仕事でもプライベートでも、メールに写真や書類を添付して送ることは日常的な作業ですよね。
でも、「ファイルが送れない」「相手に届かない」「セキュリティが心配」といった経験はありませんか?
実は、ファイル添付には知っておくべきルールやマナー、セキュリティ対策がたくさんあるんです。
この記事では、ファイル添付の基本から応用まで、初心者の方でも分かりやすく徹底解説していきます。
1. ファイル添付とは?基本を理解しよう

ファイル添付の仕組み
ファイル添付とは、メールの本文と一緒に文書や画像、動画などのデータファイルを送る機能のことです。
メールは元々テキスト(文字)だけを送る仕組みでしたが、技術の進歩によってさまざまな種類のファイルを一緒に送れるようになりました。
イメージとしては、手紙の中に写真を同封するようなものですね。
ファイル添付でできること
ファイル添付を使えば、以下のようなことができます。
写真や画像の共有
スマホで撮った写真や、デザインした画像を送れます。
文書の送付
WordやExcelで作った資料、PDFファイルなどをやり取りできます。
見積書や請求書の送信
ビジネスシーンでは、正式な書類もファイル添付で送るのが一般的になっています。
データの受け渡し
プログラムのコードや、データベースのファイルなど、仕事で必要なデータを共有できます。
ファイル添付の便利さと注意点
ファイル添付は非常に便利な機能ですが、同時にいくつかの注意点もあります。
便利な点:
- 瞬時に世界中どこへでも送れる
- 複数の人に同時に送信できる
- 記録として残る
注意が必要な点:
- ウイルス感染のリスクがある
- 容量制限で送れない場合がある
- セキュリティ対策が必要
これらの注意点については、記事の後半で詳しく解説していきますね。
2. メールでファイルを添付する方法
基本的な添付方法(2つのパターン)
メールにファイルを添付する方法は、大きく分けて2つあります。
方法1:添付アイコンから選択する
ほとんどのメールソフトには、クリップマークや「ファイルを添付」といったボタンがあります。
このボタンをクリックすると、パソコンやスマホの中からファイルを選ぶ画面が表示されます。送りたいファイルを選んで「開く」をクリックすれば、添付完了です。
方法2:ドラッグ&ドロップする
デスクトップやフォルダにあるファイルを、マウスでつかんでメール作成画面まで持っていき、離す(ドロップする)だけで添付できます。
この方法は、ファイルの場所が分かっている場合にとても便利ですよ。
Gmail での添付方法
Gmailを例に、具体的な手順を見てみましょう。
- メール作成画面を開く
- 画面下部にあるクリップマークのアイコンをクリック
- 添付したいファイルを選択
- 「開く」をクリック
- ファイル名が表示されたら添付完了
複数のファイルを同時に選択することもできます。
Yahoo!メールでの添付方法
Yahoo!メールでも基本的な流れは同じです。
- メール作成画面を開く
- 「ファイルを添付」ボタンをクリック
- ファイルを選択して「開く」をクリック
- または、ファイルをドラッグ&ドロップ
Outlookでの添付方法
Microsoft Outlookでも簡単に添付できます。
- 新しいメールを作成
- 「ファイルの添付」または「添付」ボタンをクリック
- ファイルを選んで「挿入」をクリック
スマートフォンでの添付方法
iPhoneやAndroidスマートフォンでも、ファイル添付は可能です。
iPhoneの場合:
- メールアプリで新規メッセージを作成
- 本文エリアを長押し
- 「写真またはビデオを挿入」または「書類をスキャン」を選択
- 添付したいファイルを選ぶ
Androidの場合:
- メールアプリで新規メッセージを作成
- クリップマークのアイコンをタップ
- 「ファイルを添付」を選択
- 添付したいファイルを選ぶ
3. ファイル添付のマナーとビジネスルール
ビジネスシーンでファイルを添付する際には、相手への配慮が大切です。
件名で添付ファイルがあることを示す
メールの件名で、添付ファイルがあることを明確に伝えましょう。
良い例:
- 「【資料送付】○○企画書をお送りします」
- 「見積書の送付について」
- 「請求書(PDF)添付」
件名を見ただけで、何が添付されているかが分かると親切です。
