「Excel(エクセル)で印刷したら、変なタイトルやページ番号が入ってしまった…」
「誰かが設定したヘッダーを消したいけど、どうやるの?」
「古いファイルをコピーしたら、前の会社名が印刷されてしまう!」
そんな経験はありませんか?
ヘッダーは便利な機能ですが、不要なときに残っていると資料が見にくくなったり、古いファイルをコピーしたときに違う内容が印刷される原因になります。特に、他の人が作成したファイルを使う場合や、テンプレートを活用する際によく起こる問題です。
今回は、Excelのヘッダーを削除する方法を初心者の方でもわかりやすく、確実に実行できるように詳しく紹介します。様々なパターンの削除方法から、削除できない場合の対処法まで包括的に解説します。
ヘッダーとは?削除前に確認すべきこと

ヘッダーの基本知識
ヘッダーとは
- 印刷時にページ上部に表示される情報
- 画面の通常表示では見えない
- 全ページに共通で表示される
よくあるヘッダーの内容
- 会社名や部署名
- 資料のタイトル
- ページ番号
- 作成日や印刷日
- ファイル名やシート名
削除前の確認ポイント
本当にヘッダーかを確認
削除する前に、以下を確認しましょう:
- 印刷プレビューで確認
- 「ファイル」→「印刷」でプレビュー表示
- ページ上部に表示されているかチェック
- ページレイアウト表示で確認
- 「表示」→「ページレイアウト」
- ヘッダー領域が表示される
ヘッダーと間違えやすいもの
通常のセル内容
- セルA1などに入力されたタイトル
- これは普通にセルを選択してDeleteで削除
テーブルのヘッダー行
- テーブル機能の列名
- 印刷ヘッダーとは別の機能
フッター
- ページ下部に表示される情報
- 削除方法は同じだが設定場所が異なる
【基本編】ヘッダーを削除する方法
方法1:ページレイアウト表示から削除
最も簡単で直感的な方法
手順
- 「表示」タブをクリック
- 「ページレイアウト」をクリック
- シートが印刷プレビューのような見た目に変わる
- ページ上部のヘッダー領域をクリック
詳細な削除手順
左側のヘッダーを削除
- ヘッダー左側の領域をクリック
- 表示されている文字をすべて選択
- Deleteキーで削除
中央のヘッダーを削除
- ヘッダー中央の領域をクリック
- 表示されている文字をすべて選択
- Deleteキーで削除
右側のヘッダーを削除
- ヘッダー右側の領域をクリック
- 表示されている文字をすべて選択
- Deleteキーで削除
注意点
- 3つすべての領域を確認:左・中央・右それぞれに設定がある場合があります
- 特殊コードも削除:&[ページ番号]などの特殊コードも含めて削除
- 確認を忘れずに:削除後は印刷プレビューで確認
方法2:ページ設定ダイアログから削除
より確実で完全な削除方法
手順
- 「ページレイアウト」タブをクリック
- 右下の小さい矢印をクリック(ページ設定ダイアログを開く)
- 「ヘッダー/フッター」タブを開く
- 「ヘッダー」のドロップダウンを「(なし)」に設定
- 「OK」をクリック
この方法の利点
完全削除
- すべてのヘッダー情報が一度に削除される
- 見落としがない
- 確実に削除できる
設定の確認
- 現在の設定内容を事前に確認できる
- フッターの設定も同時にチェック可能
- カスタム設定の詳細も見える
方法3:既定のヘッダーで置き換え
部分的に残したい場合
完全に削除ではなく、既定のシンプルなヘッダーに変更したい場合:
手順
- ページ設定ダイアログを開く
- 「ヘッダー/フッター」タブを選択
- 「ヘッダー」のドロップダウンから希望する形式を選択
利用可能な既定ヘッダー
- (なし)
- ページ番号のみ
- シート名のみ
- ファイル名のみ
- 日付のみ
【応用編】特殊なケースでの削除方法

複数シートのヘッダーを一括削除
シートごとに個別削除が必要
Excelでは、ヘッダーはシートごとに設定されるため、複数シートで削除したい場合は各シートで作業が必要です。
効率的な削除手順
- 最初のシートでヘッダーを削除
- 次のシートタブをクリック
- 同じ手順で削除を繰り返す
シートをまとめて選択して削除
手順
