Excel(エクセル)で作業をしていて、「あっ、間違えて保存しちゃった!」「ファイルが消えたかも…」とヒヤッとした経験はありませんか?
実はExcelには、うっかりミスやトラブルのときに役立つ復元機能がいくつも用意されています。
今回は、Excelファイルを復元するための具体的な方法と、いざというときに慌てないためのポイントをわかりやすく解説します。
Excelの復元には大きく分けて3つの方法がある

上書き前に戻したいときは「元に戻す」
もっとも簡単なのが、通常の「元に戻す(Undo)」機能です。
Ctrl
+Z
を押すだけで、直前の操作を取り消せます- 複数回押せば、何手分も戻せます
ポイント
Excel上部の「戻る」矢印ボタンからでもOKです。ただしファイルを閉じてしまうと操作履歴は消えるので注意が必要です。
「元に戻す」で戻せる操作例
- 文字の入力や削除
- セルの書式変更
- 行や列の削除
- データの並べ替え
- グラフの作成や編集
閉じてしまった後に復元したい場合
自動回復ファイルから復元
Excelには「自動回復」という仕組みがあります。
復元手順
- 「ファイル」タブ → 「情報」をクリック
- 「ブックの管理」や「回復された未保存のブック」を選ぶ
- 保存されていた復元ファイルがあれば開ける
実例
停電やフリーズでExcelが強制終了した後、次に開いたときに左側に「ドキュメント回復」が表示される場合があります。ここから復元が可能です。
自動回復が働く場面
- パソコンがフリーズしたとき
- 停電で電源が切れたとき
- Excelが予期せず終了したとき
- 保存せずにファイルを閉じようとしたとき
上書き保存してしまったファイルを元に戻す
Windows10以降では、ファイルの以前のバージョンを復元できる機能があります。
やり方
- エクスプローラーで該当のExcelファイルを右クリック
- 「以前のバージョンの復元」を選択
- 一覧から日付を選んで復元
これで、上書き前のファイルを取り戻せる可能性があります。
復元可能な条件
- システムの復元ポイントが作成されている
- ファイル履歴がオンになっている
- OneDriveなどのクラウドストレージを使用している
さらに安心!復元を強くする設定
自動回復の間隔を短くする
デフォルトでは10分ごとに自動回復情報を保存しますが、もっと短くできます。
設定手順
- 「ファイル」→「オプション」→「保存」
- 「次の間隔で自動回復用データを保存する」を5分などに設定
これでトラブルがあっても被害を最小限に抑えられます。
自動保存機能の活用
OneDriveやSharePointを使っている場合は、「自動保存」機能が利用できます。
自動保存のメリット
- リアルタイムでファイルが保存される
- 複数人での共同編集が安全におこなえる
- バージョン履歴が自動で管理される
設定確認方法
ファイル名の左側に「自動保存」のスイッチがあるか確認してください。オンになっていれば、編集内容が自動で保存されます。
バックアップファイルの作成
万が一に備えて、バックアップファイルを自動作成する設定もおすすめです。
設定手順
- 「ファイル」→「オプション」→「詳細設定」
- 「次の間隔で自動バックアップファイルを作成する」にチェック
- 間隔を設定(推奨は30分程度)
これで元のファイルとは別に、バックアップファイルが定期的に作成されます。
削除したシートやデータの復元方法

シートを間違えて削除した場合
シートの削除は「元に戻す」で復元できます。
Ctrl + Z
ただし、ファイルを保存・終了した後は復元できないので注意してください。
セルの内容を大量に削除した場合
「元に戻す」が使える場合
Ctrl + Z
で削除前の状態に戻せます。
ファイルを保存してしまった場合
「以前のバージョンの復元」または自動回復ファイルから復元を試してください。
数式を間違えて変更した場合
数式の変更も「元に戻す」で復元できます。複雑な数式を編集する前は、別のセルにコピーしておくと安心です。
復元できない場合の対処法
完全に削除されたファイルの復元
ごみ箱から復元
- デスクトップのごみ箱を開く
- 該当ファイルを右クリック
- 「元に戻す」を選択
ファイル復元ソフトの利用
ごみ箱からも削除された場合は、専用の復元ソフトを使う方法もあります。ただし、確実に復元できるとは限りません。
クラウドストレージの活用
OneDrive、GoogleDrive、Dropboxなどのクラウドストレージを使っていれば、削除されたファイルも一定期間は復元可能です。
OneDriveの場合
- OneDriveのウェブサイトにアクセス
- 「ごみ箱」フォルダを確認
- 復元したいファイルを選択して「復元」
よくあるQ&A

「元に戻す」が効かない場合
Q. 「元に戻す」が効かない…
一度ファイルを閉じると操作履歴が消えるので、Ctrl
+ Z
では戻れません。その場合は自動回復や「以前のバージョン」を試してください。
回復ファイルが見つからない場合
Q. 回復ファイルが何も出てこない…
Excelを閉じるときに「回復ファイルを削除しますか?」で「はい」にした場合は、復元ファイルも削除されてしまいます。その場合は残念ながら復元できないことが多いです。
自動回復が働かない場合
Q. 自動回復の設定をしているのに復元できない…
以下の点を確認してください:
- 自動回復の間隔設定が正しいか
- 十分な作業時間があったか(設定した間隔以上)
- 自動回復ファイルの保存場所に問題がないか
日頃からできる予防策
こまめな保存の習慣
- 重要な作業の区切りで
Ctrl
+S
- 大きな変更をする前の保存
- 休憩前やランチ前の保存
ファイル名に日付を入れる
- 「売上表_20250715.xlsx」のように日付を含める
- バージョン管理が簡単になる
- 間違えて上書きしても以前のファイルが残る
定期的なバックアップ
- 重要なファイルは外部ストレージにもコピー
- クラウドストレージの活用
- 週1回程度の定期バックアップ
まとめ
Excelには次のような様々な復元手段があります:
Ctrl
+Z
での元に戻す- 自動回復ファイル
- 以前のバージョン復元
- クラウドストレージからの復元
トラブルを防ぐには、普段から次のことを心がけましょう:
- こまめに名前を付けて保存
- 自動回復間隔を短く設定
- クラウドストレージの活用
- 重要なファイルのバックアップ作成
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