本文で添付内容を説明する
メール本文の中で、何を添付しているのかを必ず明記してください。
例文:
株式会社○○
○○部 ○○様
いつもお世話になっております。
△△株式会社の△△です。
ご依頼いただきました企画書を添付にてお送りいたします。
【添付ファイル】
・○○企画書.pdf(1.2MB)
ご確認のほど、よろしくお願いいたします。
ご不明な点がございましたら、
本メールにご返信ください。
このように、添付ファイルの名前とサイズを明記すると、相手も安心して開けます。
事前に送付方法を確認する
特にビジネスでは、ファイルを送る前に相手に確認を取るのがマナーです。
- どのようなファイルを送るのか
- メール添付で問題ないか
- ファイル形式は何が良いか
これらを事前に確認しておくと、スムーズなやり取りができますよ。
ファイル名を分かりやすくする
添付するファイルには、内容が一目で分かる名前をつけましょう。
悪い例:
- 新しいファイル (1).docx
- 無題.pdf
- IMG_1234.jpg
良い例:
- 2025年度予算案_v2.xlsx
- 製品カタログ_202511.pdf
- 会社ロゴ_RGB.png
日付やバージョン番号を入れると、さらに管理しやすくなります。
問い合わせ先を明記する
添付ファイルについて質問がある場合の連絡先を、メール本文に記載しておくと親切です。
ご不明な点やご質問がございましたら、
下記までお気軽にお問い合わせください。
担当:△△
メール:××@example.com
電話:03-xxxx-xxxx
複数ファイルの場合の注意点
5つ以上のファイルを送る場合は、ZIPファイルにまとめるか、クラウドストレージを使うのがおすすめです。
バラバラのファイルがたくさん添付されていると、受け取る側が管理しにくくなってしまいます。
4. セキュリティ対策の重要性
ファイル添付には、セキュリティリスクが伴います。送る側も受け取る側も、十分な注意が必要です。
添付ファイルに潜む危険性
ウイルス感染
悪意のあるプログラム(マルウェア)が仕込まれたファイルを開くと、パソコンやスマホがウイルスに感染してしまいます。
情報漏洩
間違った相手にファイルを送ってしまうと、重要な情報が漏れる可能性があります。
なりすまし攻撃
知り合いからのメールに見せかけて、危険なファイルを送りつける「標的型攻撃メール」が増えています。
受信時のセキュリティチェック
添付ファイルを開く前に、以下の点を必ずチェックしましょう。
送信者を確認する
差出人が本当に知っている人かどうかを確認してください。表示名だけでなく、メールアドレスもしっかり見ましょう。
知り合いの名前でも、メールアドレスが怪しい場合は要注意です。
予期しないファイルは開かない
頼んでいない資料や、心当たりのないファイルが添付されている場合は、開く前に送信者に確認を取りましょう。
危険なファイル形式に注意
以下の拡張子のファイルは、特に注意が必要です。
- .exe(実行ファイル)
- .bat、.com、.scr(プログラムファイル)
- .zip、.rar(圧縮ファイル)
- .js、.vbs(スクリプトファイル)
- .docm、.xlsm(マクロ付き文書)
これらのファイルは、マルウェアが仕込まれている可能性が高いため、信頼できる送信者からのものでない限り、開かないようにしてください。
二重拡張子に注意
「請求書.pdf.exe」のように、拡張子が2つついているファイルは非常に危険です。
実際には.exeファイル(実行ファイル)なのに、PDFに見せかけている可能性があります。
ウイルス対策ソフトの活用
添付ファイルを開く前に、必ずウイルス対策ソフトでスキャンしましょう。
多くのメールサービスには、自動スキャン機能が付いていますが、念のため手動でもチェックすると安全です。
手順:
- 添付ファイルを一度デスクトップに保存
- ファイルを右クリック
- 「ウイルススキャン」を選択
ウイルス対策ソフトは、常に最新の状態に更新しておくことが重要です。
送信時のセキュリティ対策
ファイルを送る側も、以下の点に気をつけましょう。
宛先を再確認する
送信ボタンを押す前に、宛先が間違っていないか必ず確認してください。
特にCCやBCCを使う場合は、個人情報の取り扱いに注意が必要です。
機密情報の取り扱い
