Excel(エクセル)で作業をしていて「別名で保存してバックアップを取りたい」「ファイル名を変えてバージョン管理したい」という場面は多いですよね。
そんなときに便利なのが、「名前を付けて保存」のショートカットキーです。マウスで「ファイル → 名前を付けて保存」と毎回クリックするより、ショートカットなら一瞬で開けます。
この記事では、以下について詳しく解説します:
- Windows・Mac別のショートカットキー
- 「名前を付けて保存」の具体的な使い方
- 効率的な保存のコツとテクニック
- よくあるトラブルと解決法
- 関連する便利なショートカット
作業効率を大幅に向上させるテクニックを身につけましょう。
基本のショートカットキー

Windows版Excel
メインのショートカット
F12
F12キーを押すだけで、すぐに「名前を付けて保存」のダイアログが開きます。ファイル名や保存先、ファイル形式をその場で変えられるのでとても便利です。
代替のショートカット
Ctrl + Shift + S
一部のExcelバージョンや環境では、このショートカットも使用できます。
Mac版Excel
メインのショートカット
Command + Shift + S
MacではExcel単独のF12ショートカットはありません。代わりにCommand + Shift + Sで「名前を付けて保存」と同じ画面が開きます。
古いバージョンの場合
Command + Option + S
古いMac版Excelでは、このショートカットが使用されることがあります。
ショートカットキーの覚え方
Windows版(F12)
- F12は「Save As」の専用キーとして覚える
- 機能キーの中では比較的押しやすい位置
- 多くのOfficeアプリケーションで共通
Mac版(Command + Shift + S)
- Save(保存)のSにShiftを追加
- **通常のCommand + S(上書き保存)**の発展版
- 多くのMacアプリケーションで共通
通常の保存との違い
保存方法の比較
操作 | ショートカット | 動作 | 用途 |
---|---|---|---|
上書き保存 | Ctrl + S(Win)<br>Command + S(Mac) | 同じ名前・場所で保存 | 作業内容の保存 |
名前を付けて保存 | F12(Win)<br>Command + Shift + S(Mac) | 新しい名前・場所で保存 | バックアップ・複製 |
使い分けのポイント
上書き保存を使う場面
- 作業途中の一時保存:内容を失わないための定期保存
- 完成したファイルの最終保存:同じファイルを更新する場合
- 小さな修正後:誤字修正や数値の変更など
名前を付けて保存を使う場面
- バックアップ作成:重要なファイルの複製を作る
- バージョン管理:「資料_v1.0」「資料_v2.0」など
- 形式変更:Excelファイルを PDF や CSV に変換
- 別の目的での複製:元ファイルを基にした新しい資料作成
「名前を付けて保存」の詳しい使い方
基本的な操作手順
Windows版の場合
- F12キーを押す
- 「名前を付けて保存」ダイアログが開く
- 保存先フォルダを選択(必要に応じて)
- ファイル名を入力
- ファイル形式を選択(必要に応じて)
- 「保存」ボタンをクリック
Mac版の場合
- Command + Shift + S を押す
- 「名前を付けて保存」ダイアログが開く
- 保存先を選択
- ファイル名を入力
- ファイル形式を選択(必要に応じて)
- 「保存」をクリック
ダイアログの詳細説明
保存先の選択
- 最近使用したフォルダ:よく使うフォルダが表示される
- デスクトップ:すぐにアクセスできる場所
- ドキュメント:標準的な保存場所
- OneDrive:クラウド保存(同期可能)
ファイル名の設定
- わかりやすい名前:内容が分かる名前を付ける
- 日付の追加:「売上データ_2025-01-15」など
- バージョン番号:「企画書_v1.0」など
- 文字数制限:255文字以内(実際は短い方が良い)
ファイル形式の選択
- Excel ブック(.xlsx):標準的なExcel形式
- Excel 97-2003 ブック(.xls):古いExcelとの互換性
- CSV(.csv):他のアプリケーションで利用
- PDF(.pdf):印刷用・配布用
- テキスト(.txt):シンプルなテキスト形式
効率的な保存のコツ

命名規則を決める
日付ベースの命名
売上データ_2025-01-15.xlsx
会議資料_2025-01-15_午前.xlsx
バージョン管理の命名
企画書_v1.0.xlsx
企画書_v1.1.xlsx
企画書_v2.0_最終版.xlsx
内容ベースの命名
四半期売上_Q1_2025.xlsx
在庫管理_東京支社_2025.xlsx
フォルダ構成の工夫
プロジェクト別管理
プロジェクトA/
├── 資料/
├── データ/
└── 報告書/
時系列管理
2025/
├── 01_1月/
├── 02_2月/
└── 03_3月/
用途別管理
Excel作業/
├── 進行中/
├── 完了/
└── バックアップ/
保存時の注意点
ファイル名の制限
- 使用できない文字:\ / : * ? ” < > |
- 推奨する文字:日本語、英数字、アンダースコア、ハイフン
- 避けるべき文字:スペース(代わりにアンダースコア)
保存場所の選択
- ローカル保存:高速だが他のPCからアクセス不可
- クラウド保存:同期に時間がかかるが、どこからでもアクセス可能
- ネットワーク保存:会社のサーバーなど、共有が必要な場合
よくあるトラブルと解決法
ショートカットが効かない場合
原因1:キーボードの問題
- 確認方法:他のアプリケーションでF12を試す
- 解決法:キーボードの電池交換、接続確認
原因2:Excelの設定問題
- 確認方法:メニューから「名前を付けて保存」を試す
- 解決法:Excelの再起動、設定の確認
原因3:他のソフトとの競合
- 確認方法:常駐ソフトを一時停止
- 解決法:競合するソフトウェアの設定変更
保存エラーの対処法
「ファイル名が無効です」エラー
- 原因:使用禁止文字の使用
- 解決法:文字を置き換える(例:「?」→「?」)
「アクセス権限がありません」エラー
- 原因:保存先フォルダの権限不足
- 解決法:管理者権限で実行、保存先を変更
「ディスクの空き容量不足」エラー
- 原因:保存先ドライブの容量不足
- 解決法:不要ファイルの削除、別のドライブに保存
ファイルが見つからない場合
検索方法
- Windowsの検索機能:スタートメニューから検索
- ファイルエクスプローラー:最近使用したファイル
- Excel内の検索:「ファイル」→「開く」→「最近使用したファイル」
予防策
- 定期的な整理:不要なファイルの削除
- 一貫した命名:ルールに従った名前付け
- バックアップ:重要なファイルの複製作成
関連する便利なショートカット

