「Excel(エクセル)のデータで、行の順番を入れ替えたい!」
例えば、顧客リストの2行目と5行目を入れ替えたいときや、売上データの順番を変更したいときに、わざわざ全部コピー&貼り付けするのは面倒ですよね。
実は、Excelにはマウス操作で簡単に入れ替える方法や関数を使って並べ替える方法があります。初心者の方でも今すぐ使えるテクニックばかりです。
この記事では、代表的な行の入れ替え方法を4つのパターンに分けて、わかりやすく紹介します。どの方法が自分に合っているかチェックしてみてください。
【方法1】マウスでドラッグして行を入れ替える

一番簡単で直感的な方法
Excelでの一番簡単な方法は、行を「ドラッグ」して移動するやり方です。マウスだけで完結するので、初心者の方におすすめです。
具体的な手順
- 入れ替えたい行の行番号(左側の数字)をクリック
- 行全体が青くハイライトされます
- 複数行を選択したい場合は、Ctrlキーを押しながらクリック
- Shiftキーを押しながら、行の境界線をドラッグ
- マウスカーソルが「十字矢印」に変わります
- 移動したい位置まで上または下にドラッグします
- 好きな位置に太い線が表示されたらマウスを離す
- 太い線が表示される位置に行が挿入されます
注意点とコツ
- Shiftキーを押し忘れると、行が削除されてしまいます
- ドラッグ操作が不安定な場合は、ゆっくりと操作してください
- 数式が入っている表では、参照がずれる可能性があります
こんな時におすすめ
- 少ない行数の入れ替え
- 直感的に操作したい時
- 数式が少ない表の場合
【方法2】コピー&挿入で確実に入れ替える
安全で確実な方法
複雑な表や数式が多いときは、コピー&挿入が確実です。レイアウト崩れの心配がなく、初心者でも安心して使えます。
具体的な手順
- 移動したい行を右クリック → 「コピー」を選択
- 行番号をクリックして行全体を選択してから右クリック
- キーボードショートカット「Ctrl+C」でもOK
- 挿入したい場所の行番号を右クリック → 「挿入されたコピーのセルを挿入」
- 挿入したい位置の行番号を右クリック
- メニューから「挿入されたコピーのセルを挿入」を選択
- 元の行を削除
- 元の行を右クリック → 「削除」を選択
- または行番号を右クリック → 「行の削除」
より詳しい手順(2行を入れ替える場合)
例:2行目と5行目を入れ替える場合
- 2行目をコピー
- 6行目(5行目の下)に挿入
- 元の2行目を削除
- 元の5行目(現在は4行目)をコピー
- 2行目に挿入
- 元の位置の行を削除
注意点
- 数式の参照に注意:他のセルを参照している数式は、行が移動すると参照先も自動で調整されます
- 条件付き書式:設定されている場合は、範囲を再確認してください
こんな時におすすめ
- 複雑な表や数式が多い場合
- 確実に入れ替えたい時
- レイアウト崩れを避けたい時
【方法3】並べ替え機能で自動的に入れ替える
大量データの並べ替えに最適
行に「番号」や「並び順」を管理する列があるなら、**並べ替え(ソート)**が便利です。一度に複数の行を思い通りの順序に並べ替えられます。
基本的な並べ替え手順
- データ範囲を選択
- 表全体を選択(見出し行も含める)
- または、表内の任意のセルをクリック
- 「データ」タブ → 「並べ替え」をクリック
- リボンメニューの「データ」タブを選択
- 「並べ替えとフィルター」グループの「並べ替え」をクリック
- 並べ替え条件を設定
- 並べ替えの基準となる列を選択
- 昇順(小さい順)または降順(大きい順)を選択
管理番号を使った並べ替え
準備段階
- 管理番号列を作成
- A列に「順番」「No.」などの列を作成
- 希望する順番の番号を入力
- 並べ替え実行
- 「データ」→「並べ替え」→ A列を基準に昇順
例:売上データの並べ替え
順番 | 商品名 | 売上 |
---|---|---|
3 | 商品A | 1000 |
1 | 商品B | 2000 |
2 | 商品C | 1500 |
↓ 並べ替え後
順番 | 商品名 | 売上 |
---|---|---|
1 | 商品B | 2000 |
2 | 商品C | 1500 |
3 | 商品A | 1000 |
カスタム並べ替え
複数の条件で並べ替え
- 「並べ替え」ダイアログで「レベルの追加」をクリック
- 第1条件、第2条件を設定
- 優先順位を設定
例:部署別→売上順
- 第1条件:部署(昇順)
- 第2条件:売上(降順)
こんな時におすすめ
- 大量のデータを並べ替えたい時
- 複数の条件で並べ替えたい時
- 定期的に同じ並べ替えを行う時
【方法4】TRANSPOSE関数で行列を入れ替える

