「この利益を出すには、いくら売ればいい?」「何時間働けば、希望の収入に届く?」
そんな”逆算したい”ときに便利なのが、Excelの「ゴールシーク」機能です。数式の一部を変えて、特定の結果を得るための入力値を自動で計算してくれます。
関数や複雑な計算を覚える必要はありません。今回はゴールシークの基本的な使い方と、よくある活用例を分かりやすく紹介します。
ゴールシークとは?

ゴールシーク(Goal Seek)は、Excelの「データ分析」機能の1つで、**「結果から逆算して、必要な入力値を求める」**ツールです。
たとえば「利益 = 売上 − 経費」という式があるとき、利益を目標額にしたい場合、必要な売上額を逆算できます。
基本的な仕組み
- 結果を先に決める:「利益100万円にしたい」
- 条件を指定する:「経費は50万円固定」
- 必要な値を計算:「売上150万円が必要」
このように、答えから質問への流れで計算するのがゴールシークの特徴です。
ゴールシークの使い方(3ステップで完了)
ステップ1:数式を入力する
まず、セルに数式を作っておきます。
例:=B2−B3
(利益=売上−経費)
ステップ2:「データ」タブ→「What-If分析」→「ゴールシーク」を選ぶ
- メニューの「データ」タブをクリック
- 「予測」グループの中にある「What-If分析」をクリック
- 「ゴールシーク」を選択
ステップ3:3つの項目を設定
- 数式セル:計算結果が表示されるセル(例:利益のセル)
- 目標値:達成したい数値(例:100000)
- 変化させるセル:調整したいセル(例:売上のセル)
設定して「OK」を押すと、自動で必要な値を計算してくれます。
? 実例:利益10万円を出すために必要な売上額を計算する
データの準備
A列 | B列 |
---|---|
売上 | ? |
経費 | 50,000 |
利益 | =B1−B2 |
操作手順
- 「利益」のセル(B3)に数式
=B1-B2
を入力 - 「データ」→「What-If分析」→「ゴールシーク」を選択
- 以下のように設定:
- 数式セル:B3
- 目標値:100000
- 変化させるセル:B1
- 「OK」をクリック
結果
売上は150,000円必要と表示されます。
? よくある活用例
ビジネスシーン
- 売上目標の逆算:「今月の利益目標を達成するには何個売ればいい?」
- 価格設定:「希望の利益率を確保するには、いくらで売ればいい?」
- 人件費計算:「予算内で何時間の作業を依頼できる?」
個人の活用例
- 試験対策:「平均80点を取るために、残りの科目で何点必要?」
- 貯金計画:「目標金額を達成するには、月いくら貯めればいい?」
- ローン返済:「毎月いくら返済すれば、5年で完済できる?」
⚠️ 注意点とポイント
制限事項
- ゴールシークは1つの変数しか変えられない
- 複数条件がある場合は「ソルバー」機能が必要
使用時の注意
- 数式が正しくないと機能しないため、事前に数式を確認しておくことが重要
- 結果はあくまで”理論値”なので、現実的な数値かどうかは別途チェックが必要
- 数式に循環参照がある場合は正常に動作しない
成功のコツ
- シンプルな計算から始める
- 数式を事前にテストしておく
- 結果が妥当かどうか検証する
? まとめ
Excelのゴールシークは、設定した結果から必要な数値を逆算できる非常に便利なツールです。
重要なポイント
- 3ステップの簡単操作で逆算が可能
- ビジネスから個人利用まで幅広く活用できる
- 1つの変数のみという制限があることを理解する
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