Excel(エクセル)のファイルを開いて編集しているとき、「ついうっかり上書きしてしまった…」なんて経験はありませんか?
特に大事な元データや、他の人が共有で使っているファイルは、誤って変更してしまうと大問題になることも。
そんなときに役立つのが、Excelを読み取り専用で開く方法です。
今回は、Excelを読み取り専用で開く具体的な手順と、その活用シーンをわかりやすく紹介します。
読み取り専用とは?

Excelの読み取り専用は、ファイルを開いて中身を確認はできるけれど、上書き保存はできないモードです。
誤ってデータを変更・保存してしまうリスクを減らすのにぴったりです。
読み取り専用で開いたファイルは、タイトルバーに「[読み取り専用]」と表示されるので、一目で分かります。
読み取り専用で開く基本の方法
ファイルを開くときに指定する
手順
- Excelの画面から「ファイル」→「開く」→「参照」
- ファイルを選択し、右下の「開く▼」をクリック
- 出てきたメニューで「読み取り専用で開く」を選ぶ
これだけで、そのファイルを読み取り専用モードで開けます。
エクスプローラーからの操作
- エクスプローラーでExcelファイルを右クリック
- 「プログラムから開く」→「Excel(読み取り専用)」を選択
この方法でも簡単に読み取り専用で開けます。
ダブルクリックで開くときは?
直接ダブルクリックしただけでは通常モードで開いてしまいます。
なので、共有ファイルなどは上記のように**「開く」から読み取り専用を選ぶ**のがおすすめです。
最近使ったファイルから読み取り専用で開く
Excelの「最近使ったアイテム」からも読み取り専用で開けます。
手順
- Excelを起動し、「ファイル」タブをクリック
- 最近使ったファイル一覧で、目的のファイルを右クリック
- 「読み取り専用で開く」を選択
常に読み取り専用で開かせる設定もできる
もし「このファイルはいつも読み取り専用にしたい」という場合は、ファイル自体に設定できます。
設定手順
- ファイルを開いて「ファイル」→「情報」へ
- 「ブックの保護」→「常に読み取り専用で開く」に設定
これで次に開く人には「このファイルを編集しますか?それとも読み取り専用で開きますか?」というメッセージが表示されるようになります。
推奨読み取り専用設定のメリット
- チーム作業で安全: 複数人でファイルを共有するときの事故防止
- マスターデータの保護: 元データを守りながら参照可能
- うっかりミス防止: 「見るだけ」のつもりが編集してしまうことを防ぐ
ファイルのプロパティで読み取り専用に設定

Windowsのファイルプロパティからも読み取り専用設定ができます。
設定手順
- エクスプローラーでExcelファイルを右クリック
- 「プロパティ」を選択
- 「読み取り専用」にチェックを入れる
- 「OK」をクリック
この設定をすると、ファイルを開く際に自動的に読み取り専用モードになります。
プロパティ設定のメリット
- システムレベルでの保護: Excelに限らず、どのアプリでも読み取り専用
- 間違って削除することも防げる: ファイル自体の保護にもなる
- 一括設定が可能: 複数ファイルを選択して一度に設定可能
読み取り専用を使うメリット
データ保護の観点
- 大事な元データを誤って変更・保存するリスクを減らせる
- 他の人と共有していても、意図しない上書きを防げる
- バックアップとしての役割も果たす
作業効率の観点
- 安心して中身を確認・コピーだけしたいときに最適
- 参照用として使いやすい
- 動作が軽くなる場合がある
実際の活用場面
マスターデータの管理
- 顧客リスト
- 商品マスター
- 価格表
- 社員名簿
これらの重要なデータは、読み取り専用で開いて必要な情報だけをコピーする使い方が安全です。
レポートや報告書の確認
- 月次売上レポート
- 予算管理表
- 分析結果データ
過去のレポートを参照するときは、読み取り専用で開いて内容を確認し、必要に応じて別ファイルに加工するのがおすすめです。
テンプレートファイルの保護
- 請求書テンプレート
- 会議資料フォーマット
- 計算シートのひな形
テンプレートファイルは読み取り専用設定にして、使うときは「名前を付けて保存」で別ファイルとして作成しましょう。
読み取り専用で開いた後の作業方法

編集が必要になった場合
読み取り専用で開いた後に編集したくなったら、次の方法があります。
編集可能モードに切り替え
- 「ファイル」タブをクリック
- 「編集を有効にする」ボタンをクリック
ただし、この方法は元ファイルを変更してしまう可能性があります。
別名で保存して編集
- 「ファイル」→「名前を付けて保存」
- 新しい名前でファイルを保存
- 保存されたファイルを編集
この方法なら元ファイルは安全に保たれます。
データのコピーと活用
読み取り専用ファイルからのデータコピーは通常通りおこなえます。
コピー方法
- 必要な範囲を選択
Ctrl
+C
でコピー- 別のファイルに
Ctrl
+V
で貼り付け
注意ポイント
読み取り専用の制限事項
- 読み取り専用で開いても、「名前を付けて保存」すれば別ファイルとして編集は可能です
- マクロの実行は制限される場合があります
- 一部の機能(並べ替え、フィルターなど)が使えない場合があります
より強固な保護が必要な場合
完全に編集を禁止したい場合は、別途「変更を許可しない」設定(書き込みパスワード)を使いましょう。
パスワード保護の設定
- 「ファイル」→「情報」→「ブックの保護」
- 「パスワードを使用して暗号化」を選択
- パスワードを設定
ネットワークファイルでの注意点
ネットワーク上の共有ファイルを読み取り専用で開く場合、他のユーザーが同時に編集している可能性があります。
最新の内容を確認したい場合は、ファイルを再度開き直すか、「更新」機能を使いましょう。
トラブルシューティング
読み取り専用が解除できない場合
原因と対処法
- ファイルが他のユーザーによって開かれている: 他のユーザーに確認して閉じてもらう
- ファイルのプロパティで読み取り専用設定されている: プロパティから設定を解除
- ネットワークのアクセス権限の問題: 管理者に相談
読み取り専用で開いたのに編集できてしまう
読み取り専用設定が正しくされていない可能性があります。
確認ポイント
- タイトルバーに「[読み取り専用]」と表示されているか
- ファイルのプロパティ設定を確認
- Excelの「ブックの保護」設定を確認
まとめ
Excelを読み取り専用で開けば、次のようなメリットがあります:
- 誤ってデータを上書き保存するのを防げる
- 大事なマスターファイルや共有ファイルも安心して扱える
- ファイルをいつもきれいに保管できる
- チーム作業での事故を防げる
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