「ExcelでURLをクリックしたらサイトに飛ばしたい」「別シートへ一瞬で移動したい」
そんなときに便利なのがハイパーリンクです。
でも実際に設定しようとすると、以下のような疑問が次々と出てきますよね:
- どこに何を入力すればいいの?
- シート内の特定セルに飛ばす方法って?
- ハイパーリンクの色を変えたい!
- ファイルを開くリンクも作れるの?
この記事では、Excelのハイパーリンクの設定方法を基本から応用までわかりやすく解説します。ちょっとした裏技も紹介するので、ぜひ最後まで読んでみてください。
Excelのハイパーリンクとは?

ハイパーリンクとは、クリックすると別の場所に移動できる仕組みのことです。
Excelでは以下のような場所にリンクを設定できます:
- 外部サイト: WebページやオンラインサービスFC
- 同じシート内: 特定のセルや範囲
- 別のシート: 同じファイル内の他のシート
- 別のファイル: ExcelファイルやWordファイルなど
- メールアドレス: メールソフトが起動
ハイパーリンクのメリット
ハイパーリンクを使うことで、以下のようなメリットがあります:
- 大きなファイルでも素早く目的の場所に移動
- 関連する資料やサイトにすぐアクセス
- 操作性の向上とユーザビリティアップ
- プレゼンテーション資料での効果的な案内
Excelでハイパーリンクを設定する基本
外部サイト(Webページ)へのリンク
マウスで設定する方法
最も基本的な設定方法は、右クリックメニューを使う方法です。
手順:
- リンクを設定したいセルを右クリック
- 「ハイパーリンク」を選択
- 「リンク先」にURL(例:https://www.google.com)を入力
- 「表示文字列」に表示したい文字を入力
- 「OK」を押す
これだけで完了です。
関数で設定する方法
HYPERLINK
関数を使えば、見た目のテキストを自由に設定できます。
=HYPERLINK("https://www.google.com", "Google検索")
この例では、「Google検索」と表示され、それをクリックするとGoogleのサイトが開きます。
URL入力時の注意点
URLを入力するときは、以下に注意しましょう:
- https://やhttp://を必ずつける: これがないとリンクが機能しません
- スペースを入れない: URLにスペースが入るとエラーになります
- 日本語URLはエンコードが必要な場合も: 特殊文字が含まれる場合は注意
シート内の特定セルに飛ぶ
シート内で見積書や台帳を作っているとき、「見積Noをクリックしたら詳細へ」などのリンクが便利です。
マウスで設定する方法
手順:
- 右クリック → 「ハイパーリンク」
- 左側の「このドキュメント内」を選択
- シート名とセル参照(例:Sheet2!A1)を選ぶ
- 必要に応じて表示文字列を変更
- 「OK」
関数で設定する方法
=HYPERLINK("#Sheet2!A1", "詳細はこちら")
ポイント:「#」を忘れずにつけるのが重要です。これがないとリンクが正しく動作しません。
セル範囲への参照
特定のセルだけでなく、範囲を指定することもできます:
=HYPERLINK("#データ!A1:C10", "データ一覧を見る")
別のファイルを開く
ローカルファイルへのリンク
同じフォルダや別のフォルダにあるファイルを開くリンクも作成できます。
絶対パスの例:
=HYPERLINK("C:\Documents\報告書.xlsx", "報告書を開く")
相対パスの例:
=HYPERLINK("レポート.xlsx", "レポートを開く")
相対パスを使うと、フォルダごと移動してもリンクが壊れにくくなります。
ネットワーク上のファイル
ネットワーク上のファイルにもリンクできます:
=HYPERLINK("\\server\folder\file.xlsx", "共有ファイル")
メールアドレスへのリンク
メールアドレスをクリックするとメールソフトが起動するリンクも作成できます。
=HYPERLINK("mailto:example@company.com", "担当者にメール")
件名や本文を事前に設定することも可能です:
=HYPERLINK("mailto:example@company.com?subject=問い合わせ&body=いつもお世話になっております。", "問い合わせメール")
知っておくと便利!ハイパーリンクの小技

リンクの色や下線を変えたい
Excelではデフォルトで青文字と下線がつきます。これを変えるには、「テーマ」→「セルのスタイル」→「リンク」や「使用済みリンク」を右クリックして変更します。
