「同じ名前や番号が2回出てくるけど、見つけにくい…」 
「名簿や取引先リストで、重複をサッと見つけたい!」
Excelを使っていると、同じデータが重複して入力されてしまうことはよくあります。重複に気づかず資料を提出してしまうと、信頼性にも関わってしまうかもしれません。
この記事では、Excelで重複データを簡単に探す方法と、見つけた後の削除・抽出方法まで、実例を交えてわかりやすく解説します。
重複チェックをマスターして、正確なデータ管理を身につけましょう。
Excelで重複を探す方法(基本編)

条件付き書式で重複を見つける方法
詳しいステップ
- 調べたいセル範囲を選択(例:名前リスト)
 - 「ホーム」タブをクリック
 - 「条件付き書式」をクリック
 - 「セルの強調表示ルール」を選ぶ
 - 「重複する値」をクリック
 - 書式(色)を選んで「OK」
 
結果と効果
重複しているセルだけが自動で色付きになります。どのデータが重複しているかが、ひと目でわかるようになります。
条件付き書式の活用ポイント
視覚的な確認のメリット
- すぐに問題のあるデータがわかる
 - 確認や修正作業に便利
 - 印刷してチェックする資料にも向いている
 
色の選択のコツ
赤色 危険や注意を表示
黄色 注目や確認が必要
緑色 正常な状態
青色 情報や補足
注意点
- 空白も重複として判定
 - 大文字・小文字の区別はしない
 - 数字の形式違い(01と1など)に注意
 
並べ替えで重複を確認する方法
操作手順
- データ全体を選択
 - 「データ」タブ→「並べ替え」
 - 重複をチェックしたい列を基準にソート
 - 同じ値が隣同士に並ぶ
 
メリット
- 同じ値がまとまって見やすい
 - いくつ重複しているかがわかりやすい
 - 手動で内容を確認できる
 
Excelで重複データを削除する方法(応用編)
「重複の削除」機能を使う方法
詳しい操作ステップ
- 重複を削除したい範囲を選ぶ(表全体でもOK)
 - 「データ」タブをクリック
 - 「重複の削除」をクリック
 - 基準にする列を選んで「OK」
 
機能の特徴
重複している行のうち、1件目以外が自動削除されます。最初に出てきたデータが残り、後から出てきた重複データが消されます。
重要な注意点
バックアップの重要性
- 削除は元に戻せない場合がある
 - 事前にデータをコピーしてバックアップを取っておく
 - 別のシートやファイルに保存
 
どのデータが残るか
- 一番上(最初)のデータが残る
 - 最新ではなく最古のデータが優先
 - 日付順で並べてから実行することをおすすめ
 
フィルター機能で重複を絞り込む方法
高度なフィルター
- 「データ」タブ→「高度なフィルター」
 - 「重複レコードを除外する」にチェック
 - 「OK」で重複が非表示になる
 
メリットと使い分け
- 削除ではなく非表示なので安全
 - いつでも元に戻せる
 - 確認用として利用
 
関数で重複チェックする方法(関数編)
COUNTIF関数で重複を見分ける方法
基本的な関数
=COUNTIF(A:A, A2)>1
関数の説明
COUNTIF(A:A, A2) A列全体でセルA2と同じ値を数える
>1 1より多い(つまり2個以上)かどうか
TRUE(重複あり)かFALSE(なし)で表示
応用例:別列に「重複」と表示
=IF(COUNTIF(A:A, A2)>1, "重複", "")
この関数を使うと、判定結果がひと目でわかるチェック列を作れます。
より詳しい関数活用
複数列での重複チェック
名前と電話番号の組み合わせ
=COUNTIFS(A:A, A2, B:B, B2)>1
説明
COUNTIFS関数 複数の条件を同時にチェック
A:A, A2 A列(名前)がA2と同じ
B:B, B2 B列(電話番号)がB2と同じ
両方が同じ場合のみカウント
重複の個数を数える
=COUNTIF(A:A, A2)
この関数では、その値が全部で何個あるかがわかります。
条件付き重複チェック
特定の条件を加えた重複
=IF(AND(COUNTIF(A:A, A2)>1, B2="東京"), "東京内の重複", "")
このように、特定の地域や分類内での重複もチェックできます。
実例:顧客名簿の重複確認
元データ(A列)
| 項目 | 値 | 
|---|---|
| 氏名 | 田中一郎 | 
| 氏名 | 鈴木花子 | 
| 氏名 | 田中一郎 | 
| 氏名 | 山田太郎 | 
条件付き書式で色を付けると…
結果
田中一郎が2か所赤色に強調され、重複がひと目瞭然!
具体的な確認方法
- 重複したデータが赤く表示
 - 何個重複しているか数を数える
 - どちらが正式なデータか確認
 - 必要によって手動で修正
 
