「Excel(エクセル)のファイル、誰がいつ編集したのか分からない…」
「間違ってデータを消してしまったけど、元に戻したい!」
こんな経験ありませんか?
実はExcelには編集履歴(変更履歴)を確認・管理する機能がいくつか用意されています。これを知っておくだけで、作業の安心感がぐっと増します。
この記事では、Excelで編集履歴をチェックする方法や、過去バージョンへの戻し方をわかりやすく紹介します。
Excelの編集履歴ってどんな機能?

「編集履歴」と言っても、Excelにはいくつかのレベルがあります。
代表的な履歴機能
現在のExcelで使える主な履歴機能は以下の通りです:
- バージョン履歴(OneDrive・SharePoint保存時)
- 共同編集時の変更追跡(リアルタイム表示)
- コメント機能(手動での記録)
- Windowsファイル履歴(OS機能)
- 自動回復機能(一時保存)
どれを使うかはファイルの保存場所やExcelのバージョンで変わります。
履歴機能の選び方
用途別のおすすめ:
- 日常的なバックアップ: バージョン履歴(OneDrive/SharePoint)
- チーム作業: 共同編集機能
- 詳細な変更記録: コメント機能
- 緊急時の復旧: Windowsファイル履歴
OneDriveやSharePointに保存しているなら「バージョン履歴」が超便利
ExcelファイルをOneDriveやSharePointに保存していれば、自動的に編集履歴(バージョン履歴)が残ります。
バージョン履歴の見方
手順:
- ファイルを開く
- 上部の「ファイル」タブ → 「情報」 → 「バージョン履歴」をクリック
- 過去のバージョン一覧が表示される
- 必要に応じて過去のバージョンを開いて確認
ここから過去の編集状態を開き、必要があれば復元することも可能です。
より簡単なアクセス方法
ファイル名からのアクセス:
- ファイル名右上に表示される「タイトルバー」から直接「バージョン履歴」を開ける場合もあります
- ブラウザ版Excelなら、ファイル名の横にある時計アイコンをクリック
バージョン履歴の特徴
メリット:
- 自動で保存される(手動設定不要)
- 過去30日分まで保存(有料プランではより長期間)
- 誰がいつ変更したかが分かる
- 変更内容の比較ができる
注意点:
- クラウド保存が前提(PCローカル保存では使えない)
- インターネット接続が必要
- 無料版OneDriveでは保存期間に制限あり
リアルタイムの共同編集履歴
OneDriveやSharePointに保存したファイルを複数人で編集する場合、リアルタイムで変更履歴を確認できます。
共同編集中の履歴確認
確認方法:
- 右上の「共有」ボタンから編集中のユーザーを確認
- セルの変更があると、編集者の名前と色付きの枠が表示
- 「校閲」タブ → 「変更の表示」で詳細履歴を表示
変更通知の設定
設定手順:
- 「ファイル」→ 「共有」→ 「共有相手の管理」
- 通知設定を変更
- 変更があったときにメール通知を受け取ることも可能
旧式の「変更履歴の記録」(共有ブック)は注意
昔のExcel(2016以前)では、「校閲」→「変更履歴の記録」をオンにして誰がどこを変えたか残せました。
現在は非推奨の理由
問題点:
- 多くの機能が制限される(表、ピボットテーブルなど使用不可)
- ファイルサイズが大きくなる
- 動作が不安定になりやすい
- セキュリティ面での問題
代替手段: 現在は新しい「共同編集機能」(OneDrive上のリアルタイム共有)に置き換わっています。こちらの方が安全で機能も豊富です。
コメント機能を使って簡易的に編集記録を残す方法
特定のセルに「この数値を誰がいつ変更したか」を残したいなら、コメント機能が便利です。
コメントの挿入方法
手順:
- 記録を残したいセルを右クリック
- 「新しいコメント」を選択
- 変更内容、変更者、日付を入力
記入例:
2025/7/16 田中:売上数値を1000から1200に修正
理由:追加受注分を反映
コメントの活用テクニック
効果的な使い方:
- 重要な変更には必ずコメント: 数式変更、重要データ修正時
- 統一フォーマットを決める: 「日付 名前:内容」など
- 定期的な見直し: 古いコメントは削除して見やすく保つ
スレッド機能も活用:
