「グラボのファンが回らない…壊れたのかな?」
GeForce(グラフィックボード)のファンが回らないと、不安になりますよね。
でも、実は故障じゃないケースも多いんです。
最近のグラフィックボードには「セミファンレス機能」が搭載されていて、一定の温度以下ではファンが止まるように設計されています。これは正常な動作です。
この記事では、GeForceのファンが回らない原因を徹底解説し、故障かどうかの見分け方から、具体的な対処法まで、初心者にもわかりやすく説明します。
GeForceファンが回らない主な原因

まず、ファンが回らない原因を理解しましょう。
1. セミファンレス機能(正常な動作)
最も多いケースがこれです。
最近のGeForceグラフィックボード(GTX 1600シリーズ、RTX 2000シリーズ以降など)の多くに搭載されている機能です。
セミファンレスとは:
- 低温時(約40〜60℃未満)はファンが停止
- 高温時(約60℃以上)になるとファンが自動で回転開始
- 省電力と静音化が目的
メーカー別の呼び方:
- NVIDIA : ゼロRPMモード
- MSI : Zero Frozr
- ASUS : 0dBテクノロジー
- GIGABYTE : 3D Active Fan
- ZOTAC : IceStorm 2.0
つまり:
起動直後やブラウジング中など、グラボへの負荷が少ないときはファンが回らないのは正常です。
2. 補助電源の接続不良
グラフィックボードには、マザーボードからの電力だけでなく、電源ユニットから直接電力を供給する「補助電源」が必要なモデルがあります。
補助電源の種類:
- 6ピンコネクタ
- 8ピン(6+2ピン)コネクタ
- 12VHPWRコネクタ(RTX 4000シリーズ)
接続不良が起きやすいタイミング:
- PC自作直後
- グラボ交換後
- PC内部の掃除後
3. 埃・ゴミの蓄積
ファンの軸やブレードに埃が溜まると、物理的に回転できなくなります。
症状:
- 指で軽く回すと動くが、すぐ止まる
- 異音がする
- 片方のファンだけ回らない(デュアルファン、トリプルファンの場合)
4. ファンカーブの設定ミス
MSI Afterburner、EVGA Precision X1などのファン制御ソフトで、誤った設定をしている可能性があります。
よくある設定ミス:
- ファン速度を0%に固定している
- 温度が高くてもファンが回らないカーブに設定
5. ドライバーの不具合
古いドライバーや破損したドライバーがインストールされていると、ファン制御が正しく機能しません。
起きやすいタイミング:
- Windows Update後
- ドライバーの手動更新後
- 新しいゲームをインストール後
6. 物理的な故障
ファンモーター、軸受け、制御回路などの故障です。
故障の兆候:
- 高温時でもファンが全く回らない
- 異音(カラカラ、ブーンという音)
- ファンが途中で止まる
- 焦げた臭いがする
故障かどうかを確認する方法
ファンが回らないからといって、すぐに故障とは限りません。
以下の方法で、正常かどうかを確認しましょう。
方法1: ゲームで負荷をかける
最も簡単で確実な方法です。
手順:
- 重めのゲーム(Apex Legends、Cyberpunk 2077、Fortniteなど)を起動
- 5〜10分プレイする
- ファンが回り始めるか確認
結果:
- ファンが回った → セミファンレス機能が正常に動作(故障ではない)
- ファンが回らない → 問題あり、次の方法へ
方法2: ベンチマークソフトで負荷をかける
ゲームを持っていない場合は、ベンチマークソフトを使います。
おすすめソフト:
- 3DMark (無料版あり)
- FurMark (無料、GPU専用ストレステスト)
- Heaven Benchmark (無料)
FurMarkの使い方:
- 公式サイトからダウンロード
- インストールして起動
- 「GPU Burn-in」をクリック
- 警告が出るので「GO!」をクリック
- 温度が上昇するのを見守る