- 最初のシートタブをクリック
- Ctrlキーを押しながら他のシートタブをクリック(複数選択)
- ページ設定でヘッダーを削除
- 選択したすべてのシートに適用される
注意点
- すべてのシートで同じ設定になる
- 個別設定が必要な場合は適さない
- 作業後はシート選択を解除
保護されたシートでの削除
シート保護がかかっている場合
症状
- ヘッダー編集ができない
- ページ設定が変更できない
解決方法
- 「校閲」タブ→「シート保護の解除」
- パスワードが設定されている場合は入力
- ヘッダーを削除
- 必要に応じて再度シートを保護
ブック保護がかかっている場合
症状
- シート自体にアクセスできない
- 構造が変更できない
解決方法
- 「校閲」タブ→「ブック保護の解除」
- パスワードを入力
- ヘッダーを削除
- 必要に応じて再度ブックを保護
テンプレートファイルでの削除
.xltxファイルでの注意点
テンプレートから作成されたファイル
- テンプレートのヘッダー設定が引き継がれる
- 新規作成時に毎回削除が必要
解決方法
- テンプレートファイル自体を編集
- ヘッダーを削除してテンプレートを保存
- 今後作成されるファイルにはヘッダーが設定されない
【トラブルシューティング】削除できない場合の対処法
ヘッダーが消えない原因と解決方法
原因1:フッターと混同している
症状
- ページ上部は消えたが下部に表示が残る
- 削除したはずなのに印刷に表示される
解決方法
- ページ設定の「ヘッダー/フッター」タブを開く
- 「フッター」も「(なし)」に設定
- 印刷プレビューで両方が消えているか確認
原因2:すべての領域を削除していない
症状
- 一部のヘッダーは消えたが完全ではない
- 左右どちらかに表示が残る
解決方法
- ページレイアウト表示でヘッダー領域を確認
- 左・中央・右すべての領域をチェック
- 見えない文字や特殊コードがないか確認
原因3:テーブルのヘッダー行と混同
症状
- 削除してもセル内の見出しが残る
- 印刷時にも表示される
解決方法
- これは印刷ヘッダーではなくセル内容
- 普通にセルを選択してDeleteで削除
- またはテーブル設定で非表示に変更
特殊な表示が削除できない場合
隠し文字や特殊コードの削除
見えにくい特殊コード
&[ページ番号]
&[日付]
&[ファイル名]
&[シート名]
削除方法
- ヘッダー編集モードに入る
- Ctrl+Aですべて選択
- Deleteで削除
- 目に見えない文字も含めて削除される
書式設定が残る場合
症状
- 文字は消えたが書式(太字、色など)が残る
- 新しく入力すると前の書式が適用される
解決方法
- ヘッダー編集モードでCtrl+Aで全選択
- 「ホーム」タブ→「書式のクリア」
- または書式設定をリセット
ページ番号だけ残したい場合
部分的な削除
会社名は消してページ番号は残したい場合
- ページレイアウト表示でヘッダー編集
- 不要な部分のみを選択して削除
- 必要な部分(ページ番号など)は残す
例:右側のページ番号のみ残す
- 左側:完全に削除
- 中央:完全に削除
- 右側:「&[ページ番号]」のみ残す
【効率化】VBAで一括削除

マクロでヘッダーを削除
単一シートのヘッダー削除
Sub DeleteHeader()
With ActiveSheet.PageSetup
.LeftHeader = ""
.CenterHeader = ""
.RightHeader = ""
End With
MsgBox "ヘッダーを削除しました"
End Sub
全シートのヘッダーを一括削除
Sub DeleteAllHeaders()
Dim ws As Worksheet
Dim count As Integer
count = 0
For Each ws In ActiveWorkbook.Worksheets
With ws.PageSetup
.LeftHeader = ""
.CenterHeader = ""
.RightHeader = ""
End With
count = count + 1
Next ws
MsgBox count & "つのシートのヘッダーを削除しました"
