「スマホアプリを作ってみたい!」
そう思ったことはありませんか?でも、iOSとAndroidで別々にアプリを作るのって大変そうですよね。
実は、1つのコードで両方のアプリを作れる魔法のような技術があるんです。それが「Flutter(フラッター)」なんですよ。
今回は、プログラミング初心者の方でも理解できるように、Flutterの基礎知識から始め方まで、やさしく解説していきます。
Flutterって何?

Flutter(フラッター)は、Googleが開発したアプリ開発のためのフレームワークです。
フレームワークというのは、アプリを作るための「道具箱」のようなもの。必要な機能があらかじめ用意されているので、ゼロから全部作る必要がないんです。
Flutterの最大の特徴
Flutterの一番すごいところは、1つのコードを書くだけで、複数のプラットフォームに対応できるという点です。
対応しているプラットフォーム
- iOS(iPhone、iPad)
- Android(スマートフォン、タブレット)
- Web(ブラウザで動くアプリ)
- Windows(Windowsパソコン)
- macOS(Mac)
- Linux
通常、iOSアプリとAndroidアプリを作る場合、それぞれ違うプログラミング言語で別々に開発しなければいけません。
iOSならSwift、AndroidならKotlinやJavaといった具合です。でもFlutterなら、1回コードを書けば、どのプラットフォームでも動くアプリが作れます。
開発時間もコストも大幅に削減できるわけですね。
Flutterはいつ登場したの?
Flutterの歴史を簡単に振り返ってみましょう。
2018年12月に、最初の正式版「Flutter 1.0」が発表されました。それから急速に進化を続けています。
2019年5月には、Googleのイベント「Google I/O 2019」で、Web対応の「Flutter for Web」が発表されました。これにより、モバイルだけでなくWebアプリも作れるようになったんです。
そして現在では、デスクトップアプリにも対応し、本格的な「マルチプラットフォームフレームワーク」へと成長しています。
Flutterで使う言語「Dart」とは
Flutterでアプリを作るときは、Dart(ダート)というプログラミング言語を使います。
「また新しい言語を覚えなきゃいけないの?」と思うかもしれませんが、心配いりません。
Dartは2011年にGoogleが発表した言語で、もともとJavaScriptの代わりとして開発されました。そのため、JavaScriptに似た書き方ができて、比較的学びやすいんです。
Dartの特徴
- JavaScriptに似た構文で覚えやすい
- オブジェクト指向プログラミングに対応
- 型安全性があり、エラーを見つけやすい
- 高速な実行が可能
JavaやC++、JavaScriptなどの経験があれば、すぐに馴染めるはずです。
Flutterの5つのメリット
Flutterを使うと、どんな良いことがあるのでしょうか。主なメリットを見ていきましょう。
メリット1:開発効率が劇的にアップ
1つのコードベースで複数のプラットフォームに対応できるのが最大のメリットです。
iOSとAndroid、それぞれのアプリを別々に開発すると、単純計算で2倍の時間とコストがかかります。Flutterならその手間が大幅に削減できるんです。
メリット2:ホットリロードが超便利
ホットリロード(Hot Reload)という機能が、開発をとても快適にしてくれます。
コードを修正すると、アプリを再起動せずに、すぐに画面に変更が反映されるんです。まるでWebページを更新するような感覚で、アプリ開発ができます。
従来の開発では、コードを変更するたびにアプリ全体をビルド(構築)し直す必要がありました。これには数分かかることもあります。
ホットリロードなら、変更が1秒以内に反映されるので、試行錯誤がとてもスムーズになるんですよ。
メリット3:美しいUIが簡単に作れる
Flutterには豊富なウィジェット(部品)があらかじめ用意されています。
ウィジェットというのは、ボタンやテキスト、画像などのUI部品のこと。これらを組み合わせることで、プロフェッショナルな見た目のアプリが簡単に作れます。
さらに、マテリアルデザイン(Googleのデザインガイドライン)やクパチーノ(iOSスタイル)のウィジェットが標準で用意されているので、プラットフォームに合わせたデザインも可能です。
メリット4:パフォーマンスが高い
Flutterアプリはネイティブアプリに近い速度で動作します。
多くのクロスプラットフォームフレームワークは、ブリッジ(橋渡し)を使ってネイティブ機能を呼び出すため、どうしても処理が遅くなりがちです。