より複雑な例:複数項目での重複
データの例
| 名前 | 電話番号 | 住所 | 
|---|---|---|
| 鈴木太郎 | 090-1234-5678 | 東京 | 
| 田中花子 | 080-9876-5432 | 大阪 | 
| 鈴木太郎 | 090-1234-5678 | 東京 | 
| 山田次郎 | 070-1111-2222 | 名古屋 | 
関数でのチェック
=IF(COUNTIFS(A:A, A2, B:B, B2, C:C, C2)>1, "全項目重複", "")
これで、名前・電話番号・住所がすべて重複しているデータを見つけられます。
よくある質問と解決策

空白も「重複」としてカウントされる?
答え
はい、空白セルが複数あると、条件付き書式では同じ値とみなされます。
対処法
- 事前に空白セルを除去
 - フィルター機能で「空白ではない」条件を追加
 - 関数で空白を除外
 
=IF(AND(A2<>"", COUNTIF(A:A, A2)>1), "重複", "")
複数列を比較して重複を探したい
答え
「重複の削除」や関数で列を結合して比較すると対応できます。
具体的な方法
列を結合して重複チェック
=COUNTIF(A:A&B:B, A2&B2)>1
COUNTIFS関数で複数条件
=COUNTIFS(A:A, A2, B:B, B2)>1
補助列を作成
- C2セルに
=A2&B2を入力 - C列で重複チェックを実行
 
1番目ではなく最新のデータを残したい
答え
日付列で並べ替えしてから、重複削除を実行します。
手順
- 日付列で降順(新しい順)に並べ替え
 - 重複の削除を実行
 - 最新のデータが1番上になるので残る
 
重複したデータを別のシートに抜き出したい
答え
フィルター機能や関数を組み合わせて別シートにコピーできます。
手順
- 重複判定の関数列を追加
 - 「重複」と表示された行をフィルター
 - 表示されたデータを選択してコピー
 - 別シートに貼り付け
 
より高度な重複処理テクニック
条件付き重複削除
特定の条件での重複
- 同じ支社内での重複のみ対象
 - 特定の期間内のデータのみ
 - 分類やステータスでの絞り込み
 
例:同じ顧客の同じ月の注文重複
=COUNTIFS(A:A, A2, MONTH(C:C), MONTH(C2))>1
マクロを使った自動重複処理
基本的なマクロ
Sub RemoveDuplicates()
    Range("A1:C100").RemoveDuplicates Columns:=1, Header:=xlYes
End Sub
注意点
- マクロは元に戻せない
 - 十分なテストが必要
 - データのバックアップは必ず
 
ピボットテーブルでの重複分析
ピボットテーブルの活用
- データをピボットテーブルに変換
 - 重複したい項目を行ラベルに設定
 - 数の集計で重複数を確認
 
メリット
- 重複状況が全体的に把握
 - どのデータが一番重複しているかわかる
 - 分類別の重複状況も分析
 
効率的な重複チェックのワークフロー

作業前の準備
必須の準備作業
- 必ずデータのバックアップを作成
 - 重複チェックの目的を明確化
 - どのデータを残すかのルールを決める
 
データの整理
- 不要な空白行や列を削除
 - データの形式を統一
 - 並べ替えの基準を決定
 
効率的な作業順序
ステップ1:全体確認
- データを整理して並べ替え
 - まず条件付き書式で全体を確認
 
ステップ2:詳細分析
- 必要によって関数で詳しく調査
 - 複数条件での重複確認
 
ステップ3:処理実行
- 適切な方法で処理
 - 結果の確認とバックアップ更新
 
よくあるトラブルと対処法
条件付き書式が効かない
原因と対処法
セル形式の違い 数値と文字列が混在している場合は、形式を統一する
空白の扱い 空白セルも重複として扱われるため、事前に除去する
範囲の設定ミス 選択範囲を確認し直す
重複削除で予期しないデータが消えた
原因と対処法
並べ替えの問題 削除前にデータを適切に並べ替えていない
列の選択ミス 重複判定に使う列を間違えている
バックアップの復元 事前のバックアップから復元する
関数の結果がおかしい
原因と対処法
相対参照と絶対参照 範囲指定で$記号を適切に使う
データ型の違い 数値と文字列、日付形式の統一
関数の構文ミス 関数の書き方を確認し直す
まとめ
Excelでの重複チェックは、リスト管理やミス防止のために欠かせない作業です。
主な方法の使い分け
目的別の最適な方法
- 視覚的に探す → 条件付き書式
 - 一括削除したい → 重複の削除機能
 - 判定だけしたい → COUNTIF関数
 - 複数条件 → COUNTIFS関数
 
実践的な活用のコツ
安全な作業のために
- 必ずデータのバックアップを作成
 - 重複チェックの目的を明確化
 - どのデータを残すかのルールを決める
 - 段階的に作業を進める
 
効率性の向上
- テンプレート化でルーチン作業を短縮
 - チーム内での手順統一
 - 関数やマクロの共有
 
  
  
  
  
              
              
              
              
              

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