「Excel(エクセル)で別のシートやファイルに飛ぶリンクを作りたい」「WebサイトへのURLをきれいに貼り付けたい」
そんなときに便利なのが、Excelのリンク(ハイパーリンク)機能です。
でも、次のような疑問が出てきませんか?
- 文字列として貼るだけじゃダメ?
- クリックして別シートに移動するリンクを作りたい
- 他のブックへのリンクの貼り方が分からない
など、意外と細かいところで悩む方も多いです。
この記事では、Excelでのリンクの貼り付け方をわかりやすく解説します。
URLだけでなく、セルやファイルへのリンクも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
リンク機能が活躍する場面

ビジネスでの活用
- プロジェクト管理での関連資料へのアクセス
- 報告書から詳細データへのナビゲーション
- ダッシュボードから各部門データへのリンク
- 会議資料での参考サイト紹介
業務効率化のメリット
- 複数ファイル間の移動が簡単
- 必要な情報に素早くアクセス
- 資料の整理・管理が向上
- チーム間の情報共有促進
Excelのリンク貼り付けには3つのパターンがある
Webページ(URL)へのリンク
自動リンク化
セルに直接URL(例:https://example.com
)を入力すると、自動でハイパーリンクになります。
手動でのリンク設定
表示テキストを変更したい場合:
- セルを右クリック → 「リンク」
- 「アドレス」にURLを入力
- 「表示するテキスト」に任意の文字列を入力
HYPERLINK関数を使う方法
=HYPERLINK("https://example.com", "サイトを見る")
入力 | 表示 |
---|---|
https://example.com | https://example.com(自動リンク) |
=HYPERLINK("https://example.com", "サイトを見る") | サイトを見る |
URLリンクの活用例
参考資料の紹介
=HYPERLINK("https://microsoft.com/excel", "Excel公式サイト")
社内システムへのアクセス
=HYPERLINK("http://intranet.company.com", "社内ポータル")
同じブック内(別シートやセル)へのリンク
ダイアログからの設定
- セルを右クリック → 「リンク」
- 「このドキュメント内」を選択
- シート名やセル番地を指定
数式での作成方法
=HYPERLINK("#Sheet2!A1", "Sheet2のA1へ")
これを使えば、クリックで別シートのA1に移動できます。
より詳細な指定方法
特定セル範囲への移動
=HYPERLINK("#データ!B5:D10", "データ表を見る")
名前付き範囲への移動
=HYPERLINK("#売上表", "売上データへ")
目次の作成例
シート一覧から各シートに移動できる目次を作成:
シート名 | リンク |
---|---|
売上 | =HYPERLINK("#売上!A1", "売上データ") |
在庫 | =HYPERLINK("#在庫!A1", "在庫データ") |
顧客 | =HYPERLINK("#顧客!A1", "顧客リスト") |
他のExcelファイルや資料へのリンク
ダイアログからの設定
- セルを右クリック → 「リンク」
- 「ファイルまたはWebページ」を選択
- リンク先のファイルを指定
数式での作成方法
=HYPERLINK("C:\Users\Documents\資料.xlsx", "資料ファイルを開く")
これで、クリックするとそのExcelファイルが開きます。
パス指定のテクニック
相対パスの使用
=HYPERLINK(".\資料\売上データ.xlsx", "売上ファイル")
ネットワークパスの指定
=HYPERLINK("\\server\shared\資料.xlsx", "共有資料")
特定シートを開く
=HYPERLINK("[資料.xlsx]Sheet2!A1", "資料のSheet2")
高度なリンク活用テクニック

