「Excel(エクセル)で、評価表やチェックリストを作ったけど…」
「○(丸)がいくつ入っているか数えたい!」
こんな場面、よくありますよね。
実はExcelには、丸(○)のような特定の記号を簡単にカウントする方法があります。
この記事では、丸の数を数える基本的な方法と、さらに応用的なテクニックをわかりやすく紹介します。
なぜ○の数を数えたいの?よくある使用場面

評価表での活用
- 従業員の評価集計(○=優秀、△=普通、×=要改善)
- 学生の成績管理(○=理解、△=一部理解、×=未理解)
- 商品の品質チェック(○=合格、×=不合格)
チェックリストでの活用
- タスクの完了状況確認(○=完了、空白=未完了)
- 在庫チェック(○=在庫あり、×=在庫なし)
- 参加者の出席確認(○=出席、×=欠席)
アンケート集計での活用
- 満足度調査(○=満足、△=普通、×=不満)
- 選択肢の回答数(○=はい、×=いいえ)
COUNTIF関数で丸を数える
Excelで「○」の数を数える一番かんたんな方法は、COUNTIF関数を使うことです。
基本の書き方
=COUNTIF(範囲, "○")
具体例
例えばA1:A10に評価の「○」「×」「△」が入っている場合:
=COUNTIF(A1:A10, "○")
と入力すると、○の数だけを数えてくれます。
実際の表での例
セル | 評価 |
---|---|
A1 | ○ |
A2 | × |
A3 | ○ |
A4 | △ |
A5 | ○ |
この場合、=COUNTIF(A1:A5, "○")
の結果は 3 になります。
他の記号も同時に数える
=COUNTIF(A1:A10, "×") ※×の数
=COUNTIF(A1:A10, "△") ※△の数
丸が途中に入っている文字を数えたいとき
例えば「○優秀」「○合格」のように、丸が他の文字と一緒に入っている場合は、**ワイルドカード(*)**を使います。
ワイルドカードを使う
=COUNTIF(A1:A10, "*○*")
これなら、○を含む文字列をすべて数えてくれます。
パターン別の書き方
丸で始まる文字を数える
=COUNTIF(A1:A10, "○*")
「○合格」「○優秀」などが対象になります。
丸で終わる文字を数える
=COUNTIF(A1:A10, "*○")
「合格○」「優秀○」などが対象になります。
実際の例
セル | 内容 |
---|---|
A1 | ○合格 |
A2 | ×不合格 |
A3 | 優秀○ |
A4 | ○優秀 |
=COUNTIF(A1:A4, "*○*")
→ 結果は 3(すべての○を含む)=COUNTIF(A1:A4, "○*")
→ 結果は 2(○で始まる)
複数条件で丸を数える場合

「○で、さらに別の条件も満たすものを数えたい」という場合は、COUNTIFS関数を使います。
例
B1:B10に「合格」か「不合格」が入っていて、A1:A10が「○」の場合だけを数えるなら:
=COUNTIFS(A1:A10, "○", B1:B10, "合格")
のように複数条件で絞り込めます。
より複雑な条件の例
3つの条件を満たすデータを数える
=COUNTIFS(A1:A10, "○", B1:B10, "合格", C1:C10, "男性")
これで「評価が○で、合格で、男性」の人数がわかります。
日付の条件も含める
=COUNTIFS(A1:A10, "○", D1:D10, ">=2024/1/1")
「評価が○で、2024年1月1日以降のデータ」を数えます。
ちょっと応用:丸をカウントしながら割合を出す
基本の割合計算
=COUNTIF(A1:A10,"○") / COUNTA(A1:A10)
とすると、全体に対する○の割合(率)が計算できます。
パーセンテージで表示したいときは、セルの書式を「%」に変えるだけでOKです。
より詳しい割合分析
各評価の割合を一度に出す
評価 | 数 | 割合 |
---|---|---|
○ | =COUNTIF(A1:A10,"○") | =COUNTIF(A1:A10,"○")/COUNTA(A1:A10) |
△ | =COUNTIF(A1:A10,"△") | =COUNTIF(A1:A10,"△")/COUNTA(A1:A10) |
× | =COUNTIF(A1:A10,"×") | =COUNTIF(A1:A10,"×")/COUNTA(A1:A10) |
合格率の計算
=COUNTIF(A1:A10,"○") / (COUNTIF(A1:A10,"○") + COUNTIF(A1:A10,"×"))
これで、○と×のデータだけを使った合格率が計算できます。
範囲を自動で調整する方法
動的な範囲指定
データが増減する可能性がある場合は、次のような方法が便利です:
=COUNTIF(A:A, "○")
A列全体を対象にするので、データが増えても自動で対応できます。
テーブル機能との組み合わせ
- データ範囲を選択
- 「挿入」→「テーブル」
- テーブル名を「評価表」とする
- 関数で
=COUNTIF(評価表[評価列], "○")
と記述
これでテーブルのサイズが変わっても、自動で範囲が調整されます。
複数シートにまたがる集計

複数シートの○を一度に数える
=COUNTIF(シート1.A1:A10,"○") + COUNTIF(シート2.A1:A10,"○") + COUNTIF(シート3.A1:A10,"○")
より効率的な方法(SUMPRODUCT関数)
=SUMPRODUCT(COUNTIF(INDIRECT("シート"&{1;2;3}&".A1:A10"),"○"))
注意ポイント
文字の種類に注意
- 「○」は全角の文字なので、半角文字(例えば〇やo)とは別です
- COUNTIFでは正確に同じ文字を判定します
- コピー&ペーストで「○」を入れると、環境によって違う丸になる場合もあるので注意
よくある間違い
全角と半角の混在
文字 | 種類 | COUNTIF結果 |
---|---|---|
○ | 全角 | カウントされる |
〇 | 全角(別の文字) | カウントされない |
o | 半角英字 | カウントされない |
空白との混同
空白セルは数えられないので、COUNTAとCOUNTの違いに注意:
COUNTA(A1:A10)
: 空白以外のセルを数えるCOUNT(A1:A10)
: 数値のセルだけを数える
データ入力時の統一ルール
チーム作業では、次のルールを決めておくと安心です:
- ○、△、×の文字を統一
- 入力方法を統一(手入力 or コピペ)
- テンプレートを用意
エラーが出たときの対処法
よくあるエラーと解決法
#VALUE!エラー
原因:範囲指定が間違っている 解決:範囲を正しく指定し直す
結果が0になる
原因:検索文字が見つからない 解決:検索対象の文字を確認する
期待より少ない数字
原因:全角・半角の混在、または隠れた文字 解決:データをクリーニングする
グラフ作成への応用
評価分布のグラフ作成
- 各評価の数をCOUNTIFで集計
- 集計結果を選択
- 「挿入」→「グラフ」→「円グラフ」
これで評価の分布が視覚的にわかります。
時系列での変化を見る
月別の○の数を集計して、折れ線グラフにすると改善傾向がわかります。
まとめ
Excelで○の数を数えるなら、次の使い分けがおすすめです:
- 基本:
=COUNTIF(範囲, "○")
- 部分一致:
=COUNTIF(範囲, "*○*")
- 複数条件:
=COUNTIFS
- 割合計算:
=COUNTIF(範囲, "○") / COUNTA(範囲)
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