Excelでスケジュール表や勤怠管理表を作っていて、「日付だけじゃなく曜日も表示したい」と思ったことはありませんか?
「2024/12/15って何曜日だっけ?」「土日だけ色を変えたい」「シフト表で曜日がわかるようにしたい」そんな悩みをかかえている人は多いです。
じつは、Excelには日付から自動で曜日を表示する便利な機能があります。関数を使うだだけで、とても見やすい資料が作れるんです。
この記事では、初心者でもかんたんにできる「Excelで曜日を表示・活用する方法」を、基本から応用まで丁寧に解説します。
なぜ曜日表示が便利なの?|ビジネスでよく使われる場面

こんなときに曜日表示が役立ちます
会議やイベントの予定管理
- 日付だけより「12/15(日)」の方がわかりやすい
- 土日の会議を避けやすくなる
- 参加者が予定を立てやすい
シフト表や勤怠管理
- 週末の勤務が一目でわかる
- 曜日ごとの勤務パターンが把握しやすい
- 休日出勤の管理が簡単
販売計画や分析
- 曜日別の売上傾向を分析
- 平日と土日の来客数の違いを把握
- マーケティング戦略の参考データ
曜日表示のメリット
メリット | 説明 | 効果 |
---|---|---|
視認性の向上 | ひと目で曜日がわかる | 資料が見やすくなる |
ミスの防止 | 土日の見落としを防ぐ | スケジュール管理が正確 |
効率的な作業 | 手動で曜日を調べる必要がない | 時間短縮 |
プロフェッショナルな見た目 | きちんと整理された印象 | 資料の品質向上 |
それでは、具体的な設定方法を見ていきましょう。
方法1:関数を使って曜日を取得|柔軟な表示方法

関数を使うメリット
日付と曜日を別々のセルに表示
- A列:日付、B列:曜日のように分けられる
- 曜日だけを使った計算や判定が可能
- より複雑な条件分岐に活用できる
データの再利用
- 曜日情報を他の関数で使用可能
- 条件付き書式での活用
- VBA(マクロ)での処理にも対応
主要な曜日関数
TEXT関数
=TEXT(日付セル, "表示形式")
表示形式 | 結果例 | 説明 |
---|---|---|
“aaa” | 日 | 日本語省略形 |
“aaaa” | 日曜日 | 日本語完全形 |
“ddd” | Sun | 英語省略形 |
“dddd” | Sunday | 英語完全形 |
WEEKDAY関数
=WEEKDAY(日付セル, [種類])
種類 | 日曜日 | 月曜日 | 火曜日 | … | 土曜日 |
---|---|---|---|---|---|
1(既定) | 1 | 2 | 3 | … | 7 |
2 | 7 | 1 | 2 | … | 6 |
3 | 6 | 0 | 1 | … | 5 |
実際の使用例
例1:TEXT関数で曜日を日本語表示
- A1セル:
2024/12/15
- B1セル:
=TEXT(A1,"aaaa")
- 結果:「日曜日」
例2:WEEKDAY関数で数値取得
- A1セル:
2024/12/15
- B1セル:
=WEEKDAY(A1)
- 結果:
1
(日曜日を表す)
例3:CHOOSE関数と組み合わせて日本語表示
=CHOOSE(WEEKDAY(A1),"日","月","火","水","木","金","土")
- A1セル:
2024/12/15
- 結果:「日」
より実用的な関数の組み合わせ
平日・休日の判定
=IF(OR(WEEKDAY(A1)=1,WEEKDAY(A1)=7),"休日","平日")
土日だけ「休」と表示
=IF(OR(TEXT(A1,"aaa")="土",TEXT(A1,"aaa")="日"),"休",TEXT(A1,"aaa"))
英語と日本語の組み合わせ
=TEXT(A1,"ddd") & "(" & TEXT(A1,"aaa") & ")"
結果例:「Sun(日)」
関数を使った曜日表示の手順
ステップ1:基本設定
- A列に日付を入力(例:A1に
2024/12/15
) - B列に曜日を表示する関数を入力
ステップ2:関数の入力
- B1セルを選択
=TEXT(A1,"aaaa")
と入力- Enterキーで確定
- 「日曜日」と表示されることを確認
ステップ3:他のセルにコピー
- B1セルを選択
- セルの右下角をダブルクリック(または下方向にドラッグ)