個人情報や機密文書を送る場合は、次のセクションで説明するパスワード保護や、より安全な方法を検討しましょう。
公共Wi-Fiでの送信は避ける
カフェや空港などの公共Wi-Fiは、盗聴のリスクがあります。重要なファイルを送る際は、安全なネットワークを使いましょう。
5. 容量制限と大容量ファイルの送り方

メールの容量制限について
メールサービスには、送受信できるファイルサイズに制限があります。
主要メールサービスの容量制限:
- Gmail:25MB(受信も送信も)
- Yahoo!メール:25MB
- Outlook.com:20MB
- 一般的な企業メール:3~10MB程度
これらの制限を超えると、メールが送れなかったり、相手が受信できなかったりします。
容量の目安
一般的に、ビジネスメールでは以下の容量を目安にしましょう。
- 理想的なサイズ:2MB以下
- 許容範囲:3MB以下
- 事前確認が必要:3MB以上
2MB以下であれば、ほとんどの環境で問題なく送受信できます。
大容量ファイルを送る方法
容量が大きいファイルを送りたい場合は、以下の方法を検討してください。
方法1:ファイルを圧縮する
ZIPファイルにすることで、サイズを小さくできます。
Windowsの場合:
- ファイルを右クリック
- 「送る」→「圧縮(ZIP形式)フォルダー」を選択
Macの場合:
- ファイルを右クリック
- 「”○○”を圧縮」を選択
ただし、すでに圧縮されている形式(JPEGやPDFなど)は、あまり小さくならないので注意が必要です。
方法2:ファイルを分割して送る
大きなファイルを複数の小さなファイルに分けて、何通かに分けて送る方法もあります。
ただし、受け取る側の手間が増えるため、あまりおすすめはしません。
方法3:画像や動画の解像度を下げる
写真や動画の場合は、解像度を下げることでサイズを小さくできます。
ただし、画質が落ちるため、用途に応じて判断してください。
6. PPAPの問題点と代替方法
PPAPとは?
PPAP(ピーピーエーピー)とは、以下の頭文字を取った言葉です。
- Password付きZIPファイルを送る
- Passwordを別メールで送る
- An号化(暗号化)
- Protocol(プロトコル)
かつては「セキュリティ対策」として広く使われていた方法ですが、現在は多くの企業が廃止しています。
PPAPの問題点
セキュリティ効果が低い
添付ファイルとパスワードを同じ経路(メール)で送るため、両方とも盗聴されるリスクがあります。
一方が盗まれたら、もう一方も盗まれている可能性が高いんです。
ウイルスチェックができない
パスワード付きZIPファイルは、セキュリティソフトが中身をチェックできません。
つまり、ウイルスが仕込まれていても、検出できずに通過してしまうリスクがあります。
手間がかかる
受け取る側は、以下の作業が必要になります。
- 添付ファイルをダウンロード
- パスワードメールを探す
- ZIPファイルを解凍
- ファイルを開く
この一連の作業は、思いのほか面倒なものです。
パスワードの管理が難しい
「パスワードは電話でお伝えします」と言われても、不在だったり忙しかったりすると、すぐに確認できません。
PPAPの代替方法
では、どうすればいいのでしょうか?以下の方法が推奨されています。
クラウドストレージを使う
Google DriveやOneDrive、Dropboxなどのクラウドサービスでファイルを共有し、リンクをメールで送る方法です。
詳しくは次のセクションで説明します。
ファイル転送サービスを使う
GigaFile便やfirestorageなど、大容量ファイル専用の転送サービスを利用する方法もあります。
VPNや専用回線を使う
セキュリティレベルの高い通信環境を整備し、その中でファイルをやり取りする方法です。
企業の場合は、IT部門に相談してみましょう。
7. クラウドストレージとファイル転送サービス
大容量ファイルを安全に共有するには、専用のサービスを使うのが便利です。
クラウドストレージの活用
クラウドストレージとは、インターネット上にファイルを保存できるサービスのことです。
主なサービス:
Google Drive
- 無料で15GBまで使える
- Googleアカウントがあればすぐに使える
- 共有リンクの有効期限設定が可能
