Fedoraを使っていて「アップデート通知が来たけど、どうすればいいの?」「バージョンを最新にしたいけど、コマンド操作に自信がない…」そんな不安を感じたことはありませんか?
Fedoraはセキュリティと安定性を重視するため、定期的なアップデートがとても重要です。
]でも正しい手順を知っていれば、全然怖くないんです。
この記事では、Fedoraのアップデート方法を「日常的なパッケージ更新」から「新バージョンへのアップグレード」までやさしく解説していきます。
コマンドが苦手な方でも安心して進められるよう、GUI操作も含めて丁寧に紹介しますね。
Fedoraのアップデートには2つの種類がある

まず最初に、Fedoraのアップデートには大きく分けて2種類あることを理解しておきましょう。
アップデートの種類
種類 | 内容 | 頻度 | 重要度 |
---|---|---|---|
パッケージの更新 | インストール済みソフトやライブラリの更新 | 数日に1回程度 | 高 |
バージョンアップグレード | Fedora 38 → 39 のようなOSのメジャー更新 | 年1~2回 | 中 |
なぜ区別が必要なの?
パッケージ更新は、セキュリティの穴を塞いだり、バグを修正したりするもので、定期的に行う必要があります。
一方、バージョンアップグレードは新機能を追加する大がかりな更新なので、慎重に行う必要があるんです。
Fedoraには「日常の更新」と「年単位の大規模アップグレード」があります。
まずは日常の更新から覚えていきましょう。
次は、最も使用頻度の高いパッケージ更新の方法を見ていきます。
日常的なアップデート【dnfコマンドで簡単更新】
基本のアップデートコマンド
ターミナルを開いて、次のコマンドを入力してください:
sudo dnf update
または、同じ機能を持つこちらでもOKです:
sudo dnf upgrade
どちらを使っても結果は同じなので、覚えやすい方を選んでくださいね。
自動で進行させたい場合
毎回「続行しますか?」と聞かれるのが面倒な場合は、-y
オプションを付けます:
sudo dnf upgrade -y
これで確認なしで自動的に更新が進みます。
更新後の再起動について
カーネル(OSの中核部分)が更新された場合、システムの再起動が必要になることがあります:
sudo reboot
再起動が必要かどうかは、アップデート完了時にメッセージで教えてくれるので、指示に従ってください。
更新可能なパッケージを事前に確認したい場合
いきなり更新するのが不安な方は、まず何が更新されるか確認できます:
dnf check-update
このコマンドで、更新待ちのパッケージ一覧が表示されます。
普段のアップデートはsudo dnf upgrade
だけでOKです。慣れてきたら-y
オプションも使ってみてください。
次は、コマンドが苦手な方向けのGUI操作を紹介します。
GUI(グラフィカル画面)でアップデートする方法

