「Macを盗まれたら、中身のデータは丸見え?」 「FileVaultって聞くけど、必要なの?」 「暗号化したらMacが遅くなるんじゃ…」
そんな不安と疑問、この記事ですべて解決します!
MacBookをカフェに置き忘れた、オフィスで盗難にあった…そんな時、一番心配なのは本体よりも中に入っているデータですよね。仕事の機密情報、プライベートな写真、パスワード…これらが他人に見られたら大変です。
FileVault(ファイルボルト)は、そんな最悪の事態からあなたのデータを守る、macOS標準の暗号化機能。でも「よく分からないから使ってない」という人も多いんです。
この記事では、FileVaultの仕組みから設定方法、メリット・デメリットまで、初心者でも完全に理解できるように解説します。読み終わる頃には、あなたのMacを要塞のように守れるようになりますよ!
FileVaultって何?30秒で分かる基本知識

FileVaultとは
一言で説明すると: 「Macのディスク全体を暗号化して、パスワードなしではデータを読めなくする機能」
つまり、Macを盗まれても、犯人はあなたのデータを見ることができません!
暗号化ってどういうこと?
例えで説明:
暗号化なし = 日記を普通に本棚に置く
→ 誰でも読める
FileVault有効 = 日記を金庫に入れて鍵をかける
→ 鍵(パスワード)がないと読めない
技術的には:
- AES-128またはAES-256暗号化を使用
- 軍事レベルのセキュリティ
- 現在の技術では解読はほぼ不可能
FileVault 1 と FileVault 2 の違い
| バージョン | 対応OS | 暗号化範囲 | 速度 | 現在の状況 |
|---|---|---|---|---|
| FileVault 1 | Mac OS X 10.3-10.6 | ホームフォルダのみ | 遅い | 廃止 |
| FileVault 2 | OS X 10.7以降 | ディスク全体 | 速い | 現行(標準) |
現在「FileVault」と言えば、FileVault 2のことを指します。
FileVaultを有効にするメリット・デメリット
メリット(有効にすべき理由)
1. 盗難・紛失時の完全なデータ保護
- MacBookを盗まれてもデータは安全
- HDDを取り出されても読めない
- 企業の機密情報も守られる
2. プライバシーの完全保護
- 修理に出しても安心
- 家族や同僚に勝手に見られない
- 個人情報の漏洩を防げる
3. 法的コンプライアンス対応
- GDPR、HIPAA等の規制に対応
- 企業のセキュリティポリシーを満たす
- 情報漏洩時の責任を軽減
4. 簡単&無料
- macOS標準機能(追加費用なし)
- 設定は数クリックで完了
- 日常使用では暗号化を意識しない
デメリット(注意すべき点)
1. パスワード忘れ = データ消失
- 復旧キーを失くすと永久にアクセス不可
- パスワードリセットが困難
- バックアップがより重要に
2. わずかなパフォーマンス低下
- 起動が数秒遅くなる(最新Macではほぼ影響なし)
- 大量のファイル操作時に若干の遅延
- T2/M1チップ搭載Macでは影響なし
3. 一部のツールが使えない
- ディスクユーティリティの一部機能制限
- サードパーティの復旧ツールが使えない
- Boot Campとの併用に制限
4. 初回暗号化に時間がかかる
- 500GBで2-4時間程度
- 暗号化中も使用は可能
- 電源接続推奨
【完全ガイド】FileVaultを有効にする方法
事前準備(超重要!)
必ず行うべきこと:
- Time Machineバックアップを作成
- 重要データを外部に保存
- macOSを最新版にアップデート
- 十分な空き容量を確保(最低10%)
ステップ1:FileVaultを有効化
- システム設定を開く
- Appleメニュー → システム設定
- またはCommand + Space → 「システム設定」
- プライバシーとセキュリティを選択
- FileVaultセクションを見つける
- 下にスクロール
- 「FileVault」の項目
- 「オンにする」をクリック
- 管理者パスワードを入力
- 南京錠アイコンをクリックして解除
ステップ2:復旧キーの設定(最重要!)
2つの選択肢:
オプション1:iCloudによる復旧(簡単)
☑ iCloudアカウントでディスクのロック解除を許可
→ Apple IDで復旧可能
→ 一般ユーザーにおすすめ
オプション2:復旧キーを作成(安全)
☑ 復旧キーを作成してiCloudアカウントは使用しない
→ 24文字の復旧キーが生成される
→ セキュリティ重視の方におすすめ
ステップ3:復旧キーの保管
復旧キーの例:
XXXX-XXXX-XXXX-XXXX-XXXX-XXXX
絶対にやるべき保管方法:
- 紙に書いて金庫に保管
- パスワードマネージャーに保存
- 信頼できる家族と共有
- 銀行の貸金庫に保管
絶対にやってはいけない:
- Mac本体に保存
- メモアプリにそのまま保存
- 付箋でモニターに貼る
- 暗号化せずにクラウドに保存
ステップ4:暗号化の開始
- 「FileVaultをオンにする」をクリック
- Macを再起動
- すぐに再起動するか選択
- 「再起動」を推奨
- 暗号化プロセス開始
- バックグラウンドで実行
- 進捗はメニューバーで確認可能
FileVaultの詳細設定と管理
暗号化の進捗確認
確認方法:
システム設定 → プライバシーとセキュリティ → FileVault
「暗号化中... ○%完了」と表示
ターミナルでの確認:
diskutil apfs list
# または
fdesetup status
ユーザー管理
ログイン許可ユーザーの設定:
- FileVault設定画面
- 「ユーザーを有効にする」
- 許可するユーザーを選択
重要: FileVault有効化後に作成したユーザーは自動的に追加されません!
