Excelが起動しない時の対処法|セーフモードの使い方と原因の切り分け方

Excelをダブルクリックしても何も起きない、起動直後にクラッシュする、「Excelは前回起動に失敗しました。セーフモードで起動しますか?」と表示される……。
こうした症状が出たとき、まず試すべきなのがセーフモードによる診断です。
この記事では、Excelのセーフモードの使い方と、セーフモードで起動できた・できなかったそれぞれの場合の具体的な対処法を、Microsoftの公式サポート情報をもとに解説します。


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ExcelのセーフモードとWindowsのセーフモードは別物

まず大切な前提として、2種類の「セーフモード」を混同しないようにしてください。

種類説明
Excelのセーフモード(Office Safe Mode)Excelをアドインやカスタム設定なしで起動する診断モード
WindowsのセーフモードWindows自体を最小限の状態で起動するモード

この2つはまったく別の機能です。
Microsoftの公式情報によると、Office 2013・2016などのバージョンでは、Windowsのセーフモード中はExcelが起動できないという既知の仕様があります(Microsoft Learn参照)。

この記事で扱うのは「Excelのセーフモード」です。
「WindowsをセーフモードにしてExcelを起動しようとしたがエラーが出る」という場合は、Windowsを通常起動に戻してから作業してください。


Excelのセーフモードとは何か

ExcelのセーフモードはMicrosoft公式サポートで案内されている診断用の起動モードで、以下を一時的に無効化した状態でExcelを立ち上げます(Microsoft サポート「Windows PC で Office アプリをセーフ モードで開く」より)。

  • Excelアドイン(追加機能プラグイン)
  • COMアドイン(外部プログラムとの連携機能)
  • カスタマイズされたツールバー
  • スタートアップフォルダ内のファイル
  • 代替スタートアップの場所

通常起動で問題が出るのにセーフモードでは正常に動く場合、原因はこれらのいずれかにある可能性が高いです。
セーフモードは問題の原因を切り分けるための診断ツールであり、修復ツールではないため、セーフモードのまま常用するものではありません。


Excelをセーフモードで起動する方法(2通り)

Microsoftの公式サポートでは、以下の2つの方法が案内されています。

方法①:Ctrlキーを押しながら起動する

  1. デスクトップやスタートメニューのExcelアイコンを見つける
  2. Ctrlキーを押したままExcelアイコンをダブルクリックする(Ctrlキーは離さない)
  3. 「セーフ モードで起動しますか?」というダイアログが表示されたら「はい」をクリックする

方法②:「ファイル名を指定して実行」からコマンドで起動する

  1. Windowsキー + Rを押して「ファイル名を指定して実行」を開く
  2. excel /safe と入力してEnterキーを押す(またはOKをクリックする)

どちらの方法でも、タイトルバーに「セーフ モード」と表示されていれば成功です。


セーフモードで起動できた場合の対処法

セーフモードでExcelが正常に起動した場合、アドインが原因である可能性が高いです。
Microsoftの公式手順では、COMアドインをすべて無効化して原因を特定する方法が案内されています。

COMアドインを無効にして原因を特定する

  1. Excelを通常モードで起動する
  2. 「ファイル」→「オプション」→「アドイン」を開く
  3. 画面下部の「管理」プルダウンから「COMアドイン」を選択して「設定」をクリックする
  4. すべてのチェックボックスをオフにして「OK」をクリックする
  5. Excelを閉じて通常モードで再起動し、問題が解決したか確認する

問題が解消した場合は、アドインを1つずつ有効に戻していき、問題が再発したアドインが原因です。
問題のあるアドインを特定できたら、そのアドインを無効のままにするか、最新バージョンに更新してください。

Excelアドインも確認する

COMアドインで原因が見つからない場合は、Excelアドインも確認します。

  1. 「ファイル」→「オプション」→「アドイン」を開く
  2. 「管理」から「Excelアドイン」を選択して「設定」をクリックする
  3. すべてのチェックボックスをオフにして「OK」をクリックする
  4. Excelを再起動して確認する

スタートアップフォルダのファイルを一時退避する

スタートアップフォルダ内のファイルが原因の場合があります。
以下のフォルダにファイルが入っていれば、別の場所へ一時的に移動してから再起動してみてください。

C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Roaming\Microsoft\Excel\XLSTART

AppDataフォルダは既定で非表示です。
エクスプローラーの「表示」→「隠しファイル」をオンにすると確認できます。


セーフモードでも起動しない場合の対処法

セーフモードでもExcelが起動しない場合は、アドインではなくOffice本体やシステムファイルに問題がある可能性があります。
Microsoftの公式手順では、以下の順番で対処することが推奨されています。