注意:
FurMarkは非常に高負荷なので、1〜2分程度で停止してください。
温度が80℃を超えたら、すぐに停止しましょう。
方法3: 起動時のファン回転を確認
多くのグラフィックボードは、起動時に一瞬だけファンが全速力で回ります。
手順:
- PCの電源を切る
- サイドパネルを開けて、グラボが見える状態にする
- 電源を入れる
- 起動の瞬間、ファンが回るか目視で確認
結果:
- 一瞬でも回った → ファンモーター自体は動作している
- 全く回らない → 電源供給の問題、またはモーター故障
方法4: GPU温度を確認
ファンが回らない状態でも、温度が正常範囲内なら問題ありません。
温度確認ソフト:
- MSI Afterburner (無料、最も人気)
- GPU-Z (無料、詳細情報表示)
- HWiNFO (無料、全体的なハードウェア監視)
正常な温度:
- アイドル時 : 30〜50℃
- ゲーム中 : 60〜80℃
- 危険ライン : 85℃以上
ファンが回らない時の対処法
原因別に、具体的な対処法を見ていきましょう。
対処法1: ゲームで負荷をかけてみる(セミファンレス確認)
まずはこれを試しましょう。
手順:
- 重めのゲームを起動
- 5分以上プレイ
- GPU温度を確認(MSI Afterburnerなどで)
- 温度が60℃を超えたらファンが回るか確認
結果:
- 回った → セミファンレス機能が正常。心配無用!
- 回らない → 次の対処法へ
対処法2: 補助電源ケーブルを確認・再接続
特に自作PCや、グラボ交換直後に多い問題です。
手順:
- PCの電源を完全に切る
- 電源ケーブルをコンセントから抜く
- PCケースを開ける
- グラフィックボードの上部または側面にある補助電源コネクタを確認
- 一度ケーブルを抜く
- しっかりと奥まで差し込む(カチッと音がするまで)
- ケーブルが正しい向きで接続されているか確認
- 電源を入れて確認
確認ポイント:
- 6ピンコネクタ × 1本
- 8ピンコネクタ × 1本
- 8ピン × 2本(ハイエンドモデル)
- 12VHPWRコネクタ × 1本(RTX 4000シリーズ)
注意:
グラフィックボードのモデルによって必要なコネクタ数が異なります。
マニュアルを確認しましょう。
対処法3: グラフィックボードの差し直し
PCIeスロットとの接触不良の可能性があります。
手順:
- PCの電源を完全に切る
- 電源ケーブルをコンセントから抜く
- 補助電源ケーブルを外す
- グラフィックボードを固定しているネジを外す
- PCIeスロットのロックを解除
- グラフィックボードをゆっくり引き抜く
- PCIeスロットとグラボの接点を確認(汚れていればエアダスターで掃除)
- グラフィックボードを再度差し込む(カチッと音がするまで)
- ネジで固定
- 補助電源ケーブルを接続
重要:
静電気に注意してください。
作業前に金属部分に触れて、体の静電気を逃がしましょう。
対処法4: 埃・ゴミを掃除
ファンやヒートシンクに埃が溜まっていると、ファンが回らないことがあります。
準備するもの:
- エアダスター(圧縮空気スプレー)
- 綿棒(細かい部分用)
- ブラシ(柔らかいもの)
手順:
- PCの電源を切り、電源ケーブルを抜く
- グラフィックボードを取り外す(可能であれば)
- エアダスターでファン、ヒートシンク、基板の埃を吹き飛ばす
- ファンブレードの間など、細かい部分は綿棒で掃除
- ファンを指で軽く回して、スムーズに回転するか確認
- 元に戻す
注意点:
- エアダスターは短時間で噴射(缶が冷たくなりすぎない程度)
- ファンを回しながらエアダスターを噴射しない(軸受けが壊れる)
- 掃除中はファンを指で押さえておく
対処法5: ドライバーを更新・再インストール
ドライバーの不具合が原因の可能性があります。
方法A: GeForce Experienceで更新
- GeForce Experienceを起動
- 「ドライバー」タブをクリック
- 「アップデートを確認」をクリック