復旧キーの変更
定期的な変更を推奨:
# ターミナルで実行
sudo fdesetup changerecovery -personal
新しい復旧キーが生成されます。
T2/Appleシリコン搭載Macの特別な機能
自動暗号化
対象Mac:
- T2チップ搭載Mac(2018年以降)
- M1/M2/M3 Mac(2020年以降)
特徴:
- データは常に暗号化されている
- FileVaultはその鍵を保護する役割
- パフォーマンスへの影響ほぼゼロ
セキュアブート
FileVaultと連携:
- 起動時の改ざんチェック
- 不正なOSの起動を防止
- FileVaultと組み合わせで最強セキュリティ
よくあるトラブルと解決方法
Q1. パスワードを忘れてしまった
解決手順:
iCloud復旧を選択していた場合:
- ログイン画面で「?」をクリック
- 「Apple IDを使ってリセット」
- Apple IDとパスワードを入力
復旧キーを選択していた場合:
- ログイン画面で間違ったパスワードを3回入力
- 「復旧キーでリセット」オプションが表示
- 24文字の復旧キーを入力
どちらもない場合:
- データ復旧は不可能
- macOSの再インストールが必要
- データは完全に失われる
Q2. 暗号化が終わらない
対処法:
- 電源に接続して放置
- スリープしないよう設定
- 一晩放置することも
- セーフモードで再起動
Intel Mac: Shiftキーを押しながら起動 Appleシリコン: 電源ボタン長押し → オプション - First Aidを実行
- ディスクユーティリティ
- First Aidでディスクを修復
Q3. Macの動作が遅くなった
確認事項:
- 暗号化が完了しているか
- 暗号化中は遅い
- 完了後は改善
- ストレージの空き容量
- 最低10%の空きが必要
- 不要ファイルを削除
- SMC/NVRAMリセット
- システム管理コントローラーをリセット
- パフォーマンス改善の可能性
Q4. Boot Campが使えない
対処法:
- FileVaultを一時的に無効化
- Windows用パーティション作成
- その後FileVaultを再有効化
または、仮想マシン(Parallels等)の使用を検討
FileVault vs 他の暗号化方法
比較表
| 暗号化方法 | 範囲 | 速度 | 使いやすさ | 無料 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| FileVault | 全ディスク | 速い | ◎ | ○ | macOS標準 |
| VeraCrypt | 選択範囲 | 普通 | △ | ○ | マルチプラットフォーム |
| ディスクユーティリティ | フォルダ単位 | 速い | ○ | ○ | 部分暗号化 |
| 1Password等 | ファイル単位 | 速い | ○ | × | パスワード管理兼用 |
| BitLocker | 全ディスク | 速い | ○ | ○ | Windows用 |
FileVaultを選ぶべき理由
- Appleによる最適化
- OSとの完全な統合
- 追加ソフト不要
- サポートが充実
セキュリティを更に高めるための追加対策
1. ファームウェアパスワード設定
1. Command + R で起動
2. ユーティリティ → ファームウェアパスワード
3. パスワードを設定
外部ドライブからの起動を防ぐ!
2. 自動ログアウト設定
システム設定 → ロック画面
☑ 非アクティブ時にログアウト:5分後
3. Touch ID / Face IDの活用
- パスワード入力の代替
- でもパスワードは忘れないこと!
- 定期的にパスワード入力を要求される
4. Find My Mac有効化
- リモートロック可能
- データ消去も可能
- FileVaultと併用で完璧
企業・組織での運用
MDMとの連携
管理可能な項目:
- FileVault強制有効化
- 復旧キーの集中管理
- エスクローシステム
- コンプライアンス監視
復旧キーの組織管理
推奨方法:
- 組織用復旧キー作成
- キーエスクローサービス利用
- 複数人での分散管理
- 定期的な変更とログ記録
まとめ:今すぐFileVaultを有効にすべき理由
FileVaultについて、完全に理解できましたね!
この記事の重要ポイント:
- FileVaultは必須のセキュリティ
- データ盗難を100%防ぐ
- 無料で簡単に設定可能
- 最新Macでは速度低下なし
- 設定は5分で完了
- システム設定から有効化
- 復旧キーは絶対に保管
- 暗号化完了まで待つだけ
- リスクは管理可能
- パスワード忘れ → 復旧キーで解決
- 速度低下 → 最新Macではほぼなし
- 互換性問題 → 代替手段あり
- 有効にしない理由がない
- メリット >>> デメリット
- プライバシーは基本的人権
- 後悔してからでは遅い
今すぐ行動を!
この記事を読み終わったら、すぐにFileVaultを有効にしてください。設定にかかる5分間が、あなたの大切なデータを永久に守ることになります。
あなたのMacを、誰にも侵されない要塞にしましょう!🔐💻


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