Microsoft OneDrive
- 無料で5GBまで使える
- Officeファイルとの相性が良い
- Outlookと連携しやすい
Dropbox
- 無料で2GBまで使える
- 多くのアプリと連携できる
- ビジネスプランが充実
クラウドストレージを使った共有方法
基本的な手順は以下の通りです。
- クラウドストレージにファイルをアップロード
- 共有リンクを作成
- リンクをメールで相手に送る
- 相手がリンクからファイルをダウンロード
メリット:
- 容量を気にせず大きなファイルを共有できる
- 複数人での共同編集も可能
- アクセス権限を細かく設定できる
- いつでもファイルを削除・更新できる
ファイル転送サービス
一時的にファイルを送りたい場合は、専用の転送サービスが便利です。
GigaFile便
- 登録不要で200GBまで送れる
- 無料で利用可能
- ダウンロード期限を設定できる(最大100日間)
firestorage
- 登録不要で2GBまで(会員登録で無制限)
- ダウンロード回数の制限が可能
- パスワード設定もできる
宅ふぁいる便
- 300MBまで無料
- 大容量プランもあり(有料)
- セキュリティ機能が充実
これらのサービスを使えば、メールの容量制限を気にせずファイルを送れます。
8. よくあるトラブルと解決法
ファイルが添付できない
原因1:ファイルサイズが大きすぎる
→ 解決法:圧縮するか、クラウドストレージを使う
原因2:禁止されているファイル形式
→ 解決法:ZIPファイルに圧縮するか、別の形式に変換する
原因3:メールサービスの一時的なエラー
→ 解決法:時間をおいて再試行する、ブラウザを変えてみる
相手がファイルを開けない
原因1:ファイル形式が対応していない
→ 解決法:事前に相手の環境を確認し、PDFなど汎用性の高い形式で送る
原因2:圧縮ファイルの解凍ができない
→ 解決法:解凍方法を説明するか、圧縮せずに送る
原因3:文字化けしている
→ 解決法:ファイル名を英数字にする、UTF-8形式で保存する
添付したはずのファイルが届かない
原因1:添付し忘れ
→ 解決法:送信前に必ず添付ファイルを確認する習慣をつける
原因2:メールサーバーで削除された
→ 解決法:セキュリティポリシーを確認し、許可された方法で送る
原因3:相手のメールボックスが満杯
→ 解決法:別の方法(クラウドストレージなど)で送る
ファイルが大きすぎて送信に時間がかかる
原因:インターネット回線が遅い、またはファイルが大容量
→ 解決法:
- より高速な回線を使う
- クラウドストレージにアップロードしてリンクを共有
- 圧縮して容量を減らす
添付ファイルを誤って削除してしまった
対処法:
- メールの「ゴミ箱」や「削除済みアイテム」を確認
- 送信者に再送を依頼
- バックアップがあれば復元する
今後のために、重要なファイルは必ず別の場所に保存しておきましょう。
まとめ
ファイル添付は、現代のコミュニケーションに欠かせない機能です。
この記事で紹介した内容をおさらいしましょう。
基本的な添付方法:
- クリップマークから選択
- ドラッグ&ドロップ
- スマホでも簡単に添付可能
ビジネスマナー:
- 件名と本文で添付内容を明記
- 分かりやすいファイル名をつける
- 事前に送付方法を確認
- 問い合わせ先を記載
セキュリティ対策:
- 送信者を必ず確認
- 危険なファイル形式に注意
- ウイルス対策ソフトでスキャン
- 公共Wi-Fiでの送信は避ける
容量制限への対応:
- 理想は2MB以下
- 大容量ファイルは圧縮またはクラウド利用
- PPAPは避け、より安全な方法を選ぶ
おすすめの代替手段:
- Google Drive、OneDrive、Dropbox
- GigaFile便、firestorageなどの転送サービス
ファイル添付は便利な反面、セキュリティリスクも伴います。
送る側も受け取る側も、この記事で紹介したポイントを意識して、安全で効率的なファイルのやり取りを心がけましょう。
特にビジネスシーンでは、相手への配慮を忘れずに。適切な方法でファイルを共有することで、スムーズなコミュニケーションが実現できますよ!

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