Firefoxの設定画面を開いたとき、「ご使用のブラウザーはあなたの所属組織に管理されています」というメッセージが表示されたことはありませんか。
個人のパソコンで使用しているのに、このようなメッセージが表示されると不安になるかもしれません。
この記事では、このメッセージが表示される原因と、安全に削除する方法を詳しく解説します。
「組織によって管理されています」とは

Firefoxの「ご使用のブラウザーはあなたの所属組織に管理されています」というメッセージは、ブラウザに何らかのポリシー設定が適用されていることを示しています。
このメッセージは、設定画面の上部に青い文字で表示されます。
本来の用途
このメッセージは本来、企業や学校などの組織が従業員や学生のFirefoxブラウザを一元管理するための機能です。
法人向けの管理機能:
- 特定の機能やアドオンを制限
- ホームページや検索エンジンを統一
- セキュリティ設定を強制
- 自動アップデートの制御
組織のIT管理者が設定を適用すると、このメッセージが表示されます。
個人パソコンで表示される理由
会社や学校のパソコンではなく、個人のパソコンでこのメッセージが表示される場合、以下の原因が考えられます。
主な原因:
- ウイルス対策ソフト(セキュリティソフト)による設定
- 拡張機能(アドオン)による影響
- 過去に会社や学校のアカウントでログインした履歴
- 中古パソコンに残っている以前の設定
- 一部のアプリケーションによる自動設定
表示される最も一般的な原因:セキュリティソフト
個人パソコンでこのメッセージが表示される最も一般的な原因は、ウイルス対策ソフトです。
Avast・AVGの場合
Avastまたは AVGをインストールしている場合、Firefoxの暗号化通信(HTTPS通信)をスキャンするために、ブラウザにポリシー設定を追加します。
設定される内容:
- ポリシー名:Certificates
- 値:ImportEnterpriseRoots = true
この設定により、ウェブシールド用の証明書をFirefoxに認識させ、暗号化された通信内容をスキャンできるようにしています。
その他のセキュリティソフト
Avast・AVG以外にも、以下のセキュリティソフトが同様のポリシーを設定することがあります。
- ESET
- Norton
- カスペルスキー
- ウイルスバスター
これらのソフトウェアは、ウェブ保護機能やHTTPSスキャン機能を使用する際にFirefoxに設定を追加します。
ポリシー設定の確認方法
まず、どのようなポリシーが設定されているか確認しましょう。
方法1: メッセージをクリック
- Firefoxの設定画面を開く
- 「ご使用のブラウザーはあなたの所属組織に管理されています」のメッセージをクリック
エンタープライズポリシーのページが開き、適用されているポリシーの一覧が表示されます。
方法2: about:policiesページを開く
- Firefoxのアドレスバーに
about:policiesと入力してEnterキーを押す - アクティブなポリシーの一覧が表示される
表示される情報:
- ポリシー名
- ポリシーの値
- ソース(設定元)
ここで表示されるポリシー名をメモしておくと、後の対処に役立ちます。
対処が必要かどうかの判断
このメッセージが表示されているからといって、必ずしも対処が必要なわけではありません。
対処不要な場合
以下の場合は、そのまま放置しても問題ありません。
会社・学校のパソコンの場合:
IT管理者が意図的に設定している可能性が高いため、勝手に削除してはいけません。
管理者に確認してください。
セキュリティソフトが原因の場合:
Avast、AVG、ESETなどのセキュリティソフトがHTTPS通信をスキャンするために設定している場合、これはセキュリティ機能の一部です。
削除するとウェブ保護機能が正常に動作しなくなる可能性があります。
対処が必要な場合
以下の場合は、対処を検討してください。
- 個人パソコンで、セキュリティソフトもインストールしていないのにメッセージが表示される
- 不明な拡張機能やアプリケーションによって設定された可能性がある
- 中古パソコンで、以前の所有者の設定が残っている
- どうしてもメッセージを消したい
メッセージを削除する方法
個人パソコンで、どうしてもこのメッセージを削除したい場合の手順を説明します。
重要な注意事項:
レジストリエディターを使用する操作は、システムに影響を与える可能性があります。
間違った操作をするとパソコンが起動しなくなることもあるため、十分に注意してください。
方法1: レジストリからポリシーを削除(Windows)
Firefoxのポリシー設定は、Windowsのレジストリで管理されています。
手順:
- Firefoxを完全に終了する
- Windowsキー + Rを押して「ファイル名を指定して実行」を開く
regeditと入力してEnterキーを押す- ユーザーアカウント制御の確認が表示されたら「はい」をクリック
- レジストリエディターが開いたら、以下のパスに移動する
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Mozilla\Firefox
- 左側のツリーで「Firefox」フォルダを右クリック
- 「削除」を選択
- 確認メッセージが表示されたら「はい」をクリック
- レジストリエディターを閉じる
- Firefoxを再起動
これでメッセージが消えているはずです。
注意点:
- 削除するのは
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Mozilla\Firefoxのみ - 他のレジストリキーは絶対に削除しないこと
- 間違って削除すると重大な問題が発生する可能性がある
方法2: policies.jsonファイルを削除
レジストリを削除してもメッセージが消えない場合、ポリシー構成ファイルが存在する可能性があります。
手順:
- Firefoxを終了
- エクスプローラーを開く
- 以下のパスのフォルダを開く
C:\Program Files\Mozilla Firefox\distribution
または
C:\Program Files (x86)\Mozilla Firefox\distribution
policies.jsonというファイルがあれば削除- Firefoxを再起動
注意:
このフォルダが存在しない場合、policies.jsonファイルも存在しないため、この手順はスキップしてください。
方法3: セキュリティソフトのHTTPSスキャンを無効化
セキュリティソフトが原因の場合、ウェブ保護機能を無効化することでメッセージを消すことができます。
Avast・AVGの場合:
- Avastまたは AVGを開く
- 設定(またはメニュー)を開く
- 「コア保護」または「ウェブシールド」を探す
- 「HTTPS スキャンを有効にする」のチェックを外す
- Firefoxを再起動
注意点:
この設定を無効にすると、暗号化された通信のスキャンができなくなり、セキュリティレベルが下がる可能性があります。
方法4: Firefoxのリフレッシュ
上記の方法で解決しない場合、Firefoxを初期状態に戻すことができます。
手順:
- Firefoxのアドレスバーに
about:supportと入力してEnterキーを押す - 「Firefoxをリフレッシュ」ボタンをクリック
- 確認メッセージで「Firefoxをリフレッシュ」をクリック
この操作により、Firefoxが初期状態に戻りますが、以下のデータは保持されます。
- ブックマーク
- 閲覧履歴
- パスワード
- Cookie
- 自動入力情報
以下のデータは削除されます。
- 拡張機能
- テーマ
- カスタマイズした設定
Linux(Ubuntu・Mint等)での対処

