「関数が多すぎてどれを使えばいいかわからない」
「何となく使ってるけど、もっと効率よく作業したい」
そんなあなたにぴったりの、Excel関数の使い方&一覧まとめ記事です。
この記事では、基本関数から仕事に役立つ応用関数までをカテゴリ別に整理し、実例付きで紹介します。まずは「よく使う定番関数」から覚えましょう。
よく使う定番関数10選(まずこれだけ覚えよう)
関数名 | 何をする関数? | 使用例 |
---|---|---|
SUM | 数字を足し算する | =SUM(A1:A10) |
いい | 平均を計算する | =AVERAGE(B1:B5) |
IF | 条件で結果を変える | =IF(C1>70,"合格","不合格") |
COUNT | 数字の個数を数える | =COUNT(D1:D10) |
COUNTA | 空白以外を数える | =COUNTA(E1:E10) |
VLOOKUP | 縦方向に検索する | =VLOOKUP("田中",A2:C10,2,FALSE) |
HLOOKUP | 横方向に検索する | =HLOOKUP("売上",A1:Z3,2,FALSE) |
INDEX | 指定した場所の値を取る | =INDEX(A1:C3,2,1) |
MATCH | 値がどこにあるか調べる | =MATCH(90,B1:B5,0) |
IFERROR | エラーを防ぐ | =IFERROR(A1/B1,"エラー") |
カテゴリ別Excel関数一覧

① 数学・統計系関数(計算に使う)
基本的な計算
ROUND(数値, 桁数)
:四捨五入する=ROUND(3.14159, 2) → 3.14
INT(数値)
:小数点以下を切り捨てる=INT(3.9) → 3
MOD(数値, 除数)
:割り算の余りを求める=MOD(10, 3) → 1
ランダム(でたらめ)な数字
RAND()
:0から1の間のでたらめな数RANDBETWEEN(最小, 最大)
:指定した範囲のでたらめな数=RANDBETWEEN(1, 100) → 1から100の間の数字
② 文字列操作系関数(文字を扱う)
文字をくっつける
CONCAT
:文字をつなげる=CONCAT("田中", "太郎") → 田中太郎
文字の一部を取り出す
LEFT(文字列, 文字数)
:左から指定した文字数を取るRIGHT(文字列, 文字数)
:右から指定した文字数を取るMID(文字列, 開始位置, 文字数)
:途中から指定した文字数を取る=LEFT("田中太郎", 2) → 田中=RIGHT("田中太郎", 2) → 太郎=MID("田中太郎", 2, 2) → 中太
その他の文字操作
LEN(文字列)
:文字数を数えるFIND
・SEARCH
:文字の位置を調べるSUBSTITUTE
・REPLACE
:文字を置き換える
③ 日付・時間系関数(日付を扱う)
今の日付・時間
TODAY()
:今日の日付NOW()
:今の日付と時間
日付から情報を取り出す
YEAR(日付)
:年を取り出すMONTH(日付)
:月を取り出すDAY(日付)
:日を取り出す=YEAR(TODAY()) → 2025
日付の計算
DATEDIF(開始日, 終了日, 単位)
:日付の差を計算=DATEDIF("2025/1/1", "2025/12/31", "D") → 364日
NETWORKDAYS
:土日を除いた営業日数を計算
④ 論理・条件系関数(条件で判断する)
基本的な条件判断
IF(条件, 真の場合, 偽の場合)
:条件によって結果を変える=IF(A1>=60, "合格", "不合格")
複数の条件
AND(条件1, 条件2)
:すべての条件が満たされるかOR(条件1, 条件2)
:どれかの条件が満たされるか=IF(AND(A1>=60, B1>=60), "合格", "不合格")
より複雑な条件分岐
IFS
:複数の条件を一度に判断=IFS(A1>=90,"優",A1>=80,"良",A1>=70,"可",TRUE,"不可")
⑤ 検索・参照系関数(データを探す)
基本的な検索
VLOOKUP(検索値, 範囲, 列番号, 完全一致)
:縦方向に検索=VLOOKUP("田中", A2:C10, 2, FALSE)
より新しい検索方法
XLOOKUP
:新しくて便利な検索関数INDEX
+MATCH
:柔軟な検索ができる組み合わせ
データの抽出
FILTER
:条件に合うデータだけを取り出す
⑥ データベース系関数(条件付きで計算)
DSUM
:条件に合うデータの合計DCOUNT
:条件に合うデータの個数DAVERAGE
:条件に合うデータの平均
便利な組み合わせ例
例1:空欄をチェックして処理を変える
=IF(ISBLANK(A1), "未入力", A1)
説明: A1が空欄なら「未入力」、そうでなければA1の値を表示
例2:検索でエラーが出ても見やすく表示
=IFERROR(VLOOKUP("商品A", A2:C10, 2, FALSE), "該当なし")
説明: 検索してエラーが出たら「該当なし」と表示
例3:VLOOKUPより柔軟な検索
=INDEX(B2:B10, MATCH("田中", A2:A10, 0))
説明: 田中さんがA列の何行目にいるかを調べて、その行のB列の値を取得
実際に使える例

例1:成績表の作成
# 平均点の計算
=AVERAGE(B2:D2)
# 合格判定
=IF(E2>=60, "合格", "不合格")
# 評価の判定
=IFS(E2>=90,"優秀",E2>=80,"良い",E2>=70,"普通",TRUE,"要努力")
例2:売上データの分析
# 月別売上の合計
=SUMIF(A:A, "1月", B:B)
# 商品別の売上ランキング
=RANK(B2, B:B, 0)
# 目標達成率
=B2/C2*100
例3:出席管理
# 出席日数のカウント
=COUNTIF(B2:Z2, "○")
# 出席率の計算
=COUNTIF(B2:Z2, "○")/COUNTA(B2:Z2)*100
# 皆勤賞の判定
=IF(COUNTIF(B2:Z2, "×")=0, "皆勤賞", "")
関数を使うときの注意点
よくある間違い
1. 文字列を使うときは「”」で囲む
# 間違い
=IF(A1>70, 合格, 不合格)
# 正しい
=IF(A1>70, "合格", "不合格")
2. VLOOKUPの制限を理解する
- 検索する列は、取得したい列より左にある必要がある
- 解決策:INDEX + MATCH を使う
3. エラー処理を忘れない
# エラーが起きる可能性がある
=A1/B1
# エラー処理付き
=IFERROR(A1/B1, "計算不可")
覚えておくと便利なコツ
1. 相対参照と絶対参照
A1
:コピーすると位置が変わる(相対参照)$A$1
:コピーしても位置が変わらない(絶対参照)
2. 関数の入力補助
Ctrl + Shift + A
:関数の引数ヒントを表示F9
:選択した部分の計算結果を確認
3. デバッグのコツ
- 複雑な関数は段階的に作る
- 各部分の結果を別のセルで確認
まとめ
Excel関数は、最初は難しく感じるかもしれませんが、使いどころを押さえた関数を厳選して覚えるだけで、作業のスピードと正確性が大幅に向上します。
この記事のポイント
- まずは
SUM
、IF
、VLOOKUP
などの定番関数から覚えよう - 用途別に関数を使い分けることで複雑な処理も簡単に
- 関数の組み合わせで「自動化」や「入力チェック」ができる
- ミスを防ぐために
IFERROR
やISBLANK
も活用しよう
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