GeForceグラフィックカードを増設したのに画面が映らない、BIOSでどんな設定をすればいいのか分からない、そんな経験はありませんか?
PCのBIOS(バイオス)には、どのグラフィックス機能を優先的に使用するかを設定する項目があります。この設定を正しく行わないと、せっかくGeForceを搭載しても性能を発揮できなかったり、画面が表示されなかったりします。
この記事では、GeForceに関連するBIOS設定について、初心者の方でも理解できるように詳しく解説していきます。設定方法だけでなく、トラブル時の対処法も紹介しますので、安心して読み進めてください。
BIOSとは?基礎知識

まず、「BIOS」について簡単に説明します。
BIOSの意味
BIOS(バイオス)は「Basic Input/Output System」の略で、PCの電源を入れたときに最初に起動するプログラムです。
WindowsなどのOSが起動する前に動作し、ハードウェア(CPU、メモリ、グラフィックカードなど)の基本的な制御を行います。
UEFI BIOSとは?
最近のPCでは、従来のBIOSに代わって「UEFI(ユーイーエフアイ)」という新しい規格が使われています。
UEFIの特徴
- グラフィカルな画面(マウス操作可能)
- 日本語表示対応
- より高度な設定が可能
- 起動が高速
この記事では、BIOSとUEFIを区別せず、まとめて「BIOS」と表記します。
BIOS設定画面の開き方
一般的な方法
- PCの電源を入れます
- メーカーのロゴが表示されたら、すぐに以下のキーを連打します:
- Deleteキー(デスクトップPC、ASUS、MSI、ASRockなど)
- F2キー(ノートPC、DELLなど)
- F10キー(HP)
- F12キー(Lenovo)
- BIOS設定画面が表示されます
GeForce関連のBIOS設定項目
主な設定項目の名称
メーカーやマザーボードによって表記が異なりますが、GeForce関連の主な設定項目は以下のような名前で表示されます。
プライマリグラフィックスデバイスの設定
- Primary Graphics Adapter
- Primary VGA BIOS
- Primary Display
- Initial Display Output
- Graphics Device
- Boot Display Device
選択肢の例
- PEG(PCI Express Graphics):PCIeスロットのグラフィックカード(GeForceなど)を使用
- IGD / iGPU(Integrated Graphics Device):CPU内蔵グラフィックス(Intel UHD Graphics、AMD Radeonなど)を使用
- AUTO(自動):自動で判断(通常はPCIeグラフィックカードが優先される)
- PCIE:PCIeスロットを優先
- Onboard / Internal:オンボードグラフィックスを優先
設定項目がある場所
マザーボードメーカーごとに、設定項目の場所が異なります。
ASUS マザーボードの場合
- BIOS画面で「Advanced Mode」に切り替えます(F7キー)
- 「Advanced」タブ → 「System Agent (SA) Configuration」
- 「Graphics Configuration」
- 「Primary Display」または「iGPU Multi-Monitor」
MSI マザーボードの場合
- BIOS画面で「Advanced」モードに切り替えます
- 「Settings」→「Advanced」
- 「Integrated Graphics Configuration」
- 「Initiate Graphic Adapter」または「IGD Multi-Monitor」
ASRock マザーボードの場合
- BIOS画面で「Advanced Mode」に切り替えます
- 「Advanced」タブ → 「Chipset Configuration」
- 「Primary Graphics Adapter」または「iGPU Multi-Monitor」
Gigabyte マザーボードの場合
- BIOS画面で「Classic Mode」に切り替えます
- 「Chipset」
- 「Internal Graphics」または「Initial Display Output」
GeForceを優先的に使用する設定方法
基本的な設定手順
GeForceグラフィックカードを優先的に使用するための設定方法を説明します。
ステップ1:BIOS設定画面を開く
PCを再起動し、メーカーロゴが表示されたらDeleteキー(またはF2キー)を連打します。
ステップ2:Advanced Modeに切り替える
多くのBIOSでは、最初に「Easy Mode」や「EZ Mode」という簡易画面が表示されます。
F7キーを押して「Advanced Mode」に切り替えます。
ステップ3:グラフィックス設定を探す
以下のようなパスで設定項目を探します:
- Advanced → Chipset Configuration → Primary Graphics Adapter
- Advanced → System Agent Configuration → Graphics Configuration
- Settings → Advanced → Integrated Graphics Configuration
ステップ4:設定を変更する
「Primary Graphics Adapter」や「Initial Display Output」などの項目を見つけたら、以下のように設定します:
- 現在の設定が「AUTO」または「IGD」の場合
→ 「PEG」「PCIE」「PCIe」に変更します - 現在の設定が「Onboard」「Internal」の場合
→ 「PEG」「PCIE」「External」に変更します
ステップ5:設定を保存して終了する
F10キーを押して、設定を保存します。
「Save Changes and Exit」を選択して、Enterキーを押します。
PCが自動的に再起動します。
ステップ6:モニターケーブルを確認する
重要:モニターケーブルは、GeForceグラフィックカードの端子に接続してください。
マザーボード側の映像端子に接続していると、画面が表示されません。
設定のポイント
PEGとは?