保存関連のショートカット
基本的な保存操作
操作 | Windows | Mac |
---|---|---|
上書き保存 | Ctrl + S | Command + S |
名前を付けて保存 | F12 | Command + Shift + S |
すべて保存 | Ctrl + Shift + S | Command + Option + S |
ファイル操作のショートカット
操作 | Windows | Mac |
---|---|---|
新規作成 | Ctrl + N | Command + N |
開く | Ctrl + O | Command + O |
閉じる | Ctrl + W | Command + W |
印刷 | Ctrl + P | Command + P |
作業効率化のショートカット
編集操作
操作 | Windows | Mac |
---|---|---|
元に戻す | Ctrl + Z | Command + Z |
やり直し | Ctrl + Y | Command + Y |
検索 | Ctrl + F | Command + F |
置換 | Ctrl + H | Command + H |
表示操作
操作 | Windows | Mac |
---|---|---|
全選択 | Ctrl + A | Command + A |
コピー | Ctrl + C | Command + C |
貼り付け | Ctrl + V | Command + V |
切り取り | Ctrl + X | Command + X |
応用テクニック
自動保存の設定
Windows版Excelの場合
- 「ファイル」→「オプション」をクリック
- 「保存」を選択
- 「自動回復用情報の保存間隔」を設定
- 「自動保存」を有効化
Mac版Excelの場合
- 「Excel」→「環境設定」をクリック
- 「保存」を選択
- 「自動保存」の設定を確認
- 間隔を調整
バックアップ戦略
3-2-1ルール
- 3つのコピー:元ファイル + 2つのバックアップ
- 2つの異なる媒体:PC + クラウド など
- 1つの外部保存:USBメモリやオンラインストレージ
定期的なバックアップ
- 毎日のバックアップ:重要なファイルは日次で保存
- 週次のバックアップ:プロジェクトファイルは週次で保存
- 月次のバックアップ:完成した資料は月次で保存
テンプレート化
よく使うファイル形式のテンプレート作成
- 基本的なフォーマットを作成
- 「名前を付けて保存」でテンプレートとして保存
- 拡張子を「.xltx」に変更
- テンプレートフォルダに保存
カスタムテンプレートの活用
- 会社の書式:ロゴや基本レイアウトを設定
- 個人の作業用:よく使う関数や設定を保存
- プロジェクト用:特定の作業に特化したテンプレート
セキュリティ対策

パスワード保護
ファイルにパスワードを設定
- 「名前を付けて保存」を実行
- 「ツール」→「全般オプション」をクリック
- 「読み取りパスワード」を設定
- 「保存」をクリック
注意事項
- 強力なパスワード:8文字以上、英数字記号の組み合わせ
- パスワードの管理:安全な場所に記録
- 定期的な変更:重要なファイルは定期的にパスワード変更
暗号化とアクセス制限
ファイルの暗号化
- Windowsの暗号化機能:ファイルのプロパティから設定
- サードパーティツール:7-Zipなどの暗号化ツール
- クラウドの暗号化:OneDriveの暗号化機能
アクセス制限
- 共有設定:必要最小限のアクセス権限を設定
- 期限設定:一定期間後にアクセスを無効化
- ログ管理:アクセス履歴の確認
まとめ
Excelで「名前を付けて保存」をすばやく行うショートカットは、以下の通りです:
基本のショートカット
環境 | ショートカット | 補足 |
---|---|---|
Windows | F12 | 最も簡単で覚えやすい |
Mac | Command + Shift + S | 多くのMacアプリで共通 |
効率化のポイント
覚えておくべきこと
- F12(Windows):一発で「名前を付けて保存」を開ける
- Command + Shift + S(Mac):通常の保存の拡張版
- 命名規則:一貫したファイル名でデータ管理が楽になる
- バックアップ:定期的な別名保存で安心
実践的な活用法
- バージョン管理:「v1.0」「v2.0」で進捗を記録
- 形式変換:Excel→PDF、CSV変換を簡単に
- 安全な作業:重要なファイルは必ず複製を作成
- 効率的な整理:フォルダ構成とファイル名の統一
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