\NVIDIA Corporation\
除外設定を保存して、GeForce Experienceを再起動します。
パターン2の解決策:グラフィックカードが認識されない場合

Windowsがグラフィックカードを認識しない問題の解決策です。
解決策2-1:デバイスマネージャーで非表示のデバイスを表示
Windowsが自動的にデバイスを非表示にしている可能性があります。
手順
「Win + X」を押して「デバイスマネージャー」を選択します。デバイスマネージャーが開いたら、上部メニューの「表示」をクリックします。「非表示のデバイスの表示」を選択します。「ディスプレイアダプター」を展開して、GeForceグラフィックカードが表示されるか確認します。
グラフィックカードが見つかったら、右クリックして「デバイスを有効にする」を選択します。
解決策2-2:デバイスマネージャーでハードウェア変更をスキャン
手順
デバイスマネージャーを開きます。上部メニューの「操作」をクリックします。「ハードウェア変更のスキャン」を選択します。Windowsが再度ハードウェアをスキャンし、グラフィックカードを認識するか確認します。
解決策2-3:グラフィックカードの物理的な接続を確認
注意:この作業は、PCの内部を触る経験がある方のみ行ってください。自信がない場合は、専門家に相談してください。
手順
PCの電源を完全に切り、電源ケーブルを抜きます。PCケースを開けます。グラフィックカードが正しくPCIeスロットに挿入されているか確認します。一度グラフィックカードを取り外し、PCIeスロット内にホコリがないか確認して、再度しっかりと挿し込みます。グラフィックカードの補助電源ケーブル(6ピン、8ピン、または12ピン)がしっかり接続されているか確認します。すべてのケーブルが正しく接続されたら、ケースを閉じて電源を入れます。
注意点
グラフィックカードには補助電源が必要なモデルがあります。特にRTX 4070 Ti以上の高性能モデルは、複数の電源ケーブルが必要です。すべてのコネクタにケーブルが接続されているか確認してください。
解決策2-4:別のPCIeスロットを試す
マザーボードには複数のPCIeスロットがあることがあります。現在使っているスロットが故障している可能性があります。
手順
PCの電源を切り、電源ケーブルを抜きます。グラフィックカードを現在のスロットから取り外します。別のPCIeスロット(通常はx16スロット)に挿し込みます。電源を入れて、認識されるか確認します。
解決策2-5:BIOS/UEFI設定を確認
BIOS設定で、グラフィックカードが無効になっていたり、内蔵グラフィックが優先されていたりする可能性があります。
手順
Step 1: BIOSに入る
PCを再起動します。起動直後に、メーカーのロゴが表示されたら、Del、F2、F10、F12キーのいずれかを連打します(メーカーによって異なります。画面に表示されることが多いです)。
Step 2: グラフィック設定を確認
BIOSメニューが表示されたら、以下のような項目を探します(メーカーによって名称が異なります):
- Primary Graphics Adapter
- Initial Display Output
- Graphics Configuration
- PCIe Slot Configuration
これらの設定で、「PCIe」または「Discrete Graphics」が選択されていることを確認します。「IGPU」や「Integrated Graphics」が選択されている場合は、「PCIe」に変更します。
Step 3: PCIeスロットが有効か確認
「Advanced」→「PCIe Configuration」などのメニューで、使用しているPCIeスロットが有効(Enabled)になっているか確認します。
Step 4: 設定を保存して終了
変更を保存(通常はF10キーを押して「Yes」)して、BIOSを終了します。PCが再起動したら、グラフィックカードが認識されるか確認します。
解決策2-6:BIOSをアップデートする
古いBIOSは、新しいグラフィックカードを認識しないことがあります。
重要:BIOSアップデートは失敗すると深刻な問題が発生する可能性があります。十分注意して行うか、専門家に依頼してください。
手順
マザーボードのメーカー公式サイトにアクセスします(ASUS、MSI、Gigabyte、ASRockなど)。自分のマザーボードの型番を確認し、サポートページを探します。最新のBIOSファイルをダウンロードします。ダウンロードしたファイルに含まれる説明書を読み、指示に従ってBIOSをアップデートします。
解決策2-7:CMOSをクリア(リセット)する
BIOS設定をデフォルトに戻すことで、問題が解決することがあります。
手順
