「Excelのシートに突然点線が現れた」「この点線って一体何?」と戸惑ったことはありませんか?
Excelで作業をしていると、シート上に細い破線(点線)が表示されることがあります。これは印刷範囲を示すガイドラインです。印刷する際にどこまでが1ページ目になるのか、Excelがわかりやすく教えてくれているのです。
この点線は、資料作成やデータ管理において非常に重要な役割を持っています。しかし、作業中は邪魔に感じることもあるでしょう。また、印刷レイアウトを自分好みに調整したい場合もあると思います。
この記事では、Excelで表示される点線の意味から、表示・非表示の切り替え方法、そして印刷範囲の変更方法まで、初心者の方にもやさしく解説します。ページ設定や改ページ、印刷プレビューの使い方も合わせて紹介するので、ぜひ最後まで読んでみてください。
印刷範囲の点線は何のためにあるの?

点線の基本的な役割
Excelで改ページプレビューを切り替えたり、印刷プレビューを操作した後に、シート上に点線が表示されることがあります。
この点線は以下の情報を教えてくれます:
- どこでページが区切られるか(改ページ)
- どこまでが1ページとして印刷されるか
- 印刷される範囲と印刷されない範囲の境界
点線の種類と意味
縦の点線
- ページの横幅の境界を示す
- この線より右側は次のページに印刷される
- A4用紙の横幅に収まる範囲を表示
横の点線
- ページの縦の境界を示す
- この線より下は次のページに印刷される
- A4用紙の縦の長さに収まる範囲を表示
点線の色の意味
- 青い点線:自動的に設定された改ページ
- 太い青い線:手動で設定した改ページ
- 薄い点線:印刷範囲の境界
実際の例で理解する
例1:売上データの表
売上データが50行あるとします:
- 1~40行目:1ページ目に印刷
- 41~50行目:2ページ目に印刷
- 40行目と41行目の間:横の点線が表示
例2:横に長い顧客リスト
顧客リストがA~M列まであるとします:
- A~H列:1ページ目に印刷
- I~M列:2ページ目に印刷
- H列とI列の間:縦の点線が表示
点線が表示されるタイミング
点線は以下の操作を行った後に表示されます:
- 印刷プレビューを見た後
- 改ページプレビューを使った後
- 印刷範囲を設定した後
- ページ設定を変更した後
印刷範囲の点線を消したい場合

「見た目が気になるから作業中は消したい」という声もよく聞きます。そんなときは以下の方法で非表示にできます。
通常表示に戻す方法
基本的な手順
- 上部メニューの「表示」タブをクリック
- 「標準」を選ぶ(改ページプレビューから戻す)
これだけで点線は消えます。
表示モードの種類
Excelには3つの表示モードがあります:
- 標準表示:通常の作業用表示(点線なし)
- 改ページプレビュー:印刷範囲が分かりやすい表示
- ページレイアウト:印刷イメージに近い表示
点線自体を完全に非表示にする方法
オプション設定での非表示
- 「ファイル」→「オプション」をクリック
- 左のメニューから「詳細設定」を選択
- 下にスクロールし「次のシートで作業するときに表示するオプション」の項目を探す
- 「改ページを表示する」のチェックを外す
これでシートを切り替えたり再表示すると、点線は出なくなります。
設定変更の影響
この設定を変更すると:
- 新しく開くファイルでも点線が表示されない
- 既存のファイルでも点線が消える
- 必要な時だけ改ページプレビューで確認できる
一時的に点線を隠す方法
ズーム機能を使う
- ズームを大きくすると点線が見えにくくなる
- Ctrl + マウスホイールで簡単に拡大
- 作業に集中しやすくなる
別のシートで作業
- 新しいシートを作成して作業
- 点線のないシートでデータを整理
- 完成後に元のシートに貼り付け
印刷範囲を自由に変える方法
印刷範囲を手動で指定する
「この表だけ印刷したい」場合は手動で印刷範囲を指定できます。
基本的な手順
- 印刷したい範囲をマウスで選択
- ドラッグして範囲を指定
- 複数範囲はCtrlキーを押しながら選択
- 上部メニューの「ページレイアウト」タブをクリック
- 「印刷範囲」→「印刷範囲の設定」
これで選んだ範囲だけが印刷対象になります。
印刷範囲設定のメリット
- 無駄な用紙を使わない
- 必要な部分だけ印刷
- 印刷時間の短縮
- インクの節約
印刷範囲をクリアする方法
設定した印刷範囲を解除したい場合:
- 「ページレイアウト」タブをクリック
- 「印刷範囲」→「印刷範囲のクリア」
これで全体が印刷対象に戻ります。
改ページを手動で設定する
点線の位置を自分で決めたい場合は「改ページの挿入」を使います。
改ページ挿入の手順
- セルを選択(その位置でページを分けたい場所)
- 改ページしたい行の最初のセルをクリック
- 「ページレイアウト」タブ → 「改ページ」 → 「改ページの挿入」
改ページの種類
- 水平改ページ:横方向にページを分ける
- 垂直改ページ:縦方向にページを分ける
- 両方向改ページ:縦横両方向にページを分ける
改ページの解除
不要な場合は同じメニューから「改ページの解除」で取り除けます:
- 改ページ線の下のセルを選択
- 「ページレイアウト」タブ → 「改ページ」 → 「改ページの解除」
印刷レイアウトの調整テクニック