- A列に日付がある分だけ自動で関数がコピーされる
関数を使えば、柔軟に曜日情報を取り出せます。
次は、実務で役立つ応用テクニックを紹介します。
実務で使える曜日の活用テクニック

テクニック1:土日の自動色分け
条件付き書式を使った週末のハイライト
設定手順
- 日付が入力されている範囲を選択(例:A1:A31)
- 「ホーム」タブ→「条件付き書式」→「新しいルール」
- 「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選択
- 数式欄に以下を入力:
=OR(WEEKDAY($A1)=1,WEEKDAY($A1)=7)
- 「書式」ボタンをクリックして背景色を設定(例:薄い赤)
- 「OK」を2回クリック
結果 土曜日と日曜日の日付セルだけが自動で色づけされます。
テクニック2:シフト表の作成
曜日別の勤務パターン表示
日付 | 曜日 | シフト | 担当者 |
---|---|---|---|
2024/12/15 | 日 | 休日 | – |
2024/12/16 | 月 | 通常 | 田中 |
2024/12/17 | 火 | 通常 | 佐藤 |
シフト自動判定の関数
=IF(OR(TEXT(A2,"aaa")="土",TEXT(A2,"aaa")="日"),"休日","通常")
テクニック3:営業日の計算
土日を除いた営業日数の計算
NETWORKDAYS関数の使用
=NETWORKDAYS(開始日, 終了日, [祝日])
例:12月1日から12月31日までの営業日数
=NETWORKDAYS("2024/12/1","2024/12/31")
N営業日後の日付を求める
=WORKDAY(開始日, 営業日数, [祝日])
テクニック4:曜日別の集計
曜日ごとの売上集計
SUMIF関数を使った集計
=SUMIF(曜日範囲,"月",売上範囲)
例:月曜日の売上合計
- D列に曜日(
=TEXT(A:A,"aaa")
) - E列に売上金額
- 集計式:
=SUMIF(D:D,"月",E:E)
テクニック5:カレンダー風レイアウト
月間カレンダーの作成
基本構造
日 月 火 水 木 金 土
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
日付の自動入力
- 月初日を基準セルに入力
- 各セルに
=基準セル+連番
の式を設定 - 曜日に応じて配置を調整
条件付き書式での装飾
- 土曜日:青色
- 日曜日:赤色
- 今日:黄色背景
テクニック6:勤怠管理への応用
出勤・欠勤の管理表
日付 | 曜日 | 出勤予定 | 実績 | 備考 |
---|---|---|---|---|
2024/12/15 | 日 | 休日 | – | – |
2024/12/16 | 月 | 出勤 | 出勤 | – |
2024/12/17 | 火 | 出勤 | 欠勤 | 体調不良 |
出勤予定の自動判定
=IF(OR(TEXT(A2,"aaa")="土",TEXT(A2,"aaa")="日"),"休日","出勤")
勤務日数の集計
=COUNTIF(出勤予定範囲,"出勤")
高度な曜日活用|データ分析と自動化

曜日別の傾向分析
売上データの曜日別分析
ピボットテーブルでの分析
- 日付、曜日、売上のデータを準備
- 「挿入」タブ→「ピボットテーブル」
- 行:曜日、値:売上(合計)
- 曜日別の売上傾向が一目でわかる
グラフでの可視化
- 曜日別売上の棒グラフ
- 月別・曜日別のヒートマップ
- トレンド分析用の線グラフ
自動スケジュール生成
定期的な会議スケジュールの自動作成
毎週月曜日の会議日程
=開始日+7*ROW(A1)-7+CHOOSE(WEEKDAY(開始日),0,0,6,5,4,3,2)
月末営業日の自動計算
=WORKDAY(EOMONTH(対象月,0),0)
祝日対応の高度な営業日計算
祝日リストとの組み合わせ
- 別シートに祝日一覧を作成
- NETWORKDAYS関数で祝日を除外
- より正確な営業日計算が可能
例:祝日を考慮した営業日計算
=NETWORKDAYS(開始日,終了日,祝日リスト)
トラブルシューティング|よくある問題と解決方法
問題1:曜日が表示されない
症状