- PEG = PCI Express Graphics
- PCIeスロットに挿したグラフィックカード(GeForceなど)を意味します
IGDとは?
- IGD = Integrated Graphics Device
- CPU内蔵のグラフィックス機能を意味します
オンボードグラフィックスを無効にする方法
GeForceを使用する場合、CPU内蔵グラフィックス(オンボードグラフィックス)を完全に無効化することもできます。
無効化のメリット
- システムリソースの節約
- トラブルの減少
- メインメモリの消費削減(内蔵グラフィックスはメインメモリを使用するため)
無効化の手順
方法1:BIOS設定で無効化する
- BIOS設定画面を開きます
- グラフィックス設定の項目を探します
- 「Internal Graphics」「iGPU」「Integrated Graphics」などの項目を見つけます
- 「Disabled(無効)」に設定します
- F10キーで保存して終了します
方法2:Windowsのデバイスマネージャーで無効化する
- Windowsキー + Xキーを押して、「デバイスマネージャー」を開きます
- 「ディスプレイアダプター」を展開します
- Intel UHD Graphics(またはAMD Radeon Graphics)を右クリックします
- 「デバイスを無効にする」を選択します
- 確認画面で「はい」をクリックします
注意点
- オンボードグラフィックスを無効にすると、マザーボード側の映像端子は使えなくなります
- 必ずGeForceの端子にモニターを接続してください
オンボードグラフィックスとGeForceを同時に使う方法(デュアルグラフィックス)

複数のモニターを使用する場合、オンボードグラフィックスとGeForceの両方を有効にすることもできます。
iGPU マルチモニター機能
多くのマザーボードには「iGPU Multi-Monitor」という機能があります。
この機能を有効にすると、以下のような使い方ができます:
- モニター1:GeForceの端子に接続(ゲーム用)
- モニター2:マザーボードの端子に接続(作業用)
設定方法(ASUS マザーボードの例)
ステップ1:BIOS設定画面を開く
Deleteキーを連打してBIOS画面を表示します。
ステップ2:Advanced Modeに切り替える
F7キーを押します。
ステップ3:設定項目に移動する
Advanced → System Agent (SA) Configuration → Graphics Configuration
ステップ4:iGPU Multi-Monitorを有効化する
「IGFX Multi-Monitor」を「Enabled(有効)」に設定します。
ステップ5:プライマリデバイスを設定する(任意)
「Primary Display」でどちらを優先するか選択できます:
- PCIE:GeForceを優先(推奨)
- IGFX:オンボードグラフィックスを優先
ステップ6:設定を保存して終了する
F10キーを押して保存し、再起動します。
ステップ7:ドライバーをインストールする
Windows起動後、両方のグラフィックス用のドライバーをインストールします:
- GeForce ドライバー(NVIDIA公式サイトから)
- Intel グラフィックス ドライバー(Intel公式サイトから)
注意点
- BIOS画面は、Primary Displayで設定したデバイス側のモニターに表示されます
- メインメモリから内蔵グラフィックス用のVRAMが割り当てられるため、使用可能メモリが減少します
- 一部のゲームやアプリケーションで、意図しないグラフィックスデバイスが使用される場合があります
GeForceが認識されない時のBIOS設定確認
症状
- GeForceを取り付けたのに、デバイスマネージャーに表示されない
- 画面が真っ暗で何も表示されない
- BIOS画面は表示されるが、Windowsが起動しない
確認すべきBIOS設定
確認1:Primary Graphics Adapter の設定
- 「PEG」「PCIE」になっているか確認
- 「AUTO」「IGD」「Onboard」になっている場合は、「PEG」に変更
確認2:PCIe スロットの設定
一部のマザーボードでは、PCIeスロットを個別に有効/無効にできます。