でもFlutterは違います。直接OSの描画エンジンを使ってUI を描画するため、高速でスムーズな動作が実現できるんです。
メリット5:活発なコミュニティ
Googleが開発しているだけあって、公式ドキュメントが充実しています。
また、世界中の開発者が使っているため、コミュニティも活発です。わからないことがあっても、検索すれば大抵の問題は解決できます。
Flutterのデメリットも知っておこう
良いことばかり話してきましたが、デメリットもあります。正直にお伝えしますね。
デメリット1:アプリのサイズが大きめ
Flutterで作ったアプリは、ネイティブアプリに比べてファイルサイズが大きくなる傾向があります。
これは、Flutterのエンジンをアプリに含める必要があるためです。小規模なアプリでも、最低でも数MBのサイズになります。
デメリット2:OS固有の機能は個別対応が必要
通知機能など、OSによって実装方法が異なる機能については、個別に対応しなければいけないことがあります。
完全に「書いたら終わり」というわけではなく、プラットフォームごとの細かい調整が必要な場面もあるんです。
デメリット3:まだ発展途上の部分もある
FlutterはReact NativeやiOSネイティブ開発に比べると、まだ新しい技術です。
そのため、ライブラリ(便利な部品集)の数が少なかったり、日本語の情報がまだ少なかったりすることもあります。
とはいえ、急速に改善されているので、この問題は時間とともに解消されていくでしょう。
Flutterを始める前の準備

「よし、Flutterを始めよう!」と思ったら、まず環境構築が必要です。
必要なもの
パソコン
- Windows、macOS、Linuxのいずれか
- ディスク容量:最低でも2.8GB以上の空き容量
インストールするソフト
- Flutter SDK(ソフトウェア開発キット)
- エディタ(Visual Studio CodeやAndroid Studioがおすすめ)
- Git(バージョン管理ツール)
Windows 10以降であれば、PowerShell 5.0が最初から入っているので、特別な準備は不要です。
おすすめの開発環境
初心者にはVisual Studio Code(VS Code)がおすすめです。
- 軽量で動作が速い
- Flutterの拡張機能が充実
- 無料で使える
- Windows、macOS、Linuxすべてに対応
もちろん、Android StudioやIntelliJ IDEAを使っても問題ありません。すでに使い慣れているエディタがあれば、それでも大丈夫です。
Flutterのインストール手順(概要)
実際のインストール手順は、使っているOSによって少し違います。ここでは大まかな流れを説明しますね。
基本的な流れ
ステップ1:Flutter SDKをダウンロード
公式サイト(https://flutter.dev)から、自分のOSに合ったFlutter SDKをダウンロードします。
ステップ2:SDKを解凍して配置
ダウンロードしたファイルを解凍し、任意の場所に配置します。Windowsなら「C:\src\flutter」、macOSなら「~/development/flutter」などが一般的です。
ステップ3:パスを通す
コマンドラインからFlutterを使えるようにするため、環境変数にパスを追加します。
ステップ4:flutter doctorで確認
コマンドラインで「flutter doctor」と入力すると、インストール状況をチェックしてくれます。
不足しているものがあれば、指示に従ってインストールしましょう。
詳しい手順は、公式ドキュメントに画像付きで丁寧に解説されています。英語ですが、翻訳機能を使えば問題なく理解できますよ。
Flutterの基本概念「ウィジェット」
Flutterでアプリを作る上で、最も重要な概念がウィジェット(Widget)です。
すべてはウィジェット
Flutterの世界では、「すべてがウィジェット」という考え方が基本になっています。
画面に表示されるものはもちろん、レイアウトや装飾、アニメーションまで、すべてウィジェットとして扱われるんです。
ウィジェットの例
- テキスト(Text)
- ボタン(ElevatedButton)
- 画像(Image)
- 列に並べる(Column)
- 行に並べる(Row)
- 余白をつける(Padding)
これらのウィジェットを組み合わせることで、複雑な画面を作っていきます。
ウィジェットの2つの種類
ウィジェットには大きく分けて2種類あります。
StatelessWidget(状態を持たないウィジェット)
一度表示したら変わらない、静的なウィジェットです。テキストや画像の表示など、シンプルな用途に使います。
StatefulWidget(状態を持つウィジェット)