1ページに収める方法
拡大縮小の設定
- 「ページレイアウト」タブをクリック
- 「拡大縮小印刷」の項目を見つける
- 「次のページ数に合わせて印刷」を選択
- 「横1×縦1」に設定
余白の調整
- 「ページレイアウト」タブ → 「余白」
- 「狭い」または「ユーザー設定の余白」を選択
- 上下左右の余白を小さくする
印刷の向きを変更
縦向きから横向きへ
- 「ページレイアウト」タブ → 「印刷の向き」
- 「横」を選択
これで横に長い表も1ページに収まりやすくなります。
行・列タイトルの印刷
見出しを全ページに印刷
- 「ページレイアウト」タブ → 「印刷タイトル」
- 「行のタイトル」または「列のタイトル」を設定
- 見出し行・列を指定
これで2ページ目以降にも見出しが印刷されます。
印刷プレビューの活用法
印刷プレビューの開き方
- 「ファイル」→「印刷」
- 右側に印刷プレビューが表示
プレビューでできること
ページ数の確認
- 全体で何ページになるか確認
- 各ページの内容を事前チェック
- レイアウトの問題を発見
設定の調整
- 印刷の向きの変更
- 用紙サイズの変更
- 拡大縮小の調整
改ページプレビューの使い方
改ページプレビューの開き方
- 「表示」タブ → 「改ページプレビュー」
- 青い点線でページ境界を確認
改ページプレビューでできること
- ページ境界の調整:点線をドラッグして移動
- 印刷範囲の確認:グレーの部分は印刷対象外
- 改ページの挿入・削除:右クリックメニューから操作
よくある問題と解決法
点線が表示されない場合
原因と対処法
原因1:標準表示になっている
- 対処法:改ページプレビューに切り替える
原因2:改ページ表示がオフになっている
- 対処法:オプション設定で改ページ表示をオンにする
原因3:印刷範囲が設定されていない
- 対処法:印刷プレビューを一度開く
点線の位置がおかしい場合
よくある原因
- 用紙サイズが間違っている
- 余白設定が適切でない
- 拡大縮小の設定が影響している
解決方法
- 「ページレイアウト」タブで用紙サイズを確認
- 余白設定を見直す
- 拡大縮小を100%に戻す
印刷範囲が正しく設定されない場合
チェックポイント
- セルの選択範囲が正しいか
- 結合セルが影響していないか
- 隠れた行・列がないか
解決のヒント
- 印刷範囲を一度クリアしてから再設定
- 改ページプレビューで視覚的に確認
- 印刷プレビューで最終チェック
応用テクニック

複数の印刷範囲を設定
設定方法
- 最初の範囲を選択して印刷範囲を設定
- Ctrlキーを押しながら追加の範囲を選択
- 「印刷範囲」→「印刷範囲に追加」
活用例
- 表とグラフを別々に印刷
- 重要な部分だけを抜粋
- 複数のデータを1つの用紙に
印刷設定のコピー
他のシートに設定をコピー
- 設定済みのシートを右クリック
- 「移動またはコピー」を選択
- 「コピーを作成する」にチェック
- 印刷設定も一緒にコピーされる
マクロを使った自動化
定期的な印刷作業の自動化
Sub SetPrintRange()
ActiveSheet.PageSetup.PrintArea = "$A$1:$F$20"
ActiveSheet.PrintPreview
End Sub
このようなマクロで印刷範囲の設定を自動化できます。
まとめ
Excelで突然現れる点線は、印刷範囲やページ区切りを示す大事な目安です。
重要なポイント
- 点線の意味:印刷範囲とページ境界を示すガイドライン
- 消し方:「表示」タブで標準表示に戻す、またはオプション設定で非表示
- 調整方法:印刷範囲の設定や改ページの挿入で自由に変更可能
作業効率を上げるコツ
- 作業中は標準表示で点線を非表示
- 印刷前は改ページプレビューで最終確認
- 印刷範囲を適切に設定して無駄な印刷を避ける
こんな場面で活用
- 資料作成:重要な部分だけを印刷
- データ分析:必要な範囲だけを出力
- レポート作成:ページ構成を事前に確認
- 会議資料:見やすいレイアウトで印刷
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