「GeForceドライバーを更新したら、ゲームがカクつくようになった」「グラフィックボードを交換したけど、動作が不安定」こんな経験はありませんか?
そんな時に効果的なのが「クリーンインストール」です。この記事では、GeForce(NVIDIA)ドライバーをクリーンインストールする方法を、初心者にも分かりやすく解説していきます。
クリーンインストールとは?

クリーンインストールとは、古いドライバーの残留ファイルやレジストリ設定を完全に削除してから、新しいドライバーをインストールする方法のことです。
通常のインストール(エクスプレスインストール)との違い
通常のインストール
既存のドライバーの上に新しいバージョンを上書きします。簡単で速いですが、古いファイルや設定が残ることがあるんです。
クリーンインストール
既存のドライバーを完全に削除してから、新しいドライバーをインストールします。手間はかかりますが、トラブルが起きにくくなります。
クリーンインストールが必要な場面
すべてのドライバー更新でクリーンインストールする必要はありません。以下の場合に実施するのが効果的です。
グラフィックボードを交換した時
特に重要なケース
- メーカーが異なる場合(AMD → NVIDIA、NVIDIA → AMD)
- 世代が大きく異なる場合(GTX 1000シリーズ → RTX 4000シリーズなど)
同じNVIDIA製でも、古いドライバーの設定が残っていると、新しいカードの性能を十分に発揮できないことがあります。
ドライバー更新後に問題が発生した場合
- ゲームのフレームレートが低下した
- 画面にノイズやちらつきが出るようになった
- アプリケーションやゲームがクラッシュするようになった
- 「ドライバーが応答を停止しました」というエラーが頻発する
ドライバーをダウングレードする場合
新しいドライバーにバグがあって、古いバージョンに戻したい時は、必ずクリーンインストールを行ってください。
長期間ドライバーを更新していなかった場合
数ヶ月〜1年以上ドライバーを更新していなかった場合、複数のバージョンをまたぐため、クリーンインストールが推奨されます。
クリーンインストールの3つの方法
難易度と効果が異なる3つの方法を紹介します。
方法1: NVIDIAインストーラーのクリーンインストールオプション
難易度: ★☆☆☆☆(初心者向け)
特徴:
- 最も簡単で安全
- NVIDIAが公式に提供している機能
- 完全ではないが、多くの場合これで十分
おすすめの使用場面:
- 初めてクリーンインストールする時
- 同じNVIDIAカード同士の交換
- 軽度のトラブル対応
方法2: DDU(Display Driver Uninstaller)を使用
難易度: ★★★☆☆(中級者向け)
特徴:
- より徹底的にドライバーを削除
- レジストリや残留ファイルもクリーンアップ
- セーフモードで実行する必要がある
おすすめの使用場面:
- グラフィックボードのメーカーを変更する時
- 方法1で解決しなかった深刻なトラブル
- 完全にクリーンな状態にしたい時
方法3: NVCleanInstall を使用
難易度: ★★★★☆(上級者向け)
特徴:
- インストールするコンポーネントを細かく選択できる
- テレメトリ(使用データ送信)などの不要な機能を除外可能
- カスタマイズ性が高い
おすすめの使用場面:
- 必要最小限のコンポーネントだけインストールしたい
- GeForce Experienceなどを除外したい
方法1: NVIDIAインストーラーでクリーンインストール
最も簡単で、初心者におすすめの方法です。
ステップ1: 現在のドライバーバージョンを確認
後で比較するために、現在のバージョンを確認しておきましょう。
- デスクトップの何もないところを右クリック
- 「NVIDIAコントロールパネル」を選択
- 左下の「システム情報」をクリック
- 「ドライバーのバージョン」を確認してメモ
ステップ2: 最新ドライバーをダウンロード
- NVIDIAドライバダウンロードページにアクセス
- 自分のグラフィックカードを選択:
- 製品のタイプ: GeForce
- 製品シリーズ: RTX 40 Series、RTX 30 Seriesなど
- 製品ファミリー: RTX 4070、RTX 3060など
- オペレーティングシステム: Windows 11やWindows 10など
- ダウンロードタイプ: Game Ready ドライバー(GRD)またはStudio ドライバー(SD)
- 「検索」をクリック
- 「ダウンロード」をクリック
ドライバータイプの選び方
- Game Ready ドライバー(GRD): ゲーマー向け。最新ゲームへの最適化
- Studio ドライバー(SD): クリエイター向け。動画編集やCADソフトなどの安定性重視
ステップ3: ドライバーをインストール
- ダウンロードした .exe ファイルをダブルクリック
- 「同意して続行する」をクリック
- インストールオプション画面が表示される
- 「カスタム(詳細)」を選択して「次へ」
- 「クリーンインストールの実行」にチェックを入れる(これが重要!)