Step 1:OfficeとWindowsのUpdate(更新)を確認する

アップデートで既知の不具合が修正されるケースがあります。

Officeのアップデート確認

  1. Excelを開く(開ける場合)
  2. 「ファイル」→「アカウント」→「更新オプション」→「今すぐ更新」をクリックする

または、Microsoft 365 / Officeのバージョン確認は以下から行えます。
最新情報はMicrosoft サポート「Office の更新プログラムをインストールする」を参照してください。

Windowsのアップデート確認

  1. 「スタート」→「設定」→「Windows Update」を開く
  2. 「更新プログラムの確認」をクリックして最新の状態にする

Step 2:Officeの修復(クイック修復)

Officeの修復機能を使うと、破損したファイルを自動で検出・修復できます。
まずインターネット接続が不要な「クイック修復」から試してください。

  1. 「スタート」→「設定」→「アプリ」(Windows 10/11)を開く
  2. 一覧から「Microsoft 365」または「Microsoft Office」を選択する
  3. 「変更」(または「修復」)をクリックする
  4. クイック修復」を選択して「修復」をクリックする
  5. 修復が完了したらExcelを再起動して確認する

クイック修復で解決しない場合は、同じ手順で「オンライン修復」を実行してください。
オンライン修復はインターネット接続が必要で、修復に時間がかかりますが、より深い問題に対応できます。

Officeの修復手順の詳細はMicrosoft サポート「Office アプリケーションの修復」で確認できます。

Step 3:XLSTARTフォルダのファイルを確認する

Excelは起動時に特定のフォルダにあるファイルを自動的に読み込みます。
このフォルダ内に問題のあるファイルがあると、起動に失敗することがあります。

確認すべきフォルダは以下の通りです。

  • C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Roaming\Microsoft\Excel\XLSTART
  • C:\Program Files\Microsoft Office\root\Office16\XLSTART(64ビット版の場合)

フォルダ内にファイルが入っている場合は、別の場所へ移動してからExcelを起動してみてください。

Step 4:新しいユーザーアカウントで試す

ユーザープロファイルが破損していると、特定のユーザーでのみExcelが起動しなくなることがあります。
別のWindowsアカウントでログインしてExcelが起動するか確認してください。

別アカウントで正常に起動する場合は、元のアカウントのプロファイルを修復または再作成することが解決策となります。

Step 5:ウイルス対策ソフトの除外設定を確認する

ウイルス対策ソフト(セキュリティソフト)がExcelの起動を阻害しているケースがあります。
一時的にウイルス対策ソフトを無効にしてExcelが起動するか試してみてください。

起動できた場合は、ウイルス対策ソフトの除外設定にOfficeのインストールフォルダを追加することで解決できます(設定方法は各セキュリティソフトのサポートページで確認してください)。

Step 6:Officeのアンインストールと再インストール

修復インストールでも解決しない場合の最終手段です。

  1. 「スタート」→「設定」→「アプリ」から「Microsoft 365」を選択する
  2. 「アンインストール」をクリックして削除する
  3. Microsoftアカウントにサインインし、Microsoft 365のダウンロードページから再インストールする

注意: 再インストール前にExcelファイルなどのデータをバックアップしておいてください。アプリの設定(アドインの設定など)はリセットされます。


Microsoftの自動診断ツールを使う方法

Windows 10以降を使用している場合、Microsoftが提供する「Excel クラッシュ トラブルシューター」を利用できます。
このツールを使うと、セーフモードによる診断・アドインの無効化・XLSTARTフォルダのファイル移動などを自動で実行できます。

ツールの実行前に、以下をバックアップしておくことをMicrosoftは推奨しています。

  • レジストリ
  • XLSTARTフォルダ内のファイル

自動診断ツールはMicrosoft サポート「Excel が応答しない、ハングする、フリーズする、または動作が停止する」ページからアクセスできます。


セーフモードを解除して通常モードに戻す方法

セーフモードで起動したExcelを通常モードに戻すには、Excelを閉じて普通に再起動するだけです。
問題が解消していれば、次回から通常モードで起動します。

Ctrlキーを押したまま起動しない限り、通常の操作でセーフモードになることはありません。
ただし、前回の起動が異常終了した直後に起動すると、Excelが自動的にセーフモードを提案する場合があります。


まとめ

Excelが起動しないとき、まずExcelのセーフモードで起動を試みることで、原因を大きく2つに絞れます。

  • セーフモードで起動できた → アドインが原因の可能性が高い。COMアドインを1つずつ無効化して特定する
  • セーフモードでも起動しない → Officeの更新確認 → 修復(クイック修復→オンライン修復)→ 再インストールの順で対処する

なお「OfficeのセーフモードとWindowsのセーフモードは別物」という点は特に注意が必要です。
それぞれの対処法を順番に試して、問題を解決してみてください。


参考情報源:

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