スタイルの変更手順
手順:
- 「ホーム」タブ → 「セルのスタイル」
- 「リンク」を右クリック → 「変更」
- 「書式設定」でフォント色や下線を変更
- 「OK」
直接フォント色や下線を消す方法もありますが、再びリンクをクリックすると元に戻るので、スタイルから変更するのがおすすめです。
相対パスでファイルを開く
HYPERLINK
関数を使って、同じフォルダ内のファイルを相対パスで開くことも可能です。
=HYPERLINK("レポート.xlsx", "レポートを開く")
ファイル名だけなら、同じフォルダ内を参照してくれます。
相対パスの書き方
- 同じフォルダ:
ファイル名.xlsx
- サブフォルダ:
フォルダ名\ファイル名.xlsx
- 親フォルダ:
..\ファイル名.xlsx
- 親フォルダのサブフォルダ:
..\別フォルダ\ファイル名.xlsx
ワンクリックでセル範囲を選択
特定の範囲を選択状態にするリンクも作成できます:
=HYPERLINK("#A1:C10", "データ範囲を選択")
これにより、クリックすると指定した範囲が選択された状態になります。
目次として活用
大きなワークブックでは、目次シートを作ってハイパーリンクで各シートに飛べるようにすると便利です。
目次の例:
=HYPERLINK("#売上データ!A1", "売上データを見る")
=HYPERLINK("#顧客リスト!A1", "顧客リストを見る")
=HYPERLINK("#分析結果!A1", "分析結果を見る")
ハイパーリンク設定でよくあるトラブルと対策
リンクをクリックしても何も起きない
考えられる原因と解決策:
- URLやセル参照が間違っている: 正しいアドレスか再確認
- シート内リンクで「#」が抜けている:
#Sheet2!A1
のように#をつける - ファイルパスが存在しない: ファイルの場所を確認
- セキュリティ設定: 「ファイル」→「オプション」→「セキュリティセンター」で確認
色がおかしくなった
解決策: 「セルのスタイル」からリンクスタイルを修正します。または、条件付き書式が適用されていないか確認しましょう。
別PCでファイルが開かない
問題の原因: フルパス(C:\Users…)で設定していると、他のPCでは同じフォルダ構造がない可能性があります。
解決策: 相対パスを使用するか、ネットワーク上の共有フォルダを使用しましょう。
リンクが自動で設定されてしまう
Excelは自動でURLやメールアドレスをハイパーリンクに変換します。これを防ぐには:
防止方法:
- 「ファイル」→「オプション」→「文章校正」
- 「オートコレクトのオプション」
- 「入力オートフォーマット」タブ
- 「インターネットとネットワークのパスをハイパーリンクに変更する」のチェックを外す
応用的な使い方
動的なハイパーリンク
他のセルの値を参照して、リンク先を動的に変更することもできます:
=HYPERLINK("#"&A1&"!A1", A1&"シートを開く")
この例では、A1セルの値をシート名として使用してリンクを作成します。
複数の条件でリンク先を変更
IF関数と組み合わせて、条件によってリンク先を変更することも可能です:
=HYPERLINK(IF(A1="売上","#売上!A1","#費用!A1"), "詳細を見る")
ボタン風のリンク
図形とハイパーリンクを組み合わせて、ボタン風のリンクを作ることもできます:
手順:
- 「挿入」→「図形」で四角形を描く
- 図形を右クリック→「ハイパーリンク」
- リンク先を設定
セキュリティの注意点
外部リンクの危険性
外部サイトへのリンクを設定するときは、以下に注意しましょう:
- 信頼できるサイトかどうか確認
- マルウェア感染の可能性があるサイトは避ける
- 社内での共有時は事前に確認
ファイルセキュリティ
ファイルへのリンクを設定するときも注意が必要です:
- 機密ファイルへの不適切なアクセス防止
- 権限のないユーザーがアクセスできないよう設定
- ネットワークセキュリティポリシーの確認
まとめ
Excelのハイパーリンクは、以下のような使い方ができる便利な機能です:
- 外部サイトに移動: URLでWebページを開く
- シート内移動: 大きなファイルでの快適なナビゲーション
- 別ファイルを開く: 関連資料への素早いアクセス
- メール送信: ワンクリックでメールソフト起動
設定方法は主に2つ:
- 右クリックメニューから設定(初心者におすすめ)
- HYPERLINK関数で設定(柔軟なカスタマイズが可能)
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