- 必要なコンポーネントにチェックが入っているか確認
- 「次へ」をクリック
- インストールが開始される(数分かかります)
- 「閉じる」をクリック
注意: インストール中、画面が一時的に真っ黒になることがありますが、正常です。
ステップ4: 確認
- デスクトップ右クリック → NVIDIAコントロールパネル
- システム情報でバージョンを確認
- ゲームやアプリケーションを起動して動作を確認
方法2: DDUを使用したクリーンインストール

より徹底的に古いドライバーを削除したい場合の方法です。
事前準備
1. DDUをダウンロード
- DDU公式サイト(Wagnardsoft)にアクセス
- 「Display Driver Uninstaller Download」をクリック
- ダウンロードミラーを選択してダウンロード
- ZIPファイルを解凍
2. 新しいドライバーをダウンロード
NVIDIAから新しいドライバーをダウンロードしておきます(インストールはまだしない)。
3. システムの復元ポイントを作成(推奨)
万が一に備えて、復元ポイントを作成しておきましょう。
- Windowsキー + R を押す
- 「sysdm.cpl」と入力してEnter
- 「システムの保護」タブを選択
- 「作成」をクリック
- 名前を入力(例: 「DDU実行前」)
- 「作成」をクリック
ステップ1: DDUの設定
- DDUフォルダ内の「Display Driver Uninstaller.exe」を右クリック
- 「管理者として実行」を選択
- 「Options」ボタンをクリック
- 以下の項目にチェックを入れる:
- 「Prevent downloads of drivers from Windows Update when Windows search for a driver for a device」
- 「Remove C:\AMD (ファイルが存在する場合)」
- 「Remove NVIDIA CP (Control Panel)」
- 「Remove PhysX」
- 「Close」をクリック
ステップ2: セーフモードで起動
DDUはセーフモードで実行することが強く推奨されています。
Windows 10/11でセーフモードに入る方法
- Shiftキーを押しながら「再起動」をクリック
- 青い画面が表示される
- 「トラブルシューティング」を選択
- 「詳細オプション」を選択
- 「スタートアップ設定」を選択
- 「再起動」をクリック
- キーボードで「4」または「F4」を押す(セーフモードを有効にする)
重要: Windows 11 24H2以降を使用していて、PINログインしか設定していない場合、セーフモードでログインできない可能性があります。事前にMicrosoftアカウントのパスワードでログインできるように設定しておいてください。
ステップ3: DDUでドライバーを削除
セーフモードで起動したら、DDUが自動的に起動することがあります。起動しない場合は、手動で起動してください。
- 画面右側のドロップダウンメニューから:
- デバイスタイプ: 「GPU」を選択
- デバイス: 「NVIDIA」を選択
- 左側のボタン「削除して再起動(推奨)」をクリック
- ドライバーの削除が始まる(画面がちらつくことがあります)
- 完了すると自動的に再起動される
ステップ4: 新しいドライバーをインストール
- Windowsが通常モードで起動する
- 画面の解像度が低くなっているが、これは正常
- ダウンロードしておいたNVIDIAドライバーのインストーラーを実行
- 「同意して続行する」をクリック
- 「エクスプレス(推奨)」または「カスタム」を選択
- インストールを完了させる
- 再起動(求められた場合)
ステップ5: 設定を復元
DDUを使用すると、すべての設定がリセットされます。
復元が必要な主な設定:
- NVIDIAコントロールパネルの設定
- G-SYNCの有効化(G-SYNCモニター使用時)
