「データを見やすくまとめたい」「プレゼン用にグラフを作りたい」と思っても、Excelの操作に慣れていないと少しハードルが高く感じますよね。
実は、Excelのグラフ作成はポイントを押さえればとても簡単です。さらに、関数を組み合わせればデータの加工や自動更新もスムーズにできます。
この記事では、Excelでのグラフの作り方と、一緒に覚えておくと便利な関数について、具体例を交えながら分かりやすく解説します。
なぜグラフが必要なの?

数値データの可視化
表だけでは分かりにくいデータも、グラフにすることで次のメリットがあります:
- トレンドが一目で分かる
- 比較が簡単になる
- 異常値やパターンに気づきやすい
- プレゼンテーションで説得力が増す
ビジネスでの活用場面
- 売上実績の報告
- 予算と実績の比較
- 市場シェアの分析
- 顧客満足度の推移
Excelでグラフを作る基本の流れ
データを用意する
グラフを作るためには、元になるデータが必要です。例えば以下のような表を作成します:
月 | 売上 |
---|---|
1月 | 100 |
2月 | 120 |
3月 | 90 |
データ作成のポイント
項目名(見出し)を入れることが重要です。これがあるとExcelが自動でラベルを認識してくれます。
データの整理方法
- 1行目に項目名を入れる
- データは連続した範囲に配置する
- 空白行は避ける
- 同じ列には同じ種類のデータを入れる
データを選択する
グラフにしたい範囲をマウスでドラッグして選択します。
先ほどの例なら、「月」と「売上」も含めて選択します。
選択のコツ
- 項目名も含めて選択する
- 連続した範囲を選ぶ
- 不要な空白セルは含めない
挿入タブからグラフを選ぶ
上部メニューの「挿入」タブをクリックし、「グラフ」グループから作りたいグラフを選びます。
主なグラフの種類
棒グラフ
- 数値の大小比較に最適
- 売上実績、アンケート結果など
折れ線グラフ
- 時系列データの変化を表示
- 売上推移、気温変化など
円グラフ
- 全体に占める割合を表示
- 市場シェア、予算配分など
選ぶと自動でシート上にグラフが作成されます。
より分かりやすくするためのコツ

タイトルや凡例を編集する
グラフを選択すると右上に「+」マークが出ます。そこから「グラフタイトル」や「凡例(ラベル)」を追加・削除できます。
カスタマイズのポイント
- 分かりやすいタイトルをつける
- 軸ラベルを設定する
- データラベルを表示する
- 凡例の位置を調整する
デザインを整える
「グラフデザイン」タブを使えば、色やレイアウトをワンクリックで変更可能です。
見やすいデザインのコツ
- 色は3〜4色程度に抑える
- 重要なデータは目立つ色にする
- 背景はシンプルにする
- フォントサイズは読みやすくする
一緒に使うと便利なExcel関数
グラフを作るときは、関数を使ってデータを計算するとさらに便利です。
SUM(合計)関数
売上や点数の合計を自動計算できます。
=SUM(B2:B4)
と入力すると、B2からB4の合計が出ます。
活用例
- 四半期売上の合計
- 部署別売上の合計
- 月別経費の合計
AVERAGE(平均)関数
平均値を簡単に計算できます。
=AVERAGE(B2:B4)
活用例
- 月平均売上
- 平均点の計算
- 平均コストの算出
IF(条件分岐)関数
例えば「売上が100以上なら『達成』、それ以外は『未達』と表示したい」場合は:
=IF(B2>=100, "達成", "未達")
と書くと自動で表示を切り替えてくれます。
より複雑な条件設定
=IF(B2>=120, "優秀", IF(B2>=100, "達成", "未達"))
3段階での評価も可能です。
COUNT・COUNTA関数
データの個数を数える関数です。
=COUNT(B2:B10) // 数値セルの個数
=COUNTA(B2:B10) // 空白以外のセルの個数
活用例
- 回答数の集計
- 有効データの確認
- 参加者数の算出
MAX・MIN関数
最大値・最小値を求める関数です。
=MAX(B2:B10) // 最大値
=MIN(B2:B10) // 最小値
活用例
- 最高売上月の特定
- 最低気温の確認
- 最高得点の把握
実例:関数で作った表をグラフ化

例えば、売上データにIF関数を使って「達成状況」を加えた表を作り、それを元にグラフを作ると「どの月が目標を達成しているか」を一目で把握できます。
月 | 売上 | 達成状況 |
---|---|---|
1月 | 100 | 達成 |
2月 | 120 | 達成 |
3月 | 90 | 未達 |
この表の「売上」をグラフにすると、視覚的にどの月が少ないかが分かります。
より詳細な分析例
売上推移と目標達成率
=IF(B2>=目標値, "達成", "未達")
この関数で達成状況を判定し、折れ線グラフで推移を表示できます。
前年同月比の計算
=((B2-C2)/C2)*100
前年同月比を計算して、成長率をグラフで表示することも可能です。
グラフの種類と用途
棒グラフ(縦棒・横棒)
適用場面
- 売上実績の比較
- 部署別パフォーマンス
- 商品別売上
作成のポイント
- 項目数が多い場合は横棒グラフが見やすい
- 値の大小関係を強調したい場合に最適
折れ線グラフ
適用場面
- 時系列データの変化
- 売上推移
- 株価の動き
作成のポイント
- データポイントを明確に表示
- トレンドラインの活用
円グラフ(ドーナツグラフ)
適用場面
- 市場シェア
- 予算配分
- アンケート結果の割合
作成のポイント
- 項目は5〜7個程度が見やすい
- 重要な項目は目立つ色にする
散布図
適用場面
- 相関関係の分析
- 広告費と売上の関係
- 気温と売上の関係
作成のポイント
- トレンドラインを追加
- 相関係数を表示
動的グラフの作成
テーブル機能の活用
データをテーブル化することで、データが追加されても自動でグラフが更新されます。
手順
- データ範囲を選択
- 「挿入」→「テーブル」
- テーブルを元にグラフを作成
名前の定義を使った動的範囲
=OFFSET(Sheet1.$A$1,0,0,COUNTA(Sheet1.$A:$A),2)
この数式を名前に定義することで、データが増減しても自動でグラフ範囲が調整されます。
グラフの応用テクニック

複合グラフの作成
売上(棒グラフ)と利益率(折れ線グラフ)を同時に表示することで、より詳細な分析が可能です。
作成手順
- 棒グラフを作成
- データ系列を選択
- 「グラフの種類の変更」で折れ線に変更
- 第2軸を設定
条件付き書式との組み合わせ
データに条件付き書式を適用することで、グラフと表の両方で視覚的な情報を提供できます。
設定例
=B2>=100 // 目標達成セルを緑色に
=B2<100 // 未達成セルを赤色に
トラブルシューティング
よくある問題と解決法
グラフが正しく表示されない
原因: データの形式が統一されていない
解決法: 数値データを確認し、文字列になっていないかチェック
軸の表示がおかしい
原因: 軸の設定が自動になっている
解決法: 軸を右クリックして「軸の書式設定」で手動設定
グラフが更新されない
原因: 数式の参照範囲が固定されている
解決法: 動的範囲の設定、またはテーブル機能を使用
まとめ
Excelのグラフ作りは、一度コツをつかめばとても簡単です。
重要なポイント
- まずはデータを正しく並べる
- 関数を活用して表を自動化する
- 挿入タブから目的に合ったグラフを選ぶ
- タイトルや軸ラベルを分かりやすくする
業務での活用メリット
- データ分析の効率化
- プレゼンテーションの説得力向上
- 意思決定の迅速化
- チーム内での情報共有促進
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