- Advanced → PCIe Configuration
- 使用しているスロットが「Enabled(有効)」になっているか確認
確認3:Secure Boot の設定
Secure Bootが原因で、グラフィックカードが正常に動作しないことがあります。
- Boot → Secure Boot
- 「Disabled(無効)」に設定してみる
確認4:CSM(Compatibility Support Module)の設定
古いグラフィックカードの場合、CSMの設定が必要なことがあります。
- Boot → CSM (Compatibility Support Module)
- 「Enabled(有効)」に設定してみる
確認5:Above 4G Decoding / Resizable BAR
高性能なGeForce RTXシリーズの場合、この設定が必要なことがあります。
- Advanced → PCI Subsystem Settings
- 「Above 4G Decoding」を「Enabled(有効)」にする
- 「Re-Size BAR Support」を「Enabled(有効)」にする(対応している場合)
物理的な確認も重要
BIOS設定だけでなく、以下も確認してください:
電源ケーブルの接続
- GeForceに補助電源コネクタ(6ピン、8ピン)がある場合、接続されているか確認
しっかり挿さっているか
- PCIeスロットに完全に挿し込まれているか確認
- ロック機構がカチッと音がするまで押し込む
モニターケーブルの接続
- マザーボード側ではなく、GeForce側の端子に接続されているか確認
グラフィックカードの優先順位をWindows側で設定する方法
BIOS設定だけでなく、Windows側でも使用するグラフィックスを指定できます。
NVIDIA コントロールパネルから設定する
ステップ1:NVIDIA コントロールパネルを開く
デスクトップ上で右クリックして、「NVIDIA コントロール パネル」を選択します。
ステップ2:3D設定の管理を開く
左側のメニューから「3D設定」→「3D設定の管理」を選択します。
ステップ3:優先グラフィックスプロセッサを設定する
グローバル設定タブ(すべてのアプリに適用)
- 「優先グラフィックスプロセッサ」を探します
- 「高パフォーマンス NVIDIA プロセッサ」を選択します
プログラム設定タブ(特定のアプリに適用)
- 設定したいプログラムを選択します
- 「このプログラムに使用する優先グラフィックスプロセッサを選択する」で「高パフォーマンス NVIDIA プロセッサ」を選択します
ステップ4:適用をクリックする
設定を保存します。
Windows設定から変更する(Windows 10/11)
手順
- Windowsの「設定」を開きます
- 「システム」→「ディスプレイ」を選択します
- 「グラフィックの設定」または「グラフィックス設定」をクリックします
- アプリを追加して、使用するGPUを選択できます
よくあるトラブルと対処法
トラブル1:GeForce取り付け後、画面が真っ暗
原因
- モニターケーブルがマザーボード側に接続されている
- BIOS設定がオンボードグラフィックス優先になっている
- GeForceの補助電源が接続されていない
対処法
- モニターケーブルをGeForce側に接続し直す
- マザーボードの端子ではなく、GeForceの端子に接続
- 一時的にオンボードで起動してBIOS設定を変更する
- モニターケーブルをマザーボード側に接続
- BIOS設定で「Primary Graphics Adapter」を「PEG」に変更
- 設定保存後、モニターケーブルをGeForce側に戻す
- 補助電源を確認する
- 6ピンまたは8ピンのPCI-E電源コネクタを接続
トラブル2:BIOS画面は映るが、Windows起動後に画面が消える
原因
- ドライバーが正しくインストールされていない
- Windowsがオンボードグラフィックスを使おうとしている
対処法
- セーフモードで起動する
- Windows起動時にF8キー(またはShift+F8キー)を押す
- GeForceドライバーをインストールする
- NVIDIA公式サイトから最新ドライバーをダウンロード
- インストールして再起動
- オンボードグラフィックスを無効化する
- デバイスマネージャーで Intel UHD Graphics を無効化