- カスタム解像度
- 色設定
- 3D設定のプロファイル
方法3: NVCleanInstallを使用(上級者向け)
不要なコンポーネントを除外して、必要最小限のドライバーをインストールしたい場合の方法です。
ステップ1: NVCleanInstallをダウンロード
- NVCleanInstall公式サイトにアクセス
- 最新版をダウンロード
- インストーラーを実行
ステップ2: ドライバーのダウンロードと選択
- NVCleanInstallを起動
- 「Next」をクリック
- 自動的に最新ドライバーが検索される
- 必要に応じて別のバージョンを選択可能
- 「Next」をクリック
ステップ3: コンポーネントの選択
不要なコンポーネントのチェックを外します。
最小構成の例:
- Display Driver ✓(必須)
- PhysX ✓(ゲームによっては必要)
GeForce Experience(不要なら外す)NVIDIA HD Audio(HDMI経由で音声出力しない場合は不要)USB-C Driver(使用しない場合は不要)
ステップ4: インストールオプション
- 「Disable Installer Telemetry & Advertising」にチェック(推奨)
- 「Perform a clean installation」にチェック
- 「Install」をクリック
トラブルシューティング
クリーンインストール中に発生する可能性のある問題と解決方法です。
問題1: セーフモードでログインできない(Windows 11)
原因: PINログインのみ設定していて、パスワードを設定していない
解決方法:
- 通常モードで起動
- 設定 → アカウント → サインインオプション
- パスワードを設定
- 再度セーフモードで起動を試す
問題2: インストール後、画面が表示されない
原因: ドライバーが正しくインストールされていない
解決方法:
- 強制的に再起動(電源ボタン長押し)
- セーフモードで起動
- デバイスマネージャーを開く
- ディスプレイアダプターを確認
- 「!」マークがある場合は、右クリック → ドライバーの更新
問題3: インストール中にエラーが出る
原因: 古いドライバーが完全に削除されていない
解決方法:
- DDUを使用してドライバーを完全に削除
- セーフモードで実行
- 再度インストールを試す
問題4: インストール後、パフォーマンスが低下した
原因: 設定がリセットされている可能性
解決方法:
- NVIDIAコントロールパネルを開く
- 3D設定の管理 → パフォーマンス重視に変更
- G-SYNCを再度有効化(対応モニター使用時)
- ゲーム個別の設定を確認
問題5: DDU実行後、Windowsが起動しなくなった
原因: 稀だが、システムファイルに問題が発生した可能性
解決方法:
- セーフモードで起動を試す
- システムの復元を実行
- 作成しておいた復元ポイントを選択
よくある質問
Q: 毎回のドライバー更新でクリーンインストールすべきですか?
A: いいえ、必要ありません。通常の更新では「エクスプレスインストール」で十分です。クリーンインストールは、問題が発生した時やグラフィックボードを交換した時に実施するのが適切です。
Q: クリーンインストール後、設定は全部やり直しですか?
A: はい、NVIDIAコントロールパネルの設定、G-SYNCの設定、カスタム解像度などはすべてリセットされます。重要な設定は事前にスクリーンショットを撮っておくことをおすすめします。一部の設定は、NVIDIA Profile Inspectorなどのツールでバックアップ・復元が可能です。
Q: DDUを使わずにクリーンインストールできますか?
A: はい、NVIDIAインストーラーの「クリーンインストール」オプションで可能です。DDUほど徹底的ではありませんが、多くの場合これで十分です。深刻なトラブルがある場合のみDDUを使用してください。
Q: ノートPCでもクリーンインストールできますか?