行と列をまるごと交換
これは少し違いますが、行と列(横と縦)を入れ替えたい場合はTRANSPOSE関数を使います。データの表示方向を変更したい時に便利です。
基本的な使い方
構文
=TRANSPOSE(配列)
例1:横並びデータを縦に変換
元のデータ(A1:D1)
1月 | 2月 | 3月 | 4月 |
---|---|---|---|
100 | 200 | 150 | 300 |
変換後(F1:F4)
=TRANSPOSE(A1:D1)
結果:
1月 |
---|
2月 |
3月 |
4月 |
例2:表全体の行列を交換
元のデータ(A1:C3)
商品 | 1月 | 2月 |
---|---|---|
A | 100 | 200 |
B | 150 | 250 |
変換後:
=TRANSPOSE(A1:C3)
結果:
商品 | A | B |
---|---|---|
1月 | 100 | 150 |
2月 | 200 | 250 |
配列数式として使用
Excel 2019以前の場合
- 結果を表示したい範囲を選択
- TRANSPOSE関数を入力
- Ctrl+Shift+Enterで確定(配列数式として実行)
Excel 365/2021の場合
- 通常通りEnterで確定
- 自動的に配列数式として認識されます
注意点
- 元のデータが変更されると、TRANSPOSE関数の結果も自動で更新されます
- 数式が入っている場合、参照関係が複雑になる可能性があります
- 書式設定は引き継がれません
こんな時におすすめ
- 縦と横のデータ表示を変更したい時
- グラフ作成のためにデータ配置を変更したい時
- レポート形式を変更したい時
知っておくと便利なポイント
数式の参照に注意
相対参照と絶対参照
- 相対参照(A1):行が移動すると参照先も移動
- 絶対参照($A$1):行が移動しても参照先は固定
数式チェックの方法
- 「数式」タブ → 「数式の表示」
- 全ての数式を確認
- 必要に応じて修正
ドラッグ操作のコツ
Shiftキーの重要性
- Shiftを押しながら:行を移動(推奨)
- Shiftを押さずに:行をコピー移動
マウスカーソルの変化
- 十字矢印:移動可能
- 手のマーク:移動不可
元に戻す機能の活用
Ctrl+Z(元に戻す)
- 間違えた操作はすぐに元に戻せます
- 複数回実行で連続して戻せます
操作履歴の確認
- 「ファイル」→「オプション」→「詳細設定」
- 「元に戻す」の回数を確認・変更可能
作業前のバックアップ
重要なデータの場合
- ファイルを複製してから作業
- 別のシートにコピーを保存
- 定期的に保存(Ctrl+S)
トラブルシューティング

よくある問題と解決方法
「行を移動できない」
原因と対策
- シートが保護されている:「校閲」→「シート保護の解除」
- セルが結合されている:結合を解除してから移動
- フィルターが適用されている:フィルターを解除
「数式がエラーになる」
原因と対策
- 参照範囲が変更された:数式を見直して修正
- 循環参照が発生した:参照関係を確認
- データ型が変更された:元のデータ型に戻す
「書式が崩れる」
原因と対策
- 条件付き書式の範囲:範囲を再設定
- 罫線の設定:必要に応じて再設定
- 列幅の調整:自動調整または手動調整
予防策
事前チェック項目
- [ ] 数式の参照範囲を確認
- [ ] 条件付き書式の設定を確認
- [ ] データの整合性を確認
- [ ] バックアップを作成
まとめ
Excelで行を入れ替える方法として、4つのパターンを紹介しました。
選び方の目安
- 簡単な入れ替え:Shiftを押しながらドラッグ
- 確実な入れ替え:コピー&挿入
- 大量データの並べ替え:並べ替え機能
- 行列の交換:TRANSPOSE関数
状況に応じた使い分け
- 数式が少ない → ドラッグ操作
- 数式が多い → コピー&挿入
- 定期的な並べ替え → 管理番号+並べ替え機能
- データ表示の変更 → TRANSPOSE関数
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