コマンド操作が苦手な方でも大丈夫。Fedoraにはグラフィカルな更新ツールが用意されています。
手順
- ソフトウェアアプリを開く
- 画面左下の「アクティビティ」をクリック
- 検索欄に「ソフトウェア」と入力
- 「ソフトウェア」アプリをクリック
- 更新タブを確認
- アプリが開いたら「更新」タブをクリック
- 利用可能な更新があれば一覧で表示されます
- 更新を実行
- 「すべて更新」ボタンをクリック
- 必要に応じてパスワードを入力
- 再起動(必要な場合のみ)
- システムから再起動を求められた場合は従ってください
GUI更新の特徴
- 初心者に優しい:コマンドを覚える必要がない
- 見やすい:どのソフトが更新されるか一目で分かる
- 自動チェック:設定で自動的に更新をチェックできる
- 安全:重要な更新を優先的に表示
自動更新の設定
「ソフトウェア」アプリの設定で、自動的に更新をチェックする間隔を変更できます:
- 設定 → 更新 → 自動更新の頻度
FedoraはGUIでも更新可能なので、コマンドが苦手でも安心です。
ただし、細かい制御をしたい場合はコマンドの方が便利ですよ。
続いて、年に数回行うバージョンアップグレードの方法を解説します。
Fedoraのバージョンをアップグレードする方法
Fedora 38からFedora 39への更新など、メジャーバージョンを上げる場合の手順です。
事前準備:現在のバージョンを確認
まず、現在使用しているFedoraのバージョンを確認しましょう:
cat /etc/fedora-release
手順1:アップグレード用プラグインのインストール
sudo dnf install dnf-plugin-system-upgrade
このプラグインは、安全にバージョンアップグレードを行うための公式ツールです。
手順2:システムを最新状態にする
アップグレード前に、現在のバージョンを最新状態にしておきます:
sudo dnf upgrade --refresh
手順3:アップグレードファイルのダウンロード
例として、Fedora 39にアップグレードする場合:
sudo dnf system-upgrade download --releasever=39
もしエラーが出た場合は、次のオプションを追加してください:
sudo dnf system-upgrade download --releasever=39 --allowerasing
--allowerasing
は、競合するパッケージを自動的に削除するオプションです。
手順4:アップグレードの実行
ダウンロードが完了したら、再起動してアップグレードを開始します:
sudo dnf system-upgrade reboot
この後、システムが自動的に再起動して、アップグレード処理が始まります。時間は20分から1時間程度かかる場合があります。
手順5:アップグレード完了の確認
再起動後、バージョンが正しく更新されたか確認しましょう:
cat /etc/fedora-release
メジャーアップグレードはdnf-plugin-system-upgrade
を使うのが公式推奨で安全です。
時間はかかりますが、焦らずに待ちましょう。
次は、アップデート時によくあるトラブルとその対策を紹介します。
アップデート時のよくあるトラブルと対策

アップデート中にエラーが出ても、ほとんどの場合は解決できます。代表的なトラブルと対処法を紹介しますね。
よくあるトラブル一覧
トラブル内容 | 原因 | 解決方法 |
---|---|---|
依存関係のエラー | パッケージ同士の競合 | --allowerasing オプションを追加 |
プラグインが見つからない | 必要なプラグインが未インストール | sudo dnf install dnf-plugins-core |
再起動後にフリーズ | グラフィックドライバーの問題 | Ctrl+Alt+F2で別の画面に切り替え |
バージョンが上がっていない | アップグレードが失敗 | /etc/fedora-release でバージョン確認 |
具体的な対処法
依存関係エラーの場合
sudo dnf upgrade --allowerasing
このオプションを付けることで、競合するパッケージを自動的に削除して更新を続行できます。
プラグインエラーの場合
sudo dnf install dnf-plugins-core
sudo dnf upgrade
必要なプラグインをインストールしてから、再度更新を試してください。
システムが重い・フリーズした場合
- キーボードで「Ctrl + Alt + F2」を同時押し
- 別の仮想端末に切り替わるので、そこからトラブル対応
- 元の画面に戻るには「Ctrl + Alt + F1」
ネットワークエラーの場合
sudo dnf clean all
sudo dnf upgrade
キャッシュをクリアしてから再実行すると解決することがあります。
トラブル時の心構え
- 慌てない:エラーメッセージをよく読む
- ログを確認:
/var/log/dnf.log
にエラーの詳細が記録されている - バックアップ:重要なデータは事前にバックアップを取っておく
トラブル時は「エラーメッセージの確認」が第一歩です。
焦らず原因を調べて、適切な対処法を試してみましょう。
まとめ:Fedoraのアップデートは「習慣化」が成功のカギ!
Fedoraは、最新のソフトウェアやセキュリティパッチを素早く取り入れられる先進的なディストリビューションです。
その分、定期的なアップデートがとても重要になります。
この記事のおさらい
- 日常の更新:
sudo dnf upgrade
で簡単にできる - GUI操作:コマンドが苦手でも「ソフトウェア」アプリで直感的に更新可能
- バージョンアップグレード:
dnf-plugin-system-upgrade
で安全に実行 - トラブル対策:エラーメッセージを読んで適切な対処法を選択
アップデートを習慣化するコツ
- 週1回の定期実行:毎週決まった曜日にアップデートする
- 自動通知の活用:GUI設定で更新通知をオンにする
- バックアップの習慣:重要なデータは定期的にバックアップ
- エラーログの保存:トラブル時のために記録を残す
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