動的リンクの作成
セル値を参照したリンク
=HYPERLINK("#" & A1 & "!A1", A1 & "シートへ")
A1セルの値をシート名として使用するリンクが作成されます。
条件付きリンク
=IF(B1="完了", HYPERLINK("#完了!A1", "完了シートへ"), "未完了")
複数のリンクを一括作成
リストからのリンク自動生成
- シート名のリストを作成
- 隣接セルに次の数式を入力
=HYPERLINK("#" & A2 & "!A1", A2 & "シート")
- 数式を下にコピー
Eメールリンクの作成
基本的なメールリンク
=HYPERLINK("mailto:example@company.com", "メール送信")
件名と本文を含むメールリンク
=HYPERLINK("mailto:example@company.com?subject=件名&body=本文", "問い合わせメール")
よくある疑問Q&A
URLがリンクにならないときは?
原因と対処法
原因1: 入力後の確定方法が不適切
解決法:
- 入力後にEnterを押しただけではリンク化されない場合があります
- F2を押して編集モードに入り、そのままEnterを押すとリンクになります
原因2: 自動リンク機能がオフになっている
解決法:
- 「ファイル」→「オプション」→「文章校正」
- 「オートコレクトのオプション」
- 「入力中に自動書式設定する項目」で「インターネットとネットワークのパスをハイパーリンクに変更する」にチェック
リンクの表示文字を変えたい
HYPERLINK関数を使用
=HYPERLINK("https://example.com", "公式サイトへ")
このように第二引数に好きな文字列を入れればOKです。
既存リンクの編集
- リンクを右クリック → 「ハイパーリンクの編集」
- 「表示するテキスト」を変更
貼り付けるとリンクが勝手に無効になる
原因
コピー先で「形式を選択して貼り付け → 値のみ」にしてしまうとリンクが切れます
解決法
ハイパーリンクを維持したいときは:
- 普通に「貼り付け」を実行
- または「形式を選択して貼り付け」→「ハイパーリンクを保持」
リンクを無効化したい
一時的な無効化
- Ctrlキーを押しながらクリックでリンクを無効化してセル編集可能
完全な無効化
- セルを選択
- 右クリック → 「ハイパーリンクの削除」
リンクの管理とメンテナンス

リンク切れのチェック
手動チェック
- 「ファイル」→「情報」→「関連ドキュメントの確認」
- 「リンクの編集」でリンク状態を確認
一括更新
壊れたリンクを一括で更新:
- Ctrl+Hで置換ダイアログを開く
- 古いパスを新しいパスに一括置換
リンクのセキュリティ
外部リンクの警告
Excelは外部ファイルへのリンクを開く際に警告を表示します:
- 信頼できるファイルのみ「更新する」を選択
- 不明なファイルは「更新しない」を選択
リンクの無効化
セキュリティを重視する場合:
- 「ファイル」→「オプション」→「セキュリティセンター」
- 「外部コンテンツ」で適切な設定を選択
スタイルとデザインのカスタマイズ
リンクの色変更
訪問済みと未訪問の色設定
- 「ホーム」タブ → 「スタイル」グループ → 「セルのスタイル」
- 「ハイパーリンク」または「表示済みハイパーリンク」を右クリック
- 「変更」でフォント色を設定
見た目の統一
ボタン風リンクの作成
- セルに背景色を設定
- 枠線を追加
- 中央揃えでテキスト配置
- ハイパーリンクを設定
業務での実践的活用例
プロジェクト管理シート
関連資料へのリンク集
項目 | リンク |
---|---|
企画書 | =HYPERLINK(".\企画書.docx", "企画書を開く") |
予算表 | =HYPERLINK("#予算!A1", "予算詳細") |
進捗表 | =HYPERLINK("#進捗!A1", "進捗確認") |
ダッシュボードの作成
各部門データへのナビゲーション
=HYPERLINK("#営業!A1", "営業部データ")
=HYPERLINK("#製造!A1", "製造部データ")
=HYPERLINK("#総務!A1", "総務部データ")
報告書テンプレート
詳細データへのドリルダウン
=HYPERLINK("#詳細データ!A" & ROW(), "詳細を見る")
行番号に応じて異なる詳細データにリンクします。
まとめ
Excelのリンク貼り付けは、次のようにシンプルです:
基本的な使い分け
- URLならそのまま入力
- 別シートやセルなら
#シート名!セル
を使う - ファイルはフルパスでリンクを作る
活用のポイント
- 目的に応じたリンク形式の選択
- 適切な表示テキストの設定
- 定期的なリンク切れチェック
- セキュリティ設定の確認
業務効率化の効果
- Excel内の目次作成
- 関連ファイルへのナビゲーション
- 複雑なワークブックの整理
- チーム作業での情報共有促進
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