A: はい、できます。ただし、ノートPC用のドライバーは、メーカー(Dell、HP、Lenovoなど)が提供している場合と、NVIDIA公式サイトで配布されている場合があります。可能であれば、ノートPCメーカーが提供するドライバーを使用することを推奨します。
Q: DDUで削除後、インターネットに接続するとWindowsが自動的にドライバーをインストールしますか?
A: DDUの設定で「Prevent downloads of drivers from Windows Update」にチェックを入れておけば、自動インストールを防げます。ただし、これは一時的な措置なので、NVIDIAドライバーをインストールした後は、この設定は自動的に解除されます。
Q: クリーンインストール後、GeForce Experienceにログインできません
A: クリーンインストールでは、GeForce Experienceのログイン情報も削除されます。再度ログインするか、アカウントを作成してください。アカウント情報を忘れた場合は、パスワードのリセットが必要です。
Q: Studio ドライバーとGame Ready ドライバー、どちらを選ぶべきですか?
A: 主にゲームをする場合は Game Ready ドライバー、動画編集やCAD、3Dモデリングなどのクリエイティブ作業がメインの場合は Studio ドライバーを選んでください。両者の違いは、最適化の対象とリリース頻度です。Game Readyは最新ゲームへの最適化が早く、頻繁に更新されます。Studioは安定性を重視し、更新頻度は控えめです。
Q: 古いバージョンのドライバーに戻したいのですが?
A: 可能です。NVIDIAの公式サイトでは、過去のドライバーも提供されています。ダウンロードページで「ベータドライバとアーカイブドライバ」タブから古いバージョンを探せます。ダウングレードする際は、必ずクリーンインストールを実行してください。
クリーンインストールのチェックリスト
作業をスムーズに進めるためのチェックリストです。
事前準備
- [ ] 現在のドライバーバージョンを確認・記録
- [ ] NVIDIAコントロールパネルの重要な設定をスクリーンショット
- [ ] システムの復元ポイントを作成
- [ ] 新しいドライバーをダウンロード(インストールはまだしない)
- [ ] DDUをダウンロード・解凍(DDUを使用する場合)
- [ ] 進行中の作業をすべて保存して閉じる
NVIDIAインストーラー使用時
- [ ] インストーラーを実行
- [ ] 「カスタム(詳細)」を選択
- [ ] 「クリーンインストールの実行」にチェック
- [ ] インストール完了
- [ ] 再起動(必要な場合)
- [ ] バージョン確認
- [ ] 設定の復元
DDU使用時
- [ ] DDUのオプション設定
- [ ] セーフモードで起動
- [ ] DDUでドライバー削除
- [ ] 通常モードで再起動
- [ ] 新しいドライバーをインストール
- [ ] 設定の復元
- [ ] G-SYNCの再設定(該当する場合)
- [ ] 動作確認
まとめ
GeForceドライバーのクリーンインストールについて、重要なポイントをまとめます。
クリーンインストールが必要な時
- グラフィックボードを交換した時
- ドライバー更新後に問題が発生した時
- ドライバーをダウングレードする時
3つの方法
- NVIDIAインストーラー: 最も簡単。初心者におすすめ
- DDU: より徹底的。深刻なトラブル時に推奨
- NVCleanInstall: カスタマイズ性が高い。上級者向け
注意点
- すべての設定がリセットされる
- 事前にバックアップや復元ポイントを作成
- セーフモードでの作業が推奨される(DDU使用時)
作業時間の目安
- 方法1(NVIDIAインストーラー): 10〜15分
- 方法2(DDU): 30〜45分
- 方法3(NVCleanInstall): 20〜30分
クリーンインストールは、グラフィックドライバーのトラブルを解決する最も確実な方法の一つです。最初は難しく感じるかもしれませんが、一度手順を覚えてしまえば、それほど難しくありません。トラブルに遭遇した際は、ぜひこの記事を参考にして、クリーンインストールを試してみてください!

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