End Sub
ヘッダーとフッターを同時削除
Sub DeleteHeaderAndFooter()
With ActiveSheet.PageSetup
' ヘッダーを削除
.LeftHeader = ""
.CenterHeader = ""
.RightHeader = ""
' フッターを削除
.LeftFooter = ""
.CenterFooter = ""
.RightFooter = ""
End With
MsgBox "ヘッダーとフッターを削除しました"
End Sub
マクロの実行方法
VBAエディタでの実行
- Alt + F11でVBAエディタを開く
- 「挿入」→「標準モジュール」
- 上記コードを貼り付け
- F5で実行
リボンからの実行
- 「開発」タブ→「マクロ」
- 作成したマクロを選択
- 「実行」をクリック
【予防策】ヘッダーの設定を避ける方法
テンプレート作成時の注意点
クリーンなテンプレートの作成
手順
- 新しいブックを作成
- 必要なレイアウトのみ設定
- ヘッダー・フッターは設定しない
- テンプレートとして保存
メリット
- 新規作成時にヘッダーがない
- 必要に応じて後から設定可能
- ファイルサイズが小さくなる
ファイルコピー時の注意
他のファイルをコピーする場合
安全なコピー方法
- データ部分のみをコピー
- 「値のみ貼り付け」を使用
- 書式は別途設定
避けるべき方法
- ファイル全体をそのままコピー
- シート全体のコピー
- 書式込みの貼り付け
印刷設定の確認習慣
印刷前のチェックリスト
必ず確認すべき項目
- [ ] 印刷プレビューでヘッダー・フッターを確認
- [ ] ページ設定でヘッダー内容をチェック
- [ ] 不要な情報が含まれていないか確認
- [ ] 機密情報が漏れていないか確認
【実際の業務での活用例】

ケース1:他部署のファイルを活用
状況
- 営業部のファイルを経理部で使用
- 営業部のヘッダーが印刷される
対処方法
- ファイルを開く
- ページ設定でヘッダーを確認
- 不要なヘッダーを削除
- 経理部用のヘッダーに設定
ケース2:古いテンプレートの更新
状況
- 昔のテンプレートに古い会社名
- 新しいファイルでも古い情報が印刷
対処方法
- テンプレートファイルを開く
- ヘッダーを削除または更新
- テンプレートとして再保存
- 既存ファイルも個別に修正
ケース3:外部からのファイル受け取り
状況
- 取引先からのファイルに相手の情報
- そのまま印刷すると混乱の原因
対処方法
- ファイルを開いたらまずヘッダーをチェック
- 不要な情報は削除
- 自社用の情報に変更
- 印刷プレビューで最終確認
ケース4:機密情報の除去
状況
- 社外向け資料に社内限定情報
- ヘッダーに「社外秘」などの表示
対処方法
- 社外向けコピーを作成
- 機密情報を含むヘッダーを削除
- 一般向けの情報に変更
- 内容も同時にチェック
まとめ
Excelのヘッダーを削除する方法をまとめると、以下のようになります:
基本的な削除方法
最も簡単な方法
- ページレイアウト表示でヘッダー領域をクリック
- 表示されている内容をDeleteで削除
最も確実な方法
- ページ設定ダイアログの「ヘッダー/フッター」タブ
- ヘッダーを「(なし)」に設定
効率的な方法
- VBAマクロで複数シートを一括処理
- 大量のファイル処理に最適
削除時の注意点
確認すべきポイント
- 左・中央・右すべての領域をチェック
- フッターも同時に確認
- 印刷プレビューで最終確認
- 特殊コードや隠し文字も削除
よくある間違い
- テーブルのヘッダー行と混同
- フッターの削除漏れ
- 一部の領域のみの削除
効果的な活用シーン
削除が必要な場面
- 他部署のファイルを流用する時
- 古いテンプレートを更新する時
- 外部からのファイルを編集する時
- 機密情報を除去する時
削除後の効果
- スッキリした印刷結果
- 不要な情報の除去
- 機密情報の漏洩防止
- プロフェッショナルな資料作成
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