ユーザーの操作や時間経過で内容が変わる、動的なウィジェットです。カウンターやフォームなど、インタラクティブな要素に使います。
最初は難しく感じるかもしれませんが、実際にコードを書いてみると理解しやすいですよ。
初めてのFlutterアプリを作ってみよう
環境構築ができたら、実際にアプリを作ってみましょう。
プロジェクトの作成
VS Codeを使う場合
- VS Codeを起動
- コマンドパレットを開く(F1キーまたはCtrl+Shift+P)
- 「flutter new」と入力
- 「Flutter: New Project」を選択
- プロジェクト名を入力(例:my_first_app)
これだけで、Flutterアプリの基本的な骨組みが自動的に作られます。
アプリを実行してみる
プロジェクトができたら、実際に動かしてみましょう。
エミュレータを起動
AndroidエミュレータやiOSシミュレータを起動します。実機のスマホをUSBで接続してもOKです。
アプリを実行
VS Codeの右上にある「Run」ボタンをクリックするか、F5キーを押します。
すると、エミュレータ上でアプリが起動します。最初は「Flutter Demo Home Page」というサンプルアプリが表示されるはずです。
ホットリロードを試してみる
画面に表示されているテキストを変更してみましょう。
コードを編集して保存すると、瞬時に画面が更新されるのを体験できます。これがホットリロードの威力です!
Flutterの学習方法
Flutterを効率よく学ぶには、どうすればいいでしょうか。
公式ドキュメントを活用する
Flutter公式サイト(https://flutter.dev)には、初心者向けのチュートリアルが充実しています。
特に「Your First Flutter App」というコードラボ(実習形式のチュートリアル)は、実際に手を動かしながら学べるのでおすすめです。
動画で学ぶ
YouTubeには、Flutterの解説動画がたくさんあります。
- 公式のFlutterチャンネル
- 日本語の解説動画
- Widget of the Week(週ごとに1つのウィジェットを紹介)
視覚的に理解したい人には、動画が効果的です。
コミュニティに参加する
Stack OverflowのFlutterタグで質問したり、GitHubのディスカッションに参加したりするのも良い学習方法です。
日本語のコミュニティも活発になってきているので、わからないことがあれば気軽に質問してみましょう。
小さなアプリを作ってみる
チュートリアルを一通り終えたら、自分でアプリを作ってみるのが一番の勉強になります。
最初は簡単なものでOKです。
初心者向けアプリの例
- カウンターアプリ
- ToDoリスト
- 簡単な計算機
- 天気情報アプリ
作りたいものを実際に形にする過程で、多くのことを学べるはずです。
Flutterはこんな人におすすめ

Flutterを学ぶのに向いているのは、どんな人でしょうか。
複数のプラットフォームでアプリを配信したい人
iOSとAndroid両方でアプリをリリースしたいなら、Flutterは最適な選択肢です。
効率的に開発したい人
ホットリロードや豊富なウィジェットのおかげで、開発スピードが大幅にアップします。
モダンな技術を学びたい人
Googleが推進している最新のフレームワークなので、将来性があります。
すでにプログラミング経験がある人
他の言語を触ったことがあれば、Dartの習得はそれほど難しくありません。
まとめ:Flutterで一歩踏み出そう
ここまで、Flutterの基礎知識から始め方まで解説してきました。
この記事の重要ポイント
- Flutterは1つのコードで複数のプラットフォームに対応できる、Googleが開発したフレームワークです
- 開発言語はDartで、JavaScriptに似た構文なので学びやすくなっています
- ホットリロード機能により、開発効率が劇的に向上します
- すべてがウィジェットという考え方が、Flutterの基本概念です
- 公式ドキュメントやコミュニティが充実しており、学習環境が整っています
最初の一歩を踏み出すのは、誰でも不安なものです。
でも、Flutterは比較的学習しやすいフレームワークで、公式のサポートも手厚いので、初心者でも十分に習得できます。
まずは環境を整えて、簡単なアプリを作ってみることから始めましょう。小さな成功体験を積み重ねていけば、いつの間にか本格的なアプリが作れるようになっているはずです。
あなたのアイデアを形にする第一歩として、Flutterは素晴らしい選択肢ですよ。さあ、アプリ開発の世界へ飛び込んでみませんか?

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