トラブル3:複数のグラフィックカードを搭載している場合
原因
- どちらのカードを優先するか明確に設定されていない
- SLI/CrossFire設定が競合している
対処法
- BIOS設定で特定のPCIeスロットを優先する
- 「Primary Display」を「PCIE Slot 1」など具体的に指定
- 使用しないグラフィックカードを取り外す
- トラブルシューティングのため、一時的に1枚だけにする
トラブル4:BIOS設定を保存しても、再起動すると設定が戻る
原因
- CMOS電池が切れている
- Fast Boot機能が干渉している
対処法
- CMOS電池を交換する
- マザーボード上のボタン電池(CR2032)を新しいものに交換
- Fast Bootを無効にする
- BIOS設定で「Fast Boot」を「Disabled」にする
- BIOSをデフォルトに戻す
- 「Load Optimized Defaults」を実行してから再設定
グラフィックカードのVBIOS(Video BIOS)について
GeForce自体にも「VBIOS」と呼ばれるBIOSが搭載されています。
VBIOSとは?
VBIOS(Video BIOS)は、グラフィックカード自体に書き込まれているファームウェアです。
- グラフィックカードの動作パラメータを制御
- クロック速度、電圧、ファン制御などを管理
- 通常のユーザーが変更することはほとんどありません
VBIOS更新が必要なケース
以下の場合に、VBIOSの更新が検討されることがあります:
- メーカーが重大なバグ修正版をリリースした場合
- 特定の機能を追加したい場合(Resizable BAR対応など)
- オーバークロック設定を変更したい場合(上級者向け)
VBIOS更新の注意点
非常にリスクが高い作業です
- 失敗するとグラフィックカードが起動しなくなる(文鎮化)
- 保証が無効になる場合がある
- 初心者にはおすすめしません
まとめ
GeForce関連のBIOS設定について、重要なポイントをまとめます。
基本的な設定
GeForceを優先的に使用する場合
- BIOS設定画面を開く(Deleteキーまたは F2キー)
- Advanced Mode に切り替える
- Primary Graphics Adapter を「PEG」「PCIE」に設定
- 設定を保存して終了(F10キー)
- モニターケーブルをGeForce側に接続
オンボードグラフィックスを無効にする場合
- BIOS設定で「Internal Graphics」を「Disabled」にする
- または、Windowsのデバイスマネージャーで無効化
両方を同時に使う場合(マルチモニター)
- 「iGPU Multi-Monitor」を「Enabled」にする
- 「Primary Display」を「PCIE」に設定(GeForce優先)
- 両方のドライバーをインストール
設定項目の名称(マザーボードによって異なる)
- Primary Graphics Adapter
- Primary VGA BIOS
- Initial Display Output
- Graphics Device
- iGPU Multi-Monitor
- IGFX Multi-Monitor
トラブル時の確認ポイント
- モニターケーブルがGeForce側に接続されているか
- GeForceの補助電源が接続されているか
- BIOS設定で「PEG」「PCIE」が選択されているか
- PCIeスロットにしっかり挿さっているか
- 最新のGeForceドライバーがインストールされているか
BIOS設定とWindows設定の両方が重要
BIOS設定でGeForceを優先しても、Windows側でオンボードグラフィックスが使用されることがあります。
NVIDIAコントロールパネルやWindows設定で、GeForceを優先的に使用するように設定しましょう。
GeForceを正しく動作させるためには、BIOS設定が非常に重要です。設定を変更する際は、必ず一つずつ確認しながら進めてください。
もし設定に不安がある場合は、変更前に現在の設定をスマートフォンなどで写真撮影しておくと、元に戻すときに便利です。
正しく設定すれば、GeForceの高性能を存分に発揮できますので、ぜひこの記事を参考に設定してみてください!

コメント