Linux系OSでFirefoxをパッケージマネージャー経由でインストールした場合、ディストリビューション側が自動アップデートを無効化するポリシーを設定していることがあります。
表示されるポリシー:
- DisableAppUpdate(自動アップデート無効化)
対処方法:
この場合、メッセージは問題ありません。
パッケージマネージャーでFirefoxを更新する仕組みになっているためです。
気になる場合は、Mozilla公式サイトから直接Firefoxをダウンロードしてインストールすると、このメッセージは表示されなくなります。
セキュリティ上の懸念がある場合
もし不審なポリシーが設定されている、または心当たりのないアプリケーションが原因と思われる場合は、以下を実行してください。
ウイルススキャンの実施
- ウイルス対策ソフトでフルスキャンを実行
- マルウェア対策ツール(Malwarebytes等)で追加スキャン
- 不審なプログラムがないか確認
拡張機能のチェック
- Firefoxのメニュー→「アドオンとテーマ」を開く
- インストールされている拡張機能を確認
- 覚えのない、または不審な拡張機能を削除
インストール済みプログラムの確認
- Windowsの設定→「アプリ」を開く
- インストール日でソート
- 覚えのないプログラムがあれば削除
よくある質問
Q: このメッセージは危険ですか?
A: メッセージ自体は危険ではありません。ただし、心当たりのないポリシーが設定されている場合は、原因を確認する必要があります。
Q: セキュリティソフトが原因の場合、削除しても大丈夫ですか?
A: セキュリティソフトのHTTPSスキャン機能が正常に動作しなくなる可能性があります。セキュリティを重視する場合は、メッセージを放置することをおすすめします。
Q: レジストリを削除したのにメッセージが復活します
A: セキュリティソフトやアプリケーションが再度設定を追加している可能性があります。原因となっているソフトウェアを特定して、設定を変更する必要があります。
Q: 会社のパソコンでこのメッセージを消しても大丈夫ですか?
A: いいえ。会社のIT管理者が意図的に設定している可能性が高いため、勝手に削除してはいけません。管理者に相談してください。
まとめ
Firefoxの「ご使用のブラウザーはあなたの所属組織に管理されています」というメッセージは、ブラウザにポリシー設定が適用されていることを示しています。
主な原因:
- セキュリティソフト(Avast、AVG、ESET等)によるHTTPSスキャン設定
- 拡張機能やアプリケーションによる自動設定
- 過去の組織アカウントログインの履歴
- 中古パソコンの以前の設定
対処方法:
- about:policiesで設定内容を確認
- 会社・学校のパソコンの場合は対処不要
- セキュリティソフトが原因の場合は、そのまま放置するか、HTTPSスキャンを無効化
- 個人パソコンで原因不明の場合は、レジストリまたはpolicies.jsonファイルを削除
重要な注意事項:
- レジストリエディターの操作は慎重に行う
- セキュリティソフトの設定を削除すると、保護機能が低下する可能性がある
- 会社や学校のパソコンでは勝手に設定を変更しない
多くの場合、このメッセージはセキュリティソフトが正常に機能している証拠であり、放置しても問題ありません。
ただし、心当たりのない設定がある場合は、ウイルススキャンを実施して原因を特定することをおすすめします。


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