- 他の人がコメントに返信可能
- 議論の履歴も残せる
- @マークで特定の人にメンション
Windowsの「ファイル履歴」で過去に戻す
ファイル自体が壊れた・間違って保存した場合は、Windowsの「ファイル履歴」機能が助けてくれます。
ファイル履歴の使い方
手順:
- ファイルを右クリック → 「プロパティ」
- 「以前のバージョン」タブを選択
- 必要な日付のバージョンを選択
- 「復元」または「開く」をクリック
ファイル履歴を有効にする方法
事前設定(Windows 10/11):
- 「設定」→ 「更新とセキュリティ」→ 「バックアップ」
- 「ファイル履歴でバックアップ」をオン
- バックアップ先のドライブを選択
注意点:
- 事前に設定していない場合は使えません
- 外付けドライブまたはネットワークドライブが必要
- システム復元ポイントとは別の機能
自動回復機能(AutoRecover)
Excelには自動で作業を保存する機能があります。
自動回復の設定確認
手順:
- 「ファイル」→ 「オプション」→ 「保存」
- 「自動回復用データを次の間隔で保存する」を確認
- 推奨設定:10分間隔
自動回復ファイルの場所
一般的な保存場所:
C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Roaming\Microsoft\Excel\
回復方法:
- Excel起動時に「文書の回復」画面が表示
- 回復したいファイルを選択
- 手動で開く場合は「ファイル」→ 「情報」→ 「ブックの管理」
知っておくと便利!実務でのポイント

クラウド保存のメリット
重要ファイルの管理:
- 重要ファイルは必ずOneDriveやGoogle Driveなどに置く
- 自動履歴が残って安心
- どこからでもアクセス可能
- 誤って上書き保存した場合も「バージョン履歴」で元に戻せる
チーム作業での運用ルール
おすすめルール:
- 編集前に必ず最新版をダウンロード
- 重要な変更にはコメントを残す
- 担当範囲を明確に分ける
- 定期的な全体確認を実施
ファイル命名規則
バージョン管理しやすい名前の付け方:
売上データ_2025年7月_v1.0_田中.xlsx
プロジェクト進捗_20250716_最終版_山田.xlsx
含めるべき要素:
- 作成日または更新日
- バージョン番号
- 作成者名
- 用途や内容
トラブルシューティング
バージョン履歴が表示されない場合
考えられる原因と対策:
- ローカル保存している: OneDriveまたはSharePointに移動
- 同期が完了していない: しばらく待ってから再確認
- 権限がない: ファイル所有者に権限を確認
- 古いExcelバージョン: 最新版にアップデート
ファイルが開けない場合
対処法の優先順位:
- バージョン履歴から復元
- 自動回復ファイルを確認
- Windowsファイル履歴を使用
- Excelの修復機能を試す(ファイル→開く→参照→修復)
共同編集でトラブルが起きた場合
よくある問題と解決策:
- 同時編集で競合: 一時的にファイルを閉じて再度開く
- 変更が反映されない: インターネット接続とOneDrive同期を確認
- 権限エラー: ファイル所有者に編集権限を依頼
セキュリティと権限管理
編集履歴のプライバシー
注意点:
- バージョン履歴は共有者全員が見ることができる
- 個人情報や機密データの変更履歴も残る
- 削除したデータも履歴に残る場合がある
権限設定のベストプラクティス
推奨設定:
- 表示のみ: 参照だけが必要な人
- 編集可能: 実際に作業する人のみ
- 所有者権限: 必要最小限の人数
まとめ
Excelの編集履歴は、以下の方法で効果的に管理できます:
主要な履歴機能:
- OneDrive/SharePointのバージョン履歴: 最も便利で推奨
- コメント機能: 手動だが詳細な記録が可能
- Windowsファイル履歴: 緊急時のバックアップ
- 自動回復機能: 作業中の安全网
成功のポイント:
- クラウド保存を活用する
- チーム内でルールを統一する
- 定期的なバックアップを心がける
- 権限管理を適切に行う
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