PCの電源を切り、電源ケーブルを抜きます。ケースを開けて、マザーボード上のCMOSバッテリー(丸い銀色の電池)を見つけます。バッテリーを取り外し、30秒〜1分待ちます。バッテリーを元に戻します。または、マザーボード上の「CMOS Clear」ジャンパーピン(CLR_CMOSなどと書かれている)を探し、ショートさせます(詳細はマザーボードのマニュアルを参照)。ケースを閉じて、電源を入れます。BIOS設定が初期化されているので、必要に応じて再設定します。
パターン3の解決策:画面が映らない場合
PCは起動するが、ディスプレイに何も映らない問題の解決策です。
解決策3-1:ケーブルと接続を確認
最も基本的ですが、最も見落としがちなポイントです。
確認項目
ディスプレイケーブル(HDMI、DisplayPort、DVI)がグラフィックカードの出力端子に接続されているか確認します。重要:マザーボードの映像出力端子ではなく、グラフィックカード側の端子に接続する必要があります。ケーブルがモニター側にもしっかり接続されているか確認します。ケーブルを一度抜いて、再度挿し直します。可能であれば、別のケーブルで試してみます。
解決策3-2:モニターの入力ソースを確認
モニターが間違った入力ソースを選択している可能性があります。
手順
モニターのメニューボタンを押します。「入力ソース」または「Input」メニューを探します。HDMI、DisplayPort、DVIなど、実際に接続しているポートを選択します。
解決策3-3:内蔵グラフィックで起動してトラブルシューティング
CPUに内蔵グラフィック(iGPU)がある場合、一時的にそちらで起動して問題を診断できます。
手順
PCの電源を切ります。ディスプレイケーブルをグラフィックカードから抜き、マザーボードの映像出力端子(HDMI、DisplayPortなど)に接続します。PCを起動します。画面が映れば、内蔵グラフィックで起動できています。
この状態で、デバイスマネージャーでグラフィックカードが認識されているか確認し、ドライバーをインストールまたはアップデートします。
注意
Intel Fシリーズ(例:Core i7-11700KF)やAMD Ryzen(Gシリーズ以外)には内蔵グラフィックがありません。この場合、別のグラフィックカードがないと画面を確認できません。
解決策3-4:グラフィックカードのファンが回っているか確認
グラフィックカードに電力が供給されているか確認します。
確認方法
PCケースを開けます(電源が入った状態で)。グラフィックカードのファンが回転しているか確認します。
ファンが回っていない場合:補助電源ケーブルが接続されていない、電源容量が不足している、グラフィックカード自体が故障している、可能性があります。
ファンが回っている場合:電力は供給されていますが、別の問題(ドライバー、BIOS設定、ハードウェア故障など)が考えられます。
解決策3-5:電源容量を確認
グラフィックカードが消費する電力に対して、電源ユニット(PSU)の容量が不足している可能性があります。
確認方法
自分の電源ユニットのワット数を確認します(ケースを開けて、電源ユニットのラベルを見ます)。グラフィックカードの推奨電源容量を確認します(NVIDIA公式サイトまたはグラフィックカードの箱に記載)。
例
GeForce RTX 4090:推奨850W以上
GeForce RTX 4070:推奨650W以上
GeForce RTX 3060:推奨550W以上
電源容量が不足している場合は、より高容量の電源ユニットに交換する必要があります。
解決策3-6:セーフモードで起動
Windowsをセーフモードで起動することで、ドライバーの問題を診断できます。
手順
(内蔵グラフィックで起動している状態で)「設定」→「更新とセキュリティ」→「回復」を開きます。「PCの起動をカスタマイズする」の下にある「今すぐ再起動」をクリックします。「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「スタートアップ設定」→「再起動」を選択します。再起動後、F4キーを押してセーフモードで起動します。
セーフモードで起動できたら、ドライバーの再インストールを試してみます。
パターン4の解決策:ドライバーがインストールできない場合
解決策4-1:互換性のあるドライバーをダウンロード
古いグラフィックカードや、特殊な環境では、最新ドライバーが対応していないことがあります。
手順
NVIDIA公式サイトで、自分のグラフィックカードと完全に一致するドライバーを探します。Windowsのバージョン(Windows 10、11など)も正しく選択します。「Game Ready Driver」と「Studio Driver」の2種類がある場合、ゲーム用なら「Game Ready」、クリエイティブ作業用なら「Studio」を選びます。
