売上推移や気温の変化など、時間の流れに沿ってデータを見たいときに便利なのが折れ線グラフです。Excel(エクセル)には強力なグラフ機能があり、簡単な操作で折れ線グラフを作れます。
この記事では、初心者の方でも迷わずに折れ線グラフを作れるよう、以下の内容を分かりやすく解説します。
- Excelで折れ線グラフを作る基本手順
- うまく作れないときの原因と対策
- 見やすくするためのデザイン調整
- 複数のデータを同時に表示する方法
読んだその日から使える内容なので、ぜひ最後まで読んでみてください。
Excelで折れ線グラフを作る基本手順

データを用意する
まずは、縦に並んだ表を用意しましょう。
月 | 売上 |
---|---|
1月 | 100 |
2月 | 150 |
3月 | 130 |
4月 | 170 |
このように、左に項目(X軸)、右に数値(Y軸) の形で置くのがポイントです。
データ作成時の注意点
項目名は文字列にする
- 「1月」「2月」のように文字列にすることで、Excelがカテゴリ軸として認識します
- 単純に「1」「2」と数字だけにすると、連続データとして処理されてしまいます
数値データに空欄を作らない
- 空欄があると、線が途切れてしまいます
- データがない場合は「0」を入力するか、後でグラフを調整します
データ範囲を選択する
グラフにしたい表全体をドラッグして選びます。
選択のコツ
- 項目名も含めて選択:A1からデータの最後まで選択します
- 連続した範囲を選ぶ:途中に空欄がある列は避けます
- 見出し行も含める:グラフの凡例として使われます
例えば上の表なら A1:B5
を選択します。
挿入タブから「折れ線グラフ」を選ぶ
手順
- Excel上部メニューの「挿入」タブをクリック
- 「グラフ」グループの中にある「折れ線または面グラフの挿入」アイコンをクリック
- 表示されるメニューから好きなスタイルを選びます
折れ線グラフの種類
2-D 折れ線
- 最も基本的な折れ線グラフ
- 初心者におすすめ
マーカー付き折れ線
- 各データポイントに丸印が付きます
- データの位置が分かりやすい
積み上げ折れ線
- 複数のデータを重ねて表示
- 全体の傾向を見るのに便利
3-D 折れ線
- 立体的な表示
- 見た目は良いですが、データが読み取りにくい場合も
すると、すぐに折れ線グラフが挿入されます。
折れ線グラフがうまく作れないときの対処法
よくある問題と解決策
横軸(X軸)に数値が入ってしまう
原因 項目が数値として認識されている
解決策
- 項目を文字列に変更する(例:「1月」「2月」など)
- データの前に「’」を付けて文字列として認識させる
データに空欄や文字列が混じっている
原因 数値が入るべき場所に文字や空欄がある
解決策
- 表を整えてからグラフを作る
- 数値以外のデータは削除するか、0に置き換える
軸ラベルが変になる場合
原因 月を「1」「2」と数字だけにすると、Excelは連続データ(数値軸)として処理します
解決策 「1月」「2月」など文字列にすることでカテゴリ軸として表示されます
線がガタガタするとき
原因 データがばらつき過ぎている
解決策
- データ系列の軸を調整する
- 補助軸を設定する
- スムージング機能を使う
エラーメッセージの対処法
「グラフを作成できません」エラー
考えられる原因
- 選択範囲にグラフ化できないデータが含まれている
- データが少なすぎる(2つ以上のデータが必要)
解決策
- データ範囲を見直す
- 数値データが正しく入力されているか確認
見やすくするためのデザイン調整
グラフタイトルや凡例を編集
タイトルの変更
- グラフのタイトル部分をクリック
- 「売上推移」などに変更
- フォントサイズや色も調整可能
凡例の調整
- グラフを選択して右側の「+」マークをクリック
- 「凡例」にチェックを入れる
- 表示位置を「右」「下」「上」から選択
データラベルを追加
折れ線上の各ポイントに数値を表示するには:
- グラフをクリック
- 右側の「+」マークから「データラベル」をON
- 表示位置を「上」「右」「中央」から選択
データラベルの活用法
- 具体的な数値を見せたいときに便利
- プレゼンテーションで数値を強調したいとき
- データが少ないときに効果的
色や線の太さを変更
線の書式設定
- 折れ線をクリック
- 右クリック →「データ系列の書式設定」
- 線の太さや色を自由に変更
色選びのコツ
- 重要なデータは暖色系(赤、オレンジ)
- 補助的なデータは寒色系(青、緑)
- 背景とのコントラストを考える
軸の調整
Y軸の範囲設定
- Y軸をクリック
- 右クリック →「軸の書式設定」
- 最小値・最大値を手動で設定
X軸の表示間隔
- X軸をクリック
- 右クリック →「軸の書式設定」
- 「間隔の単位」を調整
複数のデータを同時に表示する方法

複数系列のデータ準備
月 | 売上 | 利益 |
---|---|---|
1月 | 100 | 20 |
2月 | 150 | 35 |
3月 | 130 | 25 |
4月 | 170 | 40 |
複数系列グラフの作成
- 全体のデータ範囲(A1:C5)を選択
- 「挿入」→「折れ線グラフ」を選択
- 自動的に複数の線が表示されます
複数系列のデザイン調整
系列ごとの色分け
- 各線をクリックして選択
- 右クリック →「データ系列の書式設定」
- 系列ごとに異なる色を設定
補助軸の設定
スケールが大きく異なるデータの場合:
- 一方の系列を右クリック
- 「データ系列の書式設定」
- 「第2軸」を選択
応用テクニック
予測線の追加
近似曲線の挿入
- 折れ線をクリック
- 右クリック →「近似曲線の追加」
- 「線形」「指数」「多項式」から選択
特定の値を強調
基準線の追加
- グラフをクリック
- 右側の「+」マーク →「グラフライン」
- 「降下線」「高低線」から選択
グラフのコピーと貼り付け
他のアプリケーションへの貼り付け
- グラフを選択
- Ctrl+C でコピー
- WordやPowerPointで Ctrl+V で貼り付け
トラブルシューティング
よくある問題と解決方法
グラフが表示されない
チェックポイント
- データが正しく選択されているか
- 数値データが文字列になっていないか
- 空欄が多すぎないか
線が途切れる
原因と対策
- データに空欄がある → 0を入力するか、「空のセルの表示」を変更
- データ型が混在している → 数値データに統一
軸ラベルが重なる
解決方法
- 軸を右クリック →「軸の書式設定」→「配置」で角度を調整
- フォントサイズを小さくする
- 表示間隔を調整する
まとめ
Excelの折れ線グラフは、以下の3ステップで簡単に作れます:
- データを表にする:左に項目、右に数値の形で整理
- 範囲を選んで:項目名も含めて全体を選択
- 挿入タブ → 折れ線グラフ:好きなスタイルを選択
さらに、以下の調整をすることで見やすく伝わるグラフになります:
- タイトルや凡例の追加
- 色や線の太さの調整
- データラベルの表示
- 軸の範囲設定
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