- 新しいドライバーがあれば「ダウンロード」
- インストール完了後、PCを再起動
方法B: NVIDIA公式サイトから手動ダウンロード
- NVIDIA公式ドライバーページにアクセス
- 自分のグラフィックボードを選択
- 最新ドライバーをダウンロード
- インストール時に「カスタムインストール」→「クリーンインストール」を選択
- インストール完了後、PCを再起動
方法C: ドライバーを完全削除して再インストール
最も確実な方法です。
- DDU(Display Driver Uninstaller)をダウンロード
- Windowsをセーフモードで起動
- DDUを起動
- 「削除して再起動」をクリック
- 通常モードで起動後、最新ドライバーをインストール
対処法6: ファンカーブをリセット
MSI Afterburnerなどで設定を変更している場合、リセットしましょう。
MSI Afterburnerでのリセット方法:
- MSI Afterburnerを起動
- 「設定」(歯車アイコン)をクリック
- 「ファン」タブを選択
- 「自動ファン速度を有効にする」にチェックが入っているか確認
- ファンカーブを確認(おかしければリセット)
- 「OK」をクリック
- 「適用」をクリック
ファンカーブを手動設定する場合:
温度とファン速度の関係を設定できます。
おすすめ設定例:
- 40℃以下 : 0%(セミファンレス)
- 50℃ : 30%
- 60℃ : 50%
- 70℃ : 70%
- 80℃ : 100%
対処法7: BIOSでファン制御を確認
BIOSでファン制御が無効になっている可能性があります。
手順:
- PCを再起動
- 起動時にDel、F2、F10キーなどを連打してBIOSに入る
- ファン設定を探す(Advanced → Fan Control など)
- PCIe関連のファン設定を確認
- 無効になっていれば有効にする
- 設定を保存して再起動
注意:
BIOS設定は慎重に行ってください。
よくわからない項目は変更しないようにしましょう。
対処法8: 別のPCで動作確認
可能であれば、別のPCにグラフィックボードを取り付けて確認します。
手順:
- 問題のグラフィックボードを別のPCに取り付け
- 負荷をかけてファンが回るか確認
結果:
- 別のPCで正常動作 → 元のPCのマザーボード、電源、またはシステムに問題あり
- 別のPCでも動作しない → グラフィックボード本体の故障
高温時でもファンが回らない場合(緊急対応)

ゲーム中に温度が80℃を超えてもファンが回らない場合、緊急対応が必要です。
即座に行うこと
- ゲームを終了
- 負荷の高い作業を中止
- PCケースを開けて通風を良くする
- 扇風機などで外部から冷却
一時的な対処法
MSI Afterburnerで強制的にファンを回す:
- MSI Afterburnerを起動
- 「設定」→「ファン」タブ
- 「自動ファン速度を有効にする」のチェックを外す
- ファン速度を手動で50〜100%に設定
- 「適用」をクリック
注意:
これは一時的な対処です。
根本的な解決にはなりません。
故障が疑われる場合の対応
上記の対処法をすべて試してもファンが回らない場合、故障の可能性が高いです。
保証期間内の場合
絶対にやってはいけないこと:
- 自分で分解・修理
- 保証シールを破る
- 改造する
やるべきこと:
- 購入店またはメーカーに連絡
- 症状を詳しく説明
- 修理・交換を依頼
主要メーカーのサポート:
保証期間外の場合
選択肢:
- ファンのみ交換(自己責任、難易度高)
- 修理業者に依頼(有料)
- 新しいグラフィックボードを購入
ファン交換の難易度:
- 簡単 : シンプルな冷却システム、ネジ止めのみ
- 難しい : 複雑な冷却システム、ヒートパイプ一体型
- 非常に難しい : 特殊な構造、メーカー独自設計
交換用ファンの入手先:
- AliExpress
- eBay
- Amazon(一部モデル)
ファンが回らない問題の予防法