解決策4-2:Windows Updateを確認
Windowsが最新の状態でないと、ドライバーのインストールが失敗することがあります。
手順
「設定」→「更新とセキュリティ」→「Windows Update」を開きます。「更新プログラムのチェック」をクリックします。利用可能な更新があれば、すべてインストールします。PCを再起動します。
その後、再度GeForceドライバーのインストールを試します。
解決策4-3:古いドライバーを完全に削除してからインストール
古いドライバーの残骸が干渉している可能性があります。
手順
DDU(Display Driver Uninstaller)というツールをダウンロードします(https://www.guru3d.com/files-details/display-driver-uninstaller-download.html)。セーフモードで起動します(上記の手順を参照)。DDUを実行し、「Clean and restart」を選択します。再起動後、最新のGeForceドライバーをインストールします。
その他の確認事項
グラフィックカードの故障を確認
すべての対処法を試しても解決しない場合、グラフィックカード自体が故障している可能性があります。
確認方法
可能であれば、グラフィックカードを別のPCに接続して動作するか確認します。別のグラフィックカードを自分のPCに接続して動作するか確認します。
両方試して問題の所在を特定します。
保証期間を確認
グラフィックカードが故障している場合、保証期間内であれば無償修理・交換が可能です。
購入時のレシートや保証書を確認し、メーカーサポート(NVIDIA、ASUS、MSI、Gigabyteなど)に問い合わせてください。
予防策:GeForceを正常に保つために
今後、同じ問題が起こらないように、以下の予防策を実施しましょう。
定期的にドライバーをアップデートする
GeForce Experienceを使えば、ドライバーのアップデートを自動で通知してくれます。
月に1回程度、ドライバーのアップデートを確認しましょう。
PCの内部を定期的に清掃する
ホコリがたまると、熱暴走や接触不良の原因になります。
3〜6ヶ月に1回程度、エアダスターでPC内部のホコリを取り除きましょう。
電源容量に余裕を持つ
グラフィックカードをアップグレードする際は、必要な電源容量を確認し、余裕のある電源ユニットを選びましょう。
推奨電源容量+100〜200W程度の余裕があると安心です。
温度管理に気をつける
グラフィックカードが過熱すると、性能低下や故障の原因になります。
MSI Afterburner、GPU-Zなどのツールで温度を監視し、80℃を超えるようであれば、ケースの通気性を改善したり、グラフィックカードのファン設定を見直したりしましょう。
まとめ:GeForceが動かない問題の解決法
GeForceが動かない問題の原因と解決策をまとめます。
主な問題パターン
GeForce Experienceが起動しない、グラフィックカードが認識されない、画面が映らない、ドライバーがインストールできない。
GeForce Experience起動問題の解決策
アプリ・PCの再起動、関連サービスの再起動、再インストール、ドライバーのクリーンインストール、ウイルス対策ソフトの除外設定。
グラフィックカード認識問題の解決策
非表示デバイスの表示、ハードウェア変更のスキャン、物理的な接続確認(再装着、補助電源)、別のPCIeスロットを試す、BIOS/UEFI設定の確認、BIOSアップデート、CMOSクリア。
画面が映らない問題の解決策
ケーブルと接続の確認(グラフィックカード側に接続!)、モニターの入力ソース確認、内蔵グラフィックで起動、ファンの回転確認、電源容量の確認、セーフモード起動。
ドライバーインストール問題の解決策
互換性のあるドライバーを選択、Windows Updateの実行、DDUで古いドライバーを完全削除。
最終手段
すべて試しても解決しない場合は、グラフィックカードの故障を疑い、別のPCでテストするか、保証サービスに問い合わせる。
予防策
定期的なドライバー更新、PC内部の清掃、適切な電源容量、温度管理。
GeForceが動かない問題は、原因が多岐にわたるため、一つずつ確認していくことが重要です。ソフトウェアの問題であれば、再インストールやクリーンインストールで解決することが多いです。ハードウェアの問題の場合は、接続確認やBIOS設定の見直しが効果的です。
焦らず、順番に対処法を試していけば、ほとんどの問題は解決できます。それでも解決しない場合は、専門家やメーカーサポートに相談することをおすすめします!

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