- 日付を入力したのに曜日が表示されない
- 数式が文字としてそのまま表示される
原因と解決方法
原因1:日付として認識されていない
- 確認方法:セルの値が左寄せになっている
- 解決方法:正しい日付形式で再入力(例:2024/12/15)
原因2:関数の入力ミス
- 確認方法:数式バーで関数を確認
- 解決方法:正しい関数に修正
問題2:曜日が数字でしか表示されない
症状 WEEKDAY関数を使ったら「2」「3」などの数字しか表示されない
解決方法
方法1:TEXT関数に変更
変更前:=WEEKDAY(A1)
変更後:=TEXT(A1,"aaaa")
方法2:CHOOSE関数で変換
=CHOOSE(WEEKDAY(A1),"日","月","火","水","木","金","土")
問題3:英語で表示されてしまう
症状 「Monday」「Tuesday」など英語で表示される
解決方法
表示形式の場合
dddd
→aaaa
に変更ddd
→aaa
に変更
関数の場合
変更前:=TEXT(A1,"dddd")
変更後:=TEXT(A1,"aaaa")
問題4:条件付き書式が正しく動作しない
症状 土日の色分けが正しく表示されない
確認ポイント
数式の確認
正しい例:=OR(WEEKDAY($A1)=1,WEEKDAY($A1)=7)
間違い例:=OR(WEEKDAY(A1)=1,WEEKDAY(A1)=7) # $マークなし
適用範囲の確認
- 条件付き書式の適用範囲が正しく設定されているか
- 相対参照と絶対参照が適切か
問題5:日付の形式が統一されていない
症状
- 一部のセルだけ曜日が表示されない
- 日付の形式がバラバラ
解決方法
データの統一
- すべての日付を選択
- 「データ」タブ→「区切り位置」→「完了」
- 日付形式が統一される
関数での統一
=DATEVALUE(TEXT(A1,"yyyy/mm/dd"))
実用的なテンプレート例|すぐに使える資料作成
テンプレート1:月間スケジュール表
基本構成
日付 | 曜日 | 予定 | 担当者 | 備考 |
---|---|---|---|---|
2024/12/1 | =TEXT(A2,”aaa”) | |||
2024/12/2 | =TEXT(A3,”aaa”) |
条件付き書式
- 土日:背景色を薄い青
- 祝日:背景色を薄い赤
テンプレート2:勤怠管理表
基本構成
日付 | 曜日 | 出勤予定 | 出勤時刻 | 退勤時刻 | 勤務時間 |
---|---|---|---|---|---|
2024/12/1 | =TEXT(A2,”aaa”) | =IF(OR(B2=”土”,B2=”日”),”休日”,”出勤”) |
集計欄
- 出勤日数:
=COUNTIF(C:C,"出勤")
- 総勤務時間:
=SUM(F:F)
テンプレート3:売上分析表
基本構成
日付 | 曜日 | 売上 | 来客数 | 客単価 |
---|---|---|---|---|
2024/12/1 | =TEXT(A2,”aaa”) | =C2/D2 |
分析用
- 曜日別売上:ピボットテーブル
- 週末売上比率:
=SUMIF(B:B,"土",C:C)+SUMIF(B:B,"日",C:C))/SUM(C:C)
まとめ
覚えておきたい重要なポイント
基本的な表示方法
- 表示形式変更:既存の日付セルの見た目を変える
- 関数使用:別セルに曜日を表示、計算にも活用
- 組み合わせ活用:条件付き書式との連携で自動色分け
実用的な活用方法
- スケジュール管理での視認性向上
- 勤怠管理での自動判定
- データ分析での曜日別傾向把握
- 営業日計算での正確な期日管理
トラブル対応
- 日付の正しい入力形式
- 関数の適切な使い分け
- 条件付き書式の設定方法
段階的なマスター方法
ステップ1:基本操作をマスター
- 表示形式での曜日表示
- TEXT関数の基本的な使い方
- WEEKDAY関数の数値理解
ステップ2:応用機能を活用
- 条件付き書式での色分け
- CHOOSE関数での柔軟な表示
- 営業日計算の活用
ステップ3:実務での応用
- 複雑な条件分岐
- データ分析への活用
- 自動化の仕組み構築
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