日頃から以下の点に注意すれば、トラブルを防げます。
定期的な清掃
頻度:
- 軽度な埃 : 3ヶ月に1回
- 埃が多い環境 : 1〜2ヶ月に1回
清掃方法:
- PCケースを開ける
- エアダスターで全体的に埃を吹き飛ばす
- 特にグラフィックボード、ファン、ヒートシンクを重点的に
ケース内のエアフロー改善
ポイント:
- 前面 : 吸気ファン
- 背面・上部 : 排気ファン
- ケーブル : 整理して通風を妨げない
適切な室温維持
理想的な室温:
- 20〜25℃
夏場の対策:
- エアコンで室温を下げる
- PCケースを開けて通風を良くする
- 扇風機で外部から冷却
ドライバーを最新に保つ
自動更新設定:
GeForce Experienceで自動更新を有効にしておくと便利です。
オーバークロックを控える
オーバークロックは温度を上昇させ、ファンへの負担も増やします。
よくある質問(FAQ)
Q1: ファンが回ったり止まったりを繰り返す
A: セミファンレス機能が作動しています。
温度が60℃前後を行き来すると、ファンのON/OFFが繰り返されます。
対策:
- MSI Afterburnerでファンカーブを調整
- 最低回転数を20〜30%に設定(0%にしない)
Q2: 片方のファンだけ回らない
A: デュアルファン、トリプルファンモデルでよくある症状です。
原因:
- 片方のファンモーターの故障
- ケーブルの接続不良
- 埃の詰まり
対処法:
- 埃を掃除
- ケーブル接続を確認
- 改善しなければメーカーに修理依頼
Q3: セミファンレスを無効にできる?
A: できます。
MSI Afterburnerなどで、最低ファン速度を20〜30%に設定すれば、常にファンが回るようになります。
設定方法:
- MSI Afterburnerを起動
- 「設定」→「ファン」タブ
- ファンカーブの最低値を20〜30%に設定
Q4: ファンが回らなくても使い続けて大丈夫?
A: 温度次第です。
安全な場合:
- アイドル時、軽作業時
- 温度が60℃以下
危険な場合:
- ゲーム中、高負荷時
- 温度が80℃以上
80℃を超える場合:
すぐに使用を中止し、修理・交換を検討してください。
Q5: 起動直後は回るが、すぐ止まる
A: これは正常です。
多くのグラフィックボードは、起動時にファンチェックとして一瞬だけファンを全速回転させます。
Q6: ファンが回らないとどうなる?
A: オーバーヒートし、以下の問題が発生します。
初期症状:
- パフォーマンス低下(サーマルスロットリング)
- 画面のカクつき、フリーズ
重症化すると:
- ブルースクリーン
- システムクラッシュ
- グラフィックボードの永久故障
まとめ:ファンが回らない時の基本対応
GeForceのファンが回らない問題は、多くの場合セミファンレス機能による正常動作です。
確認すべきポイント
- ゲームで負荷をかけてみる → 回れば正常
- 温度を確認 → 60℃以上で回らなければ問題あり
- 補助電源ケーブルの接続 → 差し直してみる
- 埃の掃除 → エアダスターで清掃
- ドライバー更新 → 最新版にする
故障が疑われる症状
- 高温(80℃以上)でもファンが回らない
- 異音がする
- 焦げた臭いがする
- 別のPCでも動作しない
対処の優先順位
まず試すこと:
- ゲームで負荷をかける(セミファンレス確認)
- 補助電源ケーブルの差し直し
- 埃の掃除
それでもダメなら:
- ドライバーの再インストール
- グラボの差し直し
- 別のPCで動作確認
最終手段:
- メーカーサポートに連絡
- 修理・交換
保証期間を確認
多くのグラフィックボードは2〜3年保証です。
保証期間内なら、無償修理・交換が可能です。
日頃からできる予防
- 定期的な清掃(3ヶ月に1回)
- ケース内のエアフロー改善
- 適切な室温維持
- ドライバーを最新に保つ
GeForceのファンが回らない問題は、原因を正しく理解すれば、多くの場合自分で解決できます。
焦らず、この記事の手